Google Apps Script iOS

Google Appsとは…

Google Appsとは、Google社が提供しているパブリッククラウド型のサービスのことです。
Google Appsを導入することにより、
Gmailやハングアウト、スプレッドシートなどのドキュメントの共有(管理や編集)だけでなく、スケジュール共有(Googleカレンダー)といったサービスによる情報共有ができるようになります。
またGoogle Appsを使用することにより、IT コストを削減できるだけでなく生産性を高めることができます。これらのGoogle Appsを使ったことがないという方は少ないのではないでしょうか。

Google Apps Script (GAS)とは…

Google Apps Scriptは頭文字をとって「GAS(ガス)」と略されます。

Google Apps Scriptとは、GmailやGoogleカレンダー、Googleドライブなど、Googleが提供しているさまざまなツールやサービスを連携して利用するためにGoogleが開発し、提供しているJavaScript ベースのプログラミング言語です。Google Apps Scriptは開発環境の構築が必要なく、Googleアカウントとインターネット環境さえあれば利用できます。また、Google Apps Scriptは無料で利用できます。

JavaScriptというのは、Webブラウザ上で動作するプログラミング言語で、Webサービスを作ろうと思ったときには避けては通ることができない言語ですので、ある程度の学習が必要になります。ただし、JavaScriptはエンジニアにとってはポピュラーな言語なので学習コストは多少低いのではないでしょうか。

Google Apps Scripを使えば、カスタムのメニューやダイアログ、サイドバーを Google ドキュメント、スプレッドシート、フォームに追加することができますし、GmailやGoogleカレンダなどのGoogleが提供しているさまざまなサービスと連携して活用することができます。

例えば、GoogleスプレッドシートやGoogleドキュメントなどの操作を自動化して表やグラフを作成することや、決まったフォーマットにドキュメントを整理すること、ファイルの共有管理などができます。
また、Gmailに届いた添付ファイルをGoogleドライブに共有する場合にも、ファイルを自動で共有フォルダにアップロードするように設定できますし、メールの自動送信や返信もできます。

今回はこのようなGoogle Apps ScriptをiPhone(iOS)で操作するための内容について紹介していきます。

ショートカットを使う

iOS : 12.0 以降からiPhoneにはショートカットという機能が新たに加わりました。
ショートカットでは、PhoneやiPadの複数の機能や操作を自動化してくれます。少し説明をしますと、「アクション」と呼ばれるさまざまな操作を組み合わせることで、ワンタップやSiriの呼び出し、位置情報の変化によって登録した操作を実行することができます。

例えば友人の家までの経路を出したい場合、普通ならマップを立ちあげ、検索窓に住所を入力して検索を実行するという操作行う必要があります。しかしこのショートカットを使えば、これらの操作をショートカット化して「マイショートカット」に保存することで、ワンタップやSiriに言うだけで結果が表示されてしまうと言うことです。
他にも、
・“Wi-Fiをオフにする”とiPhoneに話しかけるだけWi-Fiが完全にオフにできる。
・起きる時間設定しておくことができる。
・Webのサイトを登録しておくことで、わざわざ調べることなくそのページが開く。
といったことが可能です。

さて、このショートカットを使えば先ほど挙げた例の3つ目にもあるように、URLを実行することができます。つまりGASで作られた内容のURLのショートカットを作成しておくことで、iOS上で実行することが可能であると言うことになります。
したがって必要な手順は、まずGoogle Apps Scriptでスクリプトを公開することです。
Google Apps Scriptを開くと現れる画面を次のように書き換えます。

 function myFunction() {
 }
    ↓
 function doGet(){
  //ここに実行したい処理を書いて行く
 }

処理を書いたら、「公開」→「アプリケーションとして導入」を選択します。
公開範囲を尋ねられますので「全員(匿名ユーザーを含む)」としてください。
最後にURLが表示されますので、コピーしてください。

そうしたら、あとはショートカットアプリの操作です。「URL」を選択して先ほどのURLを貼り付け、URLの取得内容の表示が「GET」になっていることが確認できればショートカットへの登録が完了です。その後Siriからの呼び出し方も決めることができます!

また、Postを使って送信したデータをGoogleスプレッドシートに書き込むこともできます。

 function myFunction() {
 }
    ↓
 function doPost(){
  //ここに実行したい処理を書いて行く
 }

Postの場合は、ショートカットアプリ内の操作が先程と異なりますのでPost用に設定します。
「URL」を選択して先ほどのURLを貼り付け、URLの取得方法が「POST」になっていることが確認し、本文を要求を「JSON」にします。
次に、「新規フィールドの追加」を選択し、このショートカットからGoolge Apps Scriptに送信したいPOSTデータを作成して行くと、GASの方にも結果が返されています。

最後に…

今回はGoogle Apps Scriptを使ってiOSのショートカット操作するということについて紹介しました。
私はそもそもショートカットを使ったことがなかったのですが、今回、自身のiPhoneを操作しながらこの記事を書きました。非常に便利だと知りましたので、これを機に使ってみようと思いました。iOSとの連携について他の応用も考えてみたいですね。

ちなみに今回MacbookでGoogle Apps Scriptを編集したURLのコピーをiPhoneに送り、iPhoneでGoogle Apps Scriptを触って見ましたが、画面が小さく、文字を打ち込みたいところを選択することが難しかったので、打ち間違いや時間の浪費につながるように感じました。
したがって、Google Apps Scriptを編集する際はiPhoneを使うのではなくパソコンを使って作業することをお勧めします。