アプリケーションエンジニアが取得すべき資格6つ!資格の難易度は?

アプリケーションエンジニアとはどんなエンジニア?

アプリケーションエンジニアとは、情報処理技術者試験の1区分ですが、システムエンジニアの職種としても使われます。その名の通り、アプリケーション開発を中心に活躍するエンジニアを指します。

アプリケーションエンジニアに求められるスキルは幅広く、プロジェクト管理を担当することもあれば、プログラマに近い部分を担当することもあります。

プログラミング知識からプロジェクト管理の知識まで幅広い知識が求められます。

アプリケーションエンジニアが取得すべき資格6つ

アプリケーションエンジニアは、システム開発の幅広い工程を担当する可能性があるので、システムエンジニアに必要とされるほとんどの知識が必要になります。

ここでは、アプリケーションエンジニアが取得しておいた方が良い資格を紹介します。いずれも決して簡単な試験ではありませんが、スキルアップも兼ねて挑戦してみましょう。

取得すべき資格1:システムアーキテクト試験

システムアーキテクト試験は、情報処理技術者試験の1区分で、情報システムや組込みシステムなどの開発に必要となる要件を定義できる能力を認定する試験です。情報処理技術者試験は5,700円(2020年8月現在)で受験できます。

システムアーキテクト試験に合格した人材であれば、システム開発における要件定義やアーキテクチャの設計ができる人材として、アプリケーション開発で活躍できます。

受験対策

『2020 徹底解説 システムアーキテクト 本試験問題』は、通信講座も持っているアイテックが出版しているので、資格取得までの勉強ポイントを押さえられています。

システムアーキテクト試験では、繰り返し出題されている過去問も多いので、過去の本試験問題を分析し、繰り返し解答することで、合格に必要な知識を身につけることができます。

取得すべき資格2:基本情報技術者試験

基本情報技術者試験の合格により、上位者の指導の下にシステム設計や開発を行えるレベルだと認定されます。情報処理技術者試験は5,700円(2020年8月現在)で受験できます。

システムエンジニアとしての入り口といえる資格で、アプリケーションエンジニアとしても、スタートラインに立つことができます。

基本情報技術者として認定される要件は、情報戦略の知識があり、システムの設計・開発・運用の知識があることです。「上位者の指導の下」で実行可能なレベルが求められています。

受験対策

「ニュースペックテキスト 基本情報技術者 2020年度」は、通信講座も開催しているTACが出版しています。オールカラーで、イラストや図表が多用されており、取り組みやすいように工夫されています。

基本情報技術者試験は、初学者にとって簡単な試験ではありませんが、受験生がつまずきやすいポイントも入念に解説されているので、インプットだけでなくアウトプットにも対応できます。

取得すべき資格3:Java プログラミング能力認定試験

Java プログラミング能力認定試験は、Javaの知識を問う民間の認定試験で、3級から1級までのレベルがあります。Web関連の開発プロジェクトではJavaが使われることが多いので、認定試験に合格していれば信頼を得られます。

受験料は、1級が7,800円、2級が6,400円、3級が5,200円(2020年8月現在)です。受験機会は1級が年に2回、2級が3回、3級は4回あります。

受験対策

合格するためには、公式の問題集を使って、試験問題のレベルや傾向をつかみましょう。公式問題集『Java(TM)プログラミング能力認定試験3級 過去問題集』を使って繰り返し問題を解いておけば、試験問題に慣れることができます。

自分のJava能力を把握できている人は、自分にあった級の取得に挑戦してください。これからJavaの勉強を始める人や、実力は未知数だという人は3級の問題集で実力を確認してください。

取得すべき資格4:C言語プログラミング能力認定試験

C言語プログラミング能力認定試験は、C言語を使った応用プログラムの作成能力を問う民間の認定資格で、3級から1級までのレベルがあります。C言語は多くのプログラミング言語のベースになっているため、資格保持者は幅広い仕事で活躍できます。

受験料は、1級が7,800円、2級が6,400円、3級が5,200円(2020年8月現在)です。受験は1級が年に2回、2級が3回、3級は4回あります。

受験対策

合格するためには、公式の問題集を使って、試験問題のレベルや傾向をつかみましょう。公式問題集「C言語プログラミング能力認定試験3級 過去問題集」を使って繰り返し問題を解いておけば、試験問題に慣れることができます。

3級は「簡単なプログラムが書ける」レベルなので、すでにプログラミングの経験がある人は、2級や1級の過去問を参照し、自分の実力に見合った級を受験するようにしましょう。

取得すべき資格5:アプリケーション技術者認定試験

アプリケーション技術者認定試験は、Android端末用のアプリケーション開発を行う技術者のスキル認定資格で、「ベーシック」資格と「プロフェッショナル」資格があります。Androidアプリの開発に携わりたいのなら、取得していれば強みになります。

毎日受験可能ですが、会場によって受けられない日もあるので確認が必要です。受験料は、税抜き15,000円です。

受験対策

アプリケーション技術者認定試験の公式ページでは、受験に向けたドリルを公開していますが2020年8月現在は休止中です。

公式問題集「Androidアプリケーション技術者認定試験ベーシック対策実践問題集」を使って、試験のポイントを押さえた問題に慣れることができます。繰り返して答案練習を行いましょう。

取得すべき資格6:プロジェクトマネージャ試験

プロジェクトマネージャ試験は情報処理技術者試験の1区分であり、プロジェクトマネージャに求められるQCD管理の知識が問われます。プロジェクトマネージャ試験は5,700円(2020年8月現在)で受験できます。

アプリケーションエンジニアには、プロジェクトマネージャ的な役割を求められることもあります。プロジェクトマネージャ資格を保有していれば管理的立場でアプリケーション開発に携われる可能性も高くなります。

受験対策

「ALL IN ONE パーフェクトマスター プロジェクトマネージャ 2020年度」は、資格取得講座を運営しているTACが合格のためのメソッドをまとめたテキストです。

本書は基礎となる知識について解説されているセクションと問題攻略テクニックのセクションがあるので、知識を学んだあと合格に向けてのトレーニングを積み重ねていく学習に使えます。

アプリケーションエンジニアが仕事で行う開発:3つ

アプリケーションエンジニアとして認められると、どのようなアプリケーションの開発に携われるのでしょう。アプリケーションエンジニアとして携われる開発は、さまざまな業種のクライアント、さまざまなプログラミング言語に及びます。

ここでは、アプリケーションエンジニアが仕事として行う開発の中から3種類をピックアップして紹介します。

アプリケーションエンジニアの開発内容1:企業の業務系アプリ

アプリケーションエンジニアが担当する開発として、もっとも歴史が長い種別の1つが業務アプリケーションの開発です。

企業の業務効率化のために導入するシステムを開発し、アプリケーションエンジニアは設計・実装・テストに携わります。業務アプリケーションは、かつてはCOBOLで開発されていましたが、現在はJavaやC、VBなどで開発されることが増えています。

アプリケーションエンジニア開発内容2:スマホアプリ

スマホが急速に流通したため、需要が拡大しているのがスマホアプリの開発業務です。アプリケーションエンジニアが担当する仕事としてはまだ新しい分野といえ、これからさらに需要拡大や新しい技術の台頭が見込まれます。

使用されるプログラミング言語も、従来の業務アプリケーション開発に使われていた言語とは異なるKotlinやSwift、Objective-Cなどが使われます。

アプリケーションエンジニア開発内容3:Webアプリ

Webブラウザを介してシステムを動作させるWebアプリは、スマホアプリに比べれば歴史があるものの、まだ新しい技術であり、進行形の技術です。

業務アプリケーションもWebアプリとして開発することが増えており、アプリケーションエンジニアの仕事の幅も広くなります。Webアプリ開発のアプリケーションエンジニアは、PHPやRuby、Pythonなどのプログラミング言語を覚えておきましょう。

アプリケーションエンジニアに必要とされる能力2つ

アプリケーションエンジニアは、多種多様な言語・業種のシステム開発に携わるので、広いIT知識があるほど対応できる業務範囲も広がります。しかし、アプリケーションエンジニアに必要なのはIT知識だけではありません。

アプリケーションエンジニアに必要とされる能力には、全ての開発作業で共通して力を発揮できる能力もあります。

ここでは、アプリケーションエンジニアとして身につけておきたい能力を2つ紹介します。

アプリケーションエンジニアに必要な能力1:コミュニケーションスキル

コミュニケーションスキルは、アプリケーションエンジニアに限らず、多くの仕事で必要とされる能力です。アプリケーションエンジニアのコミュニケーションスキルが優れているか否かによって、システム開発の成功を大きく作用することもあります。

アプリケーションエンジニアとしてのコミュニケーション能力は、設計者とプログラマという内部でも、クライアントのニーズを聞き取りシステム分析をする局面でも必要になります。

アプリケーションエンジニアに必要な能力2:プレゼンテーション能力

アプリケーションエンジニアは、クライアントにシステム提案を行ったり、仕様説明を行ったりすることが多いので、プレゼンテーション能力が必要になります。

ITスキルが優れていても、システム内容をきちんと説明する能力がないと、クライアントとの合意も進みません。上級SEに位置付けられるアプリケーションエンジニアは外部との折衝も多いので、プレゼンテーション能力は不可欠といえます。

アプリケーションエンジニアが使用する言語3つ

システム開発に使われるプログラミング言語は多種多様で、すべてを習得するのは難しいでしょう。アプリケーションエンジニアが実際にプログラミングをすることは少ないので、言語の特徴を理解していれば問題ないでしょう。

プログラミング言語は開発対象によって使い分けられているので、アプリケーションエンジニアとしてやりたい仕事」に応じた言語を習得して備えておきましょう。

アプリケーションエンジニアが使用する言語1:企業の業務系アプリ開発の場合

企業の業務系アプリケーションを開発するときに、現在使われているのはJavaやC#などのオブジェクト指向言語が中心になります。新規開発を担当する場合は、Java、C、C#などを習得しておきましょう。

過去の業務アプリケーションのメンテナンスについても考慮するのなら、COBOLが必要になる場合もあります。

アプリケーションエンジニアが使用する言語2:スマホアプリ開発の場合

スマホアプリは、iOSで動作するものとAndroidで動作するモノでは開発言語が異なります。スマホのアプリ開発でアプリケーションエンジニアを担当するのなら、どちらのOSで使う言語も押さえておいた方がよいでしょう。

Android用アプリではJavaやKotlinが使われており、iOS用アプリではObjective-CやSwiftが使われています。

アプリケーションエンジニアが使用する言語3:Webアプリ開発の場合

Webアプリではサーバーで動作するアプリケーションと利用者が使「フロントエンド」と呼ばれる部分のアプリケーションを異なる言語で開発するため、双方の知識が必要になります。

サーバ側では、Java、PHP、Ruby、Pythonなどが使われています。サーバー側では、データベース操作言語に関する知識が必要になることもあります。フロントエンド側では、JavaScript、HTML、CSSの知識が必要です。

アプリケーションエンジニアの資格を取得しよう

アプリケーションエンジニアという仕事は、これからも仕事の幅が広がっていくことが見込まれます。情報処理の資格は、「この資格を持っていないと仕事ができない」という必須の資格ではありませんが、保有していることで知識やスキルをアピールできます。

上司やクライアントから、システム開発のアプリケーションエンジニアとしての役割を認めてもらいやすくするために、関連資格はぜひとも取得しておきましょう。