ネットワーク運用の仕事内容5つ|求められる知識やメリットも紹介

ネットワーク運用とは

ネットワーク運用とは、ネットワークの維持管理業務です。ネットワークにトラブルが起こった際の対応やメンテナンスなどを通して、安定したネットワーク環境を整える業務です。

ネットワーク運用は、ネットワーク運用管理とネットワーク運用保守に分けられることもあります。ネットワーク運用管理はネットワークが安定してつながるように管理する業務で、ネットワーク保守管理はトラブルを修正する業務となります。

ネットワーク保守とは

ネットワーク上で発生したトラブルに対処するのが、ネットワーク保守です。大抵は運用業務の中に保守業務が含まれていることが多くあります。

トラブルが起こったシステムの調整や、ソフトウエアのアップデートなども行い、より安定したネットワーク運用のために、ネットワークサービスを更新する作業もあります。また、ケーブルをつなぎ直したり、配線を変えたりなど修理も行います。

ネットワークエンジニアとは

ネットワークエンジニアとは、ネットワークシステムの設計、構築、運用、保守、管理をするエンジニアです。昨今、どのような業種のオフィスでもインターネットはかかせません。ネットワークエンジニアの主な活躍の場はIT企業や通信業界ですが、そこだけにとどまらず様々な業種での活躍が期待できます。

クライアントの要望からネットワークシステムを設計構築し、その後のトラブル対応まで幅広くカバーします。

ネットワーク運用の仕事内容5つ

ネットワークエンジニアの仕事の中でも、ネットワーク運用は比較的経験の浅いネットワークエンジニアが受け持つことの多い業務です。

ネットワークエンジニアを目指す初心者が、ネットワークを運用しながらスキルを高めていける登竜門的仕事にもなります。ネットワーク運用の仕事内容にはどのようなものがあるのか、仕事内容5つをご説明します。

ネットワーク運用の仕事内容1:アクティブ監視

アクティブとは英語で「行動的」を意味します。アクティブ監視とは、その名前の通り、監視する側からの積極的な行動により監視することです。トラブルが起こる前に潜在的な問題を洗い出し、すぐに対応できるように状況を監視します。

監視する間隔はネットワーク管理者が設定で自動化でき、リアルタイムでネットワークの監視ができます。特定のトラブルに対するデータを常時取得分析できるので、素早い対応ができます。

ネットワーク運用の仕事内容2:パッシブ監視

パッシブ監視は、監視する側が、監視される側からの何らかのアクションを監視することです。ある一定の期間のデータを収集分析し、その中で起こっている不具合や問題を検出します。

事前に予測をたてるアクティブ監視と違い、パッシブ監視で検出された問題は、すぐに対処の必要な問題となります。アクティブ管理よりも大量のデータを取得分析できるので、ネットワーク全体を広く監視できます。

ネットワーク運用の仕事内容3:リソース監視

リソース監視とは、メモリやハードウェアの容量、CPUの処理能力の状態を監視することです。アクティブ監視、パッシブ監視と同じく、ネットワーク運用監視の一つです。

リソースを把握しておかなければ、一度にたくさんのアクセスが集中してサーバーがダウンしてしまいます。仕事を効率よく進めていくうえでリソース監視は重要な業務といえます。

ネットワーク運用の仕事内容4:切り分け作業

ネットワークに障害が発生した場合に、ネットワークのどの部分で障害が発生しているのかを見極める作業を「切り分け」といいます。

ユーザーの入力ミスなのか、パソコン自体に問題があるのか、LANケーブルやルーターの問題なのか。不具合が発生した場所によってその対処方法は異なります。

少しでも早く不具合を解消するためには最適な対処方法が必要です。そのためにも切り分けは大切な作業といえるでしょう。

ネットワーク運用の仕事内容5:セキュリティ管理

セキュリティ管理は、ネットワーク上での安全性を確保するための管理対策の事です。パソコンにパスワードを設定するなどのハードウェア対策や、ソフトウェアのアクセス権の設定、ウイルス対策としてウイルスソフトを使用するなどもセキュリティ管理に含まれます。

また、ネットワークへの外部侵入を防ぐためのファイアウォールの構築や、データの暗号化などネットワークセキュリティの対応もセキュリティ管理の項目といえます。

ネットワーク運用の業務で求められる知識3つ

インターネットとユーザーを支えるネットワーク運用業務をするためには、どのような知識が必要なのでしょうか。

インターネットやネットワークの基礎について書かれた本はたくさんあります。独学で知識を得るためには、それらの本を読んでみるのも方法の一つです。

資格がないと働けないような職種ではありませんが、いくつかの専門的な知識はやはり必要です。ネットワーク運用で求められる知識を3つあげてみました。

ネットワーク運用で求められる知識1:ネットワーク機器の知識

ルーターやハブといたネットワーク機器の用途を理解し、適切につなげなければ、クライアントにとって最適なネットワークは構築できません。また、セキュリティを考慮したり、通信量が分散されるような配線にしたりなどは、ネットワーク機器の知識がないと出来ません。

配線の間違いなどからトラブルが発生することもあります。ネットワーク機器の知識は、ネットワーク運用設計をするうえで必要な知識といえるでしょう。

ネットワーク運用で求められる知識2:コマンドの知識

ネットワーク上にトラブルが起きた場合、コマンドの知識があればどこでトラブルが起きているのかすぐに調べられます。

コマンドの知識があれば、トラブルが起きても、パソコンそのものに原因があるのか、ルーターや相手方のパソコンに原因があるのかを把握して、トラブルを素早く解決できるでしょう。

ネットワーク運用で求められる知識3:OSの知識

WindowsやLinuxといったOSは仕事で使われることが多く、使ったことがなくても、不具合の対応をしなくてはならない場面はどうしても出てきます。

OSはその種類によって対応しないソフトウエアがあったり、動かないアプリケーションがあったりと、それぞれ何らかの特徴を持っています。OSの基礎知識はスムーズに仕事を進めるうえでも必要な知識といえるでしょう。

ネットワーク運用に関わるエンジニアのメリット4つ

インターネットを活用する場はますます広がり、ネットワーク上の課題を一つずつ解決していくネットワークエンジニアは、幅広い分野のオフィスで必要とされる存在となっています。

そんなネットワークエンジニアの仕事の一つである、ネットワーク運用にかかわるエンジニアには、どのようなメリットがあるのでしょうか。ネットワーク運用にかかわることで得られるメリットを4つあげてみました。

ネットワーク運用に関わるメリット1:スキルアップできる

ネットワーク運用にかかわることは、ネットワークエンジニアとしての第一歩といえます。ネットワーク運用しながら実際のトラブルの予測修正などを通し、ネットワークエンジニアとして必要な知識とより実践的なスキルを身につけられます。

仕事をしながらスキルアップができるのは、ネットワーク運用にかかわるメリットの一つといえるのではないでしょうか。

ネットワーク運用に関わるメリット2:将来性が高い

ネットワーク運用はパソコンやスマートフォンだけでなく、遠隔操作やコンテンツのダウンロードなどの機能を持つ家電にも活用されています。

最近ではクラウド型サーバーを使用し、業務をアウトソーシングしている企業も増えているので、今までのネットワークでは起きなかった不具合や問題なども起こる場合もあります。ネットワーク運用の知識は、将来的にも求められるものだといえるでしょう。

ネットワーク運用に関わるメリット3:独立できる可能性がある

ネットワークを設計できるようになるまでには、ネットワーク運営の仕事が全くの初心者の場合で数年かかると言われています。しかし、ネットワークエンジニアの需要は高く、知識とスキルを身につければ、自分の働き方にあった会社に転職することもできます。

また、専門の知識があるので、派遣や副業として仕事をするなど柔軟な働き方も可能です。システムンジニアの中には独立してフリーランスで働くエンジニアもいます。

ネットワーク運用に関わるメリット4:未経験から挑戦できる

ネットワークエンジニアの仕事は、ネットワークの設計、構築、管理、運用、保守などがありますが、これらの仕事を一人でこなすことはほとんどなく、複数のエンジニアがチームを組んで仕事を分担するのが一般的です。

ネットワーク運用は、チームで仕事をする際、初めに関わる仕事です。経験を積んだ先輩と一緒に仕事をすることで知識やスキルが身につき、未経験者でも挑戦しやすい仕事といえます。

ネットワーク運用の仕事にチャレンジしてみよう

ネットワークエンジニアは今ではIT企業だけでなく、多くの企業にも必要とされています。そのため他のエンジニアに比べて、求人も多いことが特徴です。また、身につけた知識で独立して仕事をするネットワークエンジニアも増えています。

ネットワークエンジニアへの第一歩として、ネットワーク運用の仕事にチャレンジしてみるのは、自分の将来の為にも有益なことではないでしょうか。