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  • IT業界の実態~今後のキャリアデザイ

はじめに

皆様は「IT業界」と聞いたときにIT業界で働く人達が何をしているのか想像できますか?正直私は具体的なイメージが湧かず、ましてや誰かに説明をすることもできませんでした。そして実際に未経験でこの業界に入ってから初めて知ったことがたくさんありました。本ドキュメントは未経験でIT業界に入り仕事をしていく上で、早い段階で知っておいたほうが良いだろうということについてまとめています。 そもそもITって何?というところから入り、IT企業のあり方、IT業界の仕事の流れ、恐らく皆様が一度は聞いたことがあるであろうIT業界の人材不足のこと、そして皆様一人一人の将来について少しでも参考になればと思いキャリアデザインについても書かせていただきました。では1つずつみていきましょう。

ITってそもそも何?

IT業界について説明する前に、まずはITとは何かについてみていきましょう。 「これから行く店の場所を知りたい」など何かわからないことがあると、パソコンやスマートフォンで、検索して調べる、ネット通販で買い物をする、このようなコンピュータやインターネットでの情報技術のことをIT(information technologyの略)といいます。 多くの企業はITを使って、業務の効率化やビッグデータ(後述)の活用による新規事業の開発を図っています。よく聞くIT化とは、人間がより効率的で快適な生活を送れるよう、身の回りで任せられるところは全部機械に任せようということです。本や書類、マニュアルなどをデジタル化することでそのスペースを有効に使え、またそれらの内容を知りたい時は、膨大な情報の中からいつでも検索することができます。今までに速くても郵送で1日かかった手紙が、メールやSNSを利用することで数秒になり、工場での単純作業や反復作業は自動化してきています。

ざっくりしたIT要素

ハードウェア : パソコン、スマホ、Iot家電 ソフトウェア : OS、アプリ、AI 通信技術   : インターネット、Wi-Fi、5G いかがでしょうか。このように見てみると普段慣れ親しんでいるものばかりで、現代に生きる私達の生活の中でなくてはならないものだということが分かります。

IT業界の在り方

・SIer(エスアイヤー)業界 受託ソフトウェア開発または情報処理サービスを提供する企業のことで、システムインテグレーション(SI)、もしくはシステムインテグレーター(顧客からの依頼を受けて、要件定義~運用保守に至るまで、ソフトウェア開発をはじめとしたシステム構築や、情報システム関連全般を提供する企業のこと)とも呼ばれています。 ・SES業界 ソフトウェアやシステムの開発・保守・運用における委託契約の一種であり、特定の業務に対して技術者の労働を提供する契約です。 IT業界におけるシステム開発の契約形態には、大きく分けて二つあります。 ①顧客から依頼されたシステムの完成を約束し、納品する(この場合、顧客は納品物の対価を支払います。) ②技術者の労働を提供する(この場合、顧客は技術者の労働の対価を支払います。) SESは②に当たり、システムエンジニアの能力を契約の対象とし、客先のオフィスにエンジニアを派遣して(常駐)、技術的なサービスを提供します。

IT業界の職種

インターネット業界・WEB業界

・Webデザイナー Webサイトの使いやすさや見た目の美しさなどWebデザインを専門に扱う仕事 ・Webディレクター Webサイト制作を監督・指揮する仕事

情報処理サービス業界

・ITコンサルタント 顧客である企業から経営や業務上の問題点をヒアリングし、その問題の解決策を提案する仕事を行う仕事 ・セールスエンジニア 経験を積んだエンジニアが自分の得意分野の知識を活用し、営業面で活躍する仕事

ソフトウェア業界

・プログラマー(PG) ソフトウェア開発の基本となる仕事(プログラム言語は数多くあるため、専門に扱う言語により担当できる案件が異なる) ・システムエンジニア(SE) システム開発に総合的に関わり、ソフトウェア開発のみならずマネージメントやコンサルティングもこなす人がいる仕事 ・ネットワークエンジニア(NW) ネットワークの構築や運用、保守を行う仕事 ・サーバエンジニア コンピュータシステムを運用するサーバーの設計・構築・運用・保守に特化した仕事 ・データベースエンジニア データベース(企業が扱う膨大な量のデータを保持し、必要なデータを検索したり抽出したりするための入れ物のようなもの)の設計・開発、管理、運用を行う仕事

ハードウェア業界

・組込みシステムエンジニア ハードウェア(パソコン本体やキーボード、マウス、プリンターなど)とそれらを構成する電子回路など、わかりやすい所ですと家電や自動車の組込みシステムの開発を担当する仕事

IT業界のざっくりした仕事の流れ(開発)

上流工程

①要件定義:クライアントがシステムに求めている機能をまとめて、システムの仕様や範囲 を決めること ②外部設計:要件定義で決定した機能や性能、制約条件などを基にしてシステムの基本とな る設計を行うこと(画面などユーザー視点の外見的な見た目) ③内部設計:外部設計を基に、システム内部の動作や機能、物理データなど、ユーザーから 見えにくい詳細な部分の設計を行うこと(開発者視点) ※いわゆる管理職のような仕事が多いため、実際に言語を使用してプログラミングを行ったりすることは少なく、年齢も上の世代が多いです。

下流工程

④プログラミング(製作):プログラム(人間がコンピュータへ命令を伝えるためのもの) を作ること ⑤単体テスト:結合前にひとつひとつのモジュール(プログラムの部品)がしっかりと機能 するか確認するテストのこと ⑥結合テスト:モジュール単体でのテストをクリアしたモジュールと、その他外部モジュー ルを結合した状態で行うテストのこと ⑦システム(総合)テスト:単体テスト、結合テストがすべて終わったあとに仕上げとして 行うテストのこと ⑧運用テスト:開発者によるテストが終了した段階でシステムの運用者(エンドユーザー) によって行われるテストのこと ⑨システム移行(リリース):運用テストが完了したシステムを実際の本番稼働環境へ移す こと(「本番リリース」「カットオーバー」とも呼ばれる) ⑩運用・保守:システムの起動・停止・再起動やネットワークの監視など正常な稼働を維持 したり、システムの変更・改良・更新・不具合の修正など何らかの変更に伴 う不測の事態発生を抑止すること ※現在IT業界で働く人の約9割が下流工程にあたります。

よく耳にする人材不足ってホントなの?

ところで、IT業界の人材不足に関しては長らく言われ続けてきたことですが、具体的にIT業界の現状はどうなっているのでしょうか? 近年の少子高齢化の影響で、2020年以降は段階世代の引退により労働人口が減少していきます。つまり今まで業界を先導してきたエンジニアが高齢化によって引退していき、ハイスキルなエンジニアの人材不足が顕著化していきますが、AIや人工知能、SNSサービスやBtoCサービスなどの拡大でIT市場は成長を続けており、多種多様なサービスに対応できるエンジニアも多数必要です。そんな中人材の絶対数も減少していく非常に厳しい状況です。 もちろん業界としてもこの現状を打破するため、様々な方法をとっています。理系だけでなく文系出身の未経験枠採用も拡大してきており、採用後に教育に力を入れる企業も多くなっています。しかし、受け入れの間口が広くなった代わりに、未経験者を含むロースキルエンジニアと呼ばれる人たちが多くなり、下流工程の一部分は飽和状態にすらあるのです。 つまりIT業界全体でみると、長く業界を牽引してきたエンジニアたちの引退などで、高度な技術を持つエンジニアがどんどん減少し、彼らの代わりを務められるエンジニアはすぐにでも欲しいという状況であるにもかかわらず、数としては溢れているロースキルエンジニアではその部分を埋めるほどの技術が無いため、結果として人材不足はなかなか解決しないというわけです。重要なのは人手不足ではなくあくまでも人材不足である、ということです。

あなたは将来について考えていますか?

IT業界では目指す業界・分野によって職種が多種多様で、どの職種を目指していけばいいのか今後のキャリアアップに不安を感じる人も多いかもしれません。特に未経験者となると最初はできることがかなり限られていて、対人の仕事よりも対モノになる機会が多く、「自分は一体何をしているのだろうか」という疑問が誰でも湧いてくるのではないでしょうか。一時であればいいかもしれませんが、それがずっと続いてしまうと辛くなってくるでしょう。そうならない為にも、あなた自身の進む指針となる将来設計を考えていく必要があります。 これはあくまで個人的なキャリアデザインではありますが、考え方の例としていくつか上げておきたいと思います。 ・プログラマー→システムエンジニア→プロジェクトリーダー→プロジェクトマネージャー (上流工程の仕事をメインに行っているプロジェクトマネージャーまでいく) ・キャリアを積んだ後に教育メインへ (ある程度のキャリアを積んでからプログラミングや環境構築などを教える人になる) ・プログラマー、システムエンジニアとして働きながら副業をしていく (Webサービスやアプリ開発、その他副業をして収入を増やしていく) あくまでも一例として上記3つほど記載させていただきましたが、キャリアデザインは人によって全く異なるものになりますので皆様がキャリアデザインについて考える上で参考になれば幸いです。

まとめ

IT業界についてイメージは湧きましたでしょうか? 一口にIT業界の仕事、といっても本当に多種多様だということがお分かりいただけたかと思います。時代の流れも早いIT業界において求められる人材になるためにも、日々勉強し続ける姿勢を持ち、自分の市場価値を高めていきましょう。