ネットワークスペシャリストは難易度が高い?難しいポイント3点と勉強方法を紹介

ネットワークスペシャリストとは

ITが日常化する中で、情報セキュリティに関する知識はITエンジニアにとっても必須項目となってきました。そのため、「ネットワーク」に関する専門スキルを持った人物こそネットワークスペシャリストと呼ばれます。

ネットワークスペシャリスト試験は、ネットワークについてのプロフェッショナル資格です。ITストラテジスト、システムアーキテクト、ITサービスマネージャといった業務とも関連があります。

資格取得によってできること

ネットワークスペシャリストの資格試験をパスすることで、ITストラテジストやシステムアーキテクト、ITサービスマネージャとしての業務の幅が広がり、ネットワーク管理者としてステップアップすることができます。

経済産業省が行なう情報処理技術者試験の一つで、唯一の国家試験です。資格取得後には報奨金や手当を出す企業もあり、収入アップの可能性があります。

ネットワークスペシャリストの資格が役に立つ職業

難易度の高いネットワークスペシャリストの資格を持っていると、ネットワークの幅広い専門知識を学んでいる証明になるため、ネットワークエンジニアやインフラ系エンジニアとしてのキャリアアップに役立ちます。

それは言い換えると、IT系職種全般での就職・転職に有利でもあります。IT系資格の中でも難易度の高さを誇ることから、合格者もまだまだ少ない状況であることも理由になっています。

ネットワークスペシャリスト試験は難しい?

ネットワークスペシャリストの資格試験は、難易度が高くて狭き門だとされています。難易度の高さが実際にどれくらいなのかも気になります。

試験内容としては、正解が必ずある問題ばかり出題されるため、知識の丸暗記をすることがポイントとされています。ただし、情報セキュリティやIT関連の膨大な知識を要するため、暗記する量がかなり多いでしょう。

合格するために必要な点数

ネットワークスペシャリスト資格の難易度が高い理由の一つは、試験が長丁場に及ぶことにあります。ネットワークスペシャリスト資格試験は、午前Ⅰ、午前Ⅱ、さらには午後Ⅰ、午後Ⅱという4つを受験し、全てを100点満点中60点以上を取って合格とします。

60点なので楽なように思われがちですが、かなり難易度のある問題が出題される傾向です。事前の準備をしっかり行ない、計画的に勉強しないと合格に至らないのが実情です。

近年の合格率と合格人数

現在の資格試験のシステムが確立された平成21年度以降からの、ネットワークスペシャリスト試験の合格者の推移は、合格率で10%台半ば(14.4%)というかなり低い数値です。受験者数の平均は約14,000人前後なので、合格者数は2,100人前後が平均でしょう。

この合格者の低い数値の理由としては、広範囲にわたる試験内容に準備が間に合わず、知識が追いついていないというのが圧倒的に多いと聞きます。

ネットワークスペシャリスト試験の難易度が高いポイント3つ

ネットワークスペシャリスト試験の難易度を高くしている理由は、いくつか考えられます。特に試験の形式がやや特殊で、かつ分量が多いことです。

問われる内容も高度で専門的なものばかりです。では、難易度を上げている大きな理由について、詳しく述べていきましょう。

難易度が高いポイント1:1日で4種類の試験形式を受ける

ネットワークスペシャリスト試験の難易度を上げている大きな理由は、試験日1日の中でまとめて4種類をこなすという、その分量の多さに圧倒されるからです。

ネットワークスペシャリスト試験の形式は、午前Ⅰ、午前Ⅱ、午後Ⅰ、午後Ⅱの4種類が実施されます。テクノロジ、マネジメント、ストラテジからの出題に加え、情報セキュリティに関する問題も登場します。試験当日までに暗記しておくことがたくさんあります。

難易度が高いポイント2:論述問題が難しい

ネットワークスペシャリスト試験の難易度を上げているのは、長文読解の問題も出題し、その設問に対して論述式で答えるという形式があるからです。時間内に文章を読んで素早く解答するスキルが求められます。

しかもその長文は、10ページ以上にもわたり、圧倒的な文書量から、余計にプレッシャーを感じてしまうので、事前の論述問題対策を必要とします。

難易度が高いポイント3:午後の問題が特に難しい

ネットワークスペシャリスト試験の難易度を上げているのは、どちらかと言えば午前の部の試験内容よりも、午後の部の内容の方です。

先述のように長文を読んで答えたり、論述したりする問題が主になります。午前の内容をさらに拡張させた範囲で設問数も多くなります。そのため、問題文をスピーディーに読解しながら、適切な解答を制限時間内に見出すスキルが要求されます。

ネットワークスペシャリストの独学での勉強方法

ネットワークスペシャリスト試験は、かなりの難易度を誇るIT系資格試験です。実務経験の豊富なIT系の人々でも、全員が合格できるかどうかは分からないものです。

基本的には、過去問を研究し出題傾向を掴み、刷り込み学習していく方法がベーシックです。では、さらに具体的な、ネットワークスペシャリスト試験の独学勉強方法を見ていきましょう。

よく出る問題や傾向を把握して対策することが大切

難易度のあるネットワークスペシャリスト試験に限らず、資格試験の独学は出題傾向を把握しつつ、実直にやり続けることにあります。

資格試験の場合、その分野の専門的な用語や意味、活用に至るまでのことを丸暗記できるスキルが要求されます。その作業は一朝一夕にはいかないものです。

学習計画を立て対策を練るようにしましょう。独学ではアドバイスを求める人がいないため、自分から指針を作って効率よく進めるしかありません。

モチベーションが下がらないように工夫をする

独学での注意点は、勉強するペースを一定にキープできるかどうかです。精神的にムラがあると、やらなくてはならない時にモチベーション維持ができず、とん挫してしまう恐れがあります。

ましてや、難易度の高いネットワークスペシャリストの資格勉強では、長期間に及びつつ大量な知識を吸収しなくてはなりません。スケジュールを立て、素直に実行するしかありません。毎日、1週間単位などでの短期ノルマを決めることが重要です。

ネットワークスペシャリストの試験対策におすすめの本3選

ネットワークスペシャリスト試験の対策は、やはりどのような参考書や問題集を使うかがカギとなってきます。

難易度の高い資格試験なので、豊富な知識を得るために必要な分量が掲載されているのか、わかりやすい解説があるか、チェックしたいところです。では、高い難易度を誇るこの試験を突破するために役立つ、おすすめの参考書をご紹介します。

ネットワークスペシャリストの本1:2019 ネットワークスペシャリスト「専門知識+午後問題」の重点対策 (重点対策シリーズ)

ネットワークスペシャリスト試験に出題される用語や技術について、丁寧に解説している参考書です。特に午前Ⅱ試験への対策ポイントが掲載され、過去の出題問題も、午後問題を中心に分析しています。

図表を使っていて、頭の中でも整理することができます。また「得点力がアップするネットワーク用語の確認問題」をダウンロードできます。問題を解き文章をまとめる力も同時に養うことができるでしょう。

ネットワークスペシャリストの本2:情報処理教科書 ネットワークスペシャリスト 2020年版

ネットワークスペシャリスト試験の対策が盛りだくさんに入っている本です。各章の出だしでは、出題傾向分析と学習アドバイスを掲載しています。

さらに、午後I問題と午後II問題の共通点や違いなどから、それらの攻略法を解説しているので参考になります。午後問題の読み方・解き方を身につけたい方におすすめします。

ネットワークスペシャリストの本3:(全文PDF・単語帳アプリ付)徹底攻略 ネットワークスペシャリスト教科書 令和2年度

ネットワークスペシャリスト試験の単なる試験対策ではなく、実力を身につけたい方は一冊所持しておくとよいでしょう。近年の午後IIで頻出されている情報セキュリティに対応し解説しているのも特徴的です。

その解説の随所には例題が挟み込んであり、「スモールステップ方式」による理解が深められます。また、試験直前に使うと便利な項目別要点チェックが搭載されています。切り離し式なので隙間時間の学習に最適です。

難易度の高いネットワークスペシャリストに挑戦してみよう

難易度がハイレベルなネットワークスペシャリスト試験は、情報システム系やネットワーク系関連企業などへの転職にも有利なうえ、現行の仕事への実務的立証ができます。

独学だけでの攻略は難しいため、スクールなどを利用してみるのも取得のコツです。もし予算に余裕があれば検討してみるといいでしょう。

どうしても独学にこだわるのであれば、しっかりと事前の試験対策と十分な計画を練って毎日コツコツとやりこなすことです。