SNS解析・調査の可能性と導入事例

最終更新日: 2026年8月7日

SNS(Social Networking Service)とは、インターネット上でネットワークを構築できるサービスのことです。X(旧Twitter)、Instagram、Facebook、LINEなどがSNSにあたります。これらはコミュニケーションツールとして広く認知されていますが、企業が公式のアカウントを作成し、消費者とSNSでつながるなど、マーケティングツールとしても活用されています。SNSマーケティングは、広告・CMといった一方的なマーケティングから、消費者の特徴・消費者のニーズをリアルタイムで調査できる特徴があります。本記事では、SNSマーケティングの有効性と、解析・調査の効果を得られた事例をご紹介いたします。

SNSマーケティングの特徴

SNS解析調査の重要度

SNSが普及し、ユーザーはユーザー自身のネットワークの他に、インターネット上でもネットワークを作ることが可能となりました。それによって、いつでも気軽に消費者が意見を交換し合い、情報を発信しています。SNSはリアルタイムな意見の集合体であるともいえるでしょう。SNSはもはや、日常生活の延長から日常生活の一部となっているため、SNSを解析することで、ユーザーの生で真の声を調査することができるのです。

SNS解析調査でわかること

ユーザーのSNS上の行動や発言を解析することで、トレンド・志向・ニーズが調査できます。例えば、世界中で20億人超が利用する写真や動画を共有できるInstagramでは、気に入った写真や動画を気に入った場合に押すことができる「いいね」ボタンの機能があります。「いいね」の数が多ければ多いほど、多くの人が好感を持っているということです。また、写真や動画を種類別に分類したり、撮影状況を説明する「ハッシュタグ」という機能があります。ハッシュタグには、場所や製品名などが入力されることが多いため、ユーザーの人気製品やトレンドを調査することも可能です。

Instagramは写真・動画を中心としたSNSですが、意見・情報といった文字を中心としたX(旧Twitter)、日常的な会話を中心としたLINEなど、SNSによって収集できる情報も異なります。多種多様なSNSが展開されているため、調査項目にあったSNSを見つけることができます。

SNS別の解析で得られる情報

SNS 主なコンテンツ 解析で得られる主な情報
X(旧Twitter) 短文テキスト・リポスト リアルタイムの意見・感情・トレンドワード・炎上検知
Instagram 写真・動画・ハッシュタグ ビジュアルトレンド・製品の使用状況・場所・人気商品
Facebook テキスト・写真・グループ 属性情報(年齢・性別・職業)・コミュニティの関心事
LINE 日常会話・公式アカウント 日常的な関心・クーポン反応率・友だち追加率
TikTok 短尺動画 若年層トレンド・動画視聴完了率・商品紹介の拡散状況

SNS解析・調査の事例

SNSの解析調査が導入された事例をご紹介いたします。

CMの反響調査

消費者の口コミや製品イメージが売上に大きく影響するため、広告作成に対して多くの企業が慎重になっているでしょう。

子供を中心に人気な鮮やかな色合いのゼリー「JELL-O」という製品が人気の食品・飲料会社クラフトフーズ・グループは、CMに対するSNS上の意見を解析調査し、新規顧客層の獲得と売上拡大に成功しています。

大人向けにイメージを刷新し、母親が子供たちに怖い話をして早く寝かせ、両親のみでゼリーを楽しむCMを流したところ、不快であるという苦情の電話が殺到してしまいました。CMの継続の判断に迫られた際に、SNS上の反響を調査したところ、苦情の電話を上回る肯定的な反応があったことがわかったのです。この結果をふまえ、CMを継続の決断を行い、売上の拡大と新しいイメージの定着・新規顧客の獲得に成功しました。

製品や企業に対する消費者の意見はさまざまですが、SNS解析を用いることでより多くの人の意見や企業に直接届けられていない意見も調査することができます。

製品の使用状況の調査

既存製品の売上拡大の為には、製品の新たな価値を発見・創造するために、市場調査や使用状況の調査を行います。

日本コカ・コーラ株式会社では、人気商品であるコカ・コーラがどのような状況で飲まれているのかをSNSに投稿された画像を解析することで調査をしています。コカ・コーラのロゴが映っている画像だけを抽出し、さらに、一緒に写っている物体の識別を行うことで、どのような状況で飲まれているかがわかるという解析方法です。この解析調査の結果、これまで行われたアンケート調査の結果の他に、コカ・コーラと共にペットが写りこんでいる写真が意外にも多く発見されています。

これまでのSNS調査は、文字を解析し調査するものが多かったですが、近年は写真や動画を中心としたSNSのユーザーが増加していることから、画像の状況を解析することができれば、トレンドに乗り遅れることなく、リアルタイムな市場調査が可能となります。製品と消費者の関係性や、今まで見落としていた市場を発見することができます。

よくある質問

Q. SNS解析ツールにはどのようなものがありますか?
A. 国内では「Social Insight」「Brandwatch」「Keywordmap」「Sprout Social」などが代表的です。X(旧Twitter)やInstagramのAPI連携でフォロワー数・エンゲージメント率・ハッシュタグ分析が可能です。大手プラットフォーム自体にも「X Analytics」「Instagram Insights」などの無料分析ツールがあり、小規模から始める場合はまずこれらを活用するのが効率的です。
Q. SNS解析とアンケート調査の違いは何ですか?
A. アンケート調査は「調査者が知りたい質問」に対する回答を集めますが、SNS解析は「消費者が自発的に発信した情報」を収集・分析します。SNS解析の強みは、本音(建前ではない率直な意見)を大量かつリアルタイムで収集できる点です。一方、回答者の属性特定が難しいため、アンケート(属性明確・質問設計可能)とSNS解析(大量・本音・リアルタイム)を組み合わせることで、より多角的な市場調査が可能になります。
Q. SNS解析でネガティブ意見が多かった場合、どう対処しますか?
A. まず否定的な意見の内容を分類し(品質不満・価格・接客・誤解から来るもの等)、原因を特定します。製品・サービスの改善につながる意見は対応方針を立て、誤解由来の意見は正確な情報発信で対処します。JELL-Oの事例のように、苦情電話の数だけを判断材料にせずSNS全体のポジネガ比率を見ることで、表面に出てこない多数意見を発見できる場合もあります。
Q. 画像解析を使ったSNS調査はどの企業でも導入できますか?
A. コカ・コーラの事例のような「ロゴ検出 + 共起物体識別」はAI画像認識サービス(Google Vision API、Amazon Rekognition等)を使えば、開発コストなしに実現できます。画像解析APIは従量課金制で、数千枚程度なら月数千円〜数万円で利用可能です。自社製品がビジュアル系SNS(Instagram・TikTok)でよく共有される場合は特に有効で、中小企業でも取り組みやすい分析手法になっています。

まとめ

  • SNSマーケティングは一方的な広告・CMと異なり、リアルタイムで消費者の本音・トレンド・ニーズを調査できる点が最大の特徴
  • SNSごとに収集できる情報が異なる(X:テキスト意見・感情/Instagram:ビジュアルトレンド・使用状況/LINE:日常的関心)ため、調査目的に合ったSNSの選択が重要
  • JELL-Oの事例では、苦情電話では測れなかった「肯定派が多数」という事実をSNS解析が明らかにし、CM継続の意思決定と売上拡大につながった
  • 日本コカ・コーラの事例では、画像解析によって「コカ・コーラと一緒にペットを撮影する」という新しい消費者との関係性を発見し、アンケート調査では得られなかった市場インサイトを獲得した
  • 今後はテキスト解析に加えて、画像・動画・絵文字・感情認識まで含む多層的なSNS解析が普及し、消費者の本音をより詳細に把握できるようになる

▼ アクロビジョンについて

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