ITストラテジストの祖語と内容4つと資格取得のメリット4つ

ITストラテジストとは?


「ITストラテジスト」とは、企業の経営を最適化するためにIT技術を使った戦略を練って提案し、それを実行する立場のことを指します。また、ITを駆使することで事業計画を考え、業務を改善し、企業に対して経営面から情報技術を活用する提案もおこないます。これらのことから、確立した専門分野を持ってシステムの企画や開発を統括し、新しい価値や可能性を生み出していく戦略家としての側面が強いと言えるでしょう。

ITストラテジストの仕事内容4つ


「ITストラテジスト」という言葉をはじめて聞いた方の多くは、その仕事に難しそうなイメージを抱いてしまうでしょう。そういった方々のために、以下ではITストラテジストの具体的な仕事内容を4つご紹介いたします。

ITストラテジストの仕事内容1:自社業務の戦略提案

ITストラテジストの仕事として、自社業務の戦略提案が1つめに挙げられます。IT技術を活用して企業活動を改革し、最適化するための戦略を提案します。企業としてどの市場に参入し、投資すべきなのかを考えて競争優位を獲得していくため、その企業に属すことで自社の業務を高度化する方もいます。その場合は、経営者としての立場や目線から策定する必要性もあるため、高い役職を兼ねている方も多数います。また、コンサルタントとして外部から企業の業務改革を提案する方も存在しており、現在の日本においてもそういったコンサルタント会社やフリーランスのコンサルタントが注目されています。

ITストラテジストの仕事内容2:組込みシステムの開発


ITストラテジストの仕事内容に挙げられる2つめは、組込みシステムの開発です。システム開発には、プログラミングの技術を要することが多いですが、ITストラテジストにはそういったスキルは必要ない場合が多いです。そのため、エンジニアの経験が無い方であっても努力次第で挑戦できる仕事です。ビジネスやサービス面において経営者としての目線から、企業が抱えている問題を解消できるようなシステム開発の提案をしていきます。しかし、組込みシステムを一度開発した後に修正することや変更することが難しく、システムの必要性や企業にマッチしているのかなどを明確にしながら作成していく必要があります。さらに、ほとんどの企業は経過とともに変化していくでしょう。そのため、現在開発したシステムが将来的に長期にわたって役に立つのか、その場合のリスクはあるのかといった先を見据えた計画を立てることもITストラテジストの仕事でしょう。

ITストラテジストの仕事内容3:課題の発見


ITストラテジストにおける仕事内容の3つめは、課題の発見です。何をもって課題とするのか定義は難しいですが、ITストラテジスト側が会社の問題点などを指摘しても、その企業側が納得しなかった場合や、意識していないのであればそれは課題とは言えないでしょう。企業側の目標や希望と実際の状況や現時点でのリミットを照らし合わせたときに、ギャップが生まれます。そのため、そういったギャップを解決したいという企業側の意欲を引き出させる必要があります。課題の発見とは、理想と現状のギャップを明確にすることが重要だといえるでしょう。

ITストラテジストの仕事内容4:結果の評価


ITストラテジストの仕事内容4つめは、結果の評価です。企業に対して何が必要なのか、どのようなシステムを開発すれば解決できるのかを提案し、組み込んでいくのがITストラテジストの仕事です。しかし、ITストラテジストの仕事はそこで終わりではありません。実際に企業に対して様々な案やシステムを提供した後、その企業がどう良くなったのか結果を明確にすることが重要です。メリットとデメリットを分析し、今後に生かしていくとその企業はさらにステージアップできるでしょう。

ITストラテジスト試験取得のメリット4つ


「ITストラテジスト試験」という、情報処理振興事業協会が主催する国家試験があります。難易度は高いですが、最高情報責任者やITコンサルタントを目指している方は資格取得を目指すと良いでしょう。ITストラテジストとして働く際に、この資格を持っておく必要は必ずしもありません。しかし、企業によっては資格を取得しているか否かで、給与や待遇が違ってくる場合もあります。また、業界からも評価されやすくなる場合もあるでしょう。そんなITストラテジストの資格取得のメリットを4つご紹介いたします。

試験取得のメリット1:転職に有利になる

試験取得のメリット1つめは、転職に有利になることです。ITストラテジストの求人は現在多く存在しています。IT戦略を提案するITストラテジストの仕事は、今後もその需要は高まっていくことでしょう。また、ITストラテジストとして働く際にはシンクタンクへの転職をおすすめします。シンクタンクとは、政治や経済など、様々な分野の課題を対象に調査や研究をし、その結果を基に解決案を提案する研究機関を指します。大手のシンクタンクでは、大規模な案件に携わるチャンスもあり、オリジナルの経験が積めることでしょう。自身が体験した事のないような機会に触れることで、モチベーションアップにも繋がります。また、専務として働くのか、兼務として働くかを求人によっては選ぶこともできます。スキルに磨きをかけたい場合は専務、ライフスタイルに合わせて働きたい場合は兼務を選ぶなど、自身に合わせて働き方を考えられるのもポイントでしょう。

試験取得のメリット2:評価を得られる

試験取得のメリット2つめは、評価を得られることです。ITストラテジストの資格は難易度がかなり高いため、取得するだけで周囲から高い評価が得られるでしょう。この資格を取得していることで、ITの知識が豊富なことや経営者の視点で経営戦略を考えられること、またITストラテジストとしてのスキルがあることを証明できます。試験取得は大きなアピールポイントになるため、ぜひ努力してみましょう。

試験取得のメリット3:年収が上がる

試験取得のメリット3つめは、年収が上がることです。ITストラテジストとして働く場合の想定年収は450~1,000万円だと言われています。平均にすると650万円程なので、IT系の仕事の中でもかなり高いでしょう。IT系における全体的にみた平均年収が350~400万円ほどのため、ITストラテジストの収入は他と比べてみても高いことが分かるでしょう。またITストラテジストの仕事は難易度が高く、誰にでもできる仕事ではありません。そのため、年収も比例して高くなっています。

試験取得のメリット4:年齢に左右されない

試験取得のメリット4つめは、年齢に左右されないことです。ITストラテジストの資格取得を目標に努力していれば、若い年齢でITストラテジストとして働くことができます。そして資格を持っていればスキルの証明となり、転職にも有利になるため、定年まで働くことができる可能性が上がります。ITストラテジストとして働くことに年齢の縛りが無い点も大きなメリットでしょう。

ITストラテジストの試験について抑えておくべき点4つ


それでは、試験に挑戦するにあたって抑えておくべきポイントについてみていきます。ITストラテジストの試験は国家資格ということもあり、かなり難易度が高いため試験の前に対策をしっかり練っていきましょう。申し込み方法は、情報処理推進機構に願書を郵送で申し込むか、公式サイトからインターネット上で申し込む方法があります。ITストラテジストの試験は年に一度のペースで実施されますが、申し込みの締め切りは試験日の2ヶ月以上前のため注意してください。

抑えておくべき点1:試験内容

抑えておくべき点の1つめは試験内容です。国家試験であるITストラテジスト試験とは、大まかにどのようなものかを紹介します。試験内容としては多肢選択式試験を行い、そのあとに記述式試験と論述式試験を行います。また、筆記試験がメインになります。

抑えておくべき点2:試験の難易度

抑えておくべき点2つめは、試験の難易度です。ITの資格にはレベルが設定されています。ITストラテジストは、その中でも上位の「レベル4」にあたる試験です。ITの知識が少しあるくらいでは到底合格はできないため、実務経験がある人の方が有利でしょう。また、高いレベルで経営者の視点から的確なアドバイスができる人材が求められるため、試験の難易度も高く設定されているようです。

抑えておくべき点3:合格率

抑えておくべき点の3つめは合格率です。合格率は約15.4%と極めて低くなっています。かなりの狭き門のため、たくさんの勉強時間が要されるでしょう。

抑えておくべき点4:勉強方法

抑えておくべき点の4つめは、勉強方法です。試験対策の予備校などもありますが、ITストラテジストの試験は独学が可能です。公式サイトの過去問にひたすらチャレンジするのが良いでしょう。市販の参考書や問題集もぜひ活用してみてください。

ITストラテジストに必要なもの3つ

必要なもの1:幅広い知識

必要なもの1つめは、幅広い知識です。IT系の他のエンジニアとは違って、技術的なスキルはあまり必要ありません。その代わり、会社の経営を改善しライフスタイルを変化させるようなIT技術の知識は必要となります。また、そのIT技術をどのように活用すれば良いのか、具体的なイメージや発想力も必要となってくるでしょう。

必要なもの2:コミュニケーション力


必要なもの2つめは、コミュニケーション能力です。IT技術を用いて会社の課題を見極めるために、ヒアリングの能力は必要不可欠です。そして、会社の経営を担っていくコンサルタントとなるには、周囲からの信頼も必要です。企業側が何を望んでいるのかをしっかりコミュニケーションを取りながら掴んでいきましょう。

必要なもの3:プレゼンテーションのスキル

必要なものの3つめは、プレゼンテーションのスキルです。実際に仕事をする際には、ITに詳しくない企業側や経営者へとプレゼンテーションをすることも多くあります。相手に分かりやすく簡潔に伝え、尚且つ説得力のあるプレゼンテーションをすることが重要でしょう。

ITストラテジストを取得しよう


ITストラテジストは、今後どんどん需要が高まっていく職業でしょう。一人前のITストラテジストとして活躍するために、ぜひ国家試験の取得に挑戦してみてください。一生活用できる財産になること間違いなしです。