機械学習向けおすすめライブラリ17選|目的に合ったライブラリを探そう
機械学習におけるライブラリとは
ライブラリとは、アプリ開発などを行う際に汎用的に使用するプログラムを再利用可能な形式でひとまとまりにしたものです。
近年では人工知能の開発が注目されていますが、人工知能技術に必須の機械学習やディープラーニングなどの技術は、機械学習に特化したライブラリやフレームワークを利用することができます。
もちろん、内容に合わせて選ぶ必要はありますが、ライブラリを利用することで非常に身近なものになるでしょう。
機械学習におすすめのライブラリとフレームワーク17選
機械学習に活用できるライブラリやフレームワークには、どのようなものがあるのでしょうか。
機械学習に適したライブラリやフレームワークは非常に多くの種類があるため、実際に機械学習に使う場合、どれが適しているのかわからないという方も少なくないのではないでしょうか。
ここでは機械学習におすすめのライブラリとフレームワーク17選をご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
ライブラリとフレームワーク1:NumPy
NumPyは、特に数値計算に特化している機械学習におすすめのライブラリです。
NumPyは「ナンパイ」もしくは「ナムパイ」と呼ばれる、機械学習における数値計算の定番ライブラリです。
また、機械学習だけでなく配列処理能力に特化しており、多言語配列が音声処理、画像処理にも利用できることから、非常に幅広く利用できます。また、フレームワークのSciPyを追加することで、より高度な計算も可能になります。
ライブラリとフレームワーク2:Pandas
Pandasは、数表や時系列などのテーブルデータを取り扱えるようにできる機械学習におすすめのライブラリです。
機械学習を行う場合には膨大な量のデータを学習に使用しますが、モデル精度を高めるためには不要なデータを取り除く必要があります。その前処理段階で、Pandasはデータセット処理の効率化に活用できます。
また、PandasはC言語で実装されていることから、高速な処理ができる点も特徴です。
ライブラリとフレームワーク3:SciPy
SciPyは、信号処理や統計といった科学計算に用いる機械学習におすすめのライブラリです。
Numpyでも行える配列や行列の演算だけでなく、信号処理、統計などの計算処理に強みを持ちます。具体的には最適化、積分、線形代数、フーリエ変換、遺伝的アルゴリズム、特殊関数などの高度な科学技術計算処理が可能になります。
そのため、Numpyよりも高度な計算処理が必要な場合に活用できます。
ライブラリとフレームワーク4:Matplotlib
Matplotlibは、データのグラフ描画に用いる機械学習におすすめのライブラリです。
「マットプロットリブ」を読むライブラリで、データを散布図やヒストグラムなどのグラフ表示にしたり、画像データで描画したりすることができます。
Pandasなどでもデータを可視化することは可能ですが、Matplotlibであればより高度なグラフ表示が可能になります。
ライブラリとフレームワーク5:scikit-learn
scikit-learnも機械学習におすすめのライブラリのひとつで、機械学習に使用するアルゴリズム全般が実装されています。
統計学、データ解析、パターン認識などを豊富に使うことができ、分類、回帰、クラスタリング、次元削減という4つの目的で使用されます。
scikit-learnならさまざまな機械学習の実装が簡単に試せるため非常に人気があります。
ライブラリとフレームワーク6:dlib
dlibは、顔認証に活用できる機械学習におすすめのライブラリです。
高精度の顔の器官検出が実現できるライブラリで、日本語では「ディーリブ」と読みます。顔認証を行う場合には必須のライブラリとなっており、組み込みデバイスやロボット工学、携帯電話などのさまざまな分野で利用されています。
また、オープンソースとなっているため無料で使えます。
ライブラリとフレームワーク7:Chainer
Chainerは、日本人が開発した機械学習におすすめのライブラリです。
日本のベンチャー企業である「Preferred Networks」が開発したライブラリで、「チェイナー」と読みます。ニュートラルネットワークの構築を容易にするために用いられ、Pythonで簡単に利用できます。
また、国産のライブラリなので日本語の情報が豊富な点も使いやすいポイントです。
ライブラリとフレームワーク8:Caffe
Caffeは、画像認識の処理を得意とする機械学習におすすめのライブラリです。
オープンソースのライブラリで、深層学習のニューラルネットワークに関するさまざまな技術が実装できます。その中でも物体認識や画像認識に特化しており、C++で実装されているため高速な計算処理も可能です。
また、コミュニティも活発に活動しているため、サンプルコードも豊富です。
ライブラリとフレームワーク9:Keras
Kerasは、他のディープラーニングライブラリ上で動作する機械学習におすすめのライブラリです。
TensorFlowやTheanoなどのライブラリ上で動くようになっており、Kerasを利用すれば短いコードを記述するだけで容易に深層心理ネットワークを構築できます。
また、非常にわかりやすい設計になっていることから、初心者にも使いやすいライブラリです。
ライブラリとフレームワーク10:TensorFlow
TensorFlowは、ニューラルネットワークを構築できる機械学習におすすめのライブラリです。
ニューラルネットワークとは人間の脳の仕組みを模したもので、ディープラーニングの中でも注目されています。
TensorFlowはGoogleがオープンソースで公開しているニューラルネットワークのライブラリで、C++やPythonで構築されているため柔軟に使用できます。
ライブラリとフレームワーク11:PyTorch
PyTorchは、機械学習ライブラリのTorchをベースに作られた、機械学習におすすめのライブラリです。
Facebookが開発したディープラーニングフレームワークで、ChainerやNumpyに近い構文で利用できます。
また、PyTorchではニューラルネットワークを構築するために必要な計算グラフを動的に構築します。そのため、柔軟なモデル構築が実現できます。
ライブラリとフレームワーク12:Microsoft Cognitive Toolkit
Microsoft Cognitive Toolkitは、音声認識や画像認識を高速で処理できる機械学習におすすめのライブラリです。
AI技術を活用したディープラーニングのツールキットで、もともとコンピュータが人の話す言葉を理解する速度を加速させるために開発されました。
2016年に大幅にバージョンアップされ、現在の名前に名称変更されました。
ライブラリとフレームワーク13:MxNet
MxNetは、スケーラブルに処理ができる機械学習におすすめのライブラリです。
MxNetはGPUを追加するだけ処理能力が向上するため、非常に柔軟に利用することができます。メモリ消費も最適化されており、モバイルでも軽快に動作します。
また、Python、C++、R言語、Scala、Juliaなどの複数の言語に対応しているのもポイントです。
ライブラリとフレームワーク14:OpenCV
OpenCVは、画像処理や画像解析に使用できる機械学習におすすめのライブラリです。
オープンソースのライブラリで、Python、C言語、C++、Java、MATLABで利用することができます。画像周りのさまざまな処理を得意としているため、機械学習を行う前に画像データのノイズを消すといった画像編集に使えます。
また、クラス分類の際の物体検出にも効果を発揮します。
ライブラリとフレームワーク15:Pyevolve
Pyevolveは、コードソースが書きやすい機械学習におすすめのライブラリです。
遺伝的アルゴリズムが実行できるライブラリで、豊富な機能を備えているだけでなく、コードが書きやすいという特徴があります。また、拡張性にも優れています。
ライブラリとフレームワーク16:Stan
Stanは、統計的計算のための機械学習におすすめのライブラリです。
統計モデリング、データ分析、予測などに用いられるプラットフォームで、特にベイズ推定が高速で実現できる点が特徴です。
ベイズ推定ではデータを学習データとして追加していくため、データ変更のたびにデータセット、初期化、コンパイルの必要があります。しかしStanなら、コンパイルされたモジュールに別データを追加して実行できます。
ライブラリとフレームワーク17:Edward
Edwardは、処理能力が早い機械学習におすすめのライブラリです。
ベイズ統計、深層学習、機械学習、確率的プログラミングなどを組み合わせて利用できる、確率的プログラミングライブラリです。Edwardは深層学習向けのベイズ適用の事例が多いという特徴があります。
ライブラリとフレームワークはどう違う?
ライブラリとフレームワークには技術的な違いがあります。
ライブラリを使用する場合、ユーザー自身でアプリケーションのフローを管理し、ライブラリを呼び出す場所やタイミングを指定します。一方、フレームワークの場合、フローの管理はフレームワークが行っています。
しかし現在、ライブラリとフレームワークは基本的には同じものとして扱われており、明確に分けられてはいません。
目的に合った機械学習ライブラリを探してみよう
さまざまな機械学習向けライブラリの特徴を理解しましょう。
この記事でご紹介した、機械学習におすすめのライブラリとフレームワーク17選やライブラリとフレームワークの違いなどを参考に、開発目的に最適なライブラリやフレームワークを見つけてみてはいかがでしょうか。