新卒でITベンチャーで働くのはアリ?8つのメリットとデメリットを紹介

ITベンチャーに新卒入社ってアリ?


ベンチャー企業やスタートアップ企業に、新卒から入社する人の傾向は高くなっています。その理由は、ベンチャー企業の場合は通常の大手企業や中小企業に比べ、かなり幅広い分野でIT関連技術を発揮することができ、その後のキャリアアップに役立つ為です。つまりベンチャー企業は、資本金やそれまでの経歴から見て確かに脆弱な基盤を持ちますが、現代においては柔軟に働ける体制が整っており、その需要が高まっています。

ベンチャー企業の3類型


ベンチャー企業には「アーリーベンチャー」、「ミドルベンチャー」、「メガベンチャー」等と3つの類型が認められ、それぞれのステージにおいて扱う仕事の分野も変わってきます。創業時から資本を運営して設備投資をし、販売促進・ビジネス規模の発展に伴う形で、ミドルベンチャー、メガベンチャーへと躍進します。メガベンチャー企業ともなればベンチャーとしてもかなり安定し、新卒から入社する場合でも安心でしょう。

アーリーベンチャー


アーリーベンチャーはその名の通り「早期のベンチャー企業」の意味合いを採る形で、創業時のITベンチャー企業を指します。顧客からも知名度が低く、提携業者の数も少ないため、資本投資や設備投資は今後の課題となります。新卒からITベンチャー企業に入社する場合、このアーリーベンチャーの段階で入社するとその仕事にもかなり柔軟性が認められます。しかし企業リスクも高い為、転職への配慮も必要になるでしょう。

ミドルベンチャー


次にミドルベンチャーですが、これは本格的に事業が軌道に乗り始め、その後のビジネス発展にもそれなりの目処が立ってきた頃合いを指します。企業規模で言えば中小企業並みのレベルになり、新卒からITベンチャー企業へ入社する際にも安定感が得られるでしょう。またこのステージになると人材発掘も必要になるため、新卒の場合は特に穴場として人気が高まります。しかしビジネス規模・資金力は不安な場合もあります。

メガベンチャー


レイターステージとも言われる「メガベンチャー」ですが、このステージになれば企業独自のビジネスモデルも確立されており、将来的な経営も安定する頃合いになります。資金力・援助にしても十分な見通しが立つ上、提携業者との協働にも安定感が得られます。新卒からIT関連のメガベンチャー企業へ入社できれば、通常の大手企業に入社するのとほぼ変わりなく、その後のキャリアプランも自由に設計できるでしょう。

新卒がITベンチャーで働くメリット


新卒がITベンチャー企業で働くメリットはいろいろありますが、やはりその中でも大きいのは「スキルを柔軟に使う事が出来る点」と、その後のキャリア設計に役立つ点が挙げられます。新卒と言えば、その後のキャリアの積み立てによってさらに出世が約束される世代でもあり、転職なども考える場合は少しでも実務経験を積んでおくことが重要です。その点でもITベンチャー企業で働くことはメリットが高く、その後のステップになります。

1:1年目から裁量を与えられる


「裁量」というのは「自分の意見や考えが採択され、自己意志をもって仕事が出来ること」を指します。つまり新卒でもITベンチャー企業で働く場合、新卒のキャリアの脆弱さに注目することなく、誰の意見や考えでも価値があると見なされれば採用されるということです。これにより、新卒にとっては非常に有難い仕事環境・優遇ともなり、働き甲斐が他の企業に比べて遥かに高くなるケースも多く見られるでしょう。

2:多くの経験を積める


これはITベンチャー企業以外のベンチャー企業にも通じることです。ベンチャー企業というのは特定のビジネス分野でいろいろな仕事を実験的に行ない、その後のビジネスプラン・企業モデルの設計への目処が付けば、それを率先して継続できる柔軟性があります。たとえば新卒で仕事に関するアイデアを出した場合、そのアイデアが企業の将来モデルを補強できるならそれを採択する、といった柔軟性が見られ、多職種の経験を積めます。

3:自分で環境を整備していける


先述でもご紹介しましたように、新卒でもITベンチャー企業に入社する際には「1年目から裁量が与えられる」という特権のようなものが付く為、その後の仕事環境や方針も、ある程度は自分で整備し管理できる状態になります。仕事をする上で「自分でプランを設計し、責任をもって勤続する」というのは誰にとっても働き甲斐があるものとなり、新卒で入社したからこそ得られる特典にもなるでしょう。

4:報酬アップも望める


ITベンチャー企業に入社した場合、大抵は歩合制・ノルマ制の仕事を多く任されるため、働いたら働いた分、また仕事を成功させれば成功させた分だけ、昇給できるチャンスが与えられます。これはIT企業全般に見られる特徴ともなりますが、新卒から裁量が与えられる上で次々「新しい仕事分野」に挑戦していき、その上で給与の昇給も望める特典が付くというのは、やはり誰にとっても嬉しい仕事環境となるでしょう。

新卒がITベンチャーで働くデメリット


さて、ここからは新卒がITベンチャー企業で働く際にはどんなデメリットがあるのかを具体的に確認しましょう。先述ではメリットの方を具体的に見てきましたが、メリットがあればデメリットもあるということで、やはり働き方・意識の持ち方によっては、デメリットの方が勝ってしまうケースもあります。メリットだけを勝ち取れるよう、前もって配慮しておきましょう。

1:社内ルールが整備途中

これは多くのベンチャー企業に見られることですが、特に創業時から間もないアーリーベンチャーの場合は社内ルール(社内規定)があいまいになっている部分が目立ち、作業マニュアルが出来ていなかったり、トラブル管理・対処の方法が定まっていないことがあります。つまり「仕事がしづらい」という環境・条件がそろってしまっていることが多く、特に新卒で入社した場合は働く以前の問題になり、将来への不安が目立つことがあります。

2:離職率は高め

そもそもベンチャー企業は腰掛けに利用されることも多く、やはり一流企業や、ルーティン業務が目立つ中小企業であっても将来的な安定を目指す為に転職する、という傾向は多く見られます。離職率を減らすことも、ITベンチャー企業の大きな課題となっています。この離職率の理由は将来的なビジネスプランが安定しないことや、給与がそれでも昇給しないこと、ノルマばかりが増えることなど、他にも条件によって多くあります。

3:経営基盤が安定しないことも

ミドルベンチャーとなってもその後の仕事のあり方によっては資本に余力が無く、提携業者との協働もままならない状態が続いたりし、そこで働く社員にとっては将来的な不安が目立ってしまうことが多々見られます。これはそのベンチャー企業で取り扱っている仕事内容や管理体制にもよりますが、このような将来的不安を含めた会社では勤続理由を問う時に懸念が挙がりやすく、新卒の場合でも注目すべきポイントになります。

4:企業によっては勤務時間が長くなる

これも企業によって変わりますが、ITベンチャー企業の中には仕事とプライベートの識別があいまいになっていて、休日でも働かされたり、プライベートに仕事を持ち込むのが通常だったり、残業が頻繁にあったりと、ノルマがかなり多い場合があります。このような就労環境・条件がその後もずっと続いてしまうと、新卒から入社した場合でも他の企業が良く見え始め、やはり離職・転職の大きな理由になるでしょう。

こんな人にはITベンチャーは向いていない


先でもご紹介した「ITベンチャー企業に入社した場合のデメリット」を主に参考にする上で、どんな人がITベンチャー企業に向いていないかを検証してみましょう。ITベンチャー企業は現代において、インターネットなどで紹介されている分には輝かしい印象が目立つものですが、実際に働けば「全然理想と違う」という声も実際は多くあります。その辺りの情報を事前に取得し、自己ニーズに見合うかどうかの確認は大切です。

ベンチャーにキラキラしたイメージを持っている人

ベンチャー企業と聞いただけで「ベンチャー=冒険的な仕事をする会社だ」とキラキラしたようなイメージ、(自己本位の姿勢をもって)楽な仕事ばかりをさせてくれる会社、などと期待している人にとっては、ITベンチャー企業での仕事はキツいものとなるでしょう。実際にITベンチャー企業で働けば、通常からノルマが膨大に課されたり、残業が当たり前だったりし、IT業界の市場ニーズをずっと追わされることも多くあります。

自分から提案することに抵抗を感じる人

ベンチャー企業は「アイデアをどんどん出して新しい仕事を請け負う会社」でもあります。つまり、新しい分野をどんどん開拓していくパイオニア的な企業と見てもよく、その場合に意見を言うのが苦手な人、創案そのものが苦手と言う人には、向かない企業でしょう。新しい分野の仕事を開拓していくことは、それまでに無い新しいアイデアを発掘することに土台がある為、アイデア勝負が仕事の根本にあります。

企業名にブランド価値があると感じている人

いわゆるブランドに騙されるというやつですが、たとえ一流企業のブランドを冠した企業でも、ベンチャー企業である以上は他のベンチャー企業と内実・勤務シフト等は変わらず、キツい仕事をどんどん課されるケースは普通に多く見られることになります。新卒の場合でIT業界に進出する場合は特に、企業名ではなく、その企業の中身をしっかり確認し、自分の能力で仕事を賄えるかどうかの確認が優先されます。

スピードよりも質にこだわりがちな人

ベンチャー企業では、次々新しい仕事分野を開拓し、新製品の量産などを手掛けていくことになりがちです。そんな中で、量やスピードより「仕事の質」にこだわりたい人の場合は、やはり仕事そのものへの不満と苦痛が積もっていくことでしょう。これは逆に言えば、ITベンチャー企業で賄う仕事のスピードに付いていけない人の傾向にも見て取られ、じっくり仕事がしたい人にも向かない企業・職種となるでしょう。

ITベンチャーに新卒入社するならしっかり目的を定めよう


今回は新卒からITベンチャー企業で働く場合のメリットやデメリットをはじめ、どんな人がITベンチャー企業で働くのに向いているかどうか等を検証しました。ITベンチャー企業で働く際に求められる能力は、実務経験よりも「アイデアをどんどん出せる能力」で、自分の意見をしっかり言える上、スピード・量産にこだわりなく勤続できることです。事前に情報収集し、自分との相性を確認しましょう。