Web系エンジニアがきついと言われる理由7選|向いている人いない人の特徴

Web系エンジニアとは

Web系エンジニアとは、「Web上で動作するシステムやアプリケーションなどのサービスの開発者」を指します。

サービスの設計はシステムエンジニアが担当し、その設計を基にしてシステムを開発するのがWeb系エンジニアの仕事です。

本記事では、Web系エンジニアの仕事内容や、向いている人いない人の特徴をご紹介していきます。Web系エンジニアを目指している人は、ぜひ参考にして下さい。

Web系エンジニアの仕事内容

Web系エンジニアの仕事はいくつかに分類できます。

フロントエンドエンジニアは画面内のレイアウトなど、ユーザーが見える(ユーザーが直接関わる)部分を受け持ちます。

バックエンドエンジニアはサーバーやデータベースなど、ユーザーが認識しない部分を受け持ちます。

Webサイトではこれら以外にもSEO、アクセス解析、マーケティングなどからWebサイトの再構築にも関わります。

Web系エンジニアの将来性

IT関連の中でも、特にWeb系の仕事は増えています。

Web系の仕事が増えている要因は、業種に関わらずWebサイトの運営、アプリケーションの開発などの需要があるからです。

近年ではIoTやAI技術、ディープラーニングでもWeb系エンジニアは必須です。

Web系は新しい技術が出る頻度が高いため、将来性があるといってもこれらの技術は、随時習得していかなければならないでしょう。

Web系エンジニアがきついと言われる理由7選

一般的に、「Web系エンジニアの仕事はきつい」と言われていますが、これにはいくつかの理由があります。

きつい理由として挙げられるのは、客先常駐である、Web系の企業はベンチャー企業が多く人手が少ない、仕事が属人化しやすい、仕様変更で残業が多い、技術の進化が速い、などです。

実際には、これらの複合的な理由が多いようですが、以下でそれぞれの理由について詳しく見ていきましょう。

Web系エンジニアがきついと言われる理由1:客先常駐で勤務する場合がある

Web系エンジニアには「客先常駐」と呼ばれる、顧客先が勤務先になる勤務形態があります。客先常駐にする理由には、顧客先のルールを知る、業務のスケジュールや人間関係などに馴染むことなどがあります。

「客先常駐が大変」と言われる理由は、自社ではなく、顧客の組織内で働かなければならないことです。

そのため、Web系エンジニアとしての能力があっても、他社の社員との人間関係がストレスになり能力を出せないということが起こり得ます。

Web系エンジニアがきついと言われる理由2:仕事が属人化しやすい

システム開発の現場では「属人化」と呼ばれる、「特定の業務が特定の人にしかわからない状態」になる傾向があり、特定のエンジニアの作業量が増えてしまうことがあります。

属人化する理由は、Web開発でのそれぞれのエンジニアの得意としているものやスキルがバラバラのため、特定のエンジニアでないとできない作業が発生するためです。

Web系エンジニアがきついと言われる理由3:アジャイル開発が求められる

アジャイル開発とはシステム開発を小さな期間に分けて「設計→開発→テスト」を繰り返す手法です。「ウォーターフォール開発」と比較して開発スピードが速く、顧客の要望にも柔軟に対応できます。

そのため、顧客は開発スピードが速く、要望にも対応してもらえるアジャイル開発を要望してきます。

しかしながら、開発する側にとっては開発スピードや仕様変更を求められるため、スケジュールを立てにくく、結果として時間に追われてしまうことになりかねません。

Web系エンジニアがきついと言われる理由4:ベンチャー企業の人手不足

現在の日本には、ベンチャー系のWeb系企業が多数あります。Web系のベンチャー企業は少数精鋭の体制が多く、エンジニアには高い技術力が求められます。

大企業ではエンジニアが多く在籍し、それぞれのエンジニアの資質に合った仕事を担当しますが、ベンチャー企業ではそれぞれのエンジニアが得意としている分野以外の仕事もしなければならなくなる可能性もあります。

Web系エンジニアがきついと言われる理由5:技術変化が激しい

ITの分野では、常に新しい技術などが出てきているため、エンジニアに求められるスキルなども常に変化しています。

近年ではAIやSaaS(Software as a Service)、AWS(Amazon Web Services)を利用した開発手法も出ています。

Web系エンジニアは常に新しい技術などを調べ、これらについて勉強していかなければエンジニアとしての成長が止まり、時代に取り残されてしまいます。

Web系エンジニアがきついと言われる理由6:企業によって給料の幅がある

Web系エンジニアは給料(年収)に大きな幅がありますが、これにはいくつかの理由があります。

大きな理由の一つは、「その企業がベンチャー企業か中小企業か上場企業か」ということです。ベンチャー企業であれば年収は低く、上場企業であれば年収は高くなる傾向があります。

また、大きなばらつきではありませんが、その企業が得意としている(使用している)言語によっても幅が出てきます。

Web系エンジニアがきついと言われる理由7:急な仕様変更で残業が多い

Web系に限らず、システム開発では仕様変更が起こり得ます。

規模の大きな、または多数の仕様変更が起こり、しかも納期の延長ができない、となるとスケジュールの組み直しをしなければならない場合があります。定時内では仕様変更の対応が間に合わず、残業となることも多々あるでしょう。

仕様変更の対応を盛り込んでスケジュールを立てられれば良いのですが、仕様変更の規模が計れないため難しいとも言われています。

Web系エンジニアになる前に確認すること5つ

「きつい」と言われる職種のWeb系エンジニアとして働くためには、求人情報からは読み取れない、または明記されていない内容を知ることで、どのような会社かを判断することが肝要です。

確かめる内容は、有給休暇の取得率や残業時間はどれくらいか、会社の雰囲気、昇給や賞与の額などです。

これらの求人情報からは読み取れない、または明記されていない内容を知ることで「きつい」かどうかを判断できるでしょう。

Web系エンジニアになる前に確認すること1:有給の取得率

Web系エンジニアがきついと言われる理由の一つに「有給休暇や休日出勤の代休の取りにくさ」があります。

働き方改革で有給休暇の消化が義務付けられましたが、企業として有給休暇の取得率を上げるためにどのような取り組みをしているかや、有給休暇の取得率などを確かめておきましょう。

また、有給休暇をとった際に、他の開発スタッフがどのように業務をサポートするかなど、確認する項目として挙げておくと良いでしょう。

Web系エンジニアになる前に確認すること2:賞与

賞与は求人情報に明記されていないことがあり、求人情報に明記されていたとしても業績によっては額が少なかったり支給されなかったりすることもあり得ます。

また、各個人の支給額は査定によっても変わります。

賞与については、可能であれば直近の数年について「何か月分を支給されたか」を調べておくのが良いでしょう。

Web系エンジニアになる前に確認すること3:昇給

昇給も、賞与と同様に求人情報に明記されていないことがあります。Web系企業の昇給は、ベースアップ以外にIT系の資格や個人の成果に対するところも多く見られます。

昇給についても、可能であれば直近の数年について「昇給額はいくらか」、「昇給を決める要素」を調べておくのが良いでしょう。

Web系エンジニアになる前に確認すること4:残業時間

残業時間が多いことも、Web系エンジニアがきついと言われる理由の一つとして挙げられるでしょう。

短期的、突発的な残業ではなく、慢性的にほとんどのエンジニアが残業しているようであれば「エンジニアの人数に対して作業量が多い」、「作業効率が悪い」といったことがありうるため、注意したほうが良いでしょう。

Web系エンジニアになる前に確認すること5:会社の雰囲気

Web系エンジニアとして働く際は、仕事場になる会社の雰囲気を知ることも必要でしょう。

会社の雰囲気は実際に働いてみないと分からない点が多いですが、面接などで事前に推測できることもあります。

面接に応じた人事担当者や、エンジニアなどの技術スタッフの表情や話し方、どのような技術を導入しているかなど、求人情報に載っていない情報を引き出せれば判断材料にできるでしょう。

Web系エンジニアに向いている人の特徴4選

一般的に、「きつい」と言われているWeb系エンジニアの仕事ですが、Web系エンジニアに向いている人にとっては、さほどきつい仕事ではない可能性もあります。

Web系エンジニアに向いている人の特徴には、論理的な思考ができる、集中力がある、技術の変化に対応でき、最新の技術などを速く身につけられることが挙げられます。

これらの特徴を備えている人であれば、Web系エンジニアとしての成長スピードも速いでしょう。

Web系エンジニアに向いている人の特徴1:ロジカルシンキングが高い人

ロジカルシンキング(logical thinking)とは「論理的思考」で、「物事を体系的に整理していく思考法」です。

Web系エンジニアの仕事であるシステム開発時の設計やプログラミングには問題解決能力が不可欠です。

システム化する業務や現状のシステムの問題点を見つけて、どのようにすれば改善できるかを考え、それらを順序立てて説明したりスケジュールを立てたりする能力が必要です。

Web系エンジニアに向いている人の特徴2:集中力がある人

Web系のエンジニアには集中力が必要です。

特にプログラミングはコードを考えて書くだけではなく、正しく書かれているかを検証したり、不正な処理が起きた時の対処を考えたりする作業が多いため、集中力が必要になります。

作業に集中できなければ、時間がかかりすぎる、確認する項目を見落とすなどのミスにつながります。

集中力を高める方法としては、環境を整える、タスクを簡潔な要素に分解するなどが挙げられます。

Web系エンジニアに向いている人の特徴3:技術変化に対応できる人

IT関連の技術は常に変化し、それに応じて現場の需要も変化していきます。

たとえば、現在主流であるプログラミング言語や技術が、いずれはあまり使われなくなるということも起こり得ます。

Webサイトなどでユーザーが直接触れる「フロントエンド」と呼ばれる箇所などは、技術や表示方法の変化が激しいため、常に動向に注意を払い、技術や方法を身につけていかなければ取り残されてしまうでしょう。

Web系エンジニアに向いている人の特徴4:最新の技術や知識を早く習得する人

Web系エンジニアは、変化に対応するためにWeb系の最新情報を習得していかなければなりません。最新情報を知っていれば、すぐに使うことはなくても「あの技術を使える」と、素早く対応できるでしょう。

Web系の最新技術は主に国外から発信されるため、Web系エンジニアには英語力が必要です。翻訳機能を使えば読むことはできますが、完全なものではないため文章表現などの意図をつかみにくくなります。

Web系エンジニアに向いていない人の特徴2選

Web系エンジニアに向いてない人にはいくつかの特徴があります。

IT技術に興味がない、仕事の効率化を考えない、課題意識や疑問を持たない、好奇心がない、さらには大雑把である、などです。

これらの特徴がある人がWeb系エンジニアに目指すのであれば、考え方を改善しなければ、ただでさえきつい仕事を、より「きつい」と感じることになるでしょう。

ここでは、IT技術に興味がない、課題意識や疑問を持たないという二つの特徴について見ていきましょう。

IT技術・テクノロジーに興味がない

IT技術やテクノロジーに興味がない、稀薄であるという人は、Web系エンジニアに向かないでしょう。

これは、エンジニアが具体的にどのような仕事をしているかを想像できないため「IT技術やテクノロジーに興味を持てない」となるのが原因です。

IT技術やテクノロジーに興味がない人は「それらのことを知らないだけ」ということもあるので、本や技術系のウェブサイトでIT技術等について調べると良いでしょう。

課題意識や疑問を持たない

課題意識や疑問を持たなければ、Web系エンジニアとしては中途半端な存在になってしまうでしょう。

プログラミングでは、より簡潔なコードや効率の良いコードを書けないかを考える機会が多くなります。

作ったシステムについても、自社で利用するかユーザーが利用するかに関わらず、「作ったら終わり」にはできません。

改善の必要性を考えながら、新しい技術を導入できるかを検討していく必要があります。

Web系エンジニアの労働環境をしっかりチェックしよう

本記事では、Web系エンジニアについてご紹介してきました。

「Web系エンジニア」の仕事がきついかどうかは、実際のところ、企業規模、労働環境、得意としている分野、そして本人の資質によるところが大きいと考えられます。

Web系の開発会社に勤めようと考えたら、事前にWeb系エンジニアの労働環境を調べて、プログラミング言語など得意としているもの、給与額、残業時間、有給休暇の取得率を調べておきましょう。