プロマネの資格を取得するメリット4つ!試験の勉強方法を解説!

プロマネ(プロジェクトマネージャ)の資格とは?

プロマネの資格は、経済産業省が所管する独立行政法人である「情報処理推進機構(IPA)」が実施している国家資格です。

情報処理系では13区分の資格試験があります。その中でもプロマネとして働くためにおすすめの資格試験が、マネジメントスキルが認定される「プロジェクトマネージャ試験(PM)」です。

国家資格であることから資格を取得することでたくさんのメリットを得られます。

プロマネ試験の難易度と合格率

情報処理推進機構(IPA)では、様々な分野の情報処理技術者試験が行われていますが、プロマネ試験はその分野のプロフェッショナルであり最高レベルの難易度です。プロジェクトマネージャの経験を積んだ人でも、ある程度の勉強時間を必要とします。

試験は毎年1回だけです。受験する前にその難易度や合格率を知り、計画的に勉強を進めていく必要があります。対策をしっかり行い難しい試験に備えましょう。

難易度

プロジェクトマネージャは、プロジェクト全体の管理やチーム全体のマネジメントなどのヒューマンスキル能力も問われる仕事です。

高度な技術や知識を必要とするためプロマネ試験の難易度は、最高難易度である「スキルレベル4」に区分されています。

実務経験からテーマに沿った論述試験も行われ、限られた時間内に的確に伝わる文章作成能力も必要とされます。論文作成等を苦手とする人にはさらに難しい資格試験となります。

合格率

IPAの公式ページに発表されているプロマネ試験の合格率は低く、平成30年度春期では、13.2%となっています。

平成21年春期~平成30年度春期までの統計情報から見た、12.7%~14.5%という合格率からも難易度の高さがうかがえます。

プロマネ試験の資格取得におすすめの人

ではプロマネ試験は、どんな人が受ける資格試験なのでしょうか。難易度も高いためPMの経験が少ない人は、少し尻込みしてしまいそうな試験です。しかし、プロマネ試験は、受験資格はなく誰でも受けられます。

特に、プロジェクトマネージャとしての経験が豊富で今後も実績を積みたい人や、プロジェクトマネージャとしての業務内容の理解度を高めたい、管理手法を学びたい、という人におすすめです。

実際にPMの経験がある人

プロジェクトマネージャとは、プロジェクト全体を統括し、トップに立ち指揮する最高責任者のことを指します。

そのため、プロマネ試験を受験する人の多くはプロジェクトマネージャとしての経験がある人が多く、プロマネの資格を今後の仕事に活かしたい人にもおすすめです。

プロジェクトマネージャの経験があることで、業務内容の理解度をさらに深めるとともに、自身のキャリアアップに活かすこともできます。

管理手法や関連法令などの知識を学びたい人

プロマネ試験はプロジェクトマネージャの経験が十分でなければ受験資格がない、ということではなく、IT業界での必要な知識や経験を持つ人なら誰もが受験できる資格試験なのです。

プロジェクトマネージャとしての経験がまだ浅く駆け出しの人でも、この試験を通して、プロジェクトマネージャの管理手法や関連法令を学ぶこともできます。

PM経験が豊富な人だけが受ける試験ではなく、経験が少ない人ほど学べることも多いため受験の価値があるでしょう。

プロマネの資格を取得するメリット4つ

プロマネ試験は合格率も低く難易度が高いにもかかわらず、IT業界では誰もが知る人気の資格試験です。それは、プロジェクトマネージャの資格を取得することで得られるメリットが大きいからでしょう。

資格を取得することで様々なメリットがありますが、ここでは特に嬉しいメリットを4つ紹介します。資格取得を目指すモチベーションにもなりますので、是非理解しておきましょう。

資格を取得するメリット1:知識が一定以上の水準である証明になる

プロマネ試験は難易度の高い国家資格なので、誰もが簡単に取得できる資格ではありません。つまり、 プロマネ資格保持者であるということは、プロジェクトマネージャとしての高いスキル、幅広い知識を持つ者という証明になります。

資格を持つことで高い評価を受けるとともに、自身がTI業界において優秀な人材であるということをアピールするための材料として効果的な資格なのです。

資格を取得するメリット2:適性をアピールできる

難易度の高いプロマネ試験を受験しそれを突破したという事実は、プロジェクトマネジメントという業務に対して強い興味、関心を持っているというアピールにもなります。

これはプロジェクトマネージャとしての適性があるという判断基準にもなります。IT業界から適性が認められることで、転職、独立という場面でも大きく影響し仕事の幅も広がっていくことでしょう。

資格を取得するメリット3:年収の増加を見込める

日本の平均年収と比較しても、プロジェクトマネージャの平均年収は高い傾向にありますが、その給与幅は広く勤務地や年齢、経験だけでなく、求められるスキルによっても大きな差があります。

給与はIT業界からの評価が大きく関わるためプロマネの資格を有するか否かは、あなたの今後の収入にも大きく影響してきます。

資格を取得するメリット4:キャリアアップの可能性が広がる

プロジェクトマネージャとしての実績や力量が同レベルである人材がいれば、プロマネの資格はどちらに信頼して仕事を任せられるかの判断基準になるといってよいでしょう。

プロマネの資格を取得することは、これまでPMとしては駆け出しだった人にとって大きなプロジェクトを任せられるチャンスでもあるのです。

こうして実績を積んだプロジェクトマネージャは、社内でキャリアアップするだけでなく、転職する際にも求められる人材となります。

プロマネ試験資格の試験内容4つ

プロマネの資格試験は全部で4部構成となっており、午前の部では多肢選択式、午後の部では記述式、論述式という内容になっています。

午前1~午後2それぞれの試験に特徴がありますので、ポイントを押さえてしっかりと対策を立てましょう。

試験資格の試験内容1:午前1

午前1の試験時間はは9時30分から10時20分の50分間となります。出題形式は多肢選択式で、制限時間内に出題数30問全てに解答します。

各3~4点の配点となり、合格点数は60点です。

出題内容

応用情報技術者試験の午前問題の中から選ばれた30問が出題されます。

レベル3程度でそれほど難しいということはありませんが、午前1の試験は高度区分全ての共通試験であるため出題範囲が広くなります。

プロマネの試験では6割の正解で合格点です。苦手分野は捨てる覚悟で効率的な学習法を選択しましょう。午前1に合格すれば翌年から2年間、免除になる制度があります。

試験資格の試験内容2:午前2

午前2の試験時間は10時50分~11時30分の40分間となります。 出題形式は午前と同じく多肢選択式となり、出題数は25問に制限時間内で全てに解答します。

こちらも午前1の試験同様に60点が合格点となります。

出題内容

午前2の試験内容は、プロジェクトマネジメントの分野が15問を占めています。

残りの10問は、セキュリティ、開発技術、サービスマネジメント、ソフトウェア開発管理技術、システム企画、法務の7分野から出題されます。

午前2の試験はより専門知識が必要とされる試験です。日頃の業務からプロジェクトマネージャとしての知識をしっかりと身に付けておくことも重要です。

試験資格の試験内容3:午後1

午後1の試験時間は12時30分~14時までの90分です。出題形式は大問形式により3問出題され、その内の2問を選択し記述式で解答します。

各50点で、60点以上で合格点となります。

出題内容

午後1の試験では午前問題よりもさらにプロジェクトマネジメントに関わる知識が必要となってきます。実際にプロジェクトの立ち上げ、実行、終結といった場面を想定し文章問題で出題されています。

制限時間内に伝わりやすい文章で表現できるかが合格のポイントになります。

難しい場合は、模範解答と自分の解答を比べ、どこがどう違うのか突き詰めて考えてみましょう。そうすることで問題文の捉え方も変わり理解が深まるはずです。

試験資格の試験内容4:午後2

午後2の試験時間は14時~16時40分で120分間です。 出題形式は論述式で2問出題された内から1問を選んで解答します。

午後2の試験はA~Dでランク付けされ、最高得点であるAランクで合格となります。

出題内容

1つの問題に3つ設問が用意され、800字以内、600字以上、1600字以内などの規定の文字数で解答します。午後2の試験は論述式の解答で、PMの経験や知識だけでなく、国語力も必要となってきます。

表現力や文章作成能力だけに限らず、洞察力、行動力、独創性などといった視点からも評価されます。相当の記述量を求められるので、対策として手書きで文章を書く練習をしておくと安心です。

プロマネ試験の勉強方法4つ

難易度の高いプロマネ試験に合格するためにはそれなりの準備期間が必要です。仕事をしながら受験する人も多く、勉強時間の確保が大切になってきます。

勉強を開始する際、出題範囲や出題数を把握し過去の問題などを参考にしてどのくらいの勉強量が必要か自覚することが重要となります。それにより学習計画も立てやすくなるでしょう。

難しい試験ですので、プロマネ試験の内容をしっかりと把握し効果的な対策をすることが大切です。

プロマネ試験の勉強方法1:午前1試験が免除されている場合

プロマネ試験では、午前1の試験が合格点に達した場合、翌年から2年間は午前1の試験が免除されます。

午前1が免除され、PMとしての経験が豊富にあり、国語力も十分にあるという方の場合では、40時間程度の勉強量で合格できる場合もあります。

まとまった勉強時間の確保や、午後の論文が難関といわれているため、PM経験者なら文章力を鍛える勉強を重点的に行なうことがポイントです。

プロマネ試験の勉強方法2:午前1試験が免除されていない場合

プロマネ試験ではまず午前1の試験に合格することを前提としてその後の試験が進んでいきます。午前1の試験が合格点数に達していない場合は、まず午前1の対策をしっかりと行いましょう。

PMを受験する人の多くは技術者試験(APやFE)の受験を経ている人が多いでしょう。 対策としては過去問を繰り返し解くことです。

IPAの公式ページに過去問と解答が公開されています。午前1の対策は5時間から10時間を目安に繰り返し挑戦してみましょう。

プロマネ試験の勉強方法3:実務経験がある場合

実務経験がある人なら、独学での合格も可能となります。さらに文章力がある方なら50時間程の勉強時間で合格するケースもあります。

しかし合格できるか否かは経験や知識量によっても異なり、独学の勉強時間が50時間以上を要する人も多いでしょう。

難関な論文問題ではPM経験だけでは充分でない場合もあります。確実に合格するために的確な表現力を身に付けるなど、文章力を鍛える勉強に力を入れましょう。

プロマネ試験の勉強方法4:論述力や国語力がある場合

プロマネ試験の午後の部では、記述式や論述式での解答が求められます。プロマネ試験ではこれらの論述式試験でつまずいてしまう人も多いと言われています。

まずは合格者の論文をチェックすることから始めてみてください。正解の論文を参考にして自分自身でも作成し、何度も挑戦しながら文章を読み解く理解力や表現力をつけるようにしましょう。

日常生活でもSNSなどを利用して文章力を磨きましょう。

プロマネの資格取得を目指そう

プロマネ試験は特に難易度の高い資格試験ですが、取得することで得られるメリットは多く十分に挑戦する価値のある試験です。

受験に向けてきちんと対策をすることで、プロマネの資格取得は可能となります。難しい試験に合格することで、PMの仕事をしていく上で自信にもつながるでしょう。

今後さらにキャリアアップを目指したい、活躍の幅をもっと広げていきたいという人は是非プロジェクトマネージャ試験に挑戦してみてください。