SIerとWeb系を徹底比較!項目別にそれぞれの違いを4つご紹介!

SIerとは?

SIerはシステムインテグレーターと呼ばれることもあるIT企業のことです。SIerは顧客からの要望に応えるシステムを開発し、導入から運用までを行います。

開発から運用まで行なってもらえるので、顧客側は基本的にシステムに関しては要望を出して、あとは丸投げということもできます。また、SIerの仕事の範囲や工程は非常に広いので、主に比較的大きな規模のシステム開発を請け負うことになります。

Web系企業とは?

SIerは顧客の要望に応えるシステムを構築する企業であることに対し、Web系企業はWebを使って自社のWebサービスを運営したり、提供したりするIT企業のことです。

サービスの開発から提供までの工程が自社で完結するので、SIerのように顧客からの要望通りのものを作るのではなく、基本的に全て自社でプロデュースすることになります。

【項目別】SIerとWeb系の違い4つ

SIerとWeb系企業は同じIT企業というジャンルではありますが、SIerは顧客の要望に応えてシステムを構築する企業で、Web系企業は自社のプロデュースでWebサービスの運営や提供を行う企業という違いがあります。

また、仕事内容が異なることで、職場環境や求められるスキルなど、いろいろな部分に違いがあります。もし、IT企業への就職や転職を検討している場合は、その違いを把握しておきましょう。

SIerとWeb系の違い1:年収・給与面

IT業界の年収や給与面は、スキルや実績があるほど高くなるという成果主義のケースが多いです。

そのため、Web系企業でも成果主義を採用している場合、若い世代の人でも高い年収や給与を得ている人もいます。そのWeb系企業全体の平均年収は680万円ほどです。

また、Slerでは規模の大きなシステム開発を行うことが多いことから、Web系企業よりも平均年収は100万円ほど高く、790万円ほどです。

SIerとWeb系の違い2:必要なスキル

SIerでは顧客の要望に応えるシステムを構築するため、顧客の要望を的確に把握するためのコミュニケーション能力が必要です。また、ソフトやハードの知識、システムの保守やメンテナンスを行う技術なども必要となります。

Web系企業でもSIerと同様に開発に関する知識が必要となります。ただし、Web系企業ではプロジェクトが完全分業化されていないことが多く、1人に対して求められるスキルの幅が非常に広くなります。

SIerとWeb系の違い3:開発環境

企業によって開発環境は異なりますが、SIerでの開発環境はVisual StudioやEclipse、NetBeansなどのIDEが多く、Web系企業ではLinuxとVimを使うことが多いです。

そのため、SIerからWeb系企業への転職を経験した人の中には、開発環境の違いから最初に仕事のやりにくさを感じてしまう人も多くいます。

SIerとWeb系の違い4:将来性

SIerでは主に大きな規模のシステム開発を行なっているので、銀行や国を顧客に持ちます。

しかし、成果主義が増えてきているIT業界の中で年功序列のままだったり、スキル習得に前向きでなかったりするので注意が必要です。

そのため、給料の面ではSIerの方が良いですが、エンジニアとしての将来性を考えるとWeb系企業の方が良いでしょう。

SIerとWeb系のどちらが向いている?

IT業界は就職や転職で人気の高い業界となっています。そのため、IT業界を志望する人は増えてきています。IT業界を志望する人の中には、SIerとWeb系企業のどちらが良いか悩んでしまう人もいます。

これらは仕事内容や環境などで選ぶことも重要ですが、どちらの方が自分に向いているか判断することも重要となります。

SIerに向いている人の特徴5つ

SIerでは、主に大きな規模のシステムを構築することになります。また、Web系企業と異なり、顧客の要望に応えたシステム開発をすることになります。

就職や転職でミスマッチを起こさないためにも、SIerを志望する場合は仕事内容を理解したり、SIerに向いている人の特徴を事前に把握したりしておきましょう。

以降でSIerに向いている人の特徴を5つご紹介しますので、参考にしてみてください。

SIerに向いている人の特徴1:大規模システムの構築に興味がある

SIerの仕事の大きな特徴の1つが、大規模システムを構築することです。大規模システムの構築は、中小企業やベンチャーに勤めているとなかなか経験できないこともあります。

そのため、大規模システムの構築に興味があり、携わりたい場合にはSIerでの仕事を選ぶと良いでしょう。なかなか経験できない仕事には強いやりがいを感じることができるので、モチベーションを下げることなく仕事を続けることができます。

SIerに向いている人の特徴2:顧客の課題をITで解決したい

SIerでは顧客の抱える課題をITで解決することが仕事なので、ヒアリングを行ったり、打ち合わせをしたりなどして、顧客に寄り添いながら課題解決を行っていきます。また、SIerは大きなシステム構築をしないと解決できない課題に取り組むことも多いです。

これらのことにやりがいを感じるのであれば、モチベーションを下げることなく仕事を続けることができるので、SIerに向いているでしょう。

SIerに向いている人の特徴3:他の会社と連携しながら働きたい

SIerは顧客の要望に応えるシステムを構築するので、仕事が自社だけで完結することはなく、他社と連携して仕事を進めることになります。また、SIerは下請け構図となっているため、上下の会社とやりとりが必要な場合もあります。

そのため、もし自社だけでなく、他社と連携を取りながら仕事を進めることに楽しさや面白さを感じることができるのであればSIerに向いている可能性があります。

SIerに向いている人の特徴4:プロジェクトを動かす自信がある

SIerでの仕事はシステム開発の中でもプロジェクトマネージャーとしての立ち回りが強いです。入社した場合はプロジェクトマネージメントスキルを身につけるために、プロジェクトマネージャーをすることも多いでしょう。

そのため、大きなプロジェクトをマネージャーとして動かしていく自信がないと、SIerの仕事をこなしていくことはできません。

SIerに向いている人の特徴5:大企業や官公庁を相手に働きたい

SIerでは主に大きな規模のシステム構築を行う仕事をします。その大規模なシステムを求めるのは大企業や官公庁などのため、SIerで仕事をしていると関わる機会も多いでしょう。

そのため、IT業界で働きながら、大企業や官公庁などの大きな組織を相手にして仕事をしたいという場合には、SIerでの仕事が適しています。

Web系に向いている人の特徴4つ

IT業界は就職や転職で人気の高い業界となっているので、SIerと同様にWeb系企業も人気が高いです。また、Web系企業の場合でも、その仕事内容が自分にあっているものかどうか判断することが重要です。

以降でWeb系に向いている人の特徴を4つご紹介しますので、参考にしてみてください。

Web系に向いている人の特徴1:何かを作ることが好き

Web系企業では自社でWebサービスの開発や提供などを行います。Webサービスは形のあるものではないですが、ものづくりです。

そのため、何かを作ることが好きという人はWeb系企業に向いている可能性があります。特に、Web系企業では企画からスタートすることも多いので、1からではなく0からのもの作りに挑戦したい人に適しています。

Web系に向いている人の特徴2:効率化を常に考えている

日常生活や仕事で、常に効率良く動くことや効率化できることを考えている人は、エンジニアに向いている可能性があります。

また、Webサービスではユーザーの需要を探すことも重要なため、日常生活や仕事の中で効率化できることを見つけられることはWeb系企業に向いている可能性があります。

ただし、Web系企業はそのサービスから利益を得るため、効率化できることを企画に落とし込む企画力や発想力も必要となります。

Web系に向いている人の特徴3:地道な作業が得意である

Webエンジニアの仕事は地道な作業の繰り返しです。特に、プログラムはたった1文字間違えてしまうとエラーが出て動かないこともあります。また、動いたとしても思っているような結果が得られなくなってしまいます。

このような場合も、地道にエラーを見つけて修正していくという根気のいる作業が必要となります。そのため、Web系企業でエンジニアとして働く場合には地道な作業が得意な人が適しているでしょう。

Web系に向いている人の特徴4:コミュニケーションに抵抗がない

エンジニアの仕事は1人で完結することはなく、基本的にチームで仕事をすることになります。そのため、全体でスムーズな作業を行うためには、コミュニケーション能力が必要となります。

Webエンジニアの仕事に対して、1人で黙々と作業をするイメージを持っている人もいますが、仕事で連携を取るためにも、誰が相手でも抵抗なくコミュニケーションが取れることが望ましいでしょう。

SIerとWeb系の転職を考えるポイント2つ

これまでは同じ職場で長く勤めることが良いこととされてきましたが、今では新しい職場環境を求めたり、自身のステップアップのために転職したりする人も増えています。

前職と全く異なる業種へ転職する人もいますが、同じ業界で転職する人もいます。そのため、IT業界でもSIerからWeb系企業へ、Web系企業からSIerへの転職を検討する人もいます。

ただし、転職ではいくつかのポイントがあるので、以降で説明するポイントを参考にしてみてください。

SIerからWeb系への転職

SIerは顧客の種類によって、固い職場になりやすいです。

そのため、SIerからWeb系企業への転職をした場合、私服勤務やリモートワークなど、自由な働き方に変わるでしょう。

また、Web系企業は新しいことをどんどん取り入れていくことが多いので、新しい技術を身につけやすくもなるでしょう。ただし、年収が下がってしまう可能性があるので注意しておきましょう。

Web系からSIerへの転職

Web系企業では、エンジニアとしてのスキルを身につけたり、常に新しい技術を学び続けたりする必要があります。

しかし、SIerでは恵まれた開発環境と人員数があります。そのため、仕事が細分化されていて、個人であれもこれもとスキルを身につける必要がありません。また、収入の面も良くなることが多いです。

ただし、新しい技術を身につけないことでエンジニアとしての将来性は下がることになります。

SIerとWeb系の違いを把握しよう

SIerとWeb系企業は同じIT業界ではありますが、その仕事内容には違いがあります。

そのため、IT業界を志望していて、就職や転職でSIerとWeb系企業で悩んでいるのであれば、まずは特徴や違いを把握することをおすすめします。

自分に適しているのはどちらなのか判断してから選択しましょう。