NotesからSharePointへの移行。どうしても移行すべき?
最終更新日:2026年8月7日
この記事でわかること
Microsoftが提供するSharePointは知っていますでしょうか。最近はSharePointへの移行が目立ち始めています。今回はSharePointへの移行に関して「Notes(IBM Notes)」に焦点を当てながら解説します。
そもそも「Notes(IBM Notes)」とは
「Notes」はIBMが提供しているグループウェアのことを指します。文書共有・電子メール・電子掲示板(BBS)・予定管理(カレンダー/スケジュール)の機能がある他、グループ内メンバー間のメッセージ交換や情報共有ができます。また、定型データのみならず様々な種類の非定型な文書と情報を蓄積できるため、情報整理機能を用いることで分類・検索・並べ替えを行うことができます。スクリプト言語で機能追加を行うこともできるので、Notesを基盤とした業務内容に最適化されたシステムを作り込むことが一般的な利用方法とされていました。
※正式名称は「Lotus Notes(ロータスノーツ)」。IBMがLotus Development社を買収後、2013年にLotus部門およびブランドを廃止したことで「IBM Notes」へ改称されました。
Notesからの移行が提唱されている理由
NotesからSharePointへの移行が提唱されているのには理由があります。それは「Notesを運用できるエンジニアが不足し始めた」ことです。
Notesが提供されたのは1989年で、1990年代前半に導入し20年以上運用している企業も少なくありません。それだけ実績と定評があったからこそNotesを運用している会社が多かったといえます。ただし、Notes導入当時に在籍していたエンジニアは定年や異動によって退職しているケースが大半となりつつあり、Notesを理解できるエンジニアに空白が生じています。
また、スクリプト言語による機能追加を重ねてきたことで、自社のシステムがブラックボックス化してしまい実質的にお手上げ状態になることもあります。IT業界の流動性から次世代の最新技術が早いサイクルで登場するため、Notesに求められるスキル自体が時代に置き去りとなってしまい、Notes技術者を育成するコストが合わなくなっています。ロートルすぎて最新のシステムに対して適合できないという状況です。
そして古すぎるシステムの維持には希少化した技術が必要で、相応のコストを求められます。Notesの運用保守コストは増加傾向にあり、ワークスタイルの変化などへの対応が難しくなっています。
NotesからSharePointへ移行するメリット
Notesの強みはスクリプト言語による機能追加を「ユーザー単位で構築できる」ことでした。結果、業務に最適化されたシステムを作り込むことができ、個人や部門単位での業務効率は上がりやすかったという側面があります。ただし、利用が進むにつれて会社全体のガバナンスが効かせにくく、煩雑化して全体最適化が困難になっていきます。
一方、SharePointでは情報共有を行うためにチームサイトかコミュニケーションサイトを作成する必要があり、その権限は特定のシステム管理者にしか開放されません。したがってユーザーや各部門が自由にサイトを構築することはできません。これは一見制約に見えますが、「発信側でシステム全体の統制が取りやすい」というメリットに転じます。
NotesからSharePointへの移行には「情報共有と会社全体でのガバナンスの保全」というメリットがあります。Notesが個人の業務効率を引き上げることを主眼としているのに対して、SharePointは組織全体の業務効率を引き上げ、全体の足並みを揃えることを目的としているといえます。
NotesとSharePointの比較
| 項目 | IBM Notes(旧Lotus Notes) | SharePoint Online |
|---|---|---|
| 提供元 | IBM(元Lotus) | Microsoft |
| 主な目的 | 個人・部門単位の業務効率化 | 組織全体の情報共有・ガバナンス保全 |
| カスタマイズ | ユーザー単位で自由に構築可能(ブラックボックス化しやすい) | 管理者権限が必要(統制が取りやすい) |
| 技術者の確保 | 運用技術者が希少化・コスト増 | Microsoft技術者は市場に多く確保しやすい |
| 他システム連携 | 独自エコシステム中心 | Teams・Power Automate・Microsoft 365と深く統合 |
| 将来性 | ユーザー減少・運用コスト増加傾向 | Microsoft 365の中核として継続的に機能強化 |
よくある質問(FAQ)
まとめ
- IBM Notes(旧Lotus Notes)は1989年から提供されているグループウェアで、業務に最適化されたカスタムシステムを作り込める強みがあった
- Notesを運用できるエンジニアの希少化・ブラックボックス化・コスト増加により、多くの企業でSharePointへの移行が進んでいる
- NotesがユーザーやW部門単位での自由なカスタマイズを重視するのに対し、SharePointは組織全体のガバナンスと統制を重視する設計になっている
- SharePointへ移行することで、情報共有の統制・ガバナンス保全・Microsoft 365との統合・技術者確保のしやすさなどのメリットが得られる
- Notes移行には専門のツールやコンサルタントの支援が必要なケースが多く、移行前にデータの棚卸しと優先度付けをすることが重要
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