SEの仕事内容の流れ7つと求められる6つのスキル|年齢別で見る平均年収も紹介

SEの仕事とは

SEとはシステムエンジニアの略で、基本的にはシステム開発に伴いプログラムの設計を行う仕事です。システム開発自体は、要件定義して基本設計を行い、プログラムを製造して試験を行うという流れです。

特にSEが主に担当するのは、その流れの中でも要件定義して基本設計を行うパートです。要件定義ではシステム全体の仕様を決め、その後に基本設計と詳細設計を行います。実際のプログラミングはプログラマーが仕事をします。

SEと社内SEの違い

SEは企業からの依頼を受けて、必要とするシステムの開発を開発会社に属しながら行うのですが、社内SEという業務形態もあります。

社内SEには開発会社からの派遣によりその企業に常駐するタイプと、システムを自社開発するために採用するタイプの2つがあります。

特に自社開発は社内でのシステム開発なので、クライアントからの依頼に対応する場合のように納期に縛られず、自分のペースで仕事をしやすいのがメリットです。

SEとプログラマーの違い

SEは必要とするシステムの全体像を描き、その設計を行うのが主な仕事で、システムを構成するプログラムの基本設計を行います。必要とされるプログラム自体を作成していくのは、プログラマーです。

プログラマーはシステム開発における製造の工程を担当していきます。SEの作成した設計書には必要最低限の内容しか記載されていないので、作業をどのように実現するのかはプログラマーの能力に左右されます。

SEの仕事内容の流れ7つ

SEの仕事内容の流れを7つに分けて紹介します。SEはシステムを作成する最初にクライアントからヒアリングをし、何が欲しいのか要求の分析をして、その要件を定義していきます。

そしてその要求の実現を目指すシステムの基本設計と詳細設計をし、設計書に従いプログラミングを行い作成します。出来上がったシステムをテストして確認し、納品してから運用を行いますが、必要な場合は保守もしていきます。

SEの仕事内容の流れ1:要求分析をする

SEの仕事内容の流れとして、SEが最初に行う仕事が要求分析です。要求分析とは、クライアントにヒアリングなどを行い、クライアントがどのようなシステムを望んでいて、どのような効果を期待しているかなどについて確認し、明確にしていきます。

SEの仕事としては、雑談のようなヒアリングをしながら、クライアントが本当に望んでいることを見出す、特に重要な仕事です。

SEの仕事内容の流れ2:要件定義をする

ヒアリングを通じてクライアントが何を望んでいるか要求分析が終わったら、流れとしては、次にクライアントの要望に応えるための手法の検討です。

この要望に応えるための手法を導き出すのが、要件定義というSEの仕事です。ただし、すべてのクライアントの要望に応えられるかは、システム開発に要する期間や費用に左右されますので、その点を勘案したうえで要件定義がなされます。

SEの仕事内容の流れ3:基本設計をする

SEの仕事内容の流れの3番目に行うことが、基本設計をすることです。要求分析から要件定義を行いましたが、ここからはクライアントの要望を実現するためのプロセスに入っていきます。

基本設計とは、クライアントの要望を実現するためのシステムを組むにあたって、どのような機能を持たせたシステムとするかを決めることです。システムづくりに合わせて、どのような表示にするか、また操作方法についても検討します。

SEの仕事内容の流れ4:詳細設計をする

SEの仕事内容の流れの4番目になるのが、詳細設計です。基本設計をすることで大まかなシステムの設計が出来てきますが、その基本設計をどのような技術や仕組みを用いて実現するかなどの細部について、設計していくのが詳細設計です。

この詳細設計によりシステムを実現するために、プログラマーが実際にプログラミングできるための具体的な指示を含めた設計を行うのがこの段階です。

SEの仕事内容の流れ5:プログラミング作成

SEの仕事内容の流れの5番目は、プログラミング作成ですが、実際のプログラミングはプログラマーが行うことが多くなっています。

しかし、SEはヒアリングなどを通してクライアントの要望に基づいた設計を行ってきたので、実現するための手段についてもSEは詳しく、プログラミングにも携わる人もいます。

実際、プログラマーとして経験を積んだうえで、SEになる人も多くなっています。

SEの仕事内容の流れ6:テストをする

SEの仕事内容の流れの6番目が、出来上がったシステムのテストです。詳細設計を行い、システムを作成する指示が出来たプログラムを、SEやプログラマーが作成します。

出来上がったプログラムが、システム設計どおりに動作するかどうかを確かめることが必要です。この仕事はSEの仕事の最終段階であり、設計書や要求分析に照らし合わせて、反映漏れがないかを含めて入念にテストをします。

SEの仕事内容の流れ7:納品・運用・保守

SEの仕事内容の流れの最後に当たる7番目が、納品し運用を行うことで、必要な場合には保守作業も行います。納品前のテストで問題が生じない場合でも、実際に運用することで想定しない問題が発生することがあります。

納品し運用を行った結果、システムに何かしらの問題が見つかった場合には保守を行います。さらに、納品したシステムに障害が発生することもありますので、その対応もSEに必要な仕事です。

SEの仕事に求められる6つのスキル

SEの仕事に求められる6つのスキルを紹介しておきます。SEは単なるプログラミング作成者ではなく、クライアントの要望を実現するためにクライアントとのヒアリング能力や説明能力などのスキルが求められます。

他に必要なスキルとしてはIT戦略における専門的なスキルや、システムの改善や提案が出来る能力、さらにそれを相手に伝えるためのコミュニケーション能力などが求められます。

SEの仕事に求められるスキル1:IT戦略における専門的なスキル

SEの仕事に求められるスキルとして、IT戦略における専門的なスキルがあります。IT技術の進歩は早く、その分野はプログラミング言語、データベース、ネットワーク技術、セキュリティ関係など、幅広くあります。

システムエンジニアに必要とされるITスキルを全て習得するのは難しいので、日々の勉強を欠かさないことです。ITに関すること全般について興味を持っていることが、システムエンジニアに求められています。

SEの仕事に求められるスキル2:システムの改善・提案

SEの仕事に求められるスキルとしては、システムの改善や提案が出来る能力を持っていることです。システムを設計する際はもちろん、顧客に対するシステムの説明の時も、技術的な能力が必要になります。

クライアントが求めているシステムについて、より良く改善することを提案できるだけの技術力を持っていなければなりません。さらに良いシステムが提案できることは、クライアントに満足感を与えることになります。

SEの仕事に求められるスキル3:コミュニケーション能力

SEの仕事に求められるスキルとして、コミュニケーション能力が高いことも必要です。クライアントの求めることをヒアリングによりきちんと引き出し、設計したシステムについて説明を行うことが仕事となるSEには、コミュニケーション能力が必要です。

SEがチームで動く場合にはメンバーをまとめるために、また、詳細設計の内容をプログラマーに正しく伝えるためにもコミュニケーション能力が必要です。

SEの仕事に求められるスキル4:マネジメント能力

SEの仕事に求められるスキルとして、マネジメントをする能力も必要です。システム設計は開発スケジュールから逸脱せずに進めなければクライアントと約束した納期を守れません。

SEにはプログラマーの仕事の進捗状態を含めて、開発の進行を管理するマネジメント能力が要求されます。また、SEがマネジメントを行わない場合は、プロジェクト管理をプロジェクトマネージャーが行うこともあります。

SEの仕事に求められるスキル5:ヒアリング能力

SEの仕事に求められるスキルとして、ヒアリング能力も必要になります。クライアントの求めるシステムについてしっかり聞き出すヒアリング能力を持っていることは必要不可欠です。

さらに、クライアントに対してシステムの提案を行う場合にも、クライアントのスキルに応じた説明を、論理的に展開する能力が求められます。SEが作り上げて提案するシステムを、クライアントが理解できなければ、活用することもできません。

SEの仕事に求められるスキル6:業務全体の知識

SEの仕事に求められるスキルとして、業務全体の知識を深く持っている必要があります。システムを組む際には、専門分野のシステムである場合が多くなっていますが、その業務について詳しい知識を持っていなければ、良いシステムの提案が出来ません。

SEは業務全体の知識をより深く持ち、理解していることが求められます。そのためには、IT技術だけではなく、クライアントの業務についての理解を進めていかなければなりません。

SEの年齢別で見る平均年収3選

SEの年齢別で見る平均年収を紹介していきます。平均年収は20代、30代、そして40代以降のSEについてです。おおむね、多業種に比べて平均年収は高めになっています。

SEの平均年収が高めなのは、IT業界全体が人手不足で、専用スキルが必要なSEを確保するために、高い給与を用意しているのです。また、仕事量が多いため残業が多くなることも、年収が高くなる一因です。

SEの平均年収1:20代

SEの平均年収についてクリエイターのための総合情報サイトのCREATIVE VILLAGEでは、厚生労働省が行っている賃金構造基本統計調査(平成29年)をもとに、SEの年収を算出しています。

20代前半の20~24歳のSEの平均年収は339.7万円で、若干400万円には届いていませんが、20代後半になると441.1万円と400万円を超えてきます。

SEの平均年収2:30代

SEの平均年収は20代後半から400万円を超えてきますが、30代後半になると539.7万円となり500万円台にのります。

なお、ここでの年収とは毎月支給される現金給与額×12ヵ月分に加え、年間ボーナス支給額を足した額です。

SEの平均年収3:40代以降

SEの平均年収は、30代後半になると539.7万円となり500万円台のレベルです。

これが40代になると、会社や個人のスキルなどで差は出てきますが、平均すると40代後半では605.5万円になり、600万円台にのります。さらに、50代で632.3万円となり、年収のピーク時期をむかえます。

SEの仕事内容を理解しよう

SEとしての仕事は主にクライアントの求めるシステムを実現するために設計を行うことですが、設計のためにSEは幅広い知識やスキルを必要とします。そのためSEはいろいろな技術や話題に興味を持ち、日ごろから学んでいく姿勢を持つことです。

プログラミングの知識を持ち、設計し、システムの構築を行いますので、経験を積むことで業務内容も多方面にわたることになります。その経験を生かせれば、他の職種のネットワークエンジニアや社内SEなどに転職する際には、有利になるでしょう。