最終更新日:2026年8月5日
本記事で扱うAIコーディングツールは、2025年〜2026年にかけて業界再編が相次いでいます。特にWindsurfは開発元がCognition社(Devinの開発元)に買収され、現在は「Devin Desktop」に統合・改称されました。またRoo Cline(Roo Code)は2026年5月にサービスを終了しています。旧称・旧情報のまま検索して戸惑うことがないよう、本記事は最新の状況に合わせて全面的に更新しました。
プログラミングの効率化を目指すエンジニアにとって、AI搭載のエディタや拡張機能は重要な選択肢になってきています。特に近年はコード補完からリファクタリングまで支援する多彩なツールが登場しており、それぞれの特徴や料金プラン、使い勝手は千差万別です。本記事では、Windsurf(現Devin Desktop)・Cursor・GitHub Copilot・Clineを中心に、それぞれの特徴・料金・向いている用途を解説します。
1. Windsurf → 現在は「Devin Desktop」に統合
かつて独立したAIコーディングエディタとして人気を集めていたWindsurf(旧Codeium)ですが、開発元をめぐって2025年に大きな動きがありました。まずOpenAIによる買収報道が伝えられましたが交渉は破談となり、その後Google DeepMindがWindsurfの主要開発者を引き抜く形でライセンス契約を結びました。最終的に、AIコーディングエージェント「Devin」の開発元であるCognition社がWindsurf社を買収しています。
そして2026年、WindsurfはCognition社の製品ラインに統合され、「Devin Desktop」という名称に生まれ変わりました。公式サイト(windsurf.com)にアクセスすると現在はDevin Desktopのページに転送される仕様になっており、公式FAQでは次のように説明されています。
“Devin Desktop is the new name for Windsurf. We’re building on the IDE foundation of Windsurf to introduce the command center for managing all your agents in one place.”
1-1. Windsurf時代からの継続点
Devin Desktopは、Windsurfが強みとしていたプロジェクト全体を自動的に理解する機能やチャットベースでの自然言語操作を引き継いでいます。既存のWindsurfユーザーはプラン・料金・拡張機能・設定が自動的に引き継がれる形で移行しており、大きな混乱なく利用を継続できるとされています。
1-2. Devin Desktopとしての新機能
単体のエディタだったWindsurf時代とは異なり、Devin Desktopはローカル・クラウド上の複数のAIエージェントを一つの画面から統合管理する「司令塔」としての性格が強くなっています。公式サイトでは「Manage fleets of local and cloud agents from one surface」と表現されており、単一のプロジェクトを1つのAIと進めるだけでなく、複数のエージェントタスクを並行して管理する用途に発展しています。
1-3. 料金・注意点
- 料金プランはWindsurf時代の体系をベースに移行していますが、Devin Desktopとしての新プランへの整理が進行中です。最新の料金は必ず公式サイトでご確認ください。
- ブランド名が変わったことで、旧名称「Windsurf」で検索すると古い情報(旧料金・旧UI)がヒットしやすいため注意が必要です。
2. Cursorの特徴
2-1. コードの編集・リファクタリングに特化
Cursorは開発会社Anysphere, Inc.が提供するAIコードエディタで、コードの編集やリファクタリングを効率的に行う機能が充実しており、既存のコードを改善したい場面で強みを発揮します。VS Codeをベースに開発されているため、既存のVS Code拡張機能や設定をそのまま引き継げる点も使い勝手の良さにつながっています。
2-2. チーム開発への配慮
- チェックポイント機能により、複数人で作業していても安全にコードを編集可能
- 編集履歴を追跡しやすく、コードレビューの効率が向上
- Teamsプランでは一元管理・SAML/OIDC SSO対応などチーム運用向けの機能が用意されている
2-3. 料金プラン
- Hobby(無料):クレジットカード登録不要、Agentリクエストに制限あり
- Individual:月額20ドルから(Pro/Pro+/Ultraの3段階、上位ほど利用枠が拡大)
- Teams:月額40ドル/ユーザーから(Standard/Premiumの2段階)
- Enterprise:カスタム価格(SCIMシート管理・高度なセキュリティ機能等)
料金プランは頻繁に改定されているため、契約前には必ず公式サイトで最新の金額・利用枠をご確認ください。
3. GitHub Copilotの特徴
3-1. VS Codeの拡張として使える
VS Codeを日頃から使い慣れている方にとっては、最も導入ハードルの低いAIコーディング支援ツールの一つです。拡張機能をインストールするだけで馴染みのある操作感をそのまま活用できます。VS Code以外にもJetBrains系IDE・Visual Studio・Neovim等、幅広いエディタに対応しています。
3-2. モデル選択機能
現在のGitHub Copilotは複数のAIモデルから選択できる点が大きな特徴です。Anthropic Claude(複数バージョン)、OpenAI GPT、Google Gemini、xAI Grokなどのモデルをタスクに応じて切り替えられ、モデル選択によってAIクレジットの消費量を調整することも可能です。
3-3. 料金プラン
- Free(無料):月2,000回の補完、一部モデルへのアクセス、Copilot CLI利用可
- Pro:月額10ドル前後。無制限のコード補完と次の編集提案、月額分のAIクレジット付与
- Pro+:月額39ドル前後。プレミアムモデルへのアクセスとAIクレジット増量
- Max:月額100ドル前後。新モデル・新機能への優先アクセスと最大のAIクレジット配分
料金・付与クレジット数は改定されやすいため、契約前に必ず公式サイトでご確認ください。
4. Roo Cline(Roo Code)はサービス終了 – 移行先は?
本記事は元々「VS Code + GitHub Copilot (Roo Cline)」という組み合わせを1つのツールとして紹介していましたが、これは正確にはGitHub Copilotとは別系統の拡張機能「Roo Cline」(後に「Roo Code」へ改称)を指していました。Roo Codeは、後述するCline から派生(フォーク)したオープンソースの開発エージェント拡張機能で、「Code」「Architect」「Ask」「Debug」など複数の作業モードを切り替えられる点が特徴でした。
4-1. 移行先1:Cline(無料・オープンソース)
これまで通りエディタ上で無料のオープンソース拡張機能を使いたい場合は、次章で解説するClineへの移行が案内されています。ClineはRoo Codeの元になったツールであるため、操作感が近く移行しやすいとされています。
4-2. 移行先2:Roomote(クラウド型・有償)
Roo Codeの開発チームは新たに「Roomote」というクラウド型のコーディングエージェントサービスを立ち上げています。実開発環境をクラウド上で実行し、コードレビューやライブプレビュー付きのPR作成まで行えるのが特徴で、クラウド版とセルフホスト版が用意されています。エディタ拡張機能という形態から、より自律的にタスクを遂行するクラウドサービスへと方向転換した点が大きな違いです。
5. Clineの特徴
5-1. IDE・ターミナルで動作するオープンソースの開発エージェント
ClineはIDEとターミナルの両方で動作するオープンソースのコーディングエージェントです。プロジェクト構造を理解した上でファイル間の関係を認識しながらコードを編集し、リンターやコンパイラのエラーを監視しながら作業を進めます。ターミナルコマンドの実行も自動化でき、パッケージのインストールからテストの実行まで一貫して任せられます。
5-2. 提供形式が多様化
- VS Code拡張機能(従来からの提供形態)
- JetBrains系IDE用プラグイン
- CLIツール(ターミナル単体でも利用可能)
- SDK(プログラマティックAPI):自社ツールへの組み込みも可能
- Kanban:複数エージェントのタスクをボード形式で管理
5-3. 複数のAIモデルに対応(プロバイダーロックインなし)
以前はClaude 3.5 Sonnet利用時のAPIコストが話題になっていましたが、現在のClineはAnthropic(Claude)・OpenAI(GPT)・Google(Gemini)・AWS Bedrock・Ollama(ローカル実行)など複数のプロバイダーに対応しており、用途や予算に応じてモデルを柔軟に選択できます。ローカルLLM(Ollama)を使えばAPIコストをかけずに利用することも可能です。
5-4. 料金
Cline本体は無料のオープンソースですが、利用するAIモデルのAPI利用料が別途発生します。高性能モデルを大量に使うとAPIコストが高額になる場合があるため、利用量に応じたコスト管理(モデルの使い分けやローカルLLMの併用)が重要です。
6. 各ツールの比較一覧
| ツール | 開発元 | 特徴 | 料金目安 | 向いている用途 |
|---|---|---|---|---|
| Windsurf(現Devin Desktop) | Cognition | プロジェクト全体を自動理解/複数エージェントの統合管理 | Windsurf時代のプランを継承(詳細は公式サイト参照) | 複数のAIエージェントタスクをまとめて管理したい方 |
| Cursor | Anysphere | コード編集・リファクタリングに特化/チーム開発向け | 無料〜月額20ドル〜(プランにより変動) | コードの改善に集中したい/チームで安全に編集・レビューを行いたい |
| GitHub Copilot | GitHub(Microsoft) | 幅広いエディタに対応/複数AIモデルを選択可能 | 無料〜月額10〜100ドル程度(プランにより変動) | 普段のエディタを変えたくない/モデルを使い分けたい |
| Roo Cline(Roo Code) | ―(2026年5月サービス終了) | Clineから派生した複数モード対応の拡張機能だった | ― | 現在は利用不可。Cline/Roomoteへの移行を推奨 |
| Cline | Cline(OSS) | IDE拡張・CLI・JetBrains・SDK・Kanbanと提供形態が多様/複数AIプロバイダー対応 | 本体無料(AIモデルのAPI料金は別途) | ターミナル操作まで含めて自動化したい/モデルを自由に選びたい |
※料金・仕様は変動が激しい分野のため、契約前には必ず各公式サイトで最新情報をご確認ください。
7. 利用シーン別のおすすめ
7-1. 複数のAIエージェントタスクをまとめて管理したい
Devin Desktop(旧Windsurf):ローカル・クラウドの複数エージェントを一画面で統合管理できる点が最大の強みです。
7-2. チーム開発でコードレビュー・編集を重視
Cursor:チェックポイント機能で安全に編集履歴を管理でき、Teamsプランではチームマーケットプレイスやコードレビュー機能も利用できます。
7-3. 普段のエディタ環境を変えたくない
GitHub Copilot:VS Code・JetBrains・Visual Studio・Neovimなど幅広いエディタにそのまま導入できます。無料プランも用意されているため、まず試してみたい方にも向いています。
7-4. コストを抑えつつターミナル操作まで自動化したい
Cline:本体は無料のオープンソースで、Ollamaなどのローカルモデルと組み合わせればAPIコストを抑えることも可能です。CLI・SDKも提供されているため、自社のワークフローに組み込みたい場合にも向いています。
7-5. かつてRoo Cline(Roo Code)を使っていた方
元になったClineへの移行が最も操作感が近く、クラウド型の自律実行を求める場合は開発チームの新サービスRoomoteも選択肢になります。
まとめ
この記事のポイント:
- Windsurfは開発元がCognition社(Devinの開発元)に代わり、「Devin Desktop」に統合・改称された。複数のAIエージェントを一画面で管理する用途に発展している
- Cursorはコード編集・リファクタリングに強く、チーム開発向けの機能も充実。開発元はAnysphere
- GitHub Copilotは幅広いエディタに対応し、複数のAIモデルを選択できる点が強み。無料プランも用意されている
- Roo Cline(Roo Code)は2026年5月にサービス終了。移行先はClineまたはクラウド型のRoomote
- Clineは本体無料のオープンソースで、VS Code拡張・CLI・JetBrains・SDKなど提供形態が多様化。複数のAIプロバイダーに対応しプロバイダーロックインがない
最終的な選択は個人の好みや予算、プロジェクト規模によって変わってくるため、まずは複数のツールの無料プランを試してみることを強くおすすめします。実際の開発環境で使い比べることで、最適なツールを見極めることができるでしょう。AIコーディングツールの業界動向は変化が非常に速いため、本記事のような情報も定期的に最新情報と照らし合わせてご確認いただくことをおすすめします。
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