ITスペシャリストになるための資格15選|勉強するときのポイントも紹介

ITスペシャリストとは

ITスペシャリストとは、ITスキル標準(ITSS)が定めた専門分野のいずれかで、レベル3以上のスキルを満たした者のことをいいます。

ITスキル標準(ITSS)とは、IT関連サービスの提供に必要とされる能力を明確化・体系化した、エンジニアのスキルを測る「ものさし」ともいわれる指標です。

ITスペシャリストの場合、専門分野はプラットフォーム・ネットワーク・データベース・アプリケーション共通基盤・システム管理・セキュリティの6つがあり、そのいずれかがレベル3以上であることが条件となっています。

ITスペシャリストになるための資格15選

ITスペシャリストになるためには、ITスキル標準(ITSS)が定めたスキルレベル3以上を証明することが必要です。実務経験が少ない場合、国家資格である情報処理技術者試験、またはベンダー資格を取得することでITスペシャリストを目指すことが可能です。

ここでは、ITスペシャリストを目指す上で、おすすめの資格をいくつかご紹介いたします。

ITスペシャリストになるための資格1:マイクロソフトオフィススペシャリスト

マイクロソフトオフィススペシャリストとは、Microsoft Office製品であるExcelやWordなどの利用スキルを証明する国際資格です。試験科目はExcelやWordの他、PowerPointやAccess、メール機能であるOutlookの5科目となっています。そのうち4科目を取得すれば、マイクロソフトオフィススペシャリストマスターとなり、企業からの評価もより高くなることでしょう。

独学でも勉強しやすいこと、受験資格も特にないため、実践的なPC操作を身に付けたい方にはおすすめの資格であるといえます。

ITスペシャリストになるための資格2:ITパスポート試験

ITパスポート試験とは、国家資格である情報処理技術者試験の1つであり、基礎的な情報技術に関する知識を問われる資格です。

情報処理技術者試験の中ではスキルレベルが最も低い1とされており、合格率も例年50%前後と比較的取得しやすい資格といえます。また試験も随時開催されているため、受験しやすい資格といえるでしょう。

他の高度情報技術者試験を受験する前に、まずは本試験を受験してみましょう。

ITスペシャリストになるための資格3:情報セキュリティマネジメント試験

ITパスポート試験に合格した次のステップアップとされているのが、情報セキュリティマネジメント試験といわれています。

同じく情報処理技術者試験の1つである本試験は、スキルレベル2であり、情報セキュリティマネジメントシステムに関する知識と技術が問われます。合格率は令和元年で49.4%となっており、他の情報処理技術者試験の中では高めであるといえるでしょう。

ITパスポート試験に合格した方、ITに関するセキュリティ知識と技術をより深めたい方におすすめの資格といえます。

ITスペシャリストになるための資格4:基本情報技術者試験

基本情報技術者試験とは、国家資格である情報処理技術者試験の1つであり、ITエンジニアの登竜門でもある資格です。ITの基本的知識と技術を問われるだけでなく、プログラミングといった実践的な技術も求められる資格であるため、取得すれば企業へのスキルアピールにも役立てることができます。

情報処理技術者試験の中でも人気の高い試験でありますが、その合格率は例年20%台とやや低めとなっています。これからITエンジニアとして本格的に活動していきたい方は、まずこの資格から取得を目指すと良いでしょう。

ITスペシャリストになるための資格5:応用情報技術者試験

基本情報技術者試験がITエンジニアの登竜門だとしたら、応用情報技術者試験はITエンジニアとしてよりスキルアップしたい方におすすめの資格といえるでしょう。

基本情報技術者試験と比較して、より専門的な知識と応用力を問われるため、難易度はスキルレベル3に設定されています。合格することで就職に有利なことはもちろん、ITエンジニアとして十分に企業へアピールすることが可能な資格です。

ITスペシャリストになるための資格6:ITストラテジスト試験

情報処理技術者試験をいくつか取得し、実務経験を十分に重ねてきた方は、ITストラテジスト試験に挑戦してみてはいかがでしょうか。

ITストラテジスト試験とは、高度なIT知識と技術だけでなく、企業の経営戦略に基づいたITサービスを企画・推進する者を対象とした試験です。この資格は、厚生労働省から「専門的知識等を有する労働者」として指定されるため、取得した場合、企業から褒賞金を貰う場合もあるようです。

IT試験の中では最も難関とされているため、集大成として受験することをおすすめします。

ITスペシャリストになるための資格7:システムアーキテクト試験

システムアーキテクト試験とは、システム開発の上流工程に携わる者、つまり上級システムエンジニアを対象にした国家資格です。上流工程で必要な能力である、専門的な業務分析や業務知識を問われる試験であり、そのスキルレベルは最高難度の4とされています。

ITサービスマネージャ試験とともにシステム開発の統括を担う方には、おすすめの資格であるといえます。

ITスペシャリストになるための資格8:プロジェクトマネージャ試験

プロジェクトマネージャ試験とは、国家資格である情報処理技術者試験の1つであり、システム開発のプロジェクトを統括し、計画が円滑に進むよう主導的に行う者を対象とした試験です。

システム開発に関する知識や技術はもちろん、プロジェクトを統括するための管理・指導能力が必要であるため、スキルレベルは最高難度の4とされています。

高度情報処理技術者試験でもあり、合格は容易ではありませんが、将来エンジニアとして、プロジェクトリーダーを目指したい方にはおすすめの資格です。

ITスペシャリストになるための資格9:ネットワークスペシャリスト試験

ネットワークスペシャリストとは、ネットワークに関する知識・技術を問われる情報処理技術者試験の1つです。試験は最高難度のスキルレベル4であり、高度情報処理技術者試験でもあります。

ネットワークのシステム設計や構築、運用や保守といった、ネットワークに関するあらゆる専門性が問われるため、例年の合格者率は10%台と低めです。

取得することで、ネットワークエンジニアとしてスキルアップだけでなく、貴重な人材として就職や転職にも有利な資格であるといえます。

ITスペシャリストになるための資格10:データベーススペシャリスト試験

データベーススペシャリストとは、国家資格である情報処理技術者試験の中でも、スキルレベル4という最高難度の資格であり、データベースに関する知識と、開発・運用・保守などの技術を問われる資格です。

高度情報処理技術者試験でもあるため、その合格率は例年10%台という非常に高い難易度です。しかし、取得が容易ではない分、合格することでエンジニアとしての評価も高くなり、企業にIT技術者としてのスキルを十分にアピールできる資格といえるでしょう。

ITスペシャリストになるための資格11:エンベデッドシステムスペシャリスト試験

エンデベッドシステムスペシャリスト試験とは、国家資格の情報処理技術者試験の1つであり、組み込み(エンデベッド)システム開発の基盤構築・設計、製造を主導的に行う者を対象とした試験です。

スマート家電、自動運転といったIoT技術を含む、組み込みシステムの専門性を問われる本試験は、難易度も高くスキルレベル4という高度情報処理技術者試験であるため、合格も容易ではありません。

IoT技術が進む現代において、今後さらに需要が高まる分野でもあるため、将来性の高い資格であるといえるでしょう。

ITスペシャリストになるための資格12:ITサービスマネージャ試験

ITサービスマネージャとは、国家資格である情報処理技術者試験の1つであり、高度IT人材として確立した専門分野をもち、ITサービスに関しての知識と実践能力が問われる資格です。

高度情報処理技術者試験であり、スキルレベルは最高難度の4となっています。合格率は例年10%台であり、取得は容易ではありませんが、合格することでエンジニアとしての評価や、企業に対しての信頼感をアップさせることができるでしょう。

IT技術を統括する立場である方、ITマネジメントに携わる方に、特におすすめする資格です。

ITスペシャリストになるための資格13:システム監査技術者試験

システム監査技術者試験は、情報システムに関するリスク分析や、マネジメント、コントロールを検証する、システム監査に関する知識が問われる試験です。

国家資格である情報処理技術者試験の中でも、スキルレベルは最高難度の4とされており、合格率も例年10%台と非常に少ない資格です。

分析した監査結果を経営トップに報告するなど、システム監査を担う責任者を目指す方におすすめの資格といえるでしょう。

ITスペシャリストになるための資格14:情報処理安全確保支援士

情報処理安全確保支援士とは、セキュリティに関する知識と技術を活用し、サイバー攻撃から企業や組織を守る、セキュリティのスペシャリストです。

その試験は情報処理技術者試験の中でもスキルレベル4と最高難度ではありますが、合格率は他の高度情報処理技術者試験と比較してもやや高いといえます。そのため、応用情報技術者試験に合格した人が次に目指すにはおすすめの資格といえるでしょう。

また、情報処理安全確保支援士試験に合格した場合、所定の手続きを行うことで、サイバーセキュリティ対策を推進する「セキスぺ」として登録することが可能です。登録することで、資格保有者と企業双方にメリットのあるセキュリティ管理ができることとなるでしょう。

ITスペシャリストになるための資格15:オラクルマスター

オラクルマスターとは、日本オラクル社が主催するデータベース認定試験であり、ベンダー資格です。データベースに関する知識と運用を問われる資格が、Bronze、Silver、Gold、Platinum、と4種類で難易度も順番に上がり、SQLに関する知識を問われる資格はSilverのみとなっています。

ベンダー資格ながらその知名度は高いため人気の資格ではありますが、個人で受験する際は受験料が高額であるため、まずは試験範囲を確認してみることからおすすめします。

ITの資格勉強するときのポイント2つ

ITスペシャリストを目指す上で取得したい資格をいくつかご紹介しましたが、どのように勉強すれば合格することができるでしょうか。ここでは、試験に向けた勉強をするときにどのように進めていけば良いのかをご説明いたします。

資格取得に向けて、効率的な勉強をする参考にして下さい。

資格勉強するときのポイント1:書籍を活用する

IT関連の資格には、それぞれの試験傾向に合わせた参考書や問題集が多く出版されています。まずは、自分の知識レベルに合った参考書を活用し、試験傾向に沿って学習することをおすすめします。

参考書で基礎的な知識を固めつつ、併せて過去問題にいくつか取り組んでおくことで、より実践的に試験対策をすることが可能です。

高度情報処理技術者試験では、午後試験の対策が重要視されていますので、午後試験の問題を詳しく解説した問題集も併用すると良いでしょう。

資格勉強するときのポイント2:アプリを活用する

IT関連の資格に関する参考書には、さまざまなWeb学習コンテンツを購入特典として設けている書籍が多く出版されています。

午前試験対策としてIT関連単語を集めた「単語帳アプリ」や、出題傾向の高い過去問題を出題してくれるWeb学習コンテンツなどがあり、活用すれば、移動時間などの隙間時間に勉強することが可能です。

参考書により特典はさまざまであるため、どんなコンテンツがあるのかを確認し、購入しましょう。

ITスペシャリストになるための資格を知ろう

ITスペシャリストになるために、IT関連の資格を取得することで自身のスキルレベルを証明することができます。IT関連の資格には、初心者向けから高度なスキル技術を要するものまで、さまざまな資格が設けられているため、自身のスキルに併せた資格を目指すことが重要です。

この記事を参考にして頂き、あなたのスキルレベルに合った資格を探してみて下さい。ITスペシャリストを目指す上で取得した資格を活かし、就職や転職を有利にしましょう。