未経験でもデータアナリストに転職可能?向いている人や必要な6つのスキルとは

そもそもデータアナリストとは

データアナリストとは、情報を専門的に分析や調査する人です。従来の売り上げデータや顧客データに加え、SNSの書き込みなどのさまざまなデータ(ビッグデータ)を集計・分析することにより、ユーザーの行動や将来のニーズを読み解いて、解決策を導き出し顧客に提案します。

データアナリストの種類

データアナリストの種類は、膨大なデータから有益な情報を発掘(マイニング)する技術、手法(データマイニング)などで得られた結果の活かし方の違いによって「コンサル型」と「エンジニア型」に分かれます。

コンサル型は抱えている課題を解決するために、必要となるデータは何かという仮説を立て、ビッグデータを分析して具体的な解決案の提案や、施策実施後の検証をします。

エンジニア型は大量のデータの中から規則性と要求を探し出し、サービスの品質向上を目的としたシステム構築や改善を行います。

データアナリストとデータサイエンティストの違い

データアナリストとサイエンティストの違いですが、データアナリストの仕事は主にデータの処理・分析なのに対して、データサイエンティストの仕事は、分析したデータに基づいて、顧客の経営問題を解決するための戦略立案や、顧客行動や市場の予測モデル構築などです。

データサイエンティストはデータアナリストとよく混同されてしまいますが、両方ともデータ分析の専門家であり、重なる部分も多く厳密な線引は存在しません。

データアナリストの将来性

IT化の普及によりビッグデータを有効活用して経営戦略に役立てようという流れの中で、現状は業務を担当できる人材は少なく、養成するための具体策もないため重宝される状況はしばらく続いていくと考えられます。

AI進化によってデータアナリストの将来性を不安視する声もありますが、むしろAIを活用することでさらにデータアナリストの需要は高まると予測されています。

データアナリストに必要な6つのスキル

データアナリストに必要な6つのスキルについて見ていきましょう。未経験で目指すなら統計・解析のスキルは欠かせません。

データアナリストは対象となるデータの重要性を素早く見分けて無駄なデータを取り除き、結論に至るまでの過程を的確に設計する論理的思考が要求されます。

初心者ならばMicrosoft Corporationが無料で提供しているOffice Onlineトレーニング(複雑な関数、チャートとピポットテーブル)や、Office Proを利用してExcelの高度な関数、マクロとVBAを勉強するのもお勧めです。

データアナリストに必要なスキル1:統計学などの知識

データアナリストに必要なスキル1つ目は統計学です。どのような情報を抽出すれば仮説を立てることができるのか、抽出された情報から得られる結論はどういったものか、といったことを統計学の知識を抜きにして考えるのは不可能だからです。

統計学の知識の習得には数学の知識も必要になってきます。高校数学までの確率や統計、微積分、数列などを学び直しておきましょう。

データアナリストに必要なスキル2:Python

データアナリストに必要なスキル2つ目はPythonですPythonはデータの可視化に必要です。初心者でも習得しやすいようにシンプルな文法で構成されています。データ解析だけでなく、AIの機械学習やディープラーニングなどでも使用されます。

データアナリストに必要なスキル3:R言語

データアナリストに必要なスキル3つ目はR言語です。Python同様にこちらもデータの可視化に必要となります。R言語は統計のために存在すると言っても過言ではありません。

Rの強みは、豊富な統計分析ライブラリを含めるだけでなく、結果を可視化し、グラフ生成機能も備えていることですが、多言語のプログラミング経験がないと理解し難く、初心者には難関です。

データアナリストに必要なスキル4:BIや可視化の知識

データアナリストに必要なスキル4つ目はBIや可視化の知識です。最近は、数値よりもわかりやすい可視化が要求される傾向となっています。

通常データ分析にはBIツールを活用して、データの可視化を通して分析を行います。初心者の場合にはまずは自らデータに触れてみましょう。

データアナリストに必要なスキル5:SQL

データアナリストに必要なスキル5つ目はSQL(構造化照会言語)です。SQLはデータベース管理システム(DBMS)の操作(検索、追加、更新、削除)を行うために用いる言語で、データアナリストに要求される基本スキルとなっています。

データアナリストに必要なスキル6:コミュニケーション

データアナリストに必要なスキル6つ目はコミュニケーションスキルです。専門的な内容を、顧客に噛み砕いて分かりやすく、ポイントを絞って伝える能力が必要になります。

データアナリストとしての実務経験がない人でも、応募の際には経験で培ったコミュニケーション能力やプレゼン能力を積極的にアピールできるように普段から実践しておきましょう。

未経験でデータアナリストを目指す際に押さえておきたいポイント2つ

未経験でデータアナリストを目指す際にポイントを2つ押さえておきましょう。新卒の場合では、可能性を重視するため、理系の方が有利となりますが、文系でも可能です。

転職の場合は、IT関連やコンサルタント関連などからの関係職種からと、全くの異職種からの転職では異なってきます。

未経験で目指す際のポイント1:未経験での転職難易度は高め

未経験で目指す際のポイント1つ目は、データアナリストの求人は、言うまでもなく経験者の方が仕事に馴染みやすいのと、この職種は希少性が高いことから、IT業界が未経験での転職難易度は高めとなってしまいます。

実務未経験であってもある程度の知識・スキルが求められます。30代で未経験からデータアナリストを目指す場合は更に難易度が高くなります。

データ解析スキルやプログラミングスキルを実務経験者と同レベルまで身に付けた上で、ポートフォリオを作成するなどの準備をしておきましょう。

先にエンジニアとして働くのもおすすめ

未経験からデータアナリストになる手段として、先にWeb系の企業などでエンジニアとして働き、そこからデータアナリストを目指すという方法があります。エンジニアとしてキャリアを積んでおくことで、近い職種として受け入れられやすい傾向にあります。

未経験で目指す際のポイント2:未経験可の求人を探す

未経験者で目指す際のポイント2つ目は未経験可の求人に応募して採用されるという方法です。安定した大手企業での就職を望む人が多いかもしれませんが、未経験者可のデータアナリストの募集は少ないのが現状です。

ベンチャー企業であれば、募集をしている場合があります。未経験の場合は地道に努力をして経験を積み重ねていきましょう。

IT業界に強い転職エージェントを利用するのも手

IT業界に強い転職エージェントを利用する手段もあります。データアナリストとしての実務は未経験でも、何かしら業務に活用できる経験があれば、実績やスキル次第でデータアナリストに転身できる可能性は高いと言えます。

成功実績が多数あるエージェント、業界知識に精通したキャリアアドバイザーが在籍しているエージェント、IT・Web系の職種を専門に扱うエージェントなどにまずは登録してみましょう。

データアナリストに向いている人

データアナリストに向いている人は、不特定多数の立場で物事を考えられる人、因果関係を整理し順序立てて考えられる人、知的好奇心が強く勉強熱心な人、コミュニケーション能力が長けている人です。

データ分析は顧客の利益に貢献する職種なので、客観的かつ論理的に物事を考えられる人は向いているといえます。

最新の動向や言語を学び続ける必要があるので、学習することが苦痛ではない人が向いているといえます。

顧客の要求を的確に素早くとらえ、分析結果を分かりやすく提案するためには、コミュニケーション能力に長けていることが重要です。

未経験でデータアナリストを目指す勉強法3選

データアナリストの勉強法が分からずに困惑されている方のために、未経験でデータアナリストを目指す勉強法3選をご紹介していきます。学習にとどめるのではなく、実践して面接などの場でアピールできるようにしておきましょう。

未経験データアナリストの勉強法1:書籍やインターネットで独学

未経験データアナリストの勉強法1つ目は書籍やインターネットで独学する方法です。入門書を5冊ご紹介します。

「入門書マンガでわかる統計学 素朴な疑問からゆる~く解説 」(サイエンス・アイ新書)大上丈彦→「統計学が最強の学問である データ社会を生き抜くための武器と教養」 (ダイヤモンド社)/西内啓→

「統計学がわかる ハンバーガーショップでむりなく学ぶ、やさしく楽しい」(ファーストブック)向後千春→「完全独習統計学入門」(ダイヤモンド社)小島寛之→「統計学入門 (基礎統計学)」(東京大学出版会)東京大学

無料で統計学を学べるサイトがあります。図解が多めで初心者にもお勧めです。最後まで読み進めることで、統計検定2級合格を目標にしています。

未経験データアナリストの勉強法2:資格の取得を目指す

未経験データアナリストの勉強2つ目は資格の取得を目指すことです。データアナリストになるための必須な資格はありませんが、持っていると有利になる可能性がある資格を2つご紹介します。

統計検定2級

「統計検定」は、一般財団法人 統計質保証推進協会が運営する、統計に関する知識や活用力を評価する全国統一試験です。

4級から1級までありますが、履歴書に記載できるのは2級以上からで、(1) 現状についての問題の発見、その解決のためのデータの収集、(2) 仮説の構築と検証を行える統計力、(3) 新知見獲得の契機を見出すという統計的問題解決力について試験をします。(一般財団法人 統計質保証推進協会HPより)

統計検定を取得することで、「統計学の知識および統計学を活用した問題解決能力を有していること」が証明となり、就職や転職の際には武器となります。

情報処理技術試験

独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)が提供している「基本情報処理技術者試験」も役に立つ資格の一つです。

経済産業省認定の、情報処理に関する業務を行う者の技術の向上に資するため、情報処理に関して必要な知識及び技能を問う国家試験です。解説サイトがあるので、ご利用をお勧めします。

未経験データアナリストの勉強法3:スクールに通う

データアナリストの勉強法として、スクールに通うという方法もあります。データアナリストになるための勉強は専門性が高く、モチベーションを保つのも大変です。

スクールに通うことによって講師からのサポートが受けられ、必要な知識を基礎から効率的に学ぶことができます。生徒同士で情報交換ができ、孤独による挫折を防ぐこともできます。

ポイントを押さえて未経験からデータアナリストを目指してみよう

ポイントを押さえて未経験からデータアナリストを目指してみましょう。ビッグデータ時代において、データアナリストの持つ技術力は引く手あまたとなることでしょう。

高度な専門知識を一から始めるのは、強固な意志が必要となりますが、技術を習得すれば財産となりキャリアアップとなります。自分に適したやり方で、一歩を踏み出してみましょう。