IT環境を整備してテレワークを始めよう

最終更新日: 2026年8月7日

IT環境を整備してテレワークを始めよう|3方式の比較と選び方

テレワークは働き方改革の一環として注目を集め、コロナ禍(2020〜2023年)を経て多くの企業に定着しました。テレワーク導入の大きな障壁となるのがIT環境の整備です。本記事では、テレワークの目的と、リモートデスクトップ・仮想デスクトップ・クラウドの3つのIT環境構築方式をわかりやすく解説します。

テレワークとは

テレワークとはtele(離れたところで)+work(働く)を合わせた言葉で、ICTを活用した場所や時間にとらわれない自由な働き方を指します。在宅勤務・モバイルワーク・サテライトオフィス勤務などが代表的なスタイルです。

ICTとは「Information and Communication Technology」の略で、IT技術を活用したコミュニケーション方法を指します。メール・SNS・ビデオ会議などは代表的なICTサービスです。テレワーク導入前は日本の導入率は低水準(2020年以前で約20%)でしたが、コロナ禍を経て現在はIT・Web系企業を中心に大幅に普及・定着しています。

テレワークの目的

人材の確保

少子高齢化社会において、労働力確保にテレワークは効果的です。子育て中の女性・障がい者・介護中の方など、通勤が困難な働き手の雇用機会を拡大し、人手不足をカバーします。また全国・海外の優秀な人材を採用できるため、人材の多様性確保にも貢献します。

業務効率化

通勤時間・会議のための移動時間が削減できることで、業務以外に費やす時間を短縮し、業務効率を高められます。テレワーク先からアクセスできる共有フォルダを活用することで、データの迅速な共有も可能になります。

ワーク・ライフ・バランスの実現

仕事・育児・介護・趣味・休養の調和(ワークライフバランス)を図ることで、働き手の心身の健康を保てます。早く帰宅できることで資格取得・自己学習など、個人の能力向上にもつながります。

非常時の事業継続

地震・台風・感染症流行などの非常時に社員が出社できない状況でも、テレワーク体制を整備しておくことで業務を継続できます。オフィスを複数拠点に分散させることで、1拠点の被害が事業全体に波及するリスクも軽減できます。

テレワークに必要なIT環境(3方式)

テレワーク導入で最初の障壁となるのがIT環境の構築です。主要な方式は以下の3つです。ツール・サービスを選ぶ前に、まず自社に適した方式を選定することが重要です。

1. リモートデスクトップ方式

オフィスに設置されているPCを、別の端末(PC・タブレット等)から遠隔で操作する方式です。リモートデスクトップ用ソフトウェアを導入するだけで使えるため、手軽に始められます。

  • 遠隔操作・閲覧のみのため、操作端末側にデータが残らず情報漏洩リスクが低い
  • 既存システムをほぼそのまま活用できる
  • オフィスのPCの電源がONでないとアクセスできないのがデメリット

2. 仮想デスクトップ方式(VDI)

サーバが提供する仮想デスクトップに、端末からアクセスする方式です。VDI(仮想デスクトップ基盤)ソフトウェアを社内サーバに導入して構築します。

  • 1台の端末をオフィス用・リモート用の両方で使えるため端末コストを削減できる
  • 作業内容はサーバに保存されるため情報漏洩リスクが低い
  • OS・セキュリティソフトのアップデートをサーバ側で一括管理できる
  • グラフィック処理が多い設計・デザイン職には不向き

3. クラウド方式

クラウド型アプリケーションにWebブラウザやクライアントソフトでアクセスし、場所・時間を問わず業務システムを使う方式です。Microsoft 365(旧Office 365)・クラウド勤怠管理・経費精算システムなどが代表例です。

  • 社内システムを改変せずサービス契約だけで導入できる手軽さが特長
  • テレワーク導入の初期段階や部分的な用途に最適
  • ブラウザ使用によりメモリを消費するため、端末のスペックに注意が必要
  • アプリケーションのライセンス更新費用が継続的にかかる

3方式の比較表

方式 導入コスト 情報漏洩リスク 向いている用途
リモートデスクトップ 低 低 手軽に始めたい・既存PCを活用したい
仮想デスクトップ(VDI) 中〜高 低 IT管理を集中化したい・端末を共有したい
クラウド 低〜中 中 スモールスタート・特定業務のリモート化

よくある質問

Q. テレワーク導入を最もコストをかけずに始めるには?
A. リモートデスクトップ方式またはクラウド方式がコスト低で始めやすいです。Microsoft 365やGoogle Workspaceのクラウドスイートを契約するだけで、ビデオ会議・チャット・ファイル共有・メール・カレンダーがまとめて利用でき、テレワークの基盤になります。
Q. テレワーク中の自宅のネット回線は何Mbps必要ですか?
A. ビデオ会議(Zoom等)は上下10〜25Mbpsあれば快適に利用できます。仮想デスクトップを使う場合は安定した有線接続(光回線)が推奨されます。公共Wi-Fiは速度変動とセキュリティの両面からビジネス用途では避けるべきです。
Q. リモートデスクトップとクラウドはどちらが安全ですか?
A. どちらも適切な設定で使えば安全です。リモートデスクトップはデータが端末に残らず比較的リスクが低いです。クラウドは設定ミス(共有範囲の誤設定等)による情報漏洩リスクがあるため、アクセス権限の管理を徹底することが重要です。
Q. テレワーク導入に助成金は使えますか?
A. IT導入補助金(経産省)などの制度が活用できます。補助対象はソフトウェア・クラウドサービス等が中心です。最新の制度は日本テレワーク協会や各省庁の公式サイトで確認してください。

まとめ

  • テレワークはICTを活用した場所・時間にとらわれない働き方。コロナ禍を経て現在は多くの企業に定着
  • 目的は人材確保・業務効率化・ワークライフバランス・非常時の事業継続の4つ
  • IT環境の構築方式は①リモートデスクトップ(低コスト・手軽)②仮想デスクトップVDI(管理集中化)③クラウド(スモールスタート)の3種類
  • 既存PCを活用したいならリモートデスクトップ、Microsoft 365等を使うならクラウド方式がテレワーク導入の第一歩として最適
  • どの方式でもVPN・多要素認証によるセキュリティ対策は必須

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