データ分析のできる人材に求められるスキル・知識

最終更新日: 2026年8月7日

近年、インターネットの普及やIT技術の進歩によって、より多彩でより大量のデータを収集できるようになりました。収集された大量のデータを活かしたマーケティングを行うためには、データを分析できる人材の確保が必須となります。本記事では、データサイエンティストに求められるスキルについてご紹介していきます。

日本電気株式会社(NEC)は、2021年4月入社の新卒採用において、「データサイエンス」を含む一部の分野における人材に対して、これまでの学歴別初任給ではなく、人材のスキルに応じた能力給を採用しました。また、理工を専門とする国立大学だった東京工業大学(2024年10月に東京医科歯科大学と統合し「東京科学大学」へ改称)は2020年4月より「データサイエンス」と「人工知能(AI)」を専門とした教育を全ての大学院生を対象として開始しました。Yahoo!Japanなどから講師を招き、データサイエンスの基本的教育と、データサイエンスを活用し社会的課題の解決ができる人材の教育を行うという、当時としては国内でも先駆的な取り組みでした。

このように、優秀な人材の確保に企業が尽力しており、専門教育が開始されるほど、データを分析し、マーケティングに活かすことのできるスキルを持つ人材の需要が高まっています。

データサイエンティストとは?

そもそもデータサイエンティストとは、収集された大量のデータを分析して、サービスの提供や市場調査、将来予測を行うことのできる、データの高度な分析スキルを持った人材のことを指します。日本でも「ビッグデータ」という言葉が浸透しつつあり、大量のデータを分析しマーケティングへ活用することは、もはや企業活動において当たり前となっています。企業が保有するデータが大量かつ詳細になったことで、より社会に密接した消費者の声や特徴を知ることが可能となりました。しかし、それらのデータも、収集から分析、またその結果から対策を考えることができなければ、活かすことができません。データサイエンティストはこの一連の活動内の専門的な知識やスキルを持っている必要があります。

必要なスキル3分野

スキル分野 主な内容 代表的なツール・手法
プログラミング能力 データ収集・前処理・モデル実装 Python、R言語、SQL
数学・統計学の知識 データ分析・仮説検定・可視化 ロジスティック回帰・アソシエーション分析・Excel
ビジネス・マーケティングの知識 分析結果の課題解決・未来予測・施策立案 市場分析・KPI設計・A/Bテスト

プログラミング能力

データを活用したマーケティングを行う為には、まずデータの収集方法を構築しなければなりません。データの収集方法が多様化したことによって、効率的なデータの収集方法を開発することができるプログラミング能力が求められます。また、現在ではデータ収集に特化したツールを提供する企業も増えているため、アプリケーション開発やAI開発を行えるエンジニアの需要も高まっているのです。データサイエンスの分野において人気な言語としては、Python(パイソン)やRプログラミング言語があります。PythonやR言語は他の言語に比べて、データサイエンスに特化した言語で、予測を目的とした機械学習や設備への実装、統計解析まで可能です。

数学・統計学の知識

企業で開発を行わず、他社のツールやサービスを活用してデータ収集を行う場合もあります。このようなツールが進化していることから、データ収集はツールで行い、収集された結果を受け取り、分析を専門で行うことができる人材の需要も高まっています。有効な分析方法としては、ロジスティック回帰分析やアソシエーション分析が代表として挙げられます。収集されたデータを分析し、分析結果をグラフや表にまとめるスキルも必要です。これらの分析やグラフの作成は、Excelで作成が可能なものもあるので、理系出身者でなくても学習しやすい内容となります。問題の発見と解決に向けて、データと向き合う能力はデータサイエンティストとして必須の能力です。

ビジネス・マーケティングの知識

従来のデータサイエンティストは、データを収集、分析し、可視化するまでを専門としていることが多かったのですが、現在では分析結果からビジネスにおける課題に対してどう対策を立てることのできるスキルや未来予測を行うスキルも求められています。また、データを収集する段階から、必要な結果を求めるために収集すべきデータの項目を選定する際にも、ビジネス・マーケティングの知識が必要となります。これらの高度な知識を持つ人材は、企画部やマーケティングといった事業部門において活躍が期待され、開発部門への定義の作成やツールを購入する際の決定要因を定めるような役割も担うこととなるでしょう。

よくある質問

Q. 文系出身でもデータサイエンティストになれますか?
A. はい。統計分析やグラフ作成はExcelレベルから始められるため、文系出身者でも学習のハードルは低いです。特に「ビジネス・マーケティングの知識」は文系の強みが活きる分野です。プログラミングはPythonを独学・スクールで習得し、統計学は基礎から積み上げることで、未経験からデータサイエンティストへ転向する事例も増えています。
Q. PythonとR言語はどちらを学べばよいですか?
A. 就職・案件獲得の優先度ではPythonが有利です。Web開発・自動化・機械学習と幅広く使えるため汎用性が高く、企業の採用需要も多いです。R言語は統計・学術研究・製薬・医療データに強く、研究職や特定業界を目指す場合に加えて習得するのが効率的です。
Q. データサイエンティストとデータアナリストの違いは何ですか?
A. データアナリストは主に「過去・現在のデータを分析してレポートする」役割で、SQL・Excel・BIツール(Tableau等)を使うことが多いです。データサイエンティストはそれに加えて機械学習・統計モデリングによる「未来予測」や「新しい価値の発見」まで担います。スキルの難易度はデータサイエンティストの方が高く、年収も総じて高い傾向にあります。
Q. データサイエンティストの資格はありますか?
A. 日本では「統計検定(2級・準1級・1級)」「データサイエンティスト検定(DS検定)」が代表的です。国際資格としてはGoogle Professional Data Engineer、AWS Certified Machine Learning、IBM Data Scienceなどのクラウドベンダー認定も実務評価が高いです。資格よりも「Kaggle等のコンペ参加歴」「実務プロジェクトのポートフォリオ」の方が採用で効くケースも多いです。

まとめ

  • データサイエンティストは大量データの収集・分析・マーケティング活用まで一貫して担う専門人材で、NECによるスキル別能力給採用や東京科学大学(旧東京工業大学)のAI/DS専門教育など、需要の高まりを示す動きが続いている
  • 必要なスキルは「プログラミング能力(Python・R・SQL)」「数学・統計学の知識(ロジスティック回帰・アソシエーション分析等)」「ビジネス・マーケティングの知識」の3分野
  • プログラミングではデータ収集・前処理・機械学習実装まで担えるPython・R言語が主流で、SQLの知識も重要
  • 数学・統計学はExcelレベルのグラフ作成から始められるため、文系出身者にもエントリーの余地がある
  • 最近は分析結果をビジネス課題の解決策に落とし込む能力・未来予測スキルも求められ、企画部門・マーケティング部門での活躍機会も拡大している

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