Google Apps Scriptを利用してできること

Google Apps Scriptを利用することの魅力

まず、Google Apps Script(GAS)とはGoogle社が提供しているプログラミング言語のことです。Google Apps Scriptを利用することのメリットとして、無料である点やGoogleアカウントを持っていれば開発環境不要で誰でも利用できる点などが挙げられます。そういった使いやすさもさることながら、Google Apps Scriptを利用することで実現できることは多岐に渡ります。そのひとつとしてサーバー上で自動的に動作できる点が挙げられます。例えばスプレッドシートを活用する際について考えてみましょう。Microsoft社が提供しているExcelを、プログラミングで動作させるExcel VBAとしばしば比較されることもありますが、Excel VBAを動作させるためにはローカルでExcelを立ち上げてから実行する必要があります。一方でGoogle Apps ScriptはGoogleサーバー上で実行されるといった特徴をもっています。したがって、実行対象のプログラムに対してトリガーをセットしておくだけで、PCを閉じていたとしても特定の時間に自動で動作させることが可能です。ローカルに保存されているファイル等に直接アクセスして利用するといったことができない点を差し引いても、大きなメリットと言えるのではないでしょうか。また、なんといってもGoogle社が提供している各サービスや外部アプリケーションと連携することにより業務効率の向上が期待できることは最大の魅力と言えます。

Google Apps ScriptとGoogleサービス

最近では、社員情報や週次タスクの進捗をGoogleスプレッドシートで一元管理したり、日次スケジュールやプライベートの予定をGoogleカレンダーで管理・共有したり等、日常生活や業務においても頻繁にGoogleサービスを利用する機会がある方もいるのではないでしょうか。そういったことからもGoogleサービス単体で管理できることや業務への活用など、機能性や利便性が高く、多くのユーザーから重宝されることにも頷けます。そこでさらに、Google Apps ScriptをGoogleサービスと連携させることによって、より効率よく操作することができます。

Google Apps Scriptで業務自動化

では、Google Apps ScriptをGoogleサービスと連携させてできることには、どういったものがあるのでしょうか。
Gmailとの連携により日報や週次報告の下書きメール自動作成や、GmailとGoogleカレンダーとの連携により月次会議や来客のリマインドメール自動送信など、組み合わせて活用することも出来ます。以上に挙げたようにGoogle Apps Scriptは、ルーチンワークや手作業で行っている業務の自動化に有用性が高いと言えます。例えば、週次や月次で繰り返し行うようなスプレッドシートのコピーやリストの入力などの業務があったとします。作業としてはコピー&ペーストで行うような単純な業務だとしても作業の対象が多ければ多いほど、作業工数や所要時間はどうしても生じてしまうものです。また、手作業には少なからずミスの可能性が付き物です。手作業の自動化により、そういったムダやムラが発生する可能性を削減できることは、Google Apps Scriptを活用することで得られる大きな恩恵と言えます。ワンクリックで定型のタスクを全自動で実行するツールや、定時になったら全自動でタスクを実行するツールを作っておくことで、業務の時短や工数の大幅削減、定期的に行う業務の実施忘れを回避するなど、業務をより簡単且つ確実に実行することができます。また、業務自動化を行うことで時間的な余裕が作れたならば、その時間を他の業務に充てることが可能となります。そういった積み重ねが業務時間の圧迫を解消出来た場合、残業時間の削減にも役立てるかもしれません。非効率性の解消にITツールを活用することは、現代において珍しいことではありません。働き方改革の一環とした業務改善も、Google Apps Scriptの利用により実現できるかもしれません。

Google Apps Scriptと外部アプリケーション

Google Apps Scriptでは、Google社提供の各サービス以外であっても、APIが提供されているサービスであれば基本的には連携が可能です。例えば、Googleカレンダーを利用してスケジュール管理を行っている場合、予定をSlackやChatWorkやLINEなどに自動で送信することができます。送信時間を始業及び就業時間の~分前と設定することも可能であり、始業時間前に当日の予定を、就業時間前に翌日の予定を送信するようにプログラミングを行ったとします。始業前に余裕をもって予定を確認し、退勤前には翌日の予定を確認することで、スムーズにタスク管理やスケジュールの把握を行うことも可能です。
また、メンタルケアに対してできることもあるかもしれません。例えば勤怠管理をスプレッドシートで行っていたとしましょう。残業時間や出退勤時間のアラート条件を設定しておき、その条件を超過した際、先に挙げたようなコミュニケーションツールに送信することもできます。社員やチーム内の人数が多い場合、管理職に就く人員が把握すべき情報量はとても多く、容易に管理できるものではありません。そこで、比較的レスポンスの早いアプリケーションに対してチームメンバの勤務状況が自動で届くことにより、異変をいち早く察知するきっかけとなり得ます。以上のようにGoogleサービスだけではなく、外部アプリケーションとの連携が可能である点を活かすことで、実現できることの幅は広がるようです。

Google Apps Scriptで「やりたいこと」を「できること」へ

以上に挙げた活用例は一例に過ぎません。アイデア次第でできることはまだまだありそうです。また初心者がプログラミングを始めるにあたって「いざプログラミングを始めようと思ったが、環境構築で挫折してしまった」「何を書けばいいか分からない」といった壁にぶつかることは往々にしてあるのではないでしょうか。その点でGoogle Apps Scriptの利用はハードルが低く、環境構築の必要が無くリファレンス集も豊富に存在します。したがって初心者でも比較的容易に学習、コーディングできることも大きな魅力です。それほど初心者に優しい言語でありながら、実務で役立つ便利なツールを作成できることがお分かりいただけたでしょうか。
興味を持った方は、Google Apps Scriptで自身の「やりたい」を「できること」に変える挑戦をしてみてもいいかもしれません。