Linuxとは?7つの特徴やLinuxの主な用途について紹介

Linuxとは何か

Linuxとは、Unix・Windows・macOSなどと同様OSの一種で、Unixと似た機能を持つOSとなります。

OSとは「Operating Sysytem」の略です。OSはコンピューターのシステム全体を管理・制御し、ユーザーに対して操作性の良さを提供するために欠かせないソフトウェアになります。

Linuxが広まった背景とは

Linuxは、ヘルシンキ大学の学生だったリーナス・トーバルズによって開発されました。LinuxはOSの1つであるUnixを参考に設計されているため、Unixと機能的に似ている部分があります。しかし、あくまでも別のOSです。

LinuxはオープンソースのOSで、カスタマイズやLinuxを利用したビジネスを自由に行えます。ライセンスで縛られている他のOSと比べて、Linuxが広まった理由はここにあると言えるでしょう。

WindowsやMacとの違い

Windowsは、世界中で大きなシェアを占めるOSと言えるでしょう。Microsoft社によって開発され、現在多くのパソコンに搭載されています。一方、macOSはApple社が開発し、Apple社製のパソコンであるMacに標準搭載されているOSです。

Linuxとの違いとは、Windows・macOSは2つともライセンスで保護されているのに対し、Linuxは無料で使えてカスタマイズも自由であるという点でしょう。

Linuxの7つの特徴

Linuxは最初にリリースされて以降、多くの有志によって改変が施されています。その結果Linuxは種類が豊富で、初心者向け・上級者向け、ビジネス用・日常使い用などさまざまです。

以降では、Linuxの主な特徴7つについて紹介していきます。

Linuxの特徴1:オープンソースOSである

LinuxはオープンソースのOSです。「オープンソース」とはソースコードが一般に公開されており、営利・非営利といった目的を問わず、誰でも自由に使用して良いという考え方のことを指します。

しかしまったくの自由という訳ではなく、オープンソースライセンスに基づき公開されるのが一般的であるため、使用の際は事前にしっかりと確認しておきましょう。

Linuxの特徴2:無料で使うことができる

Linuxは基本的に無料で使用できます。一方、商用目的で開発されているLinuxもあり、こちらは有料になります。

無料Linuxでも普段使いをする分には特に問題ありませんが、何か問題が発生した時のサポートが十分であるとは言えません。有料Linuxではコストをかける分、より充実したサポートを受けられるのがメリットでしょう。

Linuxの特徴3:自由にカスタマイズできる

Linuxは自由にカスタマイズができるので、自分が使いやすいように環境を整えてオリジナルのOSを作成することが可能です。

スキルを持つ人であれば公開されているソースコードの改変をしても良いですし、そうでなければインストールしたLinuxをベースにカスタマイズしても良いでしょう。

Linuxの特徴4:多くの種類がある

Linuxはオープンソースなので、多くの人が手を加えていく過程で数多くの「Linux」が誕生しました。Linuxの主要な系統は3つあり、それぞれDebian系・RedHat系・Slackware系です。

Debian系は有志が中心に開発に携わっており、ユーザビリティを重視しています。一方RedHat系はRedHat社が開発している有料Linuxで、ビジネスでの使用向きです。

Slackware系はLinuxの中でも主要な位置にあり、安定性・セキュリティに優れ高速運用もできますが、やや扱いが難しく初心者向けとは言えません。

Linuxの特徴5:CUIで操作をする

LinuxはCUIでの操作が可能です。CUIとは「Character-based User Interface」の略で、キーボードからコマンドを入力することでOSを操作する仕組みのことを指します。

CUI操作の場合、操作に使うコマンドを知っておくことが必要です。Windowsのように、アイコンなどをマウスで操作する「GUI」に対応したLinuxもあるので、CUIになじみのない人はGUI対応のLinuxを選択すると良いでしょう。

Linuxの特徴6:安定的に稼働する

Linuxは、リリース直後は安定性に不安がありましたが、その後改良が重ねられ安定して稼働するようになっています。

OSはコンピューターのシステム運用を担う大切なソフトウェアなので、それが無料であることに不安を感じる人もいるかもしれません。しかし、現在のLinuxの稼働は安定しており、OSとしての信頼性が高まっていると言えるでしょう。

Linuxの特徴7:低性能のPCを動かす

Linuxは動作が軽いため、低性能のPCに搭載しても快適に動作させることが期待できます。

低性能のPCは動きが遅く、頻繁にフリーズしたりブラウザが重かったりなどのトラブルが多く見られるでしょう。PC使用時のストレスが大きくなると、買い替えを検討したくなるのではないでしょうか。

しかしOSを無料Linuxに変更することで、PCにかけるコストを抑えられるでしょう。LinuxをCUI操作にすることで軽くなるため、日常使いであれば低性能のPCでも快適に使用できることが期待できます。

Linuxの7つの主な用途

LinuxとはオープンソースのOSで、誰でも無料で使えて多くの種類があり、稼働も安定しているという特徴を持つことを紹介しました。

Linuxの用途としてはWindowsやMacと同じ用途のほか、Linuxならではの使い方もあります。ここからはLinuxの主な用途について7つほど紹介するので、参考にしてみて下さい。

Linuxの用途1:サーバ構築

Linuxの特徴的な用途として、サーバを構築できるということが挙げられます。サーバとは、サービスの提供を担うコンピューターのことで、利用者であるクライアントのリクエストに応じて、情報処理やコンテンツを供給するのが主な役割です。

Linuxは、長い年月をかけて多くのエンジニアによって改良を加えられています。安定性が高くセキュアなOSにも関わらず無料で使用できるため、多くのサーバを構築したい場合などでは、Linuxはとても魅力的と言えるでしょう。

Linuxの用途2:アプリケーション開発

Linuxはアプリケーション開発用途に利用できます。

Linuxはほとんどのプログラミング言語に対応しているので、C++・Java・Pythonなどの人気が高いプログラミング言語を含め、多くの言語でアプリケーションを開発することが可能です。

Linuxでは新しいOSの開発もできるため、コンピューターについて学んでみたいという人にも適したOSでしょう。

Linuxの用途3:日常で使うパソコン

Linuxは、Windowsなどと同じように日常用のパソコンとしても使用できます。

Linuxはこれまで初心者には難しいというイメージがありましたが、最近のLinuxはユーザビリティが向上しており、初心者でも違和感なく使用できるでしょう。

カスタマイズも自由にできるため、自分が使用しやすいように調整できることも魅力です。

Linuxの用途4:ネットワークルータ

Linuxはネットワークルータとしても利用できます。ネットワークルータとは、異なるネットワーク同士を接続するためのネットワーク機器のことです。

Linuxをネットワークルータとして使用する場合、基本設定のままではセキュリティ上の不安が残ります。パケットフィルタリングやウイルス検知ソフトウェアなども活用し、Linuxのネットワークルータとしての安全性を高めると良いでしょう。

Linuxの用途5:ゲーム端末

Linuxはゲーム端末としても使用できます。

Linuxには多くの種類がありますが、その中の1つであるSteamOSは、Linux用に開発されたゲームをプレイするためのOSです。SteamOSは無料インストールが可能で、Steamストアからゲームを購入して遊ぶこともできます。

Linuxの用途6:組み込みシステムの開発

Linuxを活用して、組み込みシステムの開発が可能です。

組み込みシステムとは、直接機器に搭載されているコンピューターシステムで、その機器の制御を担っています。組み込みシステムが利用されている例として挙げられるのは、炊飯器・冷蔵庫などの家電製品、ネットワークルータ、信号機、鉄道車両などです。

Linuxは無料で使用できることから開発コストを低く抑えられ、なおかつカスタマイズも自由にできるため、組み込みシステムでよく利用されています。

Linuxの用途7:3Dモデリング

Linuxを活用することで、3Dモデリングが可能です。

3Dモデリングとは、コンピューター上で3次元のオブジェクトを作成するプロセスのことを指します。3D モデリングは映画、ゲーム、建築、医療などの分野で利用されている技術です。

Linuxで3Dモデリングする場合、有名なソフトウェアはBlenderでしょう。Blenderではレンダリング・CGアニメーション・エフェクト作成・映像合成など、フリーウェアにもかかわらず本格的な3Dモデリングが可能です。

Linuxの3つの習得方法

Linuxの習得方法には大きく分けて3つあり、「参考書で学ぶ」・「動画サイトで学ぶ」・「スクールに通う」です。

1つの方法にこだわるのではなく、いろいろな方法を組み合わせて学習しても良いでしょう。肝心なのは自分に合った方法を見つけることで、それによって効率的にLinuxを習得することが期待できます。

Linuxの習得方法1:参考書で学ぶ

Linux習得方法として、参考書で学ぶという方法があります。

参考書で学ぶ利点は、自分のペースでじっくり学習を進められる点です。書籍も入門レベルから上級者レベルまでそろっているので、自分に合った本を見つけられるでしょう。

一方で、参考書を使って学ぶ方法では教えてくれる人がいないため、疑問点がなかなか解決できないといったデメリットもあります。

Linuxの習得方法2:動画サイトで学ぶ

Linuxを習得するために、動画サイトで学ぶという方法があります。

動画サイトは授業形式であったり、アニメーションを使用してわかりやすく説明していたりと、視覚的に理解しやすいという点がメリットです。

動画は無料で視聴できるものもあれば有料のものもあるので、自分のニーズに合ったものを選ぶと良いでしょう。

Linuxの習得方法3:スクールに通う

Linux習得のため、スクールに通うという方法があります。

スクールではカリュキュラムに沿って学習を系統的に進められ、疑問点もインストラクターに質問することで解決できる点がメリットです。

しかし、スクールは入学金・授業料などで費用が多くかかることがデメリットと言えます。スクールはオンライン形式のところもあるので、学校に通うことが難しい場合は選択肢に入れると良いでしょう。

Linuxとは何かを知ろう

LinuxはオープンソースのOSで、現在までに多くのエンジニアによって改良が加えられつつ発展してきました。

Linuxでできることも、サーバの構築・アプリケーションの開発・ゲーム・3Dモデリングなどさまざまです。誰でも自由にカスタマイズできるので、OSの学習用にも使えるでしょう。

Linuxは初心者には扱いが難しい面もありますが、使えるようになれば非常に便利なOSです。Linuxについて知り、IT業界で活躍できるスキルを身に付けましょう。