【顧客先別】金融系SEの仕事内容を解説!金融系SEに向いている人の特徴4つ

金融系SEとは?

金融系SEとは、銀行や保険、証券会社などいわゆる金融系の会社に関係するシステムを担当している人です。一口に金融系といっても色々な種類があり、臨機応変さや柔軟さが求められる仕事です。

現在金融機関では業務の取引の多くが、コンピューターで行われています。そのため、金融業界はIT業界への依存度が他の業界より高いといえるでしょう。

常に大変な正確さが求められる仕事と言えます。

金融系SEの年収

金融系SEの年収は、1664.3万円程度です。全SEのジャンルの中でも年収が高いことで知られています。

一般的なシステムエンジニアの平均年収は656万円と言われていますので、金融系SEはその2倍以上です。

さらに日系企業と外資系企業の間でも年収が異なるため、年俸制を採用している外資系金融SEを目指して年収アップを狙う人も多いでしょう。

安定と高収入を目指して金融系SEを目指す人も多いです。

【顧客先別】金融系SEの仕事内容7つ

ここからは、金融系SEの仕事内容を顧客先別に紹介していきます。金融系SEの顧客は、主に証券会社、銀行、保険会社の3つに分類されます。

顧客によって担当する仕事内容が異なるため、金融系SEを目指す場合はどの顧客と仕事をしている会社や部署なのかを確認して職選びするといいでしょう。

証券会社でSEが構築するシステム2つ

証券会社でSEが構築するシステムは、主に業務系と情報系の2つあります。証券会社のシステムは、主に業務に従事している人を支援するためのシステムを担当する場合が多いです。

さらに業務系のシステムや情報系のシステムだけでなく海外の現地法人に足を運び、株式や公社債などの注文や約定処理を行うシステム、ホームトレードをおこなう体外接続系システムを担当することもあります。

SEが構築するシステム1:業務系のシステム

SEが構築するシステムの1つ目は、業務系のシステムです。具体的には、証券の注文や約定の管理システム、コンプライアンスシステム、顧客管理、営業店の事務処理のシステムを担当します。

とくに証券コンプライアンスシステムは、証券会社の売買業務等における不正取引監視や検知をしやすくするためのシステムです。

業務系のシステムは、証券会社の信頼にも関わってくる重要な仕事です。

SEが構築するシステム2:情報系のシステム

情報系のシステムは、国内だけでなく海外の情報も共有するシステムのことです。投資や銘柄、営業システムに関しても担当することが多いです。

情報系システムは、顧客の開拓やクロスセル、顧客取引回数の引き上げに利用されます。そのため、情報系システムに力を注ぐ証券会社も少なくありません。

また情報系のシステムを活用したマーケティングには、CRMシステムが活用されていることが多いです。

銀行でSEが構築するシステム3つ

銀行でSEが構築するシステムは、大きく分けて3つあります。近年銀行のIT化が進み、アプリで残高を確認したり、Web画面のネットバンキングで振り込みを済ます人も増えてきています。

銀行を担当する金融系SEの募集は多く、大手企業で働きたいと考えている金融系SEも人気です。

SEが構築するシステム1:勘定系のシステム

SEが構築するシステムの1つ目は、勘定系のシステムです。勘定系のシステムとは、預金や貸出、為替といった入出金を処理するものです。

さらに月次、半期、決算期には利息計算システムを担当する金融系SEも多いです。現在地方銀行は統合が進み、勘定系システムを変える動きも頻繁に見られます。

地元の銀行で金融系SEとして活躍したい場合は、地銀で使われているシステムを担当している会社を目指すこともいいでしょう。

SEが構築するシステム2:情報系のシステム

情報系のシステムは、勘定系システムを活用して処理された取引データや口座情報、また他の場所から提供された信用情報をもとに営業業務支援機能を運用するシステムのことです。

情報系のシステムを導入している銀行では、簡単にユーザー分析や各種の帳票作成を行えます。情報系のシステムは、銀行の信用問題にも関係するため稼働後の不具合発生を限りなく0にすることが求められることが多いです。

SEが構築するシステム3:事務系のシステム

金融系SEは、銀行で事務系のシステムも担当します。事務系のシステムとは、窓口での事務業務をサポートするための営業店システムや企業としての事務作業を行う事務集中システムなどを意味します。

銀行はかつて大量の事務作業がありましたが、コンピューターが利用されてから劇的に仕事内容が変化しました。

事務系のシステムを担当することで、銀行のサービスの向上に貢献することができます。

保険会社でSEが構築するシステム2つ

保険会社でSEが構築するシステムは、大きく分けて業務系と情報系のシステムがあります。保険会社は、生命保険や自動車保険など幅広い保険商品を販売しています。

そのため一口に保険会社を担当している金融系SEといっても、担当する業務によって仕事内容が大きく変わることが多いです。

SEが構築するシステム1:業務系のシステム

保険会社の業務系のシステムは、保険料の収納や支払い、契約管理に関するシステムにまつわる仕事をします。支払いに関するシステムも担当するため、高品質なシステムが求められます。

以前の生命保険会社は個人生命保険が主流でしたが、現在は介護保険、年金保険など色々な商品が販売されています。

業務系のシステムは、複雑になっていく保険の業務のサポートを担当しています。

SEが構築するシステム2:情報系のシステム

情報系のシステムは、経営支援や営業支援のための情報収集や資料作成を担当するシステムです。営業端末を使った顧客へのアプローチなどで活躍するシステムが開発されています。

さらに保険会社では、インターネット上で自社製品やサービスの情報を提供する販売チャネルの動向のチェックシステムを担当する機会も増えています。

金融系SEはきつい?金融系SEの現状3つ

金融系SEは、きついと言われることが多いです。ここからは、金融系SEの現状について詳しく紹介していきます。

金融系SEを目指そうと考えている人は、参考にしてみましょう。金融系SEは一般的なSEと比較して給料が高いですが、その分仕事が辛いと考えて転職してしまう人もいます。

現状を知って、自分に合っているかどうか確認するといいでしょう。

金融系SEの現状1:信頼性が損なわれないようにしなければならない

金融系SEは、失敗は許されません。システムの不具合は、信頼性を大きく損なう可能性があります。

そのため、金融系SEはミスが許されない作業時のプレッシャーに疲れてしまうことも多いです。

さらに金融系はシステムに対するチェックが厳しいだけでなく、作成した資料の誤字やエクセルの罫線が消えかかっている様子など厳しくチェックされます。

テストも多いため、神経を消耗させて疲れてしまう人も多いです。

金融系SEの現状2:深夜にも対応する場合がある

金融系SEの現状は、深夜にも対応する場合があるということです。さらにシフトや納期の関係で生活や勤務時間がバラバラになることも多く、安定したリズムで生活したい人にはおすすめできません。

さらにシステムトラブルが発生すれば、昼夜関係なく対応しないといけません。また基本的にトラブルが発生した場合の対応や叱責は全て金融系SEへ向かいます。

精神的に辛いなと感じてしまう金融系SEも少なくありません。

金融系SEの現状3:新規構築・保守する際には莫大な人員が必要である

新規構築や保守する際には、莫大な人員が必要です。いろいろな立場の人が働いているため、人間関係もギスギスしていることが多く、責任のなすりつけ合いが発生することも少なくありません。

さらに常駐の金融系SEになった場合は、狭い部屋に複数の会社の人が集まり作業することも多いです。個人のスペースも狭く、綺麗とは言えない環境で作業することも少なくありません。

更に残業も多くなる

新規構築や保守を担当する金融系SEは、残業も多い傾向にあります。プロジェクトマネージャーの中には無謀な工程を立てる人も多く、すべてのしわ寄せを現場の金融系SEが担うことも多いです。

さらに期限が間に合わない可能性が高いとより多くの人が現場にやってきます。しかしそれでも土日出勤や徹夜、終電帰りをして期日に間に合わせないといけない場合があります。

金融系SEに向いている人の特徴4つ

ここからは、金融系SEに向いている人の特徴を紹介していきます。大変な仕事である金融系SEですが給料が高く、やりがいを感じられるうえ将来性も期待されています。

向いているなと感じる人は、思い切って金融系SEを目指してみるといいでしょう。

金融系SEに向いている人の特徴1:コミュニケーション能力がある

金融系SEに向いている人は、コミュニケーション能力がある人です。社内外の様々な人と調整する必要がある金融系SEは、難しい専門用語を知識がない人にも分かりやすく伝える必要があります。

さらに金融系SEは、顧客の話の意図をくみ取る必要もあります。顧客への説明資料、プレゼンなども分かりやすくする能力も求められるため、Excel、Wordを用いた説能力も求められるでしょう。

金融系SEに向いている人の特徴2:プロジェクトを進めていく力がある

プロジェクトを進めていく力があれば、金融系SEとして活躍できる可能性が十分あります。プロジェクトを進めていくためには、常に新しい情報にアンテナを張っておく必要があります。

セミナーに参加したり、業界雑誌を読んだりするなど勉強する姿勢が大切です。誰かが教えてくれるのを待っている受け身のような人は、金融系SEとして成功することは難しいでしょう。

金融系SEに向いている人の特徴3:責任感が人一倍強い

金融系SEに向いている人の特徴の3つ目は、責任感が人一倍強いという点です。金融系SEは、他のSEよりも機密情報を取り扱うことが多いです。

そのため金融系SEは、特に自分自身の業務については責任感を持って対応することが求められます。世の中の資産や財産などに関係する繊細な仕事だと自覚して職務に当たるといいでしょう。

金融系SEに向いている人の特徴4:正確に仕事が出来る

正確に仕事が出来ることは、金融系SEの仕事を担当する際に大切な特徴です。計算処理の多い金融系システムは少しの間違いが信頼問題になったり、世界的な問題に発展したりします。

そのため、より正確により早く仕事ができる金融系SEが重宝されます。速くても雑な仕事をするエンジニアは、金融系SEには向いていません。

金融系SEに有利な資格6つ

ここからは、金融系SEに有利な資格を紹介していきます。とくに外資系金融SEでは、スキルや資格に基準を設けていることが多いです。

外資系金融SEは国内SEよりも高額な給料が期待できるため、資格取得を目指すといいでしょう。国内SEでも資格取得は就職に有利に働いたり、昇給のチャンスになったりします。

難易度の高い資格もありますが、興味のある資格が見つかった場合は思い切って勉強してみるといいでしょう。

金融系SEに有利な資格1:外務員検定

外務員検定は、株式や有価証券の勧誘や売買などの証券業務に携わる人が取得する資格です。金融業務に直結する資格ですので、金融系SEとして幅広く活躍したいと考えている人は外務員検定の資格を目指すといいでしょう。

外務員検定は7割得点すれば合格できるため、それほど難易度は高くありません。2カ月程度の勉強時間があれば、合格できる可能性が高まります。

金融系SEに有利な資格2:AFP

AFPは、ファイナンシャル・プランナーとして十分な知識があり、相談者に対して適切なアドバイスや提案ができるFP技能を持っているかどうかが判断される資格です。AFPに登録すれば会報誌が毎月送付され、仕事で必要な最新の経済や金融情報が身に付きます。

合格する確率は2級FP技能士と同じぐらいで、およそ40%程度です。短期集中して1日3時間ほど学習すれば、1カ月程度で取得できる可能性が高まります。

金融系SEに有利な資格3:銀行業務検定

銀行業務検定は、都銀、信託銀行、信金、生損保などで働く人が受験する資格です。銀行で働いている人は、銀行業務検定の資格取得が昇給の条件になることがあります。

金融業務に直結する資格ですので、金融系SEとして取得しておいて損はないでしょう。難易度は級によって異なるため、まずは難易度の低い3級からチャレンジするといいでしょう。

金融系SEに有利な資格4:日商簿記検定

日商簿記検定は、会計系の仕事では2級以上が評価の対象になります。1級を合格していると経理に詳しいとみなされて、金融系SEの即戦力として期待されることでしょう。

難易度は高く、2級の合格率は15~30%前後です。1級の合格率は10%前後とさらに難易度が高いです。

金融系SEに有利な資格5:証券アナリスト

証券アナリストは、証券投資・企業評価のプロフェッショナルの資格です。証券アナリストの資格を持っていると、高度の金融知識があると認められます。

一般事業会社の投資部門やIR部門での活躍も期待できるため、金融系SEからステップアップしたい時にもいいでしょう。

証券アナリストはやや難しく、1次試験は53%、2次試験は45%ほどの合格率です。

金融系SEに有利な資格6:公認会計士

公認会計士は、会計に関するスペシャリストであることをアピールする資格です。監査や財務など幅広い分野で活躍できるようになるため、金融系SEとしても経験を活かして転職したい場合も活躍できる幅が広がります。

公認会計士の資格取得は難易度が高く、過去6年の合格率は平均で10.7%程度です。一度合格すれば一生使える資格ですので、キャリアプランしたい場合は資格を取得に向けて学習しておくといいでしょう。

金融系SEを目指そう

金融系SEは、やりがいがあり、高い収入が期待できる仕事です。一口に金融系SEといっても、顧客先によって仕事内容が大きく変わります。

また金融系SEはきついと言われることも多い仕事です。ただその代わりに将来性が期待でき、適正があれば活躍できる機会もあるでしょう。金融系SEに向いている思う場合は、思い切って金融系SEにチャレンジしてみることをおすすめします。

有利な資格の勉強を始めてみるといいでしょう。