【種類別】転職軸として考えられる条件12個|転職軸を確立するメリットは?
転職軸とは何か?
就活をしているような時に、転職軸という言葉を耳にした記憶はありませんか。就活では、仕事や会社を選ぶ条件のことを、就職活動の軸とも言われています。また、自分が仕事をする上での信条のことを指します。
新卒者の場合、社会人経験がないことから、就職活動の軸は漠然としたものが目立ちます。しかし、転職の場合は、より具体的な転職軸を問われてきます。会社や仕事選びの際の基準、転職軸を事前に決めておく必要性があります。
就活軸との違いは?
転職軸を知るためには、就活軸との違いをまず知っておく必要があります。就活軸とは、新卒者が就職活動をする際の仕事や会社選びの基準を指します。しかし先述のように、社会人経験がないことから内容も漠然としがちですし、採用担当者はそれを前提にします。
一方、転職軸は異なり、転職活動の明確な基準を問われます。今までの経験から、何を学びどう昇華させて、その企業で働きたいのかを具体的に示す基準を持つことです。
転職軸が確立できていない人は多いのか?
転職軸を確立せずに転職活動を始めてしまう方は意外と多いとされています。その理由は、新卒から始めた社会人生活の中で仕事の現実に直面し、理想が剥がれていってしまうケースが多いからです。
本当はもっとやりたいことがあったのに、毎日を必死に過ごすことが、もはや目的になってしまい積極的な転職、あるいはその意識が薄くなるからです。単に「給与がいい」「仕事が楽そう」という理由から転職してしまいます。
転職軸を確立する手順4つ
では、転職軸の作り方について、段階を踏みながら進める方法をご紹介します。転職軸の決定の際に不可欠とされることは、転職したい目的をはっきりさせる心構えです。漠然と転職をするような人はあまりいないと思われますが、目的が具体的でなければ成功しないでしょう。
仮に内定されたとしても、いずれ失敗を繰り返しやすいからです。安心して働ける企業へ転職するために、明確な転職軸の決め方を覚えておきましょう。
転職軸を確立する手順1:転職の目的を明確にする
転職軸を決める手順として、最初に決めておかなければならないのは「理由」です。なぜ自分は転職をしたいのかを改めて考えてみしょう。転職の目的を明確にすれば、企業選びの尺度が見えてきます。そして、本当に転職の目的が達成できる企業なのかを測定できます。
他にも、転職する前に、今の勤務先へ自分の要望を伝えるための基準にもなります。もしかしたら相談することで、現行の企業のままでも可能性があるかもしれません。
転職軸を確立する手順2:条件を考える
転職軸を確立するには、仕事内容やポジション、給与待遇、勤務地、入社時期といった希望や各種条件を検討しておくことも大切な作業です。
自分の希望どおりにすべて満たせる求人があればベストです。しかし全てを満たせないことは多々あります。その折り合いをどう付けて、優先順位を決めたらいいのかという基準にもなります。
どうしても譲れない条件を保持できますから、それを軸にした転職活動が可能になります。
転職軸を確立する手順3:キャリアパスをイメージする
将来的な自分のキャリアについて、その目標設定をしておくことで、転職軸にも繋がっていきます。最終的にどのようなキャリアで落ち着きたいのか、また、1年後や5年後、10年後にどうありたいのかなど、各々のアクションプランを書き出していく作業をしてみましょう。
本当に達成するしないは別にしても、漠然としたイメージを整理して具体的にすることができます。必要スキルなども併せて書けば計画的になります。
転職軸を確立する手順4:優先順位を付ける
転職する目的や条件を書き出したら、次にランキングをしてみることです。つまり、それは、実践したいことの優先順位を決めるという作業です。
自分の心の中で、譲れないと思える事柄をピックアップし、上位に書いていきます。その上位の事項こそ、自分が転職する優先度が高い項目です。中で1位にランクインした事項が、転職軸の絶対条件となります。ノートなどに書いておき、自分のブレない軸として、いつも心がけておきましょう。
【種類別】転職軸として考えられる条件12個
転職軸を自分らしく決めるためには、どのような方法があるのでしょうか。転職軸をいきなり決めるというのが困難な場合、細分化して各々に考えてみると分かりやすくなります。その際は、「働き方」「待遇」「環境」という3つの側面から分類して考えることです。
転職軸そのものをこの3つに分けて、それぞれに対する具体的な考えを取りまとめていきます。では、さらに転職軸の作り方について詳しくご紹介しましょう。
働き方に関する転職軸4つ
転職の際に一番気がかりになる点は、その企業の仕事内容です。またキャリアアップなどについてどう描けるのかを確認しておくのも欠かせない点です。
働き方に関する転職軸には、専門的スキルを磨く、コミュニケーション、海外赴任、新しい挑戦など、さまざまな側面から捉えることができます。
ここでは、働き方を観点にした転職軸の見出し方についてご紹介します。これがすべてではありませんが、主にこれらを参考にしてみましょう。
働き方に関する転職軸1:今の技術が活かせるか
その企業での働き方に左右するのが、自分が持っているスキルはどのように使えるのかです。転職をする際のチェックすべきポイントの一つとなります。
できることなら、今現在関わっている仕事での技術や経験を、新しい職場に持ち込んでどこまで活かせることができ、そして、キャリアアップすることも可能なのかにこだわるようにしましょう。それが無理ならば、新しいスキルが身につけられるかどうかを確認してみましょう。
働き方に関する転職軸2:未経験分野への挑戦
転職の際は、今までのキャリアを活かしていこうという人が多い半面、実際にそうではないタイプの転職もあることが事実です。つまり、新しい職種にもチャレンジしてみたいという、前向きな理由から転職するというパターンも想定できます。
未経験な分野に挑戦することが、今の自分のミッションだというのであれば、そこに転職軸を立てておくのもよいでしょう。
働き方に関する転職軸3:手掛ける仕事の範囲
今よりもさらなる専門的な分野にも取り組めるような仕事をしたい、といった願望を持ちながら転職する人もいるはずです。そのような方は、自分の手掛ける仕事の範囲を転職軸として捉えて考えてもいいでしょう。
よりマルチな活躍をしたいのか、あるいは一つの特化した分野にて深堀した仕事がしたいのか、その考え方には個人差もありますので、自分の考えにマッチした企業を選ぶといいでしょう。
働き方に関する転職軸4:海外進出ができるか
グローバル化が叫ばれている昨今です。きっと、日本という土壌だけでは物足りず、もっと広く海外でも仕事を展開できるような業務に就きたいという方もおられるはずです。
転職軸のポイントとして、海外赴任や海外進出が可能な企業なのかどうかを判断して選ぶのも方法の一つです。海外に出張する機会が多い職場か、あるいは海外法人が設立されている会社なのかといった見方もできます。
待遇に関する転職軸4つ
転職をする際に、誰しも今の会社よりも、さらに上の待遇を約束してくれる会社選びをしたいはずです。より恵まれた働きやすい条件が揃っている仕事を選びたい、そう願うのは自然なことです。
待遇を基準にして転職軸を考えることも重要です。ただし、待遇面ばかりを気にしすぎてしまい、本来の仕事の質自体が、自分に合っていない場合は失敗しやすく、長続きしないこともあり得ますので、気をつけたい部分でもあります。
待遇に関する転職軸1:給料
転職者のほとんどが気にする項目は給与面での待遇ではないでしょうか。
転職状況にもよりけりですが、一番譲りたくない条件でもあり、なかなか転職が決まらず内定が出ない時などは、一番考慮せざるを得ない項目でもあります。まずは、給与を今よりもアップさせることを目的に転職軸として決めるとよいでしょう。
待遇に関する転職軸2:福利厚生面
どの企業や団体に転職をする場合も、ある一定の福利厚生がしっかり完備しているかどうかは気になるところです。福利厚生の完備が万全か否かを転職軸にする場合も考えられます。
ただし、福利厚生の完備は、今の一般企業では当然なことでもあります。これを一番の理由にするというケースは少ないかも知れません。よほど現行の職場での待遇が悪化していれば別です。
待遇に関する転職軸3:勤務形態
勤務の仕方についても、バラエティに富んでいる企業は喜ばれます。
例えばシフト制度が整っていて、勤務時間をずらせるフレックス制度を導入していたり、産後の子育てに対応できるよう時短勤務が可能な企業であったりするなどを、転職軸として考えるという方もおられます。
待遇に関する転職軸4:労働時間
どのような職種かにもよりますが、労働時間の体制が整っている企業かどうかを、転職軸にして考えることもできます。
あまりにも残業時間が長時間におよぶ会社では、心身的にも擦り減らしてしまいかねません。労働時間が過剰に多いかどうかは、業界全体を見渡してみることでも、なんとなく分かってきます。
環境に関する転職軸4つ
環境が条件として第一優先であるという場合も、転職軸として考慮できます。
環境は、その人によりけりですが、例えば、昇進や昇給がしやすい会社だとか、マネジメントなどの管理職になれるかどうかは職場の雰囲気が健全かどうかも重要です。共に働くスタッフとの人間関係なども影響があります。
環境に関する転職軸1:教育環境
入社したばかりの場合、たとえ中途採用であっても新しい仕事に慣れるまでにはそれ相応に時間が掛かります。
新卒者への対応ではもちろんですが、中途入社の人物いついても、しっかりとサポート体制が整っている、そのような教育環境にこだわった転職軸の捉え方もしてみましょう。新入社員を丸投げしてしまう会社では将来性もありません。
環境に関する転職軸2:風通しの良さ
転職する際の企業が、どのくらい風通しがよいのかも判断基準となります。
風通しの良い企業とは、上下関係を保ちつつも、双方の考え方や意見を、全員がしっかり聞きいれて、その善し悪しを本音で言い合える関係性です。例えば、ミーティングなどで上司が一方的にしか話さない会社では、全く風通しがよくありません。
環境に関する転職軸3:経験の場の提供
企業は社員へ経験の場を提供して成長させるものです。
経験値こそが人材育成の肝であると言えます。できる限り、さまざまな仕事を経験させることで、将来にも通じる社員育成ができるような体制になっているかどうかという点も、転職軸としてカウントすることができます。
環境に関する転職軸4:職場の雰囲気
職場の雰囲気を転職軸にすることは、意外と難しいと言えます。
なぜなら、本当の雰囲気は、実際に入社して経験してみないと、その実態がはっきりとしてこないからです。あくまでも、自分の過去の体験を元にして、転職先候補の職場は、自分に馴染みやすい場所なのかどうかを見定めるしかありません。
転職軸を確立するメリット3つ
なぜ転職軸を持つことによって転職が成功するのか、そのメリットがわかれば、転職探しの作業自体が効率的になります。転職軸を持つのと持たないのとでは大きく違いも出てきます。
それに転職活動中だけではなく、転職後でも大いにその考え方は役立ってくれます。では、転職軸におけるメリットとは何かについてご紹介します。
転職軸を確立するメリット1:企業選びが絞られる
転職軸が自分らしく分かれば、企業選びがスムーズになり厳選できるというメリットがあります。
自分の理想なモデルが決まるということになるため、その理想像が現実的に困難と予想できたり、明らかに方向性が異なった企業などは、転職先候補として除外することもできます。それは逆に基準がはっきりしてくることを意味しています。転職軸があることで、自分が入りたい企業を効率的に探しやすくなります。
転職軸を確立するメリット2:志望動機が明確になる
転職軸を決めておくことで、志望動機が明確になります。
応募する際、どのような目的を持って転職しようと試みているのかがはっきりしてきます。志望動機が明確なら、転職後にその企業でやりたいことなども伝えやすいので、書類選考や面接選考を通過する確率も高まります。
転職軸を確立するメリット3:転職活動への影響
転職軸をあらかじめ決めておくことで、転職活動そのものがスムーズに運ばれます。
どのような職種で、どんな環境か、何を自分は優先して新しい職場を決めたいのかを分かっておくことで、そこを基準とした選択がしやすくなりますし、逆に譲れない部分、ぶれない部分もはっきりするので、理想的な転職活動が可能になります。
転職軸を確立して転職を成功させましょう
転職軸という言葉自体を知らなかった方も、その重要な意味を知ってもらえれば、きっと転職をする際に役立ちます。また転職とは、新しい仕事が決定してそれで終わりというわけではありません。
やはり、転職後の職場が自分に適合しているかどうかが重要です。イキイキと働いていける環境でなくてはなりません。転職軸は、職探しで後悔しないためにも、しっかりと受け止めて臨むようにしましょう。