OpenCVとは[入門]

最終更新日: 2026年8月7日

本記事ではIntelが開発したライブラリである「OpenCV」について解説します。そもそもOpenCVとは何か、OpenCVができることやその特徴、そしてWindowsとMacでのインストール方法などをご紹介します。

OpenCVとは

OpenCV(Open Source Computer Vision Library)とはディープラーニングできる、画像・動画に関する処理機能をまとめたOSSのライブラリです。誰でも無料で使う事ができるので、趣味でも商業目的でも利用することができます。また、OpenCVはWindows・Mac・Linux・iOS・Androidなどさまざまなプラットフォームに対応しています。

OpenCVで出来ること

OpenCVは様々な便利な機能をもっています。機能別にどのような事が出来るのかを以下にまとめました。

画像の読み込み・表示

普段目にしている画像というのは、コンピューターからしたら数値の羅列です。その数値の羅列を読み込みプログラム内で使用できるようにリスト化してくれます。

画像の作成・保存

画像の読み込みだけではなく画像の作成や保存、画像処理なども行えます。

画像の編集

画像を元にディープラーニングをする場合、非常に多くの教師データを学習させる必要があります。そこで1つの画像に対してOpenCVのトリミングやリサイズ・画像の回転機能を用いることで全く異なるピクセル配置のデータとして扱う事ができるのでデータの水増しをすることが出来ます。他にもモザイク処理やマスク処理、2枚の画像を合成することも可能です。

ノイズの除去

全体にノイズが乗っている状態だと機械学習の精度に影響する場合があります。そのため、画像解析の前処理としてノイズの除去も行うことが出来ます。

グレースケールへの変換

ディープラーニングではほとんどの場合膨大なメモリを必要とします。そのためマシンのリソース不足も念頭に置かなければなりません。そこで画像を解析する前に画像のデータをグレースケールに変換し計算量を減らすことでマシンへの負荷を減らすことが出来ます。

テンプレートマッチング

テンプレートマッチングとは画像の中から特定の画像と類似する部分を見つけ出す処理です。フォルダ内の写真と同一人物かを判定する際などに用いられます。

物体の検出

解析する画像の中にある特定の物体のカテゴリーや位置を判別することを物体検出と言います。例えば、ディープラーニングを用いてある看板の画像データを学習させることでその看板データを読み取り、位置を特定しクーポン券やWEBサイトを表示するという事も出来ます。

OpenCVの特徴

上記のような機能が備わっているOpenCVですが、どのような特徴があるかをご紹介します。

画像処理の前処理が出来る

画像の解析には必ず前処理が必要です。前処理とはマシンが学習しやすいようにデータを整えてあげることを言います。先ほども述べたノイズ処理や統計処理を行う事で、より精度の高い機械学習をさせることができます。OpenCVはそのような作業を比較的簡単に行うことが出来ます。

様々なライブラリとの組み合わせが可能

Pythonには高機能な数値計算のライブラリが無数に備わっていて、それらとOpenCVを組み合わせ活用することにより、高精度の画像処理を行うことが出来ます。

AR・VRの開発ができる

OpenCVは物体の位置情報や動きの解析・物体追跡などを行う事ができるので、ARやVRの開発のハードルを下げることが出来ます。

OpenCVをインストールする方法

OpenCVはPythonで画像認識のプログラムを作成する際によく使われるので、それを前提としてWindowsとMacでのインストール方法を解説します。

Windowsでのインストール

Windowsの場合はpipでセットアップすることが可能です。コマンドプロンプトかPowerShellで以下のコマンドを入力します。

pip install opencv-python

numpyなどの依存パッケージもまとめてインストールされます。もしエラーが出る場合は下記コマンドでpipをアップデートします。

pip install –upgrade pip

Macでのインストール

Macの場合はHomebrewを使ったインストールが簡単です。事前にHomebrewをインストールしておきましょう。

まずは最新版のPythonをインストールします。

brew install python3

PythonでOpenCVを動かす際にはnumpyのインストールが必須になります。そこで下記コマンドを入力しましょう。

pip3 install numpy

フォーミュラと呼ばれるインストール・ビルド方法が書かれたスクリプトをOpenCV用に追加します。下記のコマンドを入力します。

brew tap homebrew/science

最後にOpenCVをインストールします。

brew install opencv3 –with-python3 –without-python

OpenCV主要機能一覧

機能カテゴリ 主な機能 代表的な利用シーン
画像 I/O 読み込み・表示・保存・作成 前処理パイプラインの入出力
画像編集 トリミング・リサイズ・回転・合成・モザイク データ拡張(Augmentation)
前処理 ノイズ除去・グレースケール変換・統計処理 機械学習モデルの精度向上・負荷軽減
物体検出・認識 テンプレートマッチング・物体検出 顔認識・看板読み取り・異常検知
AR/VR支援 位置情報解析・動き検出・物体追跡 ARフィルター・VR空間認識・自動運転補助

よくある質問

Q. OpenCVはどのプログラミング言語で使えますか?
A. OpenCVはC++・Python・Java・MATLAB向けの公式バインディングが提供されており、これらの言語から利用できます。中でもPythonのバインディング(opencv-python)が最も広く使われており、pip一行でインストールできる手軽さとNumPy・scikit-learnなどとの組み合わせの良さから、機械学習・画像処理の入門にPython+OpenCVが標準的な選択肢となっています。
Q. OpenCVとPillowの違いは何ですか?
A. Pillow(PIL)はシンプルな画像の読み込み・編集・保存に特化したPythonライブラリです。一方OpenCVはディープラーニング・物体検出・動画処理・AR/VRなどの高度なコンピュータービジョン機能まで幅広く対応しています。単純な画像の切り抜きやフォーマット変換であればPillow、機械学習やリアルタイム映像処理が絡む場合はOpenCVという使い分けが一般的です。NumPy配列を直接扱える点もOpenCVの強みです。
Q. OpenCVで動画のリアルタイム処理はできますか?
A. できます。cv2.VideoCapture()を使ってWebカメラや動画ファイルからフレームを取得し、各フレームに対して物体検出・顔認識・エフェクト追加などの処理をリアルタイムで行うことが可能です。例えばWebカメラの映像に対してリアルタイム顔検出を行い、顔の周りに矩形を描画するプログラムは10〜20行程度で実装できます。ディープラーニングモデルと組み合わせることで精度の高いリアルタイム解析も実現できます。
Q. OpenCVを学ぶのに必要な前提知識は何ですか?
A. Pythonの基本的な文法(変数・関数・for文・リスト)とNumPyの基礎知識があれば入門できます。NumPyはOpenCVが内部でデータを配列として扱うため必須です。機械学習・ディープラーニングへの応用を目指す場合はさらにscikit-learn・TensorFlow/PyTorchの知識が役立ちます。まずはcv2.imshow()で画像を表示するところから始め、少しずつフィルタや認識機能を追加していくと学習しやすいです。

まとめ

  • OpenCV(Open Source Computer Vision Library)はIntelが開発したOSSの画像・動画処理ライブラリで、無料で商用利用も可能
  • 画像の読み込み・編集・ノイズ除去・グレースケール変換・物体検出・テンプレートマッチングなど幅広い機能を持つ
  • Pythonの数値計算ライブラリ(NumPy等)と組み合わせることで高精度の画像処理・機械学習が実現できる
  • AR/VR開発の基盤としても活用可能で、物体追跡・位置情報解析などの機能がその開発ハードルを下げる
  • Windowsはpip、Macはhomebrewで手軽にインストールでき、機械学習・ディープラーニングを学ぶ入口として最適

▼ アクロビジョンについて

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