データサイエンティストの勉強方法を紹介|3つの勉強手順も解説!

データサイエンティストとは

データの膨大な集積によって情報爆発と言われる状況にあるのが現代です。そのビッグデータを処理・分析して有効な価値情報を見出すのがデータサイエンスです。

データサイエンティストとは、データサイエンスの手法を用いてビッグデータを分析・解析し、社会的に意味のある新しい価値を導き出す専門職のことです。ビッグデータは2010年ごろから一般的になりました。

データサイエンティストの勉強をするための心構え

データサイエンスを、独学であれ大学であれ学ぶ人にとって大切なことは何でしょうか?それはデータサイエンスの勉強が学問という枠に留まる訳ではないという事です。

データサイエンティストへの勉強は、最終的には経済社会的な関わりに収束するという事を意識してなされる必要があります。膨大なデータから抽出されるのは、ビジネスシーンでの新たな価値なのです。

ビジネス価値を創造する意識を持つこと

アカデミックな学習環境とビジネスにおける実践的環境との違いは、想像を超えるものがあります。ビジネスの現場では、データの単なるやり取りではすみません。その落差に愕然とするケースもあります。

データサイエンティストへの勉強には、ビジネスパーソンとしての意識と同時に、データ分析から新しい価値創造を行おうとする意識が必要です。データサイエンスの現場はビジネスシーンなのです。

【ジャンル別】データサイエンティストの勉強方法

データサイエンティストにはデータ分析についての総合的な力が求められます。データサイエンティストに必要なスキルには、ビジネスに関するもの、IT技術に関するもの、統計解析に関するものの三つが必要です。

ここに掲げた三者のどれ一つ欠けてもデータサイエンティストとして成立しないのです。またIT技術は日進月歩で目まぐるしく発展・変容しているので、勉強に終わりがありません。

おすすめの本・書籍10選

データサイエンティストには多岐にわたる学習内容を学ぶのに適した、おすすめ参考書籍10点を紹介します。

ビジネス関連、IT関連、統計関連三者の知識を、データサイエンティストは自分の頭の中で紐づけて勉強・習得しなければなりません。以下にご紹介する参考書類は頭の中を整理整頓するのにも役立つ書籍です。

おすすめの本・書籍1:ビジネス活用事例で学ぶデータサイエンス入門

データ分析現場のリアルなビジネスシーンを想定した8つのケーススタディーから、データ分析で何ができるのかを、初学者から実務者までを対象にした一冊です。

データサイエンティストの勉強と実際のギャップを埋めるべく、実務経験豊富な著者が語ります。共著者は、株式会社ドリコム・データ分析グループ所属の実践・実務のベテランです。発刊は2014年、参考価格は1,510円です。

おすすめの本・書籍2:データ解析の実務プロセス入門

データサイエンスは、「作業ー失敗ー作業」の試行錯誤の過程で新しい知見に辿り着く地道でクリエイティブな仕事です。実務における「プロセス」と「良きデータ作り」に焦点を当てた、データ解析の入門書です。

データサイエンティストは孤独なビジネス環境にあることが多いものです。そのようなデータサイエンティストの座右に寄り添う一冊です。発刊は2015年、参考価格2,640円です。

おすすめの本・書籍3:入門 統計解析法

統計解析とは大量のデータを分析することを通じて、データの持つ傾向をパターンとして抽出する学問です。それ故、データサイエンティストにとっては重要な勉強です。

本書は統計解析の基礎から全容までを、数式解説を含めて統計解析の基礎手法を丁寧に説明したロングセラーです。著者は早稲田大学経営システム工学科教授です。発刊は1992年、参考価格は3,190円です。

おすすめの本・書籍4:基本統計学 第4版

日本統計学の歴史にも精通している著者が、基礎から順次ステップアップできるように、初学者の目線に立った創意工夫の凝らされた統計学の教科書です。

本書の帯に「12万人以上が学んだロングセラー」とあるように、発刊以来根強い支持を得ているデータサイエンティスト必携の一冊、16年ぶり改訂版です。発刊は2015年、参考価格は3,080円です。

おすすめの本・書籍5:BIシステム構築実践入門

BI8ビジネス・インテリジェンス)ツールとは、販売・顧客・在庫などの業務データ分析からパタン抽出するためのソフトウェアです。データサイエンティストにとって勉強・習熟したいツールです。

このBIシステムの構築方法を業務の実際に当てはめながら、技術的な解説を基礎からデータ活用までを詳しく述べています。発刊は2005年、参考価格は2,530円です。

おすすめの本・書籍6:データ解析のための統計モデリング入門

何についてのデータ収集であれ、全てを網羅的にデータ収集することは不可能で、収集できた不完全なデータを解析するための文脈づくりがモデリングです。

具体的な例題を数理モデルを用いて解決していくことを通じて、統計モデルの基礎となる考え方を述べていきます。著者は、北海道大学地球環境科学研究院環境生物科学部門助教です。発刊は2012年、参考価格は4,180円です。

おすすめの本・書籍7:わかりやすいパターン認識(第2版)

パターン認識は、人間が脳において日常的に行っているごく普通の情報処理です。ですが、コンピューターにとっては未だに難渋を極めた処理技術です。

膨大な情報量を分析対象とするデータサイエンティストにとって、本書はパターン認識技術習得の基礎を勉強する教科書です。この第2版には実験例・演習問題も付け加えられています。発刊は2019年、参考価格は3,080円です。

おすすめの本・書籍8:トップデータサイエンティストが教える データ活用実践教室

本書では各パートを8人の著者が分担して執筆していて、いずれも分析現場の第一線で活躍しているデータサイエンティストばかりです。

本書は与えられた膨大なデータをどのように取捨選択し、有意味なデータとして活用していくのか、そのノウハウを実践実務者である8人の著者たちが、データサイエンティストを目指す人々に贈るエールです。発刊は2015年、参考価格は2,200円です。

おすすめの本・書籍9:Rによるデータサイエンス データ解析の基礎から最新手法まで

Rとはオープンソースプログラムの統計解析・データ解析に特化した言語です。つまり世界中のユーザーによって開発されてきたもので、日々進化しています。

本書はデータサイエンティストが、進化するR言語でのデータ解析を勉強できるように編まれた入門書です。オープンソースである性格から発展するパッケージ解説も充実しています。発刊は2017年、参考価格は3,960円です。

おすすめの本・書籍10:ビッグデータ分析・活用のためのSQLレシピ

SQLはデータベースを操作する言語で、大量に格納されているデータを削除・追加等に使います。データベースを扱うデータサイエンティストには必要な勉強です。

本書は実務に堪能な共著者が、分析担当とエンジニア双方が共に、データ加工・SQLの習得・周囲へのレポーティング等々ができることを目指して書かれています。発刊は2017年、参考価格は4,180円です。

おすすめの講座5選

以下に紹介するのは通信制とオンラインによる講座で、いずれもデータサイエンティストの初学者にとって入りやすく勉強しやすい講座です。

受講料も無料講座から有料まであり、独学での勉強でも先に紹介した書籍と合わせれば、学習環境の道具立てには困りません。

テキストによるものからオンライン動画まであるので、自分のスタイルに合った勉強方法を選ぶことができます。

おすすめの講座1:現代統計実務講座

当講座では数理的説明を最小限にとどめ、統計の役割や意義が理解できるようにして、実例を中心にしたカリキュラムで統計の活用手法など、実践力が習得できるように組まれています。

また理解できるまで課題の提出と添削を繰り返すことで、履修を確実にしています。標準学習期間は8ヶ月で無料延長期間4ヶ月が付きます。入学金5,000円/受講料54,800円(分割も可)です。

おすすめの講座2:データサイエンスオンライン講座

本講座は総務省が主催する「社会人のためのデータサイエンス演習」です。2016年に初開講し、すでに述べ39,000人以上が受講しています。

受講対象は社会人や大学生で、業務・実務上の事例を分析対象とし、具体的な統計分析方法を広く理解しやすいように解説します。

開講は2020年9月29日開講予定で、期間は11月29日までの予定です。誰でも無料で受講可能です。

おすすめの講座3:Coursera 機械学習コース

機械学習とはコンピューターがデータの反復学習によってパタン認識することで、本講座では、その仕組みを学びます。

講座はスタンフォード大学が主催し、動画を使ってする講義内容は、回帰分析・ニューラルネットワーク・アルゴリズム・機械学習についてです。多言語対応で、日本語字幕もあります。

期間は基本的には11週間で、受講者の都合で自在に決められます。受講料は無料です。

おすすめの講座4:Udemy

当オンライン講座では、データサイエンス関連の講座は9個のコース(SQL・Microsoft Power BI・Tableau・ビジネス分析・データ分析・MySQL・データモデリング・ビッグデータ)があります。

受講期間に定めはなくいつでも視聴できますが、受講料は講座によってまちまちです。平均1,600円ですが、セール期間には格安の講座も出てきます。

おすすめの講座5:Aidemy

AidemyはAIプログラミング学習サービスで、自然言語処理やディープラーニング(深層学習)をオンラインで学ぶことができます。

受講期間はコースによって違いますが、一度受けた講座に関しては、アカウントがある限り復習できます。料金は無料コースや月額制から、16週間プランの479,980円まで幅があります。

おすすめの学習サイト

データサイエンティストには、多くの学習サイトがオンライン上に用意されています。それらは学習ばかりではなく、日常的に変化・展開していくAI技術の情報が豊富に格納された場所でもあります。

データサイエンティストを目指すには、日々のAI・ITの進化の様相を収集するのも必要で楽しいものです。Chainer チュートリアルはそんなサイトの一つです。

Chainer チュートリアル

Chainer チュートリアルは、日本発のオープンソース「Chainer 」深層学習フレームワークを学べる無料サイトです。

本サイトでは必要な数学の基礎から、ディープラーニングのコードを書くところまで学習することができます。

Chainer は、シンプルで使いやすいプログラミング言語、Pythonの外部ライブラリとして開発されたもので、世界的に使われています。

データサイエンティストについて勉強するときの手順3つ

データサイエンティストとは、大量のデータを分析する中で、そのデータの特徴・パタンを抽出し、ビジネスシーンにおける価値創造を行うエキスパートのことでした。

そこへ至るには、データ解析のための統計学、そして統計作業をコンピューティングするためのプログラミング、それにデータサイエンスをシステムとして立ち上げる機会学習を学ばねければなりません。

勉強するときの手順1:統計の基礎を理解する

統計は得られたデータを基にして、現状を理解・解釈して、未来予測に資する手法です。データサイエンスはこの手法を使ってデータを分析します。

統計には平均値・期待値・分散・確率などデータの扱い方にいくつもの種類があるので、データサイエンティストはこれら統計の基礎を理解し身に着けねばなりません。

勉強するときの手順2:Pythonで実装する

データサイエンスを実践していくにあたり、合理的な作業を進めるには、機械学習を利用するのが良いです。そのためにもデータサイエンス学習の早い段階で、Pythonを実装し、なれ親しんでおくのが得策です。

Python はシンプルな構造をもったプログラミング言語で、覚えなければならない文法規則が極めて少ないので、初学者にとって扱いやすい言語です。

勉強するときの手順3:機械学習手法を使って実装する

機械学習でデータ分析を行う事で、情報のパタン抽出が容易となり、合理的な作業効率を得られます。そういったシステムの構築には、一定の試行錯誤を通して信頼性を高めていく必要があります。

データサイエンティストとしての力をつけていくには、実際のデータ解析コンペティションに参加するのがお勧めです。データ解析コンペティションとは、共通のデータを使って解析技術を競うものです。

データサイエンティストの勉強方法を理解しよう

データサイエンティストは、ビッグデータという情報爆発の中で生まれた新しい職種です。それ故、はっきりとした評価が定まっていない職業でもあります。

習得すべきスキルは幅が広く、また日進月歩するIT・AIの世界に追随しながら学習を続けます。毎日の勉強で基礎的な課題を身に着け、最新情報に触れながら常に自分をアップデートしていく方法を理解しましょう。