エンジニアがマネジメントをする理由とは?仕事内容10個を紹介

エンジニアとは?

エンジニアとは、工学(engineering)に関わる専門的知識・技能を持った人材、日本では「技術者」という意味を持つ言葉です。エンジニアは、顧客が依頼するシステムを設計するというのが大まかな仕事内容になります。

本記事では、エンジニアがマネジメントをする理由とは何か、エンジニアの仕事内容10個について紹介していきます。エンジニアがマネジメントを行う内容に興味がある方は参考にしてみてください。

マネジメントの目的とは?

マネジメントとは、組織全体を管理することや組織が成果をあげるための経営を指す言葉です。マネジメントの目的は、リーダーが打ち立てた方向性に沿って目標を設定し、目標達成のために組織を導いていくことにあります。

マネジメントを行うためには、部下を統率、育成していく力や冷静な判断力、優れた観察眼、目標達成のための動機づけが必要です。近年ではエンジニアが自らマネジメントする形が増えている傾向があります。

エンジニアがマネジメントする理由5つ

マネジメントの目的は組織の成果を上げていくことにあるので、実際のところ技術力がなくてもマネジメントをすることは可能です。しかし、近年技術者であるエンジニアがマネジメントをする動きもあります。

次は、エンジニアがマネジメントする理由5つについて紹介していきます。エンジニアがマネジメントする理由としては、幅広い技術を習得ができる・キャリアアップ・開発のパフォーマンス向上など、様々なメリットがあるでしょう。

マネジメントする理由1:幅広い技術を習得できる

エンジニアがマネジメントする理由として1つ目は、幅広い技術を習得できることです。マネジメントする立場は開発チーム全体の内容を把握するため、自分の専門分野以外の技術内容でも目を通したり、場合によっては助っ人に入るケースがでてきます。

幅広い分野での知識が必要になるため、プロジェクトをこなした分だけ技術の幅も広がり、自分自身の成長に繋がるでしょう。

マネジメントする理由2:キャリアアップにつながる

エンジニアがマネジメントする理由として2つ目は、キャリアアップにつながるという点が挙げられます。エンジニアとしてマネジメント能力を備えることで、プロジェクトリーダー・マネージャーなどその後のキャリアアップにつながります。

技術力だけで生きていくことも可能ですが、マネジメントできるかできないかは昇進に関わってくる重要なポイントです。転職の際もマネジメント経験の有無で採用に影響するでしょう。

マネジメントする理由3:開発のパフォーマンス向上

エンジニアがマネジメントする理由として3つ目は、開発のパフォーマンス向上です。

技術を持たない人がマネジメントする組織もあります。しかし、現場の状況がわかる技術者がマネジメントするほうが、開発工程の管理もスムーズで現場での信頼感も高いというメリットがあるでしょう。

技術力に長けているエンジニアであれば、マネジメント業務を行いながらの技術支援が可能になり、開発のパフォーマンスを向上させることも可能です。

マネジメントする理由4:組織全体の決定がはやくなる

エンジニアがマネジメントする理由として4つ目は、組織全体の決定がはやくなることです。技術者であるエンジニアが、マネジメントすることは、これまでのスキルや経験から状況を察知し、現場の声を活かすことも可能です。経営層と現場の摩擦を抑えることができるでしょう。

また、経営層の意思決定を現場にスピーディにフィードバックすることも出来るので、組織全体がまとまりやすく意思決定自体が早くなるでしょう。

マネジメントする理由5:会社としては人件費の削減になる

エンジニアがマネジメントする理由として5つ目は、会社としては人件費の削減になることです。

エンジニアが業務と管理職を兼務するプレイングマネージャーとして活躍することで、マネジメントするだけの人材を雇うことなく、最小の人員で業務に取り組む体制を作ることが可能です。

管理を行う立場は組織には必要ですが、管理業務は直接的な売り上げに繋がらないため、プレイングマネージャーは人件費削減に効果的です。

エンジニアのマネジメントの仕事内容10個

次は、エンジニアのマネジメントの仕事内容10個について紹介します。マネジメントといわれてもピンと来ない方もいるでしょう。

エンジニアのマネジメントの仕事内容は、顧客業務の把握・顧客の技術や開発側の技術の選定・エンジニアの採用・メンバーへの仕事の割り振り・エンジニアのサポート・エンジニアの育成・費用対効果の実現・プロジェクトの進捗管理・経営陣と現場とのパイプ役、などがあります。

エンジニアのマネジメントの仕事内容1:顧客業務の把握

エンジニアのマネジメントの仕事内容には、顧客業務の把握があります。システムに開発に反映できるか考えるためには、依頼先である顧客の要望を丁寧にヒアリングし、顧客の業務状況を正しく把握していきます。

業務内容に合っていないシステム開発をしても、効率的な効果を得られない可能性があるため、ミスマッチを防ぐために顧客業務の把握には念入りに確認すべきところです。

エンジニアのマネジメントの仕事内容2:顧客の技術の選定

エンジニアのマネジメントの仕事内容に顧客の技術の選定があります。顧客の要望をヒアリングしシステムの全体像を決定した後は、顧客に適しているハードウェアやソフトウェアなど、動作環境を決定させていきます。

ここで顧客と開発の認識に相違があると、システムが出来上がってきた時に「このOSで動かないなんて聞いていない」など大きな問題になります。そのため慎重に打ち合わせを重ねて、決定事項は念入りに確認をとりましょう。

エンジニアのマネジメントの仕事内容3:開発側の技術の選定

エンジニアのマネジメントの仕事内容に、開発側の技術の選定があります。顧客業務の把握や顧客の技術の選定後は、開発側に適したハードウェアやソフトウェア、プログラム言語などを選定します。

開発は自分一人で行うものではないため、チーム全体で作業に入るために足並みがそろう技術を使用しましょう。各自好き勝手に技術選定させてしまうと、その人しか触れない状態に陥る危険が発生します。

エンジニアのマネジメントの仕事内容4:エンジニアの採用

エンジニアのマネジメントの仕事内容に、エンジニアの採用があります。自社の要件に適したエンジニアを獲得していく採用活動も、エンジニアリングマネージャーが果たす役割として大きいでしょう。

プロジェクトの要件に適した人材を集めることが出来れば、現場での作業も順調に進み、マネジメントの負担は軽減されます。

エンジニアのマネジメントの仕事内容5:メンバーへの仕事の割り振り

エンジニアのマネジメントの仕事内容に、メンバーへの仕事の割り振りがあります。開発では、プロジェクトの進捗状況を管理し、適切な人材を業務に割り振ることが開発環境を整える意味でも大切です。

各メンバーの能力を見抜き、それぞれに合った仕事を割り振ることも、エンジニアとして技術力を持ったマネジメント手腕が試される部分になります。

エンジニアのマネジメントの仕事内容6:個々のエンジニアのサポート

エンジニアのマネジメントの仕事内容に、個々のエンジニアのサポートがあります。こちらはエンジニア経験がない人がマネジメントをする場合は、実作業に対してフォローに入ることはできません。

しかし、エンジニアがマネジメントをする場合は、きめ細かいフォローを行うことが可能です。フォローに入ることで個々の作業の生産性を上げ、チームとしての連携を強めていく役割を担います。

エンジニアのマネジメントの仕事内容7:エンジニアの育成

エンジニアのマネジメントの仕事内容に、エンジニアの育成があります。マネジメント業務では人材の育成も重要な要素です。

強い開発チームを作っていくには、エンジニアを育成するための仕組み、仕事の振り方を考えることが大切です。例えば研修企画を用意したり、研修後のフォローを行ったり、コミュニケーションを増やしたりして育成に力を入れます。

エンジニアのマネジメントの仕事内容8:費用対効果の実現

エンジニアのマネジメントの仕事内容に、費用対効果の実現があります。顧客業務の把握と顧客の依頼内容から、技術を選定した結果、要件定義に基づいてシステムの構成や資源を求め費用対効果を考えた基本設計を行います。

エンジニアがマネジメントすることで、現実味を帯びている予算内容になり、コスパの良いプロジェクトを実現させることができるでしょう。

エンジニアのマネジメントの仕事内容9:プロジェクトの進捗管理

エンジニアのマネジメントの仕事内容は、プロジェクトの進捗管理です。マネジメントとして、プロジェクトの日程やチームのスケジュール管理は必ず行う仕事内容です。

開発には納期がつきもので、常に納期を意識しなければなりません。納期に間に合わせるためには、工程期間を区切って進捗内容を確認していく必要があります。開発がスムーズに進んでいるかを確認し、遅れがあれば手を加えるなど管理、調整を行います。

エンジニアのマネジメントの仕事内容10:経営陣と現場とのパイプ役

エンジニアのマネジメントの仕事内容に、経営陣と現場とのパイプ役があります。チームを管理・監督し、現場と経営陣との連携をスムーズに行えるよう、その間を取り持つ位置を務めます。

経営陣の方向性を具体的にチーム内に伝えることや、反対に現場から上がってくる意見を経営陣に伝えるなど、パイプ役としての役割は大きいでしょう。

エンジニアがマネジメントに求められるスキル5つ

次は、エンジニアがマネジメントに求められるスキル5つについて紹介していきます。

エンジニアがマネジメントに求められるスキルには、コミュニケーション能力・リーダーシップ・能力を正確に見極める能力・開発作業に関するある程度の知識・問題解決能力、などがあります。

マネジメントに求められるスキル1:コミュニケーション能力

エンジニアがマネジメントに求められるスキルとして1つ目は、コミュニケーション能力です。コミュニケーション能力とは、相手に自分の考えを伝えること、相手が伝えようとしていることを汲み取り、そしてお互いの認識をあわせる力のことです。

マネジメント業務では、顧客との交渉や調整や、チームでの打ち合わせがあるためコミュニケーション能力は必須になります。

マネジメントに求められるスキル2:リーダーシップ

エンジニアがマネジメントに求められるスキルとして2つ目は、リーダーシップです。マネジメントでは、部署やチームのメンバーを率いる指導者としての統率力が必要です。

リーダーシップを発揮するためには、部下から人望や信頼を得るため、口だけではなく実際に知識を身につけておく必要があります。この点においては、エンジニアとしてのスキルや経験がある人物のマネジメントになるので、リーダーシップを発揮しやすいでしょう。

マネジメントに求められるスキル3:能力を正確に見極める能力

エンジニアがマネジメントに求められるスキルとして3つ目は、能力を正確に見極める能力です。どんなに優秀な人材を集めても適材適所に仕事を割り振れずにいれば、宝の持ち腐れです。

エンジニアの能力を見極めて適切に業務を割り振るためにも、マネジメントスキルとして部下一人一人の能力を見極める目が必要になるでしょう。

マネジメントに求められるスキル4:開発作業に関するある程度の知識

エンジニアがマネジメントに求められるスキルとして4つ目は、開発作業に関するある程度の知識です。実際に技術力を持たない人がマネジメントしているケースもありますが、ある程度の知識を持っているか持っていないかでは、安定感や信頼感が変わってきます。

顧客の要望を的確に把握するためにも、知識がなければエンジニアの立場に立てません。そのため開発環境のマネジメントでは、ある程度の知識は求められるでしょう。

マネジメントに求められるスキル5:問題解決能力

エンジニアがマネジメントに求められるスキルとして5つ目は、問題解決能力です。マネジメント業務で一定の成果を上げていくには、問題解決力が非常に重要になります。

プロジェクトでは、進行上何かしらトラブルは出てくるものなので、管理者として適格に解決する対応を求められます。問題発生時に原因を特定し対策を立てられるかどうか、冷静な判断力や決断力も必要になるでしょう。

エンジニアのマネジメントに向かない人の特徴3つ

マネジメントについては、キャリアアップに関わってくる部分ですが、エンジニアになる方全員がマネジメントを行う方向に行くかは、向き不向きによる部分もあるでしょう。

最後に、エンジニアのマネジメントに向かない人の特徴3つについて紹介していきます。エンジニアのマネジメントに向かない人の特徴には、生涯エンジニアでいたい・リモートワークを望んでいる・人よりコンピューターを相手にしたい、などがあります。

マネジメントに向かない人の特徴1:生涯エンジニアでいたい

マネジメントに向かない人の特徴として1つ目は、生涯エンジニアでいたいという気持ちが強い人です。プログラマーを経てエンジニアになった人は、元々何かを作ることに楽しみを感じている人が多いです。

開発のほうが楽しい、技術を追求したいという人は、生涯エンジニアでいたいという気持ちが強く、打ち合わせや人を管理する業務が大半のマネジメントにはあまり興味を示さないでしょう。

マネジメントに向かない人の特徴2:リモートワークを望んでいる

エンジニアのマネジメントに向かない人の特徴として2つ目は、リモートワークを望んでいる人です。リモートワークは、自宅やカフェ、移動中など離れたところから働く労働形態です。

そもそも人と一緒にいる環境で仕事をすることが嫌い、自分のペースで自分の都合に合わせて業務を行いたい方はリモートワークを望みます。マネジメントは人を管理することでもあるので、リモートワーク主体では難しいでしょう。

マネジメントに向かない人の特徴3:人よりコンピューターを相手にしたい

マネジメントに向かない人の特徴として3つ目は、人よりコンピューターを相手にしたいという気持ちが強いことです。

コミュニケーションが苦手なため人との対話を避けがちな人は、出来れば人よりもコンピューターと向き合っていたいと思う人もいるでしょう。そういう人は、人と関わることから離れられないマネジメント業務には不向きです。

エンジニアのマネジメントの仕事について把握しよう

エンジニアだからといって、その後もずっと技術職であるかというとそうでもないでしょう。エンジニアがマネジメントを行うことは、マネジネント力に加えて高い技術力と経験も兼ね備えていることから市場価値も高く、転職では非常に需要が高い人材です。

キャリアアップを考える上でも非常に有効な経験になるので、エンジニアのマネジメントの仕事についても把握しておきましょう。