AWSの学習入門と構築入門それぞれ3つ|おすすめの書籍やアプリは?
AWS入門の学び方は?
AWSにはたくさんのサービスがあり、入門にはどこから学ぶか迷ってしまいます。AWS(Amazon Web Servicesの略)とは、Amazonが提供する代表的なクラウドコンピューティングサービスです。クラウドコンピューティングとはよく聞くクラウドと同じで、インターネットを通じてコンピューターによるサービスを利用できるサービスのことです。ここではAWS入門者が学ぶべき基本的なことを紹介しています。
AWSの学習入門3つ
入門はまず基礎からしっかり学ぶことが大切です。AWSを理解するにあたり、まずはAWSがどんなものなのか、何をすることができるのかを知りましょう。そして、これから入門するにあたり知っておきたい用語についても紹介します。
AWSの学習入門1:AWSの全体像を掴もう
学習入門としてまず、全体像を掴みましょう。AWSは、Amazonが保有する膨大なコンピューターリソースを使い、世界中のデータセンターから多様なサービスを提供しています。自社のスペースにサーバーを購入し管理するといった一連の作業を省くことができ、ネット環境とPCがあれば、物理的なサーバーを持たなくても使うことができます。活用シーンはコンピューティングやストレージから、人工知能まで多岐にわたります。
AWSの学習入門2:基本的なサービスを学ぼう
学習入門として次に、AWSの基本サービスを知りましょう。AWSではたくさんのサービスがあり、いくつかのカテゴリに分けることができますが、細かく分けると700以上ものサービスがあります。この中でも基本となるメインのサービスは3つです。1つ目は仮想サーバーの提供、2つ目は耐久性の高いオブジェクトストレージ、3つ目はデータベースのセットアップやオペレーションです。それぞれについて少し詳しく見てみましょう。
EC2
AWSのサービスでもっとも有名なサービスが、仮想サーバーを提供する「EC2」です。Webページから数回クリックするだけで、ものの数分で世界中の好きな場所に仮想サーバーを作成・利用することができます。短時間で構築できるだけでなく、冗長化が簡単にできる点、スペックの変更が柔軟である点も特徴です。基本的な課金システムは1時間単位となっていて、必要なときだけ起動すればコストを抑えることもできます。
S3
「S3」は耐久性の高さを備えたオブジェクトストレージです。保存できる容量やファイル数に制限がなく、どこからでもアクセスすることができます。耐久性はなんと99.999999999%となっていて、データを消失することが無いに等しいと言えます。AWSには他にもクラウドストレージがいくつかあり、用途に応じて選べるようになっています。その中でもS3は入門者におすすめのストレージサービスです。
RDS
「RDS」はRelational Database Serviceの頭文字で、簡単に言うとデータベースサービスです。MySQLやPostgreSQLなどの主要なデータベースを簡単に作成できます。また、冗長化・バックアップといった処理も簡単に行えます。簡単な設定を行うだけで自動バックアップする機能があり、リカバリが可能です。セキュリティが必要な顧客リストや商品データなどの管理に適しています。
AWSの学習入門3:重要用語を理解しよう
学習入門として基本の用語を理解しましょう。どんな分野でもそうですが、まずは用語を理解できるようになることが大切です。AWSでもよく使われる用語があります。これから紹介する用語はAWSを勉強していく上で必須となる基本中の基本の用語です。これを理解していないと初期段階でつまずいてしまいます。AWS入門において避けて通ることはできない、重要な用語を覚えておきましょう。
AZ
「AZ」は Availability Zone(アベイラビリティゾーン)の頭文字で、データセンターの単位のようなものです。AWSのデータセンターは世界中にあり、リージョンとAZという単位で整理されます。リージョンの方が大きな単位で物理的な地域ごとに設定されています。そして各リージョンは2つ以上のAZで構成されています。それぞれが冗長性のある電源やネットワークを持ち、障害発生時も他のAZに影響しません。
VPC
「VPC」はVirtual Private Cloud(バーチャルプライベートクラウド)の頭文字で、そのままユーザーのプライベートなクラウドサービスのことです。AWS VPCを使えば、複雑に絡むネットワークの設定を、容易にカスタマイズすることが出来ます。先ほど紹介したEC2やRDSを利用する際も、ネットワーク同士を繋ぐほとんどはVPCを利用しています。AWSでは基本的にVPCがないとはじまらないということになります。
Region
Region(リージョン)は先ほど紹介したAZから構成されている領域のことです。AWSは世界をいくつかのリージョンに区切っていて、それぞれのリージョンごとにクラウドコンピューティングサービスを提供しています。2019年時点では、AWSは世界の主要都市に22のリージョンを展開していまいした。日本だと東京リージョンだけでしたが、2020年に大阪リージョンが追加され、障害や災害に強くなりました。
Instance
AWSのInstance(インスタンス)とはEC2の機能として提供される仮想サーバーです。インスタンスという単位で、サーバー環境が構築できます。 インスタンスには汎用・コンピューティング最適化・メモリ最適化・高速コンピューティング・ストレージ最適化の「インスタンスタイプ」があり、異なる処理内容やメモリの容量で選べるようになっています。
AWSの構築入門3つ
AWSはハード面に左右されず、簡単にインフラを構築できる画期的なサービスです。利用するためにAWSの構築入門について紹介します。入門なのでここではかなり簡単な説明になってしまいますが、細かいところはAWSのWebサイトなどでじっくり確認してみてください。
AWSの構築入門1:構築の準備
構築入門ではまず事前準備をします。チェックリストを作り、項目ごとにまとめておきましょう。項目には、サーバーの構築と運用を行うために必要となるサービス、インスタンスを整理し、セキュリティ水準の確認や使うリージョンやジオロケーション、ネットワークの構成などがあるとよいでしょう。
アカウントを作成する
まずはAWSのアカウントを作りましょう。入門者にはうれしいAWS無料利用枠もあります。ブラウザでAWSアカウント作成の画面を開き、メールアドレス・パスワード・アカウント名を入力し、個人情報の登録、クレジットカードの登録と進みます。次にSMSか自動音声電話によるアカウント認証を行います。4桁の検証コードを入力し本人確認が完了したら「続行」をクリック,最後にサポートプランの選択でベーシックプランを選んだら登録完了です。
仮想サーバーの起動
まずはEC2で仮想サーバーを起動してみましょう。AWSサインアップしている状態で、Amazon EC2コンソールを開き「Launch Instance」を選択、起動ウィザードの手順に従って起動します。Webで「Amazon EC2 Windowsインスタンスの開始方法」を参照しながら進めましょう。AWSアカウント作成から1年間以内であれば、有料のオプションを使わない限り利用料はかからないので安心です。
ストレージサービスの利用
次にストレージですが、AWSの代表的なサービス「Amazon S3」を使ってみましょう。S3も1年間の無料枠を利用できます。Amazon S3のコンソールにログインしたら、バケット名を作成しリージョンを選択します。バケット名はそのままURLになるためよく考えましょう。作成したバケットをクリックし「Upload」でオブジェクトをアップロードします。
AWSの構築入門2:構築イメージ・サンプル
構築入門で次のステップでは、実際どのように構築していくのかイメージを明確にするため、アーキテクチャパターンを考えてみましょう。入門から始める場合はミニマムなものがおすすめです。はじめにVPCを用意しAZを指定します。 その中に外部からアクセスパブリックサブネットと、外部と通信したくないプライベートサブネットを作ります。パブリックサブネットにインスタンスを立てます。
AWSの構築入門3:動作確認しよう
構築入門ラストのステップでは、動作確認をしましょう。インスタンスのステータスチェックです。EC2のコンソールでstatus checkが「2/2 checks passed」と表示されます。「2/2」とは仮想マシンの疎通(System Status Checks)とOSの疎通(SystemとInstance Status Checks)のことで、どちらかに失敗があると「1/2」や「0/2」と表示され「!」マークが出ます。
入門におすすめのAWS関連の書籍
学習には手元に入門書籍があると安心です。AWSを何から学んでいいか分からない方には「ゼロからわかるAmazon Web Service超入門」がおすすめです。クラウドやAWSの初心者向けにやさしく解りやすく書かれています。手を動かして身につけたい方におすすめの入門書は「Amazon Web Services 基礎からのネットワーク&サーバー構築 改訂版」です。 AWS無料枠を利用し、実際に使ってみることをおすすめします。
AWSの基礎を学べるアプリ
Webアプリも学習に役立ちます。有名なのが「ドットインストール」です。1コマ3分の動画なので集中して見ることができます。AWSの入門編全17回も無料で閲覧可能です。次におすすめなのが「SlideShare」です。AWSの勉強会で使われた資料がアップされています。AWSの人が作った資料なので、とても解りやすくためになります。また、AWSの各サービスのポイントについても学べます。
AWSの入門から学習しよう!
ここまでAWS入門について紹介してきました。何から勉強をはじめようか目星はついたでしょうか。AWSは簡単にはじめられますが、多様なサービスがあり奥が深いものです。エンジニア経験の無い人には漠然としすぎてイメージがつきにくいかもしれません。AWSは多くの企業で採用されていて、AWS入門のためのセミナーや書籍、学習サイトも豊富です。まずは入門から学習し、徐々に知識を広げて行きましょう。