QAエンジニアとは?QAエンジニアの主な仕事内容3つと求められるもの7つ

QAエンジニアとは?

エンジニア関係の職業は一般的に認知度が高いですが、OAエンジニアという言葉をよく聞く人も多いでしょう。まずはじめにQAエンジニアがどういった役割なのかを説明し、「テストエンジニア」との違いを具体的にしたうえで、QAエンジニアという仕事のおおまかな概要を紹介します。

QAエンジニアの主な役割

QAエンジニアの名前に含まれるQAですが、「Quality Assurance」という英語の頭文字を取ったもので、この言葉を日本語に訳すと「品質保証」とするのが適当でしょう。つまり、品質保証をするためのエンジニアがQAエンジニアということになります。製品やプログラミングを最初から組み上げていくタイプのエンジニアというよりも、出荷前の不具合のチェックなどに関与する仕事だと考えましょう。

テストエンジニアとQAエンジニアの相違点

テストエンジニアとQAエンジニアは似たような仕事内容であるため、役割を正確に分担していない企業もありますが、厳密には違う役割があります。主な相違点は所属する部門の違いで、テストエンジニアは製品開発のスタートアップの場面からテストの企画や設計を行いますが、QAエンジニアはある程度形が完成したものをチェックするということから、企画部や独自のQA部などに所属することが多いです。

QAエンジニアの仕事内容3つ

ここからは、QAエンジニアの仕事内容について具体的に紹介をしていきます。QAエンジニアの役割は「品質保証」のため、品質のチェックと維持が仕事の大部分を占めます。品質チェックのためには、テストや動作確認が欠かせません。そのためQAエンジニアの仕事はそういった確認の作業が多く、基礎設計などに携わるようなエンジニアとは違うと考えておくとわかりやすいでしょう。

1つ目:テスト計画・設計

品質管理のためのテストは、無計画に行うと正確なデータの収集ができなくなってしまい、効率も悪くなります。そのため、得たデータをフィードバックして、エンジニアとの連携を図ることも不可欠です。こういった事情から、QAエンジニアの仕事はテストそのものの計画を立てることからスタートします。テストの計画を立て、テストケースや環境を設計してテストの場を作ることは、QAエンジニアの基本中の基本となる作業です。

2つ目:コードなどの動作確認

テストの計画と環境ができあがったら、次に行うのはプログラミングされたコードの動作確認です。この時点では、どのプログラムがどういった動作を生んでいるのかを把握する必要があるため、プログラミングの知識や経験が問われます。また、動作確認をしながらデータを収集していきますが、客観的なレビューをつけたり不具合や改善点があれば自分で改修を行ったりするなど、作業内容は多岐にわたります。

3つ目:製品テスト

製品として出荷する直前やその後にも、QAエンジニアが主体となってチェックを行います。出荷後のトラブルを未然に防ぎ、さらなる製品の改良を目指すことが求められます。製品テストは、消費者テストという形でユーザーに試用してもらうことも多いですが、その作業の計画や設計を行うのがQAエンジニアです。そこで出たデータを収集し、改善点を割り出します。また、必要であれば改修をし、次のバージョンや製品の企画につなげます。

QAエンジニアに求められるもの7つ

QAエンジニアには、品質管理や品質向上といった高度な役割が求められています。企画や設計から始まり、第三者の客観的な意見を述べなくてはならず、たくさんの仕事を掛け持ちで行う能力が必要です。QAエンジニアとして一人前になり、会社からも必要不可欠な存在と認識してもらうには、具体的にこれから紹介する7つのスキルを備えておかなくてはいけません。

1つ目:プログラミングのスキル

QAエンジニアは、設計開発されたプログラムをチェックし、必要であれば自身の手で改修を行います。そのため、プログラミングスキルは高ければ高いほど良く、可能であれば実務経験もあった方が有利でしょう。製品全体やプログラムの知識が必要になるため求められるレベルは高いですが、QAエンジニアを目指すには、まずはプログラミングのスキルを一人前にするところから始めたほうが良いでしょう。

2つ目:開発のスキル

QAエンジニアは、製品のチェックが主になるとはいえ、製品開発に関与する仕事のため、開発に関するスキルは必須で、経験や知識が豊富なほど有利になります。開発の手順として、計画を立てたのちに設計を行い、データを収集しつつ、必要であれば自身で手を加えるのが基本になります。また、これは時間内に作業を進めるといった部分も求められます。そのため、チェックと開発の両方ができるように努力しましょう。

3つ目:コミュニケーション能力

QAエンジニアはエンジニアという職人気質な業種ではありますが、コミュニケーション能力も必要になってきます。基礎設計を行う部門のエンジニアや、企画部のようなデスクワーク系の人とも相談や共同作業をする必要があるため、職場内の橋渡し的な役目も求められるからです。こういった多様な部門と意思疎通を図るためには、高いコミュニケーション能力が求められます。この点については、他のエンジニアとは印象が異なるでしょう。

4つ目:ユーザー側の視点

QAエンジニアに製品テストや動作チェックが求められる理由として、品質管理のスペシャリストによるチェックの必要性が挙げられるからです。基礎設計をする段階からある程度のチェックを行いますが、QAエンジニアはよりユーザーの視点に寄せて、実用性の観点などからチェックをします。こうすることで、社内では思いつかないようなケースに対策できるようになり、信頼性が大きく向上するでしょう。

5つ目:マネジメント力

QAエンジニアは開発途中の製品の品質管理をし、また完成に近づけば最終的なチェックも行います。そのため、スケジュール管理や作業に当たる人員等を把握することも必須です。また、必要であればマネジメントによって歩調を揃えることもあります。発売日に間に合わせるためにも、高いマネジメント力を持つ方が確実に有利です。

6つ目:テストツールの知識

品質管理のためのテストツールをQAエンジニアが独自に開発をする場合もあります。最近ではAIの技術も発達してきて、テストの自動化が増えてきていることから、自動テストツールの作成という部分でもQAエンジニアの能力に差がでてきています。テストツールの質はQAエンジニアの質にそのまま直結するため、非常に重要な部分です。

7つ目:実務経験

QAエンジニアの仕事を端的に言えば、品質管理に特化したエンジニアです。ユーザーからの目線だけでなく、設計現場からの視点も持ち合わせていることが理想的です。そのため、設計現場などでの実務経験があると具体的に仕事を把握しやすいでしょう。ユーザーに対応する部門や設計部門などからQAエンジニアにうつる人も多いため、最初からQAエンジニアで就職と考える必要ありません。

資格取得のための参考書

QAエンジニアが持っておくと有効な資格は「ソフトウェア品質技術者資格認定」と「JSTQB認定テスト技術者資格」と言われています。これらは前提条件として必要な資格ではありませんが、持っておくことで自分のスキルをアピールしやすくなり、自信にもつながります。参考書を使いながら勉強して、QAエンジニアを目指す姿勢を養っておくと、向上心の維持にも有効でしょう。

QAエンジニアの将来性は?

QAエンジニアという仕事が社会的に認知されるようになってきたのはここ最近の話で、2000年代にはそもそも存在や求人自体が少なかった仕事です。近年では、大企業を中心に重要な役割として部門が置かれ始め、求人も増えましたが、競争率も高まるようになってきました。そういった経緯を辿ってきたQAエンジニアのこれからはどうなっていくことが予想されるか、具体的な例を踏まえながら紹介します。

QAエンジニアの需要

QAエンジニアのような「品質管理のスペシャリスト」の需要は、企業でも高まってきています。QAエンジニアはそういった需要に応えることが可能な職業のため、需要が増えることはあっても減ることはまず無いでしょう。ただし、その企業に所属しているエンジニアがQAエンジニアに異動するというケースも多く、またコストの面の課題もあるため、募集が爆発的に増えるとは限らないでしょう。

QAエンジニアの年収

QAエンジニアの年収を複数の求人サイトなどが調査した結果、300万円前後が多く、上限では1,000万円といった結果が出ましたが、基本的に約300~400万円が相場でしょう。QAエンジニアは担当する業務の幅がとても広いことから、作業量や能力次第では年収アップも可能でしょう。

QAエンジニアに役立つ資格

QAエンジニアになるためには、特に資格は必要ありません。しかし、QAエンジニアとしてのスキルを証明できる資格はいくつか存在します。キャリアアップやスキルアップを目指すために、それらを取得することは有効な方法でしょう。これからQAエンジニアに有効な資格を2つ例に挙げて紹介します。どちらも民間資格ではありますが、一定の効力をもつことから重宝されています。

JSTQB認定テスト技術者資格

「JSTQB認定テスト技術者資格」は「一般財団法人日本科学技術連盟」が主催する、ソフトウェア技術者のテスト技術を向上させる目的の資格です。この資格は、海外にも同じような目的のものが存在しますが、それぞれの組織が連携をとっているため国外でも有効でしょう。また「Foundation Level」と「Advanced Level」があり、Advanced Levelの方が上級かつ、難易度や効力も高いです。

ソフトウェア品質技術者資格認定

「ソフトウェア品質技術者資格認定」は「一般財団法人日本科学技術連盟」が主催する民間資格で、ソフトウェアの品質向上に関する知識を身に着け、日本のソフトウエア産業の向上を目指した資格です。これは比較的新しい資格ですが、QAエンジニアとしてのスキルを証明できる有効な資格として貴重な選択肢でしょう。現在は初級と中級の2つがあり、上級試験については新設される予定です。

QAエンジニアについて理解しエンジニアとしての選択肢を増やそう

QAエンジニアは品質管理に特化した職種ですが、エンジニアの仕事の選択肢として世界的に注目されています。一流のQAエンジニアは、多彩なスキルや経験をいかして活躍しているため、エンジニアとしての幅を広げることで高収入を目指すという道も見えてきます。エンジニアの仕事を続けてステップアップしていく中で、QAエンジニアという選択肢も考えてみてはいかがでしょうか。

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