C++で開発できること7選|C++の特徴や習得するメリットを解説

プログラミング言語C++とは

C++とはC言語を拡張させた、いわば発展形とも言えるプログラミング言語です。

C++はコンピューターを素早く動かすことができるC言語にオブジェクト指向の要素を加え、更に効率の良いプログラミングができるようにした言語です。略して「シープラ」や「シープラプラ」などとも呼ばれています。

C++は近年需要が拡大しているスマホアプリやゲーム、ロボット技術の開発など、幅広い分野で活用されています。

C++とC言語との関係性

C++はC言語よりも前進した言語という意味を込めて名づけられました。

C言語は1972年にアメリカで開発されたプログラミング言語で、C++の歴史はその前身である「C with Classes」というプログラミング言語が1979年に開発されたところからはじまります。

その後改良が続き、C言語と同等レベルの処理速度かつ効率よく開発ができる言語として、1983年に名称が「C++」に変更されました。

代表的なプログラミング言語C++

C++には代表的ないくつかのプログラミング言語があります。

C++は有名なプログラミング言語ですが、実はC++の中にも複数の種類があります。ここでは代表的なC++の種類についてご紹介しますので、どのようなものがあるのか参考にしてみてください。

Borland C++

Borland C++はアメリカのBorland社が開発したC++です。

公式サイトでダウンロードでき、プログラムの動かし方もわかるようになっています。昔はC++の開発ができる無料ツールとして人気がありましたが、現在はVisual C++のVisualStudioも無料版が出たため、そういった意味での優位性はなくなりました。

スマートフォンアプリやゲームの開発にはBorland C++が利用できます。

Visual C++

Visual C++はアメリカのマイクロソフト社が開発したC++です。

マイクロソフト社が提供している、C言語、C++、C++/CLI用の統合開発環境です。昔はVisual C++のみ単体で販売されていたこともありましたが、現在はVisual Studioの一部として提供されています。

また、Visual StudioはWindows向けのプログラミングの標準として位置付けられています。

C++で開発できること7選

C++を利用することでどのような開発が可能になるのでしょうか。

C言語の拡張版であるC++は、基本的にC言語で開発できるものであればC++でも開発可能です。また、C言語を利用するよりもスピーディな開発ができる点がC++のメリットです。

ここではC++で開発できること7選をご紹介しますので、どのようなものが開発できるのか参考にしてみてください。

C++で開発できること1:大規模な業務システム

C++で開発できることには、大規模業務システムや公共機関のシステムなどがあります。

C++はさまざまな業務システムの開発に採用されており、その種類も金融システムから官公庁のシステムまで幅広く、中小企業から大企業に至るまで活用されています。

C++はプログラムの実行速度が早く、OSの制御が可能なため、あらゆる場面で応用できるということが多くの業務システムに利用されている理由だと言えるでしょう。

C++で開発できること2:人工知能(AI)開発

C++で開発できることには、人工知能やディープラーニングがあります。

近年良く聞かれるようになった人工知能開発やディープラーニングですが、このような最先端のテクノロジーにもC++は採用されています。

C++で開発できること3:ロボットの制御技術

C++で開発できることには、ロボットの制御技術の開発があります。

C++は特にロボットなどの最先端の制御技術の開発に活用されており、ロボットに対して複雑な命令をプログラミングすることが可能な言語です。

また、ロボットだけでなくさまざまな機械の制御技術にも活用されており、機械工学について学ぶ人にとってC++は習得すべきプログラミング言語だと言えるでしょう。

C++で開発できること4:IoTシステムの開発

C++で開発できることには、IoTシステムの開発があります。

IoTとは、「Internet of Things」を略した言葉で、これまでインターネットに繋がっていなかったあらゆるモノをインターネットに接続する技術です。

IoTではセンサーを付け、さまざまなコントロールやモニタリングを実現します。この技術の開発にもC++は活用されており、特に温度調整装置のような複雑な処理を行うセンサーに適しています。

C++で開発できること5:各種機械の制御技術

C++で開発できることには、各種機械の制御技術の開発があります。

前述のロボットの制御技術の開発でも記載していますが、C++はロボットだけでなくさまざまな機械の制御にも採用されています。

C++はハードウェア全般の制御に適しているため、工業機械や電子基板などの開発におすすめの言語だと言えるでしょう。

C++で開発できること6:組み込みシステム

C++で開発できることには、組み込みシステムの開発があります。

組み込みシステムとはハードウェアに組み込まれているソフトウェア全般を指す言葉で、身近なものなら電子レンジや炊飯器などの家電製品や、ゲーム機や携帯電話などの情報機器などがあります。

C言語やC++は、このようなハードウェアの制御を行う組み込みシステムの開発に用いられる代表的なプログラミング言語となっています。

C++で開発できること7:ゲーム開発

C++で開発できることには、ゲームの開発があります。

ここまでご紹介したように、C++は非常に高度な処理が実現できる言語です。ゲーム開発もC++が実現できることの1つで、ゲーム機の制御を行うソフトウェアにもC++が活用されています。

C++の特徴7つ

C++にはどのような特徴があるのでしょうか。

ここまでご紹介したように、C++はさまざまな開発に採用されているプログラミング言語です。また、非常に難しい言語でありながら、世界的に人気の高い言語だと言われています。

それでは、C++には具体的にどのような特徴があるのでしょうか。ここではC++の特徴7つをご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

C++の特徴1:プログラムの処理速度が速い

C++はプログラムの実行速度が速いという特徴があります。

この記事でも何度か述べているとおり、C++は実行速度が高速であるというメリットがあります。もともとC言語はプログラムの処理速度に特化しており、その拡張版であるC++もC言語のメリットを受け継いでいます。

そのため、C++は安定性や処理速度の速さが重要な公共機関のシステムや大規模な基盤システムなどにも活用されています。

C++の特徴2:言語仕様が複雑

C++は言語仕様が複雑という特徴があります。

C++は決して簡単とは言えないC言語よりもさらに複雑な言語仕様になっており、他のプログラミング言語と比較して覚えなければいけないことが多いです。そのため、言語構造に戸惑う人も多く、難易度も非常に高い言語だと言えます。

しかしすでにC言語を習得している人や、C++と同じオブジェクト指向のJavaを習得していれば、習得するのはそれほど難しくはないでしょう。

C++の特徴3:オブジェクト指向プログラミング

C++はオブジェクト指向プログラミングだという特徴があります。

C++はオブジェクト指向型のプログラミング言語なので、C言語にはないクラスや例外処理、ジェネリックプログラミングのテンプレートなどの機能を理解する必要があります。

そのため、まずオブジェクト指向の概念を理解するために時間がかかりますが、マスターすればC言語よりも複雑で高度なシステムをスピーディに開発できるようになるでしょう。

C++の特徴4:プログラムサイズが小さい

C++はプログラムサイズが小さいという特徴があります。

C++はC言語と比較してコード自体の量が少なくなるため、プログラムサイズは小さくなります。

ただし、他のプログラミング言語と比較すると、メモリ管理などの複雑な処理が必要で、コード量も多めだと言えるでしょう。

C++の特徴5:高負担で複雑なシステムも実行できる

C++は高負担で複雑なシステムを実行できるという特徴があります。

C++はC言語よりも速度が速いだけでなく、複雑なシステムでも実行できるというメリットがあります。

そのため、負担が重たく複雑な処理を必要とするようなケースでも、C++であれば対応することが可能です。

C++の特徴6:他の言語より難易度が高い

C++は他のプログラミング言語よりも難易度が高いという特徴があります。

ここまでご紹介したとおり、C++はもともと難易度が高いC言語を拡張させた言語で、言語仕様も非常に複雑になっています。

また、オブジェクト指向についての理解も必要なため、C++を習得するためにはまずはC言語について学び、さらにオブジェクト指向について理解し、最後にC++に取り掛かることになります。そのため初心者には非常に難解です。

C++の特徴7:習得には膨大な知識と時間が必要

C++をマスターするには膨大な知識と学習に掛ける時間が必要という特徴があります。

C++はC言語のプログラミング経験者にとって、理想的な機能を備えた言語となっています。しかしさまざまな理想を実現したことから非常に難易度の高い言語となっており、C++を利用するには膨大な量の知識が必要となりました。

そのため、習得に膨大な時間がかかる点もC++の特徴です。

C++習得するメリット6つ

C++を習得することでさまざまなメリットがあります。

ここまでご紹介したとおり、C++はC言語よりも効率的に複雑な処理を実装できますが、その分習得が非常に難しい言語となっています。

それでは、C++を習得するにはどのようなメリットがあると言えるでしょうか。ここではC++を習得するメリット6つをご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

C++習得するメリット1:活躍できるフィールドが広い

C++を習得することで、幅広いフィールドで活躍できるエンジニアになれます。

C++の大きなメリットとして、活用できるフィールドが広いという点が挙げられます。

この記事でもご紹介したとおり、組み込みシステムやロボットの制御技術、人工知能、IoT、さらにモバイルアプリケーションやWebアプリケーションなど、非常に幅広い分野で活用されています。

C++習得するメリット2:C++エンジニアの需要がある

C++エンジニアには高い需要があります。

前述のとおり、C++は活躍できるフィールドが広いです。非常に多くの開発現場でC++の需要があり、C++エンジニアになればどのような現場でも対応できるようになります。

そのため、さまざまな現場で活躍したい人には、C++は非常にメリットのある言語だと言えるでしょう。

C++習得するメリット3:C++エンジニアは比較的高単価を得られやすい

C++エンジニアは比較的高単価のC++案件を見つけられます。

C++の案件の単価相場は、他のプログラミング言語の案件と比較しても高い水準になります。たとえば、C++での開発経験が5年以上あるフリーランスエンジニアの場合、年収は1000万円を超える可能性もあります。

また、C++エンジニアの需要は高く、多くの案件があることから、高単価案件を見つけやすいです。

C++習得するメリット4:フリーランスでも活躍できる

C++エンジニアはフリーランスでも仕事をしやすいです。

C++は最初に開発されて以来30年以上を数えるプログラミング言語ですが、現在も多くの企業で採用されています。また、C言語とも互換性があり、汎用性も高い言語なので、案件の数も多いです。

また、C++は他のプログラミング言語よりも規模が大きな案件が多いため、C++エンジニアにも高い需要があります。そのため、希望単価の案件も見つけやすいでしょう。

C++習得するメリット5:他のプログラミング言語に応用が効く

C++を習得すれば、他のプログラミング言語を理解しやすくなります。

C++はオブジェクト指向型のプログラミング言語なので、習得すればJavaやC#などの他のオブジェクト指向型言語を習得する際にもスムーズに理解することが可能になります。

このように、他のプログラミング言語の習得にも応用できるという点も大きなメリットです。

C++習得するメリット6:習得過程でよりコンピューターに詳しくなる

C++を習得することで、コンピューターへの理解が深まります。

C++は他の言語と比較してコンピューターのより深い部分まで操作することができる言語なので、習得過程においてコンピューターの根本を理解することになります。

また、実際に自分でポインタやメモリを管理する機能などを利用するには、より深いコンピューターの知識が必要です。そのため、自然とコンピューターについて深い知識が身に付くでしょう。

C++の学習法3選

C++にはどのような学習法があるのでしょうか。

C++は習得難易度が高く、独学で習得しようと思うと膨大な時間がかかります。また、初心者が習得するのは非常に難しいです。

それではC++を習得するには、どのような学習法が有効なのでしょうか。ここでは最後にC++の学習法3選をご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてはいかがでしょうか。

C++の学習法1:参考書やテキストを活用する

C++は参考書やテキストを利用して学習する方法があります。

C++は初めてのプログラミング言語として選ぶことが少ないため、これからC++を勉強する方の多くは、すでに他のプログラミング言語を習得している人が多いでしょう。

そのため、書籍を活用して学ぶのもおすすめです。参考書やテキストであれば、必要な情報が体系的に学べるでしょう。

C++の学習法2:学習サイトを活用する

C++は学習サイトを利用して学習する方法があります。

C++を学べるサイトも多いため、学習サイトを利用するのもおすすめです。C++は覚えなければいけない内容が多いため、テキストがまとめられているサイトは最初から集中しても途中で飽きてしまいやすいです。

そのため、最初は流し読みで読み進めていくのが良いでしょう。

C++の学習法3:プログラミングスクールを活用する

C++はプログラミングスクールを活用して学習する方法があります。

C++は習得難易度が高いため、書籍や学習サイトでの学習は難しいという方も多いでしょう。そういった場合は、プロの講師がいるプログラミングスクールを利用しましょう。

プログラミングスクールであればわからない点も質問できるため、疑問を解決しながら学習を進めていくことができます。

多分野の開発現場で使用されているC++の習得に挑戦してみよう!

C++は習得難易度の高い言語ですが、さまざまな分野で採用されています。C++は人工知能の開発やIoT、ロボットや各種機械の制御、ゲーム開発にまで活用されている言語です。

ぜひこの記事でご紹介したC++の概要やC++で開発できること、C++の特徴やメリットなどを参考に、C++の習得を目指してみてはいかがでしょうか。