データベースエンジニアの業務内容3つ|求められるスキル5選を解説

データベースエンジニアとは

データベースとはさまざまな目的で集められたデータを整理して、使いやすくした状態のことをいいます。データベースエンジニアとは、コンピュータ上にこのデータベースを構築したり、管理運用したりするエンジニアです。

データベースエンジニアは企業の情報システムを支える重要なエンジニアです。専門的な知識や技術が必要となるため、エンジニアとしての市場価値が高く、多くの企業や会社から求められる人材といえます。

データベースエンジニアの役割

天気であったり、売れ筋の商品であったり、特定の場所の混雑具合であったりと、世の中にはたくさんのデータがあふれています。現代では企業だけでなく日常生活においても、たくさんのデータを無意識のうちに活用していることがあります。

しかし、データをたくさん持っていてもそれだけでは意味がありません。その大量のデータを企業や個人が使いやすい形に整理し、まとめる事がデータベースエンジニアの役割です。

データベースエンジニアのやりがい

新しくアプリを開発したり、新商品を売り出したりするには、たくさんのデータを分析して仕事を進めなくてはなりません。そのためには使いやすいデータベースが必要になります。

データベースエンジニアはデータベースを作るだけではなく、1つの事業にスペシャリストとして最初から最後まで関われます。データベースエンジニアの仕事のやりがいは、事業の成長を間近で見られ、仕事の面白さを感じられることではないでしょうか。

データベースエンジニアは未経験でもなれる?

データベースエンジニアは、医師や弁護士のように特別な資格がなくてもなれます。しかし、データベースエンジニアの業務ではデータベースソフトを用いるため、それらについての知識は不可欠です。

プログラマーやシステムエンジニアの実務経験がある方が理想的ですが、データベースエンジニアは人材が不足しているため、データベースソフトに関する知識や資格を持っていれば新卒でも採用されることがあります。

データベースエンジニアの業務内容3つ

データベースエンジニアには3つの業務内容があります。1つ目はデータベースの開発と設計です。どんなデータをどのように管理したいのかを踏まえてデータベースアプリケーションを使い、データベースを作ります。

2つ目はデータベースの管理です。データベースを正常に動かしていくための業務となります。3つ目はデータベースの運用です。データベースのバックアップやアクセス権の管理、セキュリティ設計などをします。

データベースエンジニアの業務内容1:開発・設計

データベースエンジニアと聞いてまず思い浮かべる業務が、データベースの開発と設計ではないでしょうか。Oracle DatabaseやMicrosoft SQL Serverなどのデータベースアプリケーションソフトを利用しながら、可能な限りクライアントの希望に沿ったデータベースを作ります。

使いやすいデータベースは事業にとって大変重要です。データベースの開発、設計は事業の根幹にも関わる大事な業務といえます。

データベースエンジニアの業務内容2:管理

データベースエンジニアの業務内容にデータベースの管理があります。クライアントの要望を元に作り上げたデータベースが、正常に動くかどうかを管理する業務です。何らかの原因でデータベースが動かなくなってしまうと、クライアントの業務そのものに影響が及びます。

ハードウェアに関する業務も多く、ストレージサーバを最適化したり、データを取り出す処理を効率化したりと日常的なネットワークの管理をします。

データベースエンジニアの業務内容3:運用

データベースエンジニアの業務内容の3つ目はデータベースの運用です。すでに稼働しているデータベースのアクセス権限の管理、データのバックアップ、データベースの処理速度などの監視をします。

データの外部流出や、データベースへの不法侵入などを防ぐためのセキュリティ設計をすることもデータベースの運用業務になります。データベースが不具合なく動くように運用することは業務を支える上で大変重要な仕事といえます。

不正侵入・データ流出を防ぐ

スマホの普及率が上がり、これまでにないほどの大量のデータを抱える企業も出てきました。データには個人情報を含むものがたくさんあります。外部へのデータ流出や不正なアクセスなどは、あってはならないことです。

一見すると個人情報と結びつかないデータから、住所や名前が流出することも考えられます。1つのデータがいくつかのデータベースに繋がっていることもあり、データベースのセキュリティはさらに重要になっています。

データベースエンジニアに求められるスキル5選

様々な媒体を通して集めたデータを使いやすく整理して、データベースを構築するのがデータベースエンジニアです。作り上げたデータベースがきちんと動くように管理し、運用していく事も仕事内容の1つでした。

データベースエンジニアは専門性が高く、今後も企業から求められる将来性のある存在です。そんなデータベースエンジニアにはどんなスキルが求められるのでしょうか。必要スキルを5つ順番にみていきます。

データベースエンジニアスキル1:ITの知識・スキル

ITの知識とスキルはデータベースエンジニアにとってなくてはならないものです。なかでもデータベースアプリケーションソフトの知識は必須ではないでしょうか。

OracleやMySQL、PostgreSQL、Microsoft SQL Serverなど、大規模なシェアを占めているデータベース製品について一通りの知識があると、データベースエンジニアとして中途採用を目指しての転職や派遣で働く際にも有利になります。

データベースエンジニアスキル2:コミュニケーションスキル

エンジニアというと、パソコンに向かって1人で黙々と作業するイメージがあります。しかし、データベースエンジニアは1人きりで仕事をすることはありません。

データベースを構築するにしても、どんなデータをどのように使っていくのかなど、クライアントの意向を十分に反映させなければなりません。他部門との協力が必要な場面も多く、コミュニケーションスキルはデータベースエンジニアにとって重要なスキルといえます。

データベースエンジニアスキル3:論理的思考

論理的思考とは物事を体系的に整理して考えられる思考法のことをさします。論理的思考法ができる人は「これをすればこうなる」というように、矛盾や飛躍などをせずに道筋を立てて物事を考えられます。

このデータを誰が何のために使うのか、そのためにはどんなデータベースが最適なのか、なぜそれが最適だと考えたのか、などと道筋を立てて考えられる能力は、エンジニアとしてデータベース以外の仕事をするうえでも役に立ちます。

データベースエンジニアスキル4:客観的なものの見方

客観的とは第三者として物事を見ることをいいます。また、自分の気持ちを判断基準にするのではなく、具体的な数値や事例を元に物事を判断することでもあります。

データベースエンジニアは、クライアントの要望を元にデータベースを構築しなければなりません。自分が作りたい方法で勝手にデータベースを作ることは出来ません。データベースエンジニアには客観的な視点でクライアントのニーズにこたえられる能力が求められます。

データベースエンジニアスキル5:経営スキル

エンジニアは普段、経営とは離れた場所で仕事をしていることが多いでしょう。しかし、データベースエンジニアは仕事を通して経営に関わることもあります。

経営スキルはあった方が良いですが、データベースエンジニアは事業に最後まで関わることで、経営にデータを活用する方法やマーケティングの方法など、経営スキルを身につけられる環境にあります。また、そこで身につけた経営スキルは、その先のキャリアに役立てられます。

データベースエンジニアの厳しい部分とは?

データベースエンジニアは専門性の高さから、高い技術を求められます。特別な資格は不要ですが、データベースエンジニアは専門職と考えられることも多いので、プロとしてミスができない厳しさがあります。

企業が保有しているデータは重要なものが多く、運用に関してもセキュリティ上の責任がとても重いといえます。また、クライアントに合わせて仕事をするため、スケジュールの都合で夜勤があることもあり、厳しい部分と言われています。

データベースエンジニアの将来性

インターネットの発達に伴って、データの保有量は飛躍的に増えています。そのデータを経営やマーケティングに生かすためにはデータベースが必要となります。データベースを開発設計できるデータベースエンジニアはこの先も企業から必要とされる人材です。

また、最近ではクラウドでデータベースを運用する傾向もあり、クラウド上のインフラを管理できるデータベースエンジニアを求める企業も少なくありません。

データベースエンジニアの年収

データベースエンジニアの年収の相場は他のエンジニアに比べて高い傾向があります。平均年収を年齢別でみると20代で450万円前後、30代後半で500万円前後となっています。40代の年収は平均で650万円前後といわれます。

オラクルマスターやテクニカルエンジニアなどの資格を取得することで、手当てが付く企業もあります。また、フリーランスの場合は年収800万前後というエンジニアもいます。

データベースエンジニアのキャリアパス

エンジニアとして長く活躍していくためにキャリアパスを考える事は大切なことです。データベースエンジニアからのキャリアパスとして一般的なものにITコンサルタントがあります。仕事を通して経営に関わってきた経験を生かせます。

さらに技能を磨きデータベースのスペシャリストとなるエンジニアもいます。データベースエンジニアは海外でも需要が高く、より高収入な海外での仕事に挑戦するのも選択肢の1つのです。

スキルを身につけてデータベースエンジニアを目指そう

データベースエンジニアはこの先も必要とされるエンジニアです。専門性が高く、他のエンジニアよりも多くの給与を得ることも出来ます。また、人材が少ないため採用も多く、知識があれば未経験でもチャンスがあります。

きちんとしたキャリアパスを描けば、ITコンサルタントなど将来的にさらに上の仕事へと転身していくことも可能です。必要なスキルを勉強して、データベースエンジニアにチャレンジしてみてはいかがでしょうか。