ITエンジニアの年収についての詳細6つ!今後の年収推移予想もご紹介!

ITエンジニアの年収は?

ITエンジニアはどれくらいの年収を得ているのでしょうか。

ITエンジニアの、雇用形態別や使用言語別、年代別、などの年収がそれぞれどのくらいなのか、また、年収を上げるにはどうしたらよいのか、について詳しく説明します。

ITエンジニアの年収についての詳細6つ

ひとことで「ITエンジニアリングの年収」と言っても、職種や年齢などによってその平均年収は異なっています。

本稿では、雇用形態別、職種別、地域別、使用言語別、企業規模別、年代別、の6つの区分別に年収を見ていきましょう。

年収についての詳細1:ITエンジニアの雇用形態別の平均年収

厚生労働省が発表している「令和元年賃金構造基本統計調査 結果の概況」からの情報によると、ITエンジニアだけを対象にしているわけではありませんが、情報通信業における正社員の賃金は383.4万円であるのに対して、正社員以外の賃金は279.9万円となっています。

つまり、正社員の方が73.0万円ほど賃金が高くなっており、ITエンジニアにおいても雇用形態による賃金格差は小さくないものと考えられます。

なお、平成27年度賃金統計調査・人事院調査票によると20代派遣社員の平均年収は328万円となっていますが、専門性の高いITエンジニアではもっと年収は高いでしょう。

年収についての詳細2:ITエンジニアの職種別の平均年収

転職エージェントのDODAに2018年9月~2019年8月の1年間に登録した人の技術系(IT/通信)職種の平均年収の集計によると、プロジェクトマネジャーが656万円、プリセールスが625万円、ITコンサルタントが611万円、IT戦略/システム企画が592万円、研究開発が554万円、となっています。

最高額は、プロジェクトマネジャー(656万円)最低額はヘルプデスク(347万円)となっています。

また、システム開発/運用(471万円)やSE/プログラマ(422万円)などの開発職よりも、ITコンサルタント(611万円)やIT戦略/システム企画(592万円)などのマネジメントに関する職種の方が平均年収が高くなっています。

年収についての詳細3:ITエンジニアの地域別の平均年収

2018年9月~2019年8月の1年間に転職エージェントのDODAに登録した人の平均年収データを都道府県別に集計すると、平均年収の最高額は関東の427万円、最低額は北海道・東北の368万円となっています。

上記の平均年収はITエンジニアに限定されたものではありませんが、大手IT企業が集積している東京を中心とした関東圏におけるITエンジニア平均年収は高いものと考えられます。

年収についての詳細4:ITエンジニアの使用言語別の平均年収

主要11メディアにおける求人情報を人材業界メディアであるHRog社が分析した2020年版のプログラミング使用言語別の平均年収(求人年俸額最下限平均)によると、最高額がR言語の4,747,434円 、最低額がActionScriptの3,556,318円、となっています。

一般的に、採用数が少ない希少言語で扱える人が少ないプログラミング言語の場合は平均年収が高くなる傾向があります。

年収についての詳細5:ITエンジニアの企業別の平均年収

賃金構造基本統計調査(平成29年発表)によると、社員数1,000人以上の大企業におけるシステムエンジニアの平均年収は607.6万円、社員数100人未満の中小企業の場合は484.8万円、となっています。

このようにシステムエンジニアの大企業と中小企業の平均年収の差は120万円となっており、企業規模による年収格差は小さくないと考えられます。

年収についての詳細6:ITエンジニアの年代別の平均年収

他の職種よりもITエンジニアの場合は能力によって年収は決められる傾向が高いと考えられますが、一方で相応の経験が求められる仕事であるとも言えます。

ITエンジニアの年齢別の平均年収について確認してみましょう。

20代

賃金構造基本統計調査(平成29年発表)をもとに算出すると、20代前半(20~24歳)の平均年収は339.7万円、20代後半に(25~29歳)なると441.1万円となります。

やはり若いうちは経験も乏しいため、年収は低い状態になっているようです。

30代

賃金構造基本統計調査(平成29年発表)をもとに算出すると、30代前半(30~34歳)の平均年収は519.1万円、30代後半(35~39歳)では539.7万円となっています。

40代

賃金構造基本統計調査(平成29年発表)をもとに算出すると、40代前半(40~44歳)の平均年収は576.9万円、40代後半(45~49歳)では605.5万円となっています。

ITエンジニアが年収を上げる方法4つ

ITエンジニアが年収を上げるためには真面目に仕事に取り組んで自身の評価を上げることも大切ですが、会社の環境や評価制度などにより必ずしも年収が上がるとは言い切れない面もあります。

そこで、能動的に自分が動くことで年収を上げられる方法を紹介します。

年収を上げる方法1:資格を取る

ITエンジニアにとっては技術力が大きな売り物になるので必ずしも資格を保有しておくことは絶対的に必要条件ではありません。資格を持っていなくても優れたITエンジニアはたくさんいます。

しかし、資格は外部からその人のスキル・技術力をわかりやすく判定することができるものでもあります。

ITエンジニアの資格としては、システムアーキテクト、ITサービスマネージャ試験、プロジェクトマネージャ、システム監査技術者、ITストラテジスト、などがあり、これらの資格保有により年収アップに繋げているものと思われます。

独学での勉強も可能ですが、効率よく学習を進めるためには費用がかかるものの、専門学校などを利用することも必要かもしれません。

年収を上げる方法2:フリーランスを目指す

経験を積み重ねて自信が付いてきたらフリーランスを目指すことも年収アップをする方法です。

フリーランスの案件には月額報酬が100万円を超えるようなものも少なくありません。また、アメリカや中国などの海外案件ではさらに高額な報酬を得ることができるようなものもあります。

ただし、フリーランスになるということは、上手くいっても失敗しても自己責任であることには十分注意しておくことが必要です。

年収を上げる方法3:起業する

年功序列的な給与体系が多い日本企業では、勤務年数が長くならない(あるいは、偉くならない)限り、なかなか給与は上がらないのですが、自分で起業すれば好きなように自分の給与を決めることが可能になります。

起業のコツとしては、これまで一緒に仕事をしてきた取引先や同僚と良好な関係を普段から築いておくことが大切です。これからもお世話になることが十分に考えられますし、場合によっては案件を回してもらえるかもしれないからです。

ただし、起業をするということは自分が経営者となる、ということなので、経営に関する勉強が必須になるということには留意しましょう。

年収を上げる方法4:転職を考える

自分の働く環境を自ら変えることで年収を上げる「転職」という方法も考えられるでしょう。

自分のスキルや経験に見合ってない年収であれば、転職を考えてもよいかもしれません。ただし、自分自身の評価が客観的で冷静に行ったものなのかを見極めることはとても大切な点です。

また、転職は得るものだけではなく、これまでの労働環境などを失ってしまう可能性があるので、給与面だけを考えて転職するのではなく、今後の自分自身のキャリアをどう作っていくのか、なども踏まえて転職を考える必要があるでしょう。

今後のITエンジニア年収の推移予測

今後のITエンジニアは、「IT業界の急成長」「ITエンジニアの高齢化」「IT業界の悪いイメージ(給与が安い、労働時間が長い、など)」といった理由により人材不足に陥ることが予想されています。

その反面、ITエンジニアが果たす役割は社会がデジタル化していく中で大きくなっており、優秀なIT人材はどの企業も欲しがる人材と言えることができます。

つまり、マーケットは拡大しているのに人材が足りない状態が続くものと予想されますので、ITエンジニアの年収は上昇していくものと考えられます。

ITエンジニアの年収を把握しておこう

ITエンジニアの年収は、職種や年齢などによって異なっていますが、年収をアップさせるためには先ず自分自身のスキルや技術を磨くことが大切です。そのうえでフリーランスへの転身や起業などを考えることが重要だといえるでしょう。

年収だけで仕事を選ぶことは自分の可能性を狭めてしまう面があることは否めませんが、働くうえで年収も大切な要素のひとつです。