セキュリティの勉強方法3選|セキュリティエンジニアに求められる知識やスキル
セキュリティとは
IT業界におけるセキュリティとは、サイバー攻撃などから情報資産を守り、ウィルスの侵入と感染によるシステム不具合の発生や情報漏洩などの脅威から身を守るためのものです。
サイバー攻撃によって個人情報などが漏洩した場合、企業においては信頼の失墜につながります。そのため、これらの脅威から身を守るセキュリティは、企業にとって非常に重要なものとなっています。
セキュリティエンジニアとは?
セキュリティエンジニアとは、セキュリティに関する専門知識やスキルに特化したエンジニアのことです。
近年サイバー攻撃が巧妙になってきたことや、企業のセキュリティ意識の高まりにより、セキュリティエンジニアの需要も増してきています。
未経験からセキュリティエンジニアを目指すのは難しいですが、ネットワークエンジニアやインフラエンジニアの経験を経てステップアップし、セキュリティエンジニアを目指すことも可能です。
ネットワークエンジニア
ネットワークエンジニアとは、ネットワークの設計・構築・運用・保守などを行うエンジニアです。
セキュリティエンジニアに必要とされるシステムの多くがネットワークとつながっているため、ネットワークエンジニアとセキュリティエンジニアは必要とされるスキルが共通している部分が多いです。
そのため、ネットワークエンジニアからセキュリティエンジニアへの転向は非常に効率が良いと言えます。
インフラエンジニア
インフラエンジニアとは、ITインフラを専門に扱うエンジニアです。
仕事は外部からの攻撃や内部不正に対するセキュリティを担当することが多いため、セキュリティエンジニアと共通点の多い職種です。
インフラエンジニアとして経験を積みキャリアップすることで、セキュリティエンジニアとして必要な最低限のスキルや経験を身につけることができるので、インフラエンジニアからのセキュリティエンジニアへの転向も可能です。
セキュリティの勉強方法3選
セキュリティの勉強方法をご紹介します。
セキュリティエンジニアは多くの知識が求められる職種です。そのため、セキュリティエンジニアになるには自分に合った勉強法を見つける必要があります。
ここではセキュリティの勉強方法として、「本で勉強」「Webサイトの利用」「資格取得」の3つをそれぞれご紹介していきます。
セキュリティの勉強方法1:本で勉強
セキュリティの勉強方法には書籍を利用して勉強する方法があります。
セキュリティエンジニアはさまざまな種類があるエンジニア職の中でも高度なスキルと幅広い知識が求められる、難易度の高い職種です。
しかしセキュリティに特化した書籍は数多く出版されており、スキル別で販売されているので、ご自身のレベルに合わせて選ぶことができます。
ここではおすすめの書籍を5冊ご紹介していきます。
マスタリングTCP/IP 情報セキュリティ編
「マスタリングTCP/IP 情報セキュリティ編」はネットワークセキュリティをキャッチアップするために必要な基礎を勉強できる書籍です。
本書は「マスタリングTCP/IPシリーズ」の1冊で、暗号技術やセキュリティプロトコルへの応用、認証技術、多様化する攻撃手法に対する対策といった内容を扱っています。
セキュリティエンジニアはもちろん、エンジニアであれば知っておくべきセキュリティ技術を学べます。
徹底攻略 情報処理安全確保支援士教科書 令和2年度
「徹底攻略 情報処理安全確保支援士教科書 令和2年度」は情報処理安全確保支援士を徹底分析したテキスト問題集です。
新試験対策用の問題集となっており、本文の随所に確認問題が出てくるため、解説と確認問題を積み重ねることで知識を効率的に身につけることができます。
各章の最後には演習問題も掲載されているため、知識がどのくらい身についているか確かめながら勉強を進めることができます。
動かして学ぶセキュリティ入門講座
「動かして学ぶセキュリティ入門講座」はセキュリティの基礎や対策ノウハウが学べる書籍です。
マルウェアやスパイウェア、ランサムウェアなど、近年多様化してきているセキュリティ攻撃の仕組みを解説しながら、それらの攻撃からどのようにデータやシステムを守れるかを勉強できる1冊です。
また、セキュリティエンジニアが利用しているツールも紹介しているため、実際に試しながら学ぶことができます。
暗号技術入門 第3版 秘密の国のアリス
「暗号技術入門 第3版 秘密の国のアリス」は、わかりやすく暗号技術が学べる書籍です。
「対称暗号」や「公開鍵暗号」、「PKI」や「SSL/TLS」といった暗号技術の基礎について、優しい文章と豊富な図解によって解説している本です。
情報セキュリティスペシャリスト試験の対策にもなる本なので、資格取得を目指している人にもおすすめです。
1週間でLPICの基礎が学べる本 第2版
「1週間でLPICの基礎が学べる本 第2版」は、LPICの基礎固めができるLinuxの入門書です。
Linuxの資格として有名なLPICを受験する初心者のために、試験範囲だけでなくLinuxの基礎から体系的に学べるようになっています。
また、試験の情報や練習問題も掲載しているため、初心者でも資格取得を視野に勉強を進めることができます。
セキュリティの勉強方法2:Webサイトの利用
セキュリティの勉強方法にはWebサイトを利用して勉強する方法があります。
書籍を使って勉強を進めるのもおすすめですが、Webサイトの中にもセキュリティの勉強に利用できるサイトは多いです。
ここではおすすめのWebサイトを4つご紹介していきますので、Webサイトを活用した勉強の参考にしてみてください。
Linuxセキュリティ標準教科書
「Linuxセキュリティ標準教科書」は、Linux技術者の教育用に公開されているWebサイトです。
LPI-Japanが教材用として無償で公開しているWebサイトで、教育機関や企業研修などでのLinuxにおけるセキュリティ教育に利用できます。
また、内容については随時アップデートが行われており、コミュニティによって最新の内容に更新されています。
IPA(情報処理推進機構)
「IPA(情報処理推進機構)」は、情報処理技術者試験などを行っている独立行政法人情報処理推進機構のWebサイトです。
「5分でできる!情報セキュリティポイント学習」などの情報セキュリティ対策についてe-Learning形式で学習できるコンテンツも公開しており、従業員などのセキュリティ学習のために無料で利用することができます。
内閣サイバーセキュリティセンター
「内閣サイバーセキュリティセンター」はインターネットのハンドブックが利用できるWebサイトです。
情報システムに対する不正活動の監視や分析などを行っている内閣サイバーセキュリティセンターの公式Webサイトでも、「インターネットの安全・安心ハンドブック」というセキュリティを学べるハンドブックが利用できます。
ハンドブックではITセキュリティ全般について丁寧に解説されており、自己学習に活用できます。
日本ネットワークセキュリティ協会
「日本ネットワークセキュリティ協会」は、セキュリティに関する情報を得たり勉強できるWebサイトです。
日本ネットワークセキュリティ協会はネットワークセキュリティに関する教育や事業を行っている特定非営利活動法人で、公式サイトでセキュリティの勉強をすることができます。
学習ページではセキュリティの理解度チェックをしたり、ゲームをプレイしながらセキュリティを学ぶこともできます。
セキュリティの勉強方法3:セキュリティ関連の資格取得
セキュリティの勉強方法にはセキュリティ関連の資格取得を目指して勉強する方法があります。
セキュリティ関連の資格取得を目指して勉強することで、合格することで資格を得られるだけでなく、セキュリティに関するさまざまな知識を学ぶことができます。
ここではおすすめのセキュリティ関連の資格を4種類ご紹介していきますので、資格取得を目指す際の参考にしてみてください。
情報セキュリティマネジメント試験
「情報セキュリティマネジメント試験」は、情報システムにおいて情報セキュリティマネジメントの計画や運用、評価、改善などを行い、脅威から継続的に組織を守る知識やスキルを認定する試験です。
平成28年から始まった比較的新しい情報処理技術者試験の1区分で、スキルレベル2に相当します。資格取得を目指して勉強することで、セキュリティに関する幅広い知識を得ることができるでしょう。
情報処理安全確保支援士試験
「情報処理安全確保支援士試験」は、政府機関や企業などにおける情報セキュリティ確保支援を行うスキルを認定する試験です。
前身の情報セキュリティスペシャリスト試験と同程度の難易度で、独立した資格となっているため高度情報処理技術者試験には含まれていませんが、高度情報処理技術者試験と同じスキルレベル4の試験となっています。
現在国内で受けられる情報セキュリティに関する資格試験では最難関の資格だと言えるでしょう。
公認情報セキュリティマネージャー
「公認情報セキュリティマネージャー」は情報セキュリティの国際的資格です。
ISACAにより2002年に資格制度が設立された情報セキュリティの資格で、2003年度から試験が受けられるようになりました。
公認情報セキュリティマネージャーは、マネージメントレベルの資格となっているため、セキュリティコンサルタントやセキュリティマネージャーなどを目指している人におすすめです。
CompTIA CySA+
「CompTIA CySA+」は、ITセキュリティに対し分析や改善を行うための知識を認定する資格です。
国際的に認知されている、特定の製品や技術に依存しないITセキュリティに関するベンダーニュートラルな試験です。
資格を取得することで、企業にとって重要なインフラやデータなどのITセキュリティを維持するための脅威検出や分析ツールの使用、分析や監視などを行うスキルを保有していることの証明になります。
セキュリティエンジニアに必要な知識とスキル7つ
セキュリティエンジニアに必要な知識とスキルをご紹介します。
セキュリティエンジニアとして活躍するには、具体的にはどのような知識やスキルが求められるのでしょうか。
ここではセキュリティエンジニアに必要な知識とスキル7つをご紹介しますので、ぜひ参考に知識やスキルを身につけるようにしましょう。
必要な知識とスキル1:IT全般の基礎知識
セキュリティエンジニアにはIT全般の基礎知識が必要です。
攻撃者はコンピューターやネットワークなどのセキュリティホールを狙ってサイバー攻撃を行ってきます。
そのため、セキュリティエンジニアはネットワークやサーバー、データベースやアプリケーションなどIT全般に関する幅広い知識を求められます。
必要な知識とスキル2:暗号・認証の最新理論
セキュリティエンジニアには暗号・認証の最新理論の知識が必要です。
あらゆる角度から検討し、適切な情報セキュリティを実装するには、情報の暗号化や復号化、認証に関する技術にも精通していることが重要です。また、暗号や認証をサーバーに実装するためのスキルも必要です。
そのため、最新の暗号化や認証理論も押さえておきましょう。
必要な知識とスキル3:OSの知識
セキュリティエンジニアにはOSの知識が必要です。
Unix、Windows、Trusted OSなどのOSに関する知識も必要です。OSの関する知識は、コンピュータの脆弱性の発見やトラブルの評価などで求められます。
また、UnixならPKIサービスユーティリティ、Windowsなら内部情報の暗号化といったOSごとのセキュリティ対策についても知っておきましょう。
必要な知識とスキル4:ネットワークの知識
セキュリティエンジニアにはネットワークの知識が必要です。
ネットワークはセキュリティ対策の対象となるため、幅広い知識が必要です。ネットワークの規模などを考慮しながらセキュリティ対策を行うために、古いものから最新のものまでネットワークの知識を学んでおきましょう。
必要な知識とスキル5:サイバー攻撃関連の知識
セキュリティエンジニアにはサイバー攻撃に関する知識が必要です。
攻撃者がどのようなサイバー攻撃を行うのかといった知識は、それらに対するセキュリティ対策を講じる上で必要です。
セキュリティを突破するために使用する手段や技術について知見を持ち、ペネトレーションテストの技術を向上させるようにしましょう。
必要な知識とスキル6:セキュリティに関する法律知識
セキュリティエンジニアにはセキュリティに関する法律知識が必要です。
セキュリティに関する法律や制度を知っておくことで、システムを安全に運用することができます。
また、ITやセキュリティに関する法改正は非常に頻繁に行われています。そのため、セキュリティエンジニアとして常に最新の法律に則ったセキュリティ対策を行うためにも、セキュリティに関する法律については十分に知っておきましょう。
必要な知識とスキル7:C言語やC++言語の知識
セキュリティエンジニアにはC言語やC++言語の知識が必要です。
システムやアプリケーションにセキュリティ対策を行うには、プログラミングの知識も必要です。特にC言語やC++言語の実装スキルについては習得しておきましょう。
セキュリティエンジニアを目指してみよう!
セキュリティエンジニアにはIT全般の幅広い知識やスキルが求められます。
セキュリティエンジニアはサイバー攻撃やウィルスからシステムやデータを守る、情報化社会に欠かせない重要な仕事です。
ぜひこの記事でご紹介したセキュリティの勉強方法やセキュリティエンジニアに必要な知識とスキル等を参考に、セキュリティエンジニアを目指してみてはいかがでしょうか。