Microsoft SharePointを使ってできること

最終更新日:2026年10月6日

SharePointはファイル共有・共同作業・コミュニケーションを円滑にするMicrosoftのサービスです。ビジネス用途ではWordやExcelなどMicrosoft製品をそのまま使える強みがあり、多くの企業で活用されています。本記事ではSharePointで「具体的に何ができるのか」を、機能の紹介だけでなく業務シーン別の活用例、セキュリティ、ライセンス、導入ステップまで2026年10月時点の情報でわかりやすく解説します。

SharePointとは

SharePointはMicrosoftが提供するファイル・情報共有プラットフォームです。チームサイトを作成することでPC・スマートフォン・タブレットなどさまざまなデバイスからアクセスでき、ファイルの保存・編集・整理が可能になります。

SharePointには以下の2種類があります。

  • SharePoint Server:Windows Serverを自社内に構築して利用するオンプレミス型。現在サポート対象なのはSubscription Editionのみで、2016・2019は2026年7月14日にサポートが終了しています
  • SharePoint Online:Microsoft 365に含まれるクラウド型(自社サーバー不要)

本記事では多くの企業で利用されているSharePoint Onlineを中心に説明します。SharePoint Onlineはサブスクリプション方式で、必要な人数分のアカウントを契約するだけで即座に利用開始できます。「SharePointとOffice 365(現Microsoft 365)は何が違うのか」という名称面の疑問はSharePointって何?Microsoft 365(旧Office 365)と何が違うのかで整理しています。

SharePointの主な機能

チームサイトの作成・ページ管理

プロジェクトや部署ごとにチームサイトを作成できます。チームサイト内にドキュメント・ニュース・リンク集・アンケートなどをまとめることで、プロジェクトごとの「バーチャルデスク」として活用できます。ドキュメントごとにアクセス権限を設定でき、メンバーが誰でも編集できる状態か閲覧のみかを細かく制御できます。

コミュニケーションサイト(社内ポータル)

全社向けのお知らせ・社内規程・各種申請リンクなどを発信するための「コミュニケーションサイト」も作成できます。チームサイトが「作業する場所」だとすれば、コミュニケーションサイトは「情報を伝える場所」です。複数のサイトをまとめるハブサイトの仕組みを使えば、部門サイトを横断したナビゲーションも実現できます。

コンテンツ管理

SharePointではドキュメント・画像・予定表・発注書などを共有できます。アプリを追加することでアンケートフォームや掲示板も作成可能です。これにより全員が集まっての長時間会議を大幅に削減でき、グループチャットやアンケートで意思決定できます。

ワークフロー管理

メールなどでの連絡では複雑になりがちな業務フローをSharePoint上でわかりやすく管理できます。Power Automateと連携することで承認フロー・通知の自動化も可能です。業務処理の改善・ミス防止・進捗の可視化を実現できます。

全文検索・エンタープライズ検索

チームで共有しているファイルの中から全文検索で目的のファイルにすぐアクセスできます。エンタープライズ検索によるカスタマイズも可能で、大量のドキュメントの中でも必要な情報を素早く見つけられます。なお、検索結果にはアクセス権のあるファイルだけが表示されます。

文書管理(バージョン管理)

文書管理機能でバージョン管理を行えば、そのファイルが最新版か即座に判別できます。ファイルを誤って修正・削除した場合でも元のバージョンへ簡単に戻せます。いつ誰が書類を更新したかの履歴も残り、透明性の高い文書管理が実現します。削除したファイルはごみ箱から一定期間復元できるため、誤操作への備えにもなります。

リスト活用

リスト機能は予定表・アンケート・掲示板・タスク管理などの情報をデータベースとして管理します。業務内容に合わせてカスタマイズできる「カスタムリスト」、タスク管理用の「タスクアプリ」など用途に応じたアプリが豊富に用意されています。列の種類(選択肢・日付・担当者・添付ファイルなど)を自由に追加でき、ビューの切り替えや条件付き書式で見やすい管理表に仕上げられます。詳しくはSharePointのリストとは?リストでできることや使い方を解説をご覧ください。

業務シーン別・SharePointでできること

SharePointは「機能が多くて何に使えばよいかわからない」と言われがちなサービスです。次の表のように、日々の業務課題から逆引きすると活用イメージをつかみやすくなります。

よくある課題 SharePointでの解決方法 使う機能
ファイルサーバーが古く、外出先から使えない ドキュメントライブラリへ移行し、場所を問わずアクセスできるようにする ドキュメントライブラリ、OneDrive同期
ファイルの最新版がどれかわからない 1つのファイルを共同編集し、履歴から過去版に戻せるようにする 共同編集、バージョン管理
社内のお知らせ・規程が散らばっている 社内ポータルに集約し、ニュースとして発信する コミュニケーションサイト、ニュース
案件・問い合わせ・備品をExcelで管理していて更新が競合する リストに移行し、担当者・ステータスをビューごとに管理する リスト、ビュー、通知
申請・承認がメールとハンコに依存している 申請内容をリストに記録し、承認フローを自動化する リスト+Power Automate
取引先とのファイル受け渡しがメール添付で煩雑 専用フォルダを共有リンクやゲスト招待で共有する 外部共有、アクセス権限
マニュアル・ノウハウが属人化している ナレッジ用サイトにページとして蓄積し、検索で探せるようにする サイトページ、検索
プロジェクトの資料・タスク・連絡がバラバラ プロジェクトごとにチームサイトを作り、Teamsと連携して管理する チームサイト、Teams連携

ここでは、特によく使われるシーンを少し掘り下げます。

会議の効率化

SharePointのコンテンツ共有・アンケート・チームサイトを活用することで、全員が集まる不要な会議を削減できます。事前に情報を共有・確認しておき、最終的な意思決定のみを短時間の会議で行う運用が可能になります。

取引先との情報共有

招待機能を利用すれば社外の人ともファイルを共有できます。外部ユーザーの権限は社内で管理できるため安心して活用できます。常に最新のファイルを共有できるため、メールでのファイル添付・更新版の送り直しが不要になり、作業効率が向上します。

勤怠・申請などの管理表への応用

SharePointのリスト機能を活用して出勤・退勤の管理や各種申請データをチーム内で共有することも可能です。ただし、給与計算や法定の勤怠記録など正式な管理が必要な業務は、専用の勤怠管理システムとの併用や連携を検討してください。

ファイルサーバーからの移行

社内のファイルサーバーをSharePointへ移行すると、バージョン管理・検索・外出先からのアクセスに加え、誤って削除・上書きしたファイルをごみ箱やバージョン履歴から復元できるようになります。ただし、既存のフォルダ構成をそのまま持ち込むと階層が深くなり使いづらくなるため、移行前に整理・権限設計を行うのがポイントです。移行の流れはMicrosoft 365 とSharePoint Online オンプレ環境からの移行手順とは?で解説しています。

導入・ライセンスと活用のポイント

導入・プランについて

現在、SharePoint Onlineを新たに利用する場合は、Microsoft 365のプランに含まれるSharePointを使うのが基本です。Microsoftの公表では、SharePoint Online単体プラン(プラン1・プラン2)は2026年5月末で新規顧客への提供が終了しています(既存契約者の更新は2027年1月まで)。最新の金額・条件はMicrosoft公式サイトまたはご契約の販売パートナーでご確認ください。

プラン Officeアプリ 特徴
Microsoft 365 Business Basic Web版・モバイル版のみ SharePoint・OneDrive・Teams・Exchangeを利用可能。まず情報共有基盤から始めたい場合に
Microsoft 365 Business Standard デスクトップ版を含む Business Basicの機能に加え、Word・Excel・PowerPointのデスクトップ版を利用可能
Microsoft 365 Business Premium デスクトップ版を含む Standardの機能に加え、条件付きアクセス・端末管理・高度な脅威対策などのセキュリティ機能が充実
Microsoft 365 E3/E5 デスクトップ版を含む コンプライアンス・監査・eDiscoveryなど大規模組織向けの高度な機能

Microsoft 365とSharePointはセットで利用するのが一般的で、Word・Excel・Microsoft Teamsなども合わせて使いたい場合はMicrosoft 365プランの選択がおすすめです。プランごとの機能差はSharePointOnlineの価格別機能を簡単紹介も参考になります。

セキュリティと権限管理でできること

情報共有基盤を導入するうえで、「便利になる分、情報漏えいが心配」という声は少なくありません。SharePointでは次のような仕組みで、共有範囲をコントロールできます。

  • 権限の3段階:サイト単位で「閲覧のみ」「編集可」「フルコントロール」といったレベルを設定でき、ライブラリ・フォルダ・ファイル単位でも例外設定が可能です。
  • グループ単位の管理:個人ごとではなくグループ(部署・プロジェクト)単位で権限を付与すると、異動・退職時の見直しが容易になります。
  • 外部共有の制御:管理者が「外部共有を許可しない」「招待したゲストのみ許可」「リンクを知っている全員に許可」といったポリシーを選択でき、共有リンクの有効期限やパスワードも設定できます。
  • 監査・履歴:誰がいつファイルを閲覧・変更したかの記録を残せます(利用できる範囲はプランにより異なります)。
  • 情報保護機能:機密ラベルやDLP(情報漏えい防止)、条件付きアクセスなどの高度な機能は、Business Premium以上などプランに応じて利用できます。

権限設計は導入初期に最も重要なポイントです。「全員が全部見える」状態から始めるのではなく、最初に部門・プロジェクト単位で分けてから公開範囲を広げるほうが、運用後のトラブルを防げます。

Power Platform・Copilotで広がる活用

SharePointはそれ単体で使うだけでなく、Microsoft 365の他サービスと組み合わせることで活用の幅が大きく広がります。

連携サービス SharePointとの組み合わせでできること
Power Automate ファイル追加・リスト更新をきっかけに、承認依頼やメール・Teams通知を自動化
Power Apps SharePointリストをデータ元に、入力フォームや社内アプリをノーコードで作成
Power BI リストやExcelのデータをグラフ・ダッシュボードとして可視化
Microsoft Teams チームの標準チャネルのファイルはSharePointに保存され、Teams上からそのまま利用可能
Copilot アクセス権のあるSharePoint上のファイルを参照して要約・文書作成を支援(アプリ内で使うMicrosoft 365 Copilotは別途ライセンスが必要)

なお、旧来の「SharePointワークフロー(2010/2013形式)」を使っている場合は、Power Automateへの移行が必要になります。廃止時期などはMicrosoftが随時案内しているため、最新情報をご確認ください。Copilotを活用する場合も、権限設計とファイル整理が整っているほど回答の精度と安全性が高まるため、SharePointの整備はAI活用の土台としても重要です。ワークフローの考え方はPower Automate(SharePoint Flow)とは? 使い方も紹介します。が参考になります。

SharePoint vs Google Workspaceの違い

似たようなサービスとして、Googleが提供する「Google Workspace(旧G Suite)」があります。それぞれの特徴を比較します。

比較項目 SharePoint
(Microsoft 365)
Google Workspace
(旧G Suite)
Word/Excel/PowerPoint連携 ◎ シームレスに利用可能 △ 変換が必要な場合あり
コスト やや高め やや低め
既存Microsoft資産との互換性 ◎ 高い △ 形式変換が必要な場合あり
ビデオ会議 Microsoft Teams Google Meet
ポータルサイト構築 ◎ SharePointが特化 ○ Google Sites
業務アプリ・自動化 Power Platform(Power Apps/Automate) AppSheet・Apps Script

既にWord・ExcelなどのMicrosoft製品を多く使っている企業環境では、SharePointを選択する方が既存資産をそのまま活かせます。Google Workspaceはコストパフォーマンスの高さが魅力ですが、取引先とのWordファイルのやり取りが多い場合は変換作業が発生する場合があります。どちらが優れているかではなく、社内で普段使っているオフィスアプリ・取引先とのやり取りの形式で選ぶのが現実的です。

はじめ方のステップ

SharePointを実際に使い始める際は、次の順序で進めると失敗しにくくなります。

  1. 目的を1つに絞る:「ファイルサーバーの置き換え」「社内ポータルの立ち上げ」「案件管理リストの作成」など、最初のテーマを1つ決める。
  2. サイトの種類を決める:作業・共同編集が中心ならチームサイト、情報発信が中心ならコミュニケーションサイトを選ぶ。
  3. 権限グループを決める:閲覧者・編集者・管理者の3つを基本に、個人ではなくグループで権限を付与する。
  4. 小さく試す:1部署・1プロジェクトで試験運用し、使いにくい点を洗い出す。
  5. ルールを周知する:ファイルの保存先(SharePoint・OneDrive・Teamsのどこに置くか)、命名規則、外部共有の可否を社内に周知する。
  6. 運用担当者を決める:サイトの棚卸し・権限の見直しを定期的に行う担当を置く。

SharePointとOneDriveの役割分担が気になる場合は、OneDriveとSharePointはどう違う?活用方法も紹介もあわせてご覧ください。

よくある質問(FAQ)

Q. SharePointとTeamsの違いは何ですか?
A. Microsoft Teamsはチャット・会議・リアルタイムコラボレーションが中心のツールです。SharePointはファイル管理・ポータルサイト・ドキュメント共有に特化しています。Teamsの標準チャネルで共有したファイルはSharePointのチームサイトに保存されており、両者は密接に連携しています。ただし、プライベートチャネル・共有チャネルは別のSharePointサイトが作成され、チャットで送ったファイルは送信者のOneDriveに保存される点に注意が必要です。
Q. SharePointのファイルはスマートフォンから編集できますか?
A. はい、編集できます。SharePointアプリ(iOS・Android)やOfficeモバイルアプリを使えば、スマートフォンからWordやExcelファイルの閲覧・編集が可能です。変更はクラウドに自動保存されるため、PCとの同期も不要です。
Q. SharePointで社外のユーザーとファイルを共有できますか?
A. はい、招待機能を使えば社外のユーザーとのファイル共有が可能です。外部ユーザーのアクセス権限(閲覧のみ/編集可能)は社内で管理できます。ただし組織のセキュリティポリシーによって外部共有を制限している場合があるため、SharePoint管理者の設定を確認してください。
Q. SharePointはすでにMicrosoft 365を使っていれば追加費用なしで使えますか?
A. Microsoft 365 Business BasicやBusiness Standard以上のプランにはSharePoint Onlineが含まれており、追加費用なしで利用できます。より高度な機能(eDiscovery・コンプライアンスなど)が必要な場合はE3/E5などの上位プランが必要です。
Q. SharePointだけを単体で契約できますか?
A. Microsoftの公表では、SharePoint Online単体プラン(プラン1・プラン2)は2026年5月末で新規顧客への提供が終了しています。これから導入する場合は、SharePointが含まれるMicrosoft 365のプランを契約する形になります。
Q. 既存のファイルサーバーをSharePointに移行できますか?
A. 可能です。ただしフォルダ構成・ファイル名の長さ・使用できない文字・容量などの制約があるため、事前の棚卸しと整理が必要です。フォルダ階層をそのまま持ち込むのではなく、サイト・ライブラリ・列(メタデータ)を使った構成に作り替えると、検索性と運用性が高まります。
Q. 間違えて削除・上書きしたファイルは元に戻せますか?
A. 削除したファイルは一定期間ごみ箱から復元でき、上書きした場合もバージョン履歴から過去の版に戻せます。ただし保持期間やバージョン数には上限があるため、重要なファイルについては運用ルールを決めておくことをおすすめします。
Q. プログラミングの知識がなくてもSharePointを使いこなせますか?
A. はい。サイトやページの作成、リストの作成、権限設定、Power Automateによる基本的な自動化は、いずれもプログラミング不要で行えます。より複雑な画面のカスタマイズや他システム連携が必要な場合に限り、SharePoint Framework(SPFx)などの開発スキルが必要になります。

まとめ

この記事のポイント:

  • SharePointはMicrosoftが提供するファイル・情報共有プラットフォーム。チームサイト・社内ポータル・ワークフロー・文書管理・全文検索・リストなど多彩な機能を持つ
  • SharePoint OnlineはMicrosoft 365に含まれており、自社サーバー不要でクラウド上に展開できる。単体プランは新規提供終了のため、新規導入はMicrosoft 365プランが基本
  • ファイルサーバー置き換え・社内ポータル・案件管理・申請承認・取引先との共有など、業務課題から逆引きして活用できる
  • 権限設計と外部共有ルールを最初に決めることが、安全で使いやすい運用の最大のポイント
  • Power Automate・Power Apps・Teams・Copilotと組み合わせることで、活用の幅がさらに広がる
  • Google Workspaceと比べるとコストはやや高いが、既存のMicrosoft資産との互換性が高く、ファイル形式の変換手間が不要

▼ アクロビジョンについて

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