ネットワークスペシャリストの年収に関する詳細を解説!年収が高い理由2つ

ネットワークスペシャリスト保有者求人の全体的な平均年収

ネットワークスペシャリスト保有者求人の全体的な平均年収は、およそ450万円から800万円前後であると言われています。

大手就職サイトで調べると、大体450万円から800万円となっています。これは一般職や他のIT関連の職種と比べると高めの年収です。ネットワークスペシャリストの中でもその年収は幅広く、経験やスキル、他に保有する資格が多い人ほど年収は高くなる傾向です。

ネットワークスペシャリストとはどんな国家資格?

ネットワークスペシャリストとは、経済産業省が認定している国家資格、情報処理技術者試験の1区分、ネットワークスペシャリスト試験に合格した者に与えられる資格のことを指します。

試験では、ネットワークを活用したシステム構築や保守に関する知識が問われます。この試験を実施している情報処理推進機構では、各試験にスキルレベルを設けており、ネットワークスペシャリストのスキルレベルは1~4まであるレベルの最高難度の4となっています。

非常に難易度の高い試験であることから、情報ネットワークに関する知識を有していると証明できる資格といえます。

ネットワークスペシャリストの年収についての詳細

ネットワークスペシャリストの年収は、他の職種やIT関連の職種と比べると比較的高いといえます。

他の保有資格がある場合と比較しても、ネットワークスペシャリストの求人は高い年収で募集が行われている傾向にあります。

資格取得が他の情報技術者試験よりも難しく、ネットワークシステムを構築・運用をする上で重要かつ貴重な人材であることが、ネットワークスペシャリストの年収が高くなる理由だといえます。

他の保有資格条件がある求人の平均年収との比較3つ

情報処理技術者試験には様々な試験区分が設けられており、ネットワークスペシャリスト試験の他に現在13個の国家資格が設けられています。

試験内容は、技術者としての知識・技能が求められる試験と、情報システムを利用する利用者としての試験があり、どれもIT関連の職種に求められる知識と技能を認定する資格です。

ネットワークスペシャリストと他の保有資格者の場合の年収はどのように違ってくるのでしょうか。同じ情報処理技術者試験の資格3つとの比較をしていきます。

平均年収との比較1:情報セキュリティマネジメント試験との比較

情報セキュリティマネジメント試験とは、情報処理技術者試験の1つであり、組織の情報セキュリティ保守の基本的なスキルを認定する試験です。スキルレベルは2に相当し、ITパスポート試験合格者の次のスキルアップ試験として位置づけられています。

情報セキュリティマネジメント試験の資格を保有する場合、求人の平均年収は510万から600万円とされています。これは、ネットワークスペシャリストと比較するとやや低いといえます。

比較的新しい試験項目であることと、難易度はやや低めのスキルレベル2であることが、要因であるといえます。

平均年収との比較2:ITパスポート試験との比較

ITパスポート試験とは、ITに関する基礎的な知識を認定する試験です。これから就職を目指す学生やITに携わる全ての社会人を対象とした資格であり、難易度は情報処理技術者試験の中で最も低い、スキルレベル1とされています。

ITパスポート試験の資格を保有する場合、求人の平均年収は380万から500万円とされています。これは、ITパスポート試験が他の情報処理技術者試験と比較すると、あくまで基礎的な資格であるためだといえます。

年収アップに繋がるというよりは、就職活動や転職時に有利である資格と考えた方が良いでしょう。

平均年収との比較3:基本情報技術者試験との比較

基本情報技術者試験とは、高度なITエンジニアとなるための基礎知識・技能と実践的な能力を認定する試験です。ソフトウェアの設計・開発をするプログラマ向けの試験ともいわれ、その難易度はスキルレベル2に該当します。

基本情報技術者試験の資格を保有する場合、求人の平均年収は350万から600万円とされています。IT関連で就職活動をする際は非常に有利な資格であるため、その求人件数は多くはありますが、ネットワークスペシャリストと比較すると年収は低めであることがいえます。

ネットワークスペシャリストの年収が高い理由

ネットワークスペシャリストは、その資格の難易度からも、他の情報技術者試験と比べて年収が高いといえます。

ここまで様々なIT関連の資格を説明してきましたが、なぜネットワークスペシャリストは他の資格よりも年収が高いのか、主な理由を順番に説明していきたいと思います。

年収が高い理由:需要に対しての供給不足

ネットワークスペシャリストは、インターネットシステムの構築や管理、保守までこなすことが可能なため、どの企業でも獲得したい人材であるといえます。

高度な知識と技術を持ったネットワークスペシャリストは、IT関連業界のみならず、あらゆる産業において必要な人材として求められています。また、その試験の難易度から合格する人が少なく、希少価値が高い資格といえます。

そのため、獲得しようとする企業の提示する年収が、高額になっているのではないかと考えられます。

年収が高い理由:資格手当がある

ネットワークスペシャリストを取得した場合、企業によって資格手当が支給される場合があります。

資格手当とは、業務に活用することができる資格を取得している、もしくは取得した従業員に対して企業が支給する手当のことです。ネットワークスペシャリストの場合、おおよそ毎月5,000円から1万円程度であると言われており、これによって相乗的に年収が上がるといえます。

ネットワークスペシャリスト保有者として年収を上げる方法3つ

ネットワークスペシャリスト保有者として年収を上げるには、実務での経験はもちろん、スペシャリストとしてのスキルアップを目指すことが重要となってきます。その上で、更なる年収アップを考える場合、いくつかの条件を満たすことが必要です。

ネットワークスペシャリスト保有者として更に年収を上げる方法を、いくつかご紹介します。

年収を上げる方法1:ネットワーク業界の変化に対応する

ネットワーク業界は、凄まじい速度で成長しているため、その変化に対応出来るだけの知識や技術を身に着けておくことが必要です。

近年、クラウドサービスの進展により、ネットワーク環境のインフラ部分が外部に移行されていくといわれています。

これにより、ネットワークを構築する技術だけでなく、クラウド技術やセキュリティ対策も求められることが予想されるため、このような技術を身につけることで今後の年収アップに繋がることでしょう。

年収を上げる方法2:シスコ技術者認定試験資格をとる

シスコ技術者認定試験に合格することで、世界が認める高い水準での知識と技術力を証明することができます。

ネットワークスペシャリスト試験が国家資格であるのに対し、シスコ技術者認定試験は、シスコ(Cisco)社が認定する民間のネットワーク資格です。実践的な試験内容なため、シスコ技術者認定試験を重視する企業も少なくありません。

資格内容は、「エントリー」「アソシエイト」「プロフェッショナル」「エキスパート」と4種類の評価があり、最高難度の「エキスパート」であるCCIEに認定された場合、間違いなく年収は大幅に上がるといえます。

しかし、シスコ技術者認定試験は受験費用が高額であり、取得した資格の有効期限が3年となっていることから、まずは比較的難易度の低いCCNAから目指し、徐々にスキルアップをはかる方が堅実といえます。

年収を上げる方法3:大企業へ転職する

ネットワークスペシャリストとして更なる年収アップを考えた時、大企業へ転職するという方法もあります。

ネットワークスペシャリストは、試験の難易度から非常に希少価値の高い資格といえるため、多くの企業からの需要があり、ネットワークスペシャリストの資格を必須条件として提示している企業もあります。

ただ、転職となると、実務経験があることも重要視されるため、ある程度経験を積んでからの転職でないと年収アップは見込めません。また、どのようなネットワーク業務に携わってきたのか、しっかり説明ができるように自身のキャリアを整理しておきましょう。

ネットワークスペシャリスト試験に合格するための勉強方法4つ

ここまで、ネットワークスペシャリストが他の職種と比べて高収入であることを説明してきましたが、情報処理技術者試験の中で最高難度のスキルレベル4であるこの試験に合格することは容易ではありません。

ネットワークスペシャリスト試験の令和元年の合格率は、わずか14.4%で、他の情報処理技術者試験と比べてもかなり低い合格率であるといえます。

1日かけて行われる長時間の試験であることと、各時間区分の得点が全て100点満点中60点以上の場合に合格とする難易度の高さが、合格率の低い要因であると考えられます。ここでは、その試験内容と合格するための勉強方法をご紹介します。

合格するための勉強方法1:午前1の試験対策

午前1試験は、50分間の試験時間に四捨択一形式の問題が出され、出題数は30問となっています。

配点は1問につき3、4点となっており、出題内容はテクノロジ系17問、マネジメント系5問、ストラテジ系8問程度の割合で構成されています。応用情報技術者試験の過去問題からの流用が多いため、応用情報技術者試験の午前問題を繰り返し解く方法が効果的であるといえます。

ちなみにネットワークスペシャリスト試験は、午前1の試験については、条件を満たしていれば免除されることがあります。

免除の条件は、「応用情報技術者試験に合格」「いずれかの高度区分の試験に合格」「いずれかの高度試験の午前1試験で基準点(60点)以上の成績を得る」のどれかに過去2年以内で該当していることです。該当した場合は、試験の申し込み時に申請することで免除されます。

合格するための勉強方法2:午前2の試験対策

午前2試験は、40分間の試験時間に四捨択一形式の問題が出され、出題数は25問となっています。

配点は1問につき4点となっており、出題内容は「コンピュータ構成要素」「システム構成要素」「ネットワーク」「セキュリティ」「システム開発技術」「ソフトウェア開発管理技術」の6分野から構成されています。「ネットワーク」及び「セキュリティ」の出題割合が多く難易度も高く設定されています。

出題傾向が高い、ネットワークとセキュリティ分野の知識を、過去の問題も含め十分に理解しておくことが必要であるといえます。

合格するための勉強方法3:午後1の試験対策

午後1試験は、90分間の試験時間に全3問が出題され、その中から2問を選び解答する記述式の試験となっています。

配点は1問50点となっており、その出題内容は主にネットワークシステムの開発や保守に関することからネットワークサービスに関することなど、かなり大まかに設定されています。

ネットワーク技術に関するあらゆることが出題されることを想定して、まずは知識を深めること、過去問題を読み解き問題に慣れておくことが重要です。

合格するための勉強方法4:午後2の試験対策

午後2試験は、120分間の試験時間に全2問が出題され、その中から1問を選び解答する記述式の試験となっています。

出題内容は午後1と同じ内容ですが、10ページ以上ある問題文の中から要点を読み解き解答を導き出す、国語力も必要とされます。

こちらも午後1試験と同様、ネットワーク技術に関するあらゆる知識を深めることはもちろん、過去問題を読み解き問題に慣れておくことが重要であるといえるでしょう。

ネットワークスペシャリストの年収を把握しよう

ネットワークスペシャリストとなるためには、高難度の国家資格を取得しなければいけませんが、年収アップやスキルアップを考えた場合、非常にメリットの高い資格であることがいえます。

今日のネットワーク社会には欠かせない職種でもあるため、転職や就職活動にも有利な資格であり、条件を満たせば更なる年収アップを見込むことができます。

IT関連の職種を考えている方や、スキルアップを考えている方は、是非取得を目指してみてはいかがでしょうか。ネットワークスペシャリストを目指して、自身の年収アップ、キャリアアップに繋げましょう。