データサイエンティストに必要な数学の知識8選|おすすめの書籍もご紹介
データサイエンティストとは?
データサイエンティストとは、データを分析、解析することでビジネス上の課題を解決する仕事です。
データサイエンティストはビッグデータを分析、解析することで、ビジネスに活用するための知見や情報を引き出します。
また、データサイエンティストは統計学や数学、人工知能や機械学習などのさまざまな知識や技術を駆使して企業や社会に貢献する、近年注目を集めている職業だと言えるでしょう。
データサイエンティストに必要な数学の知識8選
データサイエンティストに必要な数学の知識をご紹介します。
さまざまなデータを収集し、分析を行って結果を出すことが仕事のデータサイエンティストですが、仕事にあたり数学の知識が必要になります。
ここではデータサイエンティストに必要な数学の知識8選をご紹介します。
必要な数学の知識1:微積分
データサイエンティストには微積分の知識が必要です。
データサイエンティストが機械学習を行う上で、大学レベルの数学基礎知識や微積分のスキルが必要になります。たとえば、機械学習は簡単に言えば最適化を行うための手法で、ある数値が最初になるところを求められる微分の計算が必須です。
そのため、基本的な微積分が理解できるようになる必要があります。
必要な数学の知識2:統計学
データサイエンティストには統計学の知識が必要です。
統計学とは現状を可視化し、未来を予測することを目的とした学問です。データサイエンティストにとって統計学は機械学習を行う上でも基本となるものなので、習得が必須です。
統計学を学ぶ場合は、統計的数値を計算するために必要な母集団や標本集団、正規分布、確率分布などを学習するようにしましょう。
必要な数学の知識3:最適化
データサイエンティストには最適化の知識が必要です。
データサイエンティストは仮説を立て、分析を行い、さらに検証を繰り返す仕事です。この作業によって課題の最適な解決策を求めていきます。
また、機械学習も最適化を行うための手法となっているため、最適化数学はデータサイエンティストに必要なスキルであると言えるでしょう。
必要な数学の知識4:ベイズ統計
データサイエンティストにはベイズ統計の知識が必要です。
確率には「客観確率」と呼ばれるものと「主観確率」と呼ばれるものの2種類があります。ベイズ統計は「主観確率」を扱う統計学で、データが不十分であっても本来起こるであろう事象の確率を求めることができます。
ベイズ統計は検索エンジンのアルゴリズムにも利用されており、データサイエンティストに必要な数学の知識の1つとなっています。
必要な数学の知識5:線形代数
データサイエンティストには線形代数の知識が必要です。
データサイエンティストが扱うビッグデータは、人がそのまま計算することができないほど膨大な量のデータです。そのため、多くのデータをまとめて計算することができる線形代数が重要になります。
線形代数によってビッグデータをアルゴリズムに適用することで、ビッグデータを定式化することができるようになります。
必要な数学の知識6:ラプラス変換
データサイエンティストにはラプラス変換の知識が必要です。
ラプラス変換は、代数計算と変換公式を適用することで微分方程式が解ける解法です。ラプラス変換を学ぶことで、積分などを使うことなく簡単に微分方程式が解けるようになります。
また、ラプラス変換は機械学習を行う上でも必要な知識の1つでと、さらに後述のフーリエ解析を学ぶ上でも必須になってきます。
必要な数学の知識7:確率統計
データサイエンティストには確率統計の知識が必要です。
確率統計とは前述の統計学の基本となる内容で、高校数学で習う内容です。そのため、確率統計に関しては一般的な知識として知っておくようにしましょう。
また、データサイエンティストに必要とされる確率統計のレベルは大学初等教育レベルとなるため、確率の基本的な法則や確率分布、順列や組み合わせなどについて知っておくとよいでしょう。
必要な数学の知識8:フーリエ解析
データサイエンティストにはフーリエ解析の知識が必要です。
フーリエ解析とは複雑な関数をさまざまな周波数成分で表すことで、より簡単に記述することができるというものです。
データサイエンスの分野でフーリエ解析を用いる場合は、データを別の尺度に変換することでデータ分析が簡単になるため、スペクトル解析などでよく利用されます。
数学の他に必要なもの4選
データサイエンティストにとって数学の他に必要なものをご紹介します。
データを分析、解析することでビジネス上の課題解決を行うデータサイエンティストには、さまざまな数学の知識が必要になります。しかしデータサイエンティストには、数学以外にもさまざまなものが必要です。
ここでは数学の他に必要な知識やスキルを4つご紹介します。
数学の他に必要なもの1:資格
データサイエンティストにはスキルを証明するための資格が必要です。
データサイエンティストとして十分なスキルを持っていることの証明として、IT資格を取得しておくのがおすすめです。
データサイエンティストにおすすめの資格には、「情報処理技術者試験」「データベーススペシャリスト試験」「統計検定」などの種類があります。
数学の他に必要なもの2:プログラミングスキル
データサイエンティストにはプログラミングのスキルが必要です。
データサイエンティストがデータ分析を行う場合、既存の統計ツールを利用することもあります。しかし、データサイエンティスト自身がプログラミング言語を利用して、システムを開発することもあります。
たとえば機械学習や統計処理に強みを持つPythonや、統計解析に最適なR言語、さらにSQLを使ってデータを抽出するスキルが必要になるでしょう。
数学の他に必要なもの3:データエンジニアリングに関する知識
データサイエンティストにはデータエンジニアリングに関する知識が必要です。
データサイエンティストにはデータサイエンスを駆使し、データを活用できるデータエンジニアリングに関する知識が必要です。データエンジニアリングにはプログラミングスキルなども含まれます。
数学の他に必要なもの4:ビジネススキル
データサイエンティストにはビジネススキルが必要です。
データサイエンティストはデータを活用することで、ビジネス上の課題解決や経営戦略の決定などをサポートすることを目的としています。そのため、分析対象とするビジネスに対する深い理解が必要です。
ビジネスを理解した上でデータ分析を行うことで隠れている問題点などを見つけ出すことが可能になり、ビジネスに貢献することができます。
データサイエンティストになるためにおすすめの書籍6選
データサイエンティストになるためにおすすめの書籍をご紹介します。
データサイエンティストを目指すのであれば、データサイエンスに必要な知識を習得できる書籍を読んで学習することが重要です。たとえば、統計学や数学が学べる書籍を選ぶのが良いでしょう。
ここではデータサイエンティストになるためにおすすめの書籍6選をご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてはいかがでしょうか。
おすすめの書籍1:プログラミングのための確率統計
「プログラミングのための確率統計」は最適化数学の基礎から手段までしっかりと学べる本です。
データサイエンティストをはじめとした、コンピュータサイエンスに携わる人材のために書かれた確率統計の教科書です。最適化数学の基礎原理から計算手法まで、プログラムによって確率統計を丁寧に解説します。
わかりにくい数学的な概念も、図表とプログラムによって理解しやすくなっています。
おすすめの書籍2:スバラシク実力がつくと評判の偏微分方程式キャンパス・ゼミ
「スバラシク実力がつくと評判の偏微分方程式キャンパス・ゼミ」は例題、演習問題、実践問題によって偏微分方程式が学べる本です。
マセマ数理研究所の数学のさまざまな分野に精通している専門家2人が書いた偏微分方程式の教科書です。
偏微分方程式について全4章で構成されており、各章でも細かいテーマに分けて詳しく解説しています。例題、演習問題、実践問題を解きながら学習を進めることで、しっかりとした力が身につきます。
おすすめの書籍3:これなら分かる最適化数学
「これなら分かる最適化数学」は数学的背景の解説に力を入れた最適化手法の入門書です。
最適化手法の入門書として、最適化数学の基礎原理から計算手法までわかりやすく書かれた本です。また、経営学やORだけでなく、統計的最適化や機械学習に関しても取り扱っており、数学的な背景についても力点を置いているのが特徴です。
さらに例題も豊富に掲載し独自の説明によって解説することで、無理なく読み進めることができるでしょう。
おすすめの書籍4:スバラシク実力がつくと評判のラプラス変換キャンパス・ゼミ
「スバラシク実力がつくと評判のラプラス変換キャンパス・ゼミ」は例題、演習問題、実践問題によってラプラス変換が学べる本です。
「スバラシク実力がつくと評判の偏微分方程式キャンパス・ゼミ」と同じシリーズの参考書で、「ラプラス変換」「ラプラス逆変換」などの全4章で構成されています。
また、細かいテーマに分けて解説しており、例題、演習問題、実践問題を解きながら学習を進めることで実践的な力が身につきます。
おすすめの書籍5:完全独習 ベイズ統計学入門
「完全独習 ベイズ統計学入門」はベイズ統計学についてやさしく解説した入門書です。
中学数学レベルの内容を忘れてしまっている人にも理解できるようにベイズ統計学を解説した本です。
確率やルートを忘れてしまっていても、迷惑メールの自動振り分けや検索エンジンの予測変換機能、ネットショップのリコメンド機能などさまざまなビジネスで利用されているベイズ統計学をしっかり学ぶことができます。
おすすめの書籍6:プログラミングのための線形代数
「プログラミングのための線形代数」はプログラミングを利用することで線形代数を無駄なく学べる本です。
線形代数は構造化されたデータを扱うさまざまな処理に関係している学問ですが、抽象的で分かりにくい面もあります。
しかしこの本はプログラミングを行う人材を対象とすることで、一般的な数学の本よりも的を絞った構成になっています。そのため、線形代数やそのコンピュータサイエンスにおける応用がわかりやすく解説されています。
データサイエンティストには数学の知識やスキルが必要
データサイエンティストはさまざまなスキルが求められる職業です。
データサイエンティストには数学の知識はもちろん、ビジネススキルやプログラミングスキルなども求められます。
ぜひこの記事でご紹介したデータサイエンティストに必要な知識などを参考に、データサイエンティストに必要なスキルを身につけてみてはいかがでしょうか。