Javaフレームワークを利用するメリット4つ|おすすめのフレームワーク

そもそもフレームワークとは


Javaのフレームワークとは、Javaを使用してシステム開発をする際に、事前にまとめられた開発のベースとして機能する骨組みです。システム開発をする場合に、多く使われる汎用的な機能ツールが事前に用意されていれば、その部分のコーディングは必要なくなり、開発の効率を大幅に上げることが可能です。また、フレームワークとして提供されている機能については、機能ツールとして利用できるので、経験の浅いプログラマでも確かな機能を実装できるのではないでしょうか。

Javaのフレームワークを利用するメリット4つ


Javaのフレームワークは、実証済みの機能ユニットを使用することで、システム開発の効率アップや品質の向上が可能です。また、フレームワークは、汎用的な機能によって個々がプログラムごとにコーディングしなくて済むように作成されているため、バグの発生を防ぐことができるでしょう。機能を実現するための汎用的なツールが事前に用意されているため、開発時に工数を減らすことができ、フレームワーク部分については品質も保証されているので、検証も不要です。

利用するメリット1:開発期間の短縮

Javaフレームワークを利用すると、詳細設計とコーディング、バグを大幅に減らせるので、開発期間を短縮できるでしょう。標準的な機能として、そのまま利用できるテンプレートやフレームが用意されているので、コーディング量を大幅に減らすことができます。また、テンプレートやフレームで実装される機能についてはすでに検証されており、デバッグも不要なので、その分の工数も必要なくなります。

利用するメリット2:考え方を統一できる


一つのJavaフレームワークをチーム全員で利用することで、機能実装の考え方が統一され、エンジニア間の誤解や差異が発生しにくくなります。フレームワークとして、すでに実装されたルールが中核になるため、エンジニアごとの技術力の差が発生せず、全員の仕様の解釈を統一するための打ち合わせなども必要ありません。

利用するメリット3:フレームワークの経験が活きる

Javaフレームワークの一つを経験すると、他の開発で同じフレームワークを利用する場合に、ノウハウをそのまま活かすことができます。メジャーなフレームワークの経験を持っていると、他の案件に参加させてもらう際に、その経験をアピールできるかもしれません。フレームワークには特有の癖があるので、完全に一からシステムをコーディングするやり方ではスムーズに入れない可能性があります。まったく同じフレームワークでなくても、フレームワークによる開発経験は有効でしょう。

利用するメリット4:バグを減らせる


Javaフレームワークでは、フレームワークで用意されている部分については品質が担保されているので、バグ取りをする必要がありません。一からコーディングをすると、極端に言うと文字一つひとつについて、デバッグをする必要があります。しかし、フレームワークを利用すれば、フレーム以外の部分についてのみ工数をかければいいので、同じ時間ならフレームワークを利用した方が品質ははるかに上がるでしょう。

Javaフレームワークの選び方


IT業界には、すでに多くの種類のJavaフレームワークが提供されています。Javaフレームワークを選択する場合には、開発の案件で必要な機能が実装されているかが重要でしょう。使える機能が少ないと、その分自前で開発しなければならなくなります。また、機能に差がなければ、実績が多いフレームワークを選ぶことで、バグも解消されやすいのではないでしょうか。Javaフレームワークを選択する場合には、必要な機能が実装されていて、導入実績も多く、評価の高いものを選ぶとよいでしょう。

おすすめのJavaフレームワーク10選


Javaフレームワークを利用することで、開発の効率を上げられるということは、理解いただけたでしょう。開発時に、すでに利用するフレームワークが決まっている場合はよいのですが、決まっていない場合には、どのようなフレームワークを選ぶべきか、判断しなければなりません。ここでは、すでに利用されていて、評価の高いJavaフレームワークをご紹介します。

フレームワーク1:Java EE

Java EEは、Javaを使ってエンタープライズやソフトウェアを作成する際の、標準フレームワークです。オラクルが権利を持っていましたが、2017年にオープンソース化され、現在も数多くのグループや個人が貢献して開発が進められています。もともと存在した、Java SEに必要なWebアプリケーション関連のライブラリなどが追加され、提供されています。

フレームワーク2:Spring Framework

Spring FrameworkはWebのフレームワークで、Webアプリの開発に適したJavaフレームワークでしょう。さまざまなプログラミングが実装されており、オブジェクトや処理のコードを独立させて扱うことが可能です。そのため、個々のフレームの独立性が高くなり、開発を効率的に行えるのではないでしょうか。

フレームワーク3:Apache Wicket


Apatche Wicketは、オブジェクト指向開発を実現するWebアプリケーションフレームワークでしょう。Javaのオブジェクト指向言語としての特性を活かすフレームワークで、Javaのみを使用して開発することができます。

フレームワーク4:Play Framework

Play Frameworkは、開発者の生産性向上を目的としたJavaフレームワークといえるでしょう。ScalaとJavaで利用できるオープンソースのWebアプリケーションフレームワークです。また、他のJavaフレームワークと比較しても軽量で、高い生産性を持つとされています。

フレームワーク5:Super Agile Struts

Super Agile Strutsは、省略してSA Strutsとも呼ばれています。高速で開発を進められるJavaフレームワークでしょう。Super Agile Strutsでは、設定ファイルの作成や更新を自動で行い、設定ファイルを変えるごとに必要なサーバーの再起動なども必要なくなるため、短時間でアプリを実装できるのが魅力ではないでしょうか。

フレームワーク6:JavaServer Faces(JSF)

JavaServer Faces(JSF)は、Javaの拡張機能の一つとして、Java PlatformやJava EEに採用されているJavaベースのWebアプリケーションフレームワークです。JSFは、他のフレームワークのようなリクエスト駆動型でなく、コンポーネントベースでUIを実現しています。

フレームワーク7:Dropwizard


Dropwizardは、他のJavaフレームワークに比べると新しいフレームワークでしょう。アプリケーションサーバーがなくても、ARファイル一つで動作させることができます。もともとアメリカのSNSサービスのために作られたフレームワークで、日本での使用事例はまだ多くありません。

フレームワーク8:Spark Framework

Spark Frameworkは、シンプルで迅速な開発に向いているJavaの軽量フレームワークでしょう。軽量化するため、実装されている機能は必要最小限なので、大規模システムの構築は難しいかもしれません。中・小規模向けのシステム構築に向いているのではないでしょうか。

フレームワーク9:Ninja web framework

Ninja web frameworkは、Javaの軽量フレームワークでしょう。Sparkと同じ軽量フレームワークなので、大規模システムにはあまり向いていませんが、中・小規模のシステム開発では、他のフレームワークの追随を許さない迅速な開発が可能です。

フレームワーク10:Struts

Strutsは、古くからある利用者の多いJavaフレームワークでしょう。Strutsは実際に使われているフレームワークのなかでも、とくに普及しているJavaフレームワークですが、現在は別のフレームワークであるStruts2が提供されています。しかし、システムの脆弱性の問題などをカバーするのが難しく、日本でもセキュリティホールへの攻撃により、多数の被害が出ているようです。

Javaフレームワークの上手な使い方


ここまで挙げてきたように、Javaフレームワークにはたくさんの種類があります。基本的には、どのフレームワークでもすべてのシステム開発に対応することができますが、フレームワークごとに得意・不得意があり、開発工数に大きな差が出ることもあります。Javaフレームワークの個々の特性を理解し、開発しようとしているシステムにあったJavaフレームワークを選ぶことが成功につながるでしょう。

Javaのフレームワークを活用しよう


Javaフレームワークは、これからのWebアプリケーション開発には欠かせない、プラットフォームになるでしょう。最初にJavaフレームワークを選ぶ時は、実際の開発現場で指定されたものや、トレンド、先輩に勧められたものでもかまいません。Javaフレームワークは一つを理解すれば、他のフレームワークを学習する時にかかる時間は、それほどかからないことが多いでしょう。Javaフレームワークを活用して、システム開発の生産性を上げ、自身のスキルアップにつなげましょう。