Linuxエンジニアとは?Linuxエンジニアの主な業務5つとやりがいを紹介

Linuxとは

エンジニアとして仕事をする際に、Linuxという名前を聞く機会もあつでしょう。

LinuxはオープンソースのOS(オペレーティングシステム)の1種で、パソコンだけでなくサーバーやメインフレーム、スーパーコンピュータ、組み込みシステムのOSとしても使われています。

スマートホンのAndroidもLinuxカーネル上に構成されています。

サーバを構築する

現在、Linuxの用途として大きなシェアを占めているのがサーバー用OSです。

Linuxは、大規模システムにも対応しているUnixベースで作られている信頼性の高いOSであり、VPSやレンタルサーバーの初期OSもLinuxが採用されるケースが多いです。

Linuxの知識やスキルは、Webエンジニアを目指そうとしている方や、Webサービスを作ろうとしている人にとって必要です。

アプリを開発する

Linuxはさまざまなプラットフォームで動作させることができ、多くのエンジニアがLinuxで動作するアプリを開発しています。

Linuxは可搬性が優れており、1つのプラットフォームで作成したアプリを他のプラットフォームに移植することもできます。

Linuxはオープンソースであるため、Googleで開発したAndroidやChrome OSなど、OSを開発することも可能です。

組み込みシステム

Linuxは、組み込みシステムのOSとしても利用可能で、これから本格的に活用が期待されるIoT(Internet of Things)でも使われ始めており、エンジニアとしてはおさえておきたいところです。

掃除機や冷蔵庫、エアコン、照明などにLinuxシステムを組み込み、スマートホンやアレクサのようなデバイスでコントロールすることができるようになります。

エンジニアの業務分野として、LinuxとIoTの技術は今後大きな拡大が期待できます。

Linuxエンジニアとは

Linuxエンジニアとは、OSとしてのLinuxの知識と技術力があるインフラエンジニアの1つです

LinuxはオープンソースのOSであり、LinuxエンジニアはLinuxのソースコードを改修できる能力を持っています。

Linuxはさまざまなプラットフォームで動作させることができ、サーバーやIoTでの主流OSとなる可能性もあり、将来性は高いです。

Linuxエンジニアの需要と将来性

Linuxエンジニアの需要は、IoTの発展が進んでいる現在、かなり高くなっています。

アプリ系のエンジニアだと、使用している言語の盛衰によって仕事がなくなる可能性がありますが、Linuxはインフラ系の技術なので、将来的にも使われていきます。

IoTは家電や自動車、さまざまなインフラとスマホやパソコンなどを接続して、これまでにない利便性を提供する仕組みであり、その中核になるLinuxの将来性はかなり高いでしょう。

Linuxエンジニアの主な業務5つ

Linuxエンジニアは、インフラエンジニアとしてITシステムの設計、構築、運用保守などの業務があります。

設計、構築、運用保守では、それぞれ業務内容は異なっており、必要なスキルも違ってきます。

ここでは、より細かい業務内容ごとに、内容と必要なスキルについてご説明します。

Linuxエンジニアの主な業務1:要件定義書の作成

Linuxエンジニアの業務の1つ目は、IT知識のない顧客の要望を聞いて、実現可能な内容に落とし込んだ要件定義書の作成です。

ITシステムの要望は、ITを知らない人たちの業務効率向上や仕事の仕組みの見直しの要望を受けて、システムを作ることで、どのような解決が可能かを分析し、その要件を明示する形で作成するのが要件定義書です。

要件定義書を基にして実装作業を行うので、実際の業務フローやエラーの扱いにまで考慮しておかなければなりません。

Linuxエンジニアの主な業務2:インフラの設計作業

Linuxエンジニアの業務の2つ目は、要件定義を受けて、実装できるレベルのプログラムやインタフェイスの概要から詳細にわたるLinuxシステムの設計作業です。

構築したITインフラは、長期に渡って運用・維持され、トラブルや環境の変化があった場合に、仕様変更や改装を行う必要が出てきます。

そのような場合に、システムの仕様がどうなっているかを確認するために、仕様を明確に示した設計書を作成し、保管しておくことは重要です。

Linuxエンジニアの主な業務3:インフラの構築作業

Linuxエンジニアの業務の3つ目は、要件定義書や設計書に基づいた実際のインフラの構築です。

設計書に基づいてハードウエアやソフトウエア、ネットワーク環境などを準備して、必要があればプログラミングを行います。

ハードウエアの手配や設置なども構築作業に入りますが、予算や納期に応じて外注することもあります。

Linuxエンジニアの主な業務4:動作確認・テスト

Linuxエンジニアの4つ目の業務は、用意された動作環境でのシステムの動作確認や負荷テストなどを行います。

テストできる環境を構築して、アプリなどをセットアップしたら、要件定義通りにシステムが動作するかどうかの確認や、負荷をかけた状態で問題が起きないかどうかなどのテストを行います。

動作確認やテストを十分に行わないと、本番稼働を行ってからの大きなトラブルにつながりますので、注意しましょう。

Linuxエンジニアの主な業務5:運用・保守・トラブル対応

Linuxエンジニアの5つ目の業務は、システムの運用・保守と、トラブルが発生した場合の対応です。

運用・保守やトラブル対応は、構築した担当者と別の担当が行うことが多いので、設計時の要件や条件が設計書に書かれていなければなりません、

システムによっては24時間365日、連続して稼働させる必要がある場合もあるので、監視システムなどで稼働状況を確認できる体制をとり、異常値があった場合の調査や保守対応を行う必要があります。

Linuxエンジニアに求められるスキル7つ

Linuxエンジニアは、IT技術に関するスキルはもちろん必要ですが、それ以外にも必要なスキルがあります。

ヒューマンスキルといわれる、コミュニケーション能力やマネジメントスキルも、Linuxエンジニアとして業務を進めていくためには重要です。

ここでは、Linuxエンジニアとして求められるスキルについてご紹介します。

Linuxエンジニアのスキル1:コミュニケーション能力

Linuxエンジニアに必要なスキルの1つ目は、顧客からの要求を理解し、作成した要件定義の妥当性を伝えて納得してもらうためのコミュニケーション能力です。

コミュニケーション能力は、ITに関する知識のない顧客から要望を聞き取る際に、ほんとうに顧客の欲しいソリューションを作るために必須です。

一人で構築できないような大規模システムを、チームで開発していくような場合には、チーム内での情報共有や誤解などによるトラブルを避けるためにもコミュニケーション能力は重要です。

Linuxエンジニアのスキル2:ヒアリングと提案能力

Linuxエンジニアに必要なスキルの2つ目は、顧客の要望を聞き取るヒアリング能力と、企画したシステムが有効であることを顧客に納得させることのできる提案能力です。

システムを知らない顧客は、現状の業務をどのようにすれば、効率のよいシステムにすればよいかがわかりません。

そこで現在の業務内容と問題点を正しく聞き取ることで、本来の顧客が望んでいるシステムを実現するための要件定義につなげることができるのです。

Linuxエンジニアのスキル3:文章作成能力

Linuxエンジニアに必要なスキルの3つ目は、顧客や開発メンバーに理解してもらえる要求仕様書や設計書を作成するための文章作成能力です。

顧客から要望をヒアリングしても、それが誰にでもわかる形の要件定義にならないと、顧客が自分たちの要望がきちんと反映されているか判断することができません。

また、要件定義を基にITシステムを設計しても、実際にプログラムを作成したり、実装する開発メンバーや保守担当者に伝えるためには、設計内容をわかりやすく記述する必要があります。

Linuxエンジニアのスキル4:マネジメントスキル

Linuxエンジニアに必要なスキルの4つ目は、納期やコストなどの顧客の要求を受けて、その内容でシステム開発を実現するために、顧客や開発メンバー、外部業者と調整し、実現できるマネジメントスキルです。

顧客に依頼するユーザーテストや、必要な製品を納入してもらう外部業者との調整、開発メンバーの進捗管理などを適切に行わないと、日程通りのシステムの納品ができない可能性が高くなります。

運用・保守においてもスケジュール管理や工程管理は必要ですので、マネジメントスキルは重要です。

Linuxエンジニアのスキル5:Linuxの知識

Linuxエンジニアに必要な5つ目のスキルは、Linuxを使用してシステム構築をする場合に必要なLinuxの知識です。

Linuxを学ぶ場合は、座学で学習するほかに、実際にシステムを構築してみると理解が早くなり、実務でも迷うことが少なくなります。LinuxはPCでもインストールできるので、実際に簡単なシステムを作ってみましょう。

Linuxの知識は、日本語で勉強することはできますが、最新の部分や特殊な内容については、英語でしか情報が出ていないことも多いので、英語力もつけておく必要があります。

Linuxエンジニアのスキル6:ITインフラの専門知識や経験  

Linuxエンジニアとして必要なスキルの6つ目は、ITインフラの専門知識や経験です。

Linuxエンジニアとして仕事を受ける場合には、システム環境の検討から運用までを依頼されるケースが多いので、当然のことながらOSの知識やTCP/IPの基本原理などのネットワークの知識、C言語などのインフラエンジニアとしてのスキルも必要です。

Linuxエンジニアのスキル7:クラウドの知識とスキル

Linuxエンジニアに必要なスキルの7つ目は、インフラの一つとしてのクラウドの知識とスキルです。

企業システムでも社内ネットワーク上ではなくインターネット環境で構築するケースが増えており、アウトソーシングが進む中、今後はサーバーまでを含むIaaSが選択される場合も増えていきます。

オンプレミスのシステムをクラウドに移行するケースなども増えるため、クラウドに関する知識は先行して求めていきましょう。

Linuxエンジニアに役立つ資格5つ

Linuxエンジニアには、医師や弁護士のような免許のような資格は必要ありませんが、仕事を進めたり就職を進めるうえで役に立つ資格がいくつかあります。

IT技術に関する資格や、ITインフラに関する資格は、就職する際に有利になるだけでなく、そのために知識を得て、その内容に対する理解を深めることは、Linuxエンジニアとしての能力アップにつながります。

ここでは、Linuxエンジニアとして活動する際に役立つ資格をご紹介します。

Linuxエンジニアに役立つ資格1:LinuC

Linuxエンジニアに役立つ資格の1つ目は、Linuxに関する民間資格で大きなシェアを誇るLinuCです。

LinuCにはレベル1からレベル3があり、レベル1ではLinuxサーバーの構築や、運用についての技術が問われます。

レベル2ではLinuxサーバーを本格的に構築・運用する技術が、レベル3だとマルチOS環境や仮想化技術、セキュリティ関連などの技術が問われます。

Linuxエンジニアに役立つ資格2:CCNA

Linuxエンジニアに役立つ資格の2つ目は、シスコシステムズが主催している、ネットワーク技術に関する資格のCCNAです。

CCNAはネットワーク関連の技術に関する、入門的な位置づけの資格ですので、ITインフラに関する仕事をしている人は、だれでも取得して損がありません。

CCNAの上位資格としてCCNPやCCNEという資格もあるので、まずはCCNAの取得から始めましょう。

Linuxエンジニアに役立つ資格3: ORACLE MASTER

Linuxエンジニアに役立つ3つ目の資格は、オラクル社の主催するデータベース管理システムの管理運用に関する資格のORACLE MASTERです。

Oracle Masterは、データベースの基礎と運用、必要になる言語やSQLの作り方など習得について認定を受けるもので、日本ではデータベースではOracle製品が大きなシェアを占めているため、この資格を持っていることで任される仕事の幅が広がります。

Linuxエンジニアに役立つ資格4:AWS認定ソリューションアーキテクトアソシエイト

Linuxエンジニアに役立つ資格の4つ目は、クラウドサービスで大きなシェアを持っているAmazon Web Serviceのための民間資格である、AWS認定ソリューションアーキテクトアソシエイトです。

AWSにはたくさんの資格が用意されていますが、Linuxエンジニアであれば、初心者向けのクラウドプラクティショナー試験と、ソリューションアーキテクト試験がお勧めです。

Linuxエンジニアに役立つ資格5:基本情報技術者試験

Linuxエンジニアに役立つ資格の5つ目は、IT技術に関する国家資格である基本情報技術者試験です。

以前行われていた「第二種情報処理技術者試験」の後継で、基本的な情報処理に関する技術が網羅されています。

これに合格したら、次はより高度な応用情報技術者試験に挑戦しましょう。

Linuxエンジニアのやりがい4つ

Linuxエンジニアの関わるタスクは、大規模な社会インフラや企業の基幹インフラなど、社会を継続的に支えるやりがいのある仕事です。

Linuxエンジニアは高度で幅広い知識とスキルを持って、大規模なシステム開発プロジェクトやシステム運用に携わっていきます。

Linuxエンジニアのやりがい1:大規模なプロジェクトに携われる

Linuxエンジニアの携わる仕事内容は、アプリ開発などの限定的な仕事ではなく、大規模なインフラの構築や運用がほとんどです。

Linuxエンジニアは、一人でできるようなプロジェクトではなく、社内横断的なタスクや、社会インフラを構築するような大規模なインフラ環境に関わった仕事に携わることが多いので、プロジェクトが完了した時の達成感はとても大きくなります。

Linuxエンジニアのやりがい2:ITインフラは社会を支える仕事である

Linuxエンジニアが構築するITインフラは、情報ネットワーク社会となった今では、社会に欠かせない技術であり、社会貢献をしているという満足感を得ながら仕事に携わることができます。

ITインフラは、ネットワークやサーバーのような大きな仕組みから、さまざまなデバイスや家電、自動車などとも連携して社会全体の効率を向上させていきます。

Linuxエンジニアのやりがい3:Linuxエンジニアは継続的な需要がある

Linuxエンジニアはインフラを相手にした仕事のため、仕事のライフサイクルが長く、長期にわたって継続的な仕事を受けることができます。

現在受けている仕事がなくなっても、linuxエンジニアが必要なタスクやプロジェクトは多く、転職市場でもあぶれることはありません。

Linuxエンジニアのやりがい4:IT関連の幅広い知識とスキルを向上できる

Linuxエンジニアの業務範囲はサーバー、ネットワークから組込みシステムまで幅広く、学んで得られる知識とスキルはつきず、得るだけ自分の行える仕事の幅が広がります。

Linuxエンジニアの業務範囲は広いので、IT技術のスキルを追及することでITインフラのスペシャリストを目指す、プロジェクトマネジメントの技術を磨いてプロジェクトマネージャーを目指すなど、多くのキャリアパスを選択することができます。

将来的にも活躍できるLinuxエンジニアを目指そう!

Linuxエンジニアは、ITインフラ全般にかかわる仕事であり、今後の社会インフラや企業インフラの基盤を作ることのできるエンジニアです。

リナックスはネットワークシステムから極小の組み込みシステムまで制御できるOSで、IoTの進展に伴って、さらに活躍の場は広がっていきます。

Linuxエンジニアは参入がそれほど難しくないので、得意な分野から始めてスキルを上げていきましょう。