クラウドサービスを利用するメリット5つ|プログラミングに与えた影響とは?
クラウドサービスがプログラミングに与えた影響とは
プログラミングに取り掛かる際にはPCに開発環境を構築しなければなりませんが、その環境設定は簡単なものではありません。特に初心者の場合、環境構築自体に時間がかかり、開発のネックになることも多いようです。
しかし、クラウド上にある環境を利用することで、ストレスなくプログラミングを始めることが可能になりました。クラウドサービスはプログラミングに対するハードルを低くしたといえるでしょう。
IDEとは
従来のシステム開発は、コンパイルにはコンパイラ、デバッグにはデバッガ、というように別々のソフトが必要で、それらを個別にそろえなければなりませんでした。
IDEとは、これら開発に必要なツールを1つにまとめたものです。日本語では統合開発環境と呼ばれます。
IDEをクラウド上で利用できるようにしたサービスがクラウドIDEです。ブラウザだけで開発ができます。
クラウドサービスを利用するメリット5つ
従来、プログラミングするには、まず手元のPCに開発環境を設定しなければなりませんでしたが、クラウドサービスを利用することにより、その手間が簡略されました。
クラウドIDEは、サービスが1つにまとまっているため非常に使いやすいといえます。では、具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか。特に便利だと思われる点を5つご紹介します。
クラウドサービスのメリット1:特定のパソコンに依存することはない
クラウドサービスのメリットの1つ目は、特定のパソコンに依存することなく開発ができるという点です。
従来は、特定のPCに開発環境を構築してからプログラミングするという手順でした。そのため、自宅にあるパソコンに環境を構築したら、そのパソコンを持ち歩かなければ作業が進みませんでした。
しかしクラウドサービスを利用すれば、ブラウザがあれば作業ができるので、パソコンを選ぶ必要がなくなります。
クラウドサービスのメリット2:ユーザーによるメンテナンスは不要
クラウドサービスのメリットの2つ目は、ユーザーによるメンテナンスが不要だという点です。ローカルマシンで開発している場合、問題が起きた時のメンテナンスは非常に大変でしょう。設定やインストールをすべてやり直さなければならないこともあります。
しかし、クラウドサービスでは、メンテナンスに割く労力を考える必要がありません。運営元が管理およびメンテナンスしてくれるため、集中して開発に従事できます。
クラウドサービスのメリット3:開発環境のセットアップが簡単にできる
クラウドサービスのメリットの3つ目は、開発環境のセットアップが簡単であるということです。特に初心者にとって、開発環境を設定するのはハードルの高いことでしょう。クラウドIDEはその点でストレスを感じることがありません。
やり直したいときの環境の破棄も再構築も簡単です。また、サービスによってはセットアップが必要ないものもあるため、より手軽に開発環境を入手することが可能です。
クラウドサービスのメリット4:初期費用が安い
クラウドサービスのメリットの4つ目は、初期費用が安いことです。まず、自分のPCで開発環境を整えるには、それなりのスペックが必要になるため、初期投資にお金がかかります。しかしクラウドIDEを利用すれば、自分のPCのスペックを考える必要はなくなります。
無料で試せる期間を設けているサービスや、さまざまな料金プランを用意しているサービスもあるため、金銭的なハードルは低いといえるでしょう。
クラウドサービスのメリット5:安全性が高い
クラウドサービスのメリットの5つ目は、安全性が高いことです。クラウドサービスを提供するベンダーはセキュリティ対策に力を入れています。ユーザーの個人的な情報を保護することが、評価につながるからです。
特に世界的なクラウドベンダーは堅牢なセキュリティ対策をとっています。手元のPCを利用した場合にはセキュリティが気になりますが、クラウドサービスなら開発中の情報を安心して預けられます。
プログラミングに活用できるクラウド型のIDE5選
手軽に開発環境が整えられるクラウドIDEですが、それぞれのサービスにはどのような特徴があるのでしょうか。
ここでは「AWS Cloud9」「PaizaCloud」「Codenvy」「Koding」「CodeAnywhere」の5つについて、概要などをご紹介します。
プログラミングに活用できるIDE1:AWS Cloud9
アマゾンウェブサービス(AWS)が提供しているクラウドIDEがCloud9です。AWSの他のサービス(EC2など)との親和性が高く、AWSアカウントがあれば、開発環境の作成から起動まで短時間で済みます。40以上のプログラミング言語に対応しています。
複数で開発環境を共有することが可能で、チャット機能も備わっているため、チームでの開発に適しているといえるでしょう。
プログラミングに活用できるIDE2:PaizaCloudクラウドIDE
クラウドIDEはPaizaが提供しているサービスです。大きな特徴は、他のクラウドサービスが英語対応なのに対して、UI、エディター、ターミナルまでが日本語対応していることです。
ブラウザを開けば短い時間でLinuxサーバーが立ち上がるため、研修や勉強会などの機会に適しています。また、プログラムしたアプリケーションを公開・運用するのも手軽にできます。
プログラミングに活用できるIDE3:Codenvy
CodenvyはEclipse Cheを利用しているクラウドIDEです。ユーザー登録すれば無料で利用できるため、気軽に試せます。
Codenvyの特徴は、開発したプログラムをテスト環境、本番環境へとつなげていくことが容易である点です。
プログラミングに活用できるIDE4:Koding
Kodingには、他のクラウドIDEとは少し違った特徴があります。ブラウザ上でプログラミングができるという点ではクラウドサービスとほとんど同じですが、サーバーの起動やデバッグ時にはコマンドライン操作が必要になります。
また、何人かの人が遠隔で一つの作業ができるという点も特徴として挙げられます。月額課金制ですが個人ユーザーには無料期間も設けられています。
プログラミングに活用できるIDE5:CodeAnywhere
CodeAnywhereは、iOSやAndroid用のアプリも公開されているクラウドサービスです。50万を超すユーザーに利用されています。
2015年のバージョンアップで動作スピードが4倍になったという操作性の良さが特徴です。個人のユーザーは無料で使える枠が設けられているので、まずは試してみるといいでしょう。
クラウドサービスの選び方2つ
さまざまに提供されているクラウドIDEですが、初めて使う場合はどれを選んだらいいか迷うことでしょう。さて、自分の取り組むプログラミングに合った機能や環境をどのように選んだらいいのでしょうか。以下では選び方のポイントについて解説します。
クラウドサービスの選び方1:使いやすい環境になるか
クラウドサービスの選び方のポイントは、まず、使いやすい環境になるかどうかという点です。
どこからでもPCがあればプログラミングができるという点はクラウドサービスの共通点ですが、それぞれに特異不得意な分野があります。自分がプログラミングしやすい環境になるかどうかを見極めましょう。
それには無料のトライアルが便利です。トライアルを利用して、比較してみるといいでしょう。
クラウドサービスの選び方2:充実したサポートを受けられるか
クラウドサービスを選ぶときには、充実したサポートが受けられるかどうかもポイントです。使い方がわからないときや、エラーが起きたときなどに迅速に対応してもらえるかを考慮しましょう。
英語での対応がストレスに感じられる場合は日本語でのサービスを選んだ方がいいでしょう。サービスの中には利用者同士で情報交換ができるフォームが用意されているものもあるようです。
クラウドを活用してプログラミングしてみよう
新たにプログラミングする場合に欠かせない環境開発ですが、クラウドサービスはその垣根を低くして、すぐにプログラミングに取り掛かることを可能にしています。
特定のPCに依存せずに、どこからでも同じ環境にアクセスができるクラウドサービスは非常に魅力的です。自分に合ったサービスを活用して、プログラミングしてみてはいかがでしょうか。