クラウド比較

・はじめに

みなさんは「クラウド」とはなにか?と聞かれて正確に答えることができますか?最近良く耳にするけど、実際はよくわからない。そんなIT初学者の方にもクラウドについて理解して頂けるように、今回はクラウドについてその概要と各社サービスの比較をメインに記事を書いていきたいと思います。

・クラウドとは

クラウドの意味を正確に答えられる人は案外少ない、ということを冒頭で書かせていただきましたが、それもそのはず。そもそもクラウドの定義自体が非常に曖昧だからです。今までは、なにかのハードウェアを購入したり、ソフトウェアをPCにインストールしたりしなければサービスを使えませんでしたが、クラウドが世に出てからは、それらの作業をせずとも自由にサービスを利用できるようになりました。この「ハードウェアやソフトウェアを介せず利用出来るサービス」のことをクラウドサービスを呼びます。その名の由来は、雲の向こう側のサービスを利用していることから来ているという説が一般的です。

まだまだこれだけではクラウドについてイメージが沸かない方のために、ここからもう少し具体的にメールソフトを例に考えてみます。今まではOutlookなどのメールソフトをパソコンにインストールしてから、メールの送受信をしてきました。会社から支給されたパソコンを使う場合は、特に何の作業もなく当たり前に使えているかもしれませんが、利用出来るようになるまでに実は、インストール作業やメールサーバーの構築などの作業が発生しています。

しかし、クラウドのメールサービスとして代表的なGmailなどは、パソコンに特別なソフトウェアのインストールをしていなくても、そのクラウドサービス(gmailで言うとGoogleアカウント)さえ持っていればそのブラウザを通じてメールの送受信ができるようになります。ここで、先程書いた「ハードウェアやソフトウェアを介せず利用出来るサービス」=クラウドサービスということを思い出していただくと合点がいくはずです。

・3大クラウドサービスの比較

現在、数多くの会社がクラウドサービスを提供していますが、その中でも群を抜いて有名なのが、Amazon、Microsoft、GoogleのメガIT3社の提供するものです。
AmazonのAWS、MicrosoftのAzure、GoogleのGCP、これら3つのクラウドサービスを総称して「3大クラウド」と呼び、これらは世界的なシェアをもっています。
ここからは、この3つのクラウドサービスを比較していきたいと思います。

【ストレージ】

あらゆるデータなどを格納しておく「ストレージ」はクラウドサービスを比較・検討する上で非常に重要な要素となってきます。クラウドでしたら大容量のストレージでも必要な分だけ気楽につかうことができます。

AWSで利用されるストレージはAmazon Simple Storage Serviceといい、一般的にS3と呼ばれています。2006年から提供がはじまり、3大クラウドの中で最も歴史のあるストレージです。また、AzureではAzure Storage、GCPではGoogle Cloud Storageというストレージの呼び方となっています。

やはり特筆すべきはAWSのS3。なんと99.99%の堅牢度と謳っており、非常に高度なセキュリティを自慢にしています。Azureの場合、Microsoftのソフトウェアを利用している企業であれば、とても簡単にクラウドストレージにファイルを移行し、クラウド上で利用できます。

【データ解析】

クラウドは、ビックデータなどの分析の基盤として利用されるケースも多々あります。3大クラウドのどれもが、ビックデータを蓄積し、それらを分析するためのデータウェアハウスが用意されております。AWSのRedshift、AzureのSQL Dataware House、GCPのBigQuery、3大クラウドのそれぞれがこれらデータ解析サービス展開しています。

RedshiftとSQL Dataware Houseは分散処理を得意としており、非常に巨大なデータであっても対応することができます。BigQueryについてはリソースを自動で振りわけていくため、2つに比べ、細かいチューニングをすることが不要です。

【料金体制】

クラウドを利用するためには当然料金が掛かります。3大クラウドのサービスはいずれも、従量課金の料金体制なっています。従量課金制とは、クラウドを利用した分に合わせて料金が発生するという仕組みです。必要な分だけ利用できるのが、クラウドサービスの利点の1つです。具体的な計算方法はサービスごとに違っており、非常に複雑にです。

基本的には、どのくらいの性能を、どのくらいの量や時間利用したかで課金がされていきます。AWS、Azureは時間単位ですが、GCPだけは分単位での課金体制となっています。注意点として、いずれのサービスも支払い方法がクレジット決済に限られます。口座引き落とし等の支払い方法は利用できないため、クレジットカードが必ず必要です。

また、いずれも海外企業が提供しているサービスですのでAWS、GCPについては米ドルでの請求に限られます。そのため、ドル円相場の影響を受け、支払う金額が変動する為替リスクを背負います。Azureだけは日本円での支払いも可能なため、為替リスクを背負いたくない方はAzureを選択することがおすすめです。
ちなみに、3大クラウドには無料枠も用意されており、一定の範囲内でしたら無料利用もできます。非常にお得ですね。

・まとめ

いかがでしたでしょうか、まだまだクラウドについては奥が深く、入り口程度しか紹介できません。というのもクラウドサービスは歴史が比較的浅く、日夜アップデートを繰り返されています。新規機能も多く提供され、各社の提供状況を常に調べていく必要があります。これから導入を検討している方は、自社にとってどのサービスが最適なのかを慎重に考え、ベストなクラウドサービスを導入しましょう。

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