SESを辞めたくなる7つの理由とは?辞めたい人がとるべき対処法も紹介

SESとは

エンジニアにはいろいろな働き方があります。その1つにSESがあります。SESではクライアントに対して、エンジニアの労働力を提供するという契約を結びます。

そのSESとしてエンジニアをしている人の中には、SESを辞めたいと考えるようになる人がいます。その理由はいくつかあるので、SESを目指す場合はその理由は事前に把握しておくようにしましょう。

SESと正社員・派遣社員との違い

SESはクライアントにエンジニアの労働力を提供します。そのため、SESではエンジニアがクライアント企業に行って仕事をするケースが多くあります。そのため、SESは派遣社員と勘違いをされることがよくあります。

派遣社員の場合、雇用契約は派遣会社と結ぶものの、労働契約はクライアントと結ぶので、クライアントは派遣社員に指揮命令をすることができます。

これに対し、SESのエンジニアは雇用契約も労働契約もSES企業と結ぶことになるため、クライアントにはSESのエンジニアに対して指揮命令をすることができません。また、SESエンジニアはSES企業の社員という立場になります。

SESを辞めたくなる7つの理由

SESでエンジニアとして働く人は多くいます。しかし、そのSESエンジニアの中には、SESを辞めたいと考えるようになる人もいます。SESを辞めたいと考えるようになってしまう理由はいくつか考えられます。

SESを辞めたくなる理由1:給料が上がらない

IT業界が持つ特徴の1つとして、多重下請け構造があります。多重下請け構造では、発注元企業から、1次請け、2次請け、3次請けと、次々と下請け企業に仕事が降りていきます。

また、この多重下請け構造は下流にいくほど、報酬が上がりにくくなるという特徴もあります。SESではこの多重下請け構造は下流工程に関わる仕事をすることが多く、得られる報酬が少ないことから、SESエンジニアの給料も上がりにくい状況となります。

SESを辞めたくなる理由2:安定した収入が見込めない

SESエンジニアはSESの社員のため、常駐先がなく仕事をすることができなかったとしても給料をもらうことはできます。

しかし、常駐先がない場合は企業としての利益がないということでもあります。企業としての利益がなければSESエンジニアの給料がカットされてしまうこともあります。

そのため、SESエンジニアは給料がなかなか上がらないだけでなく、SESの経営状況によってはその収入も安定しないということもあります。

SESを辞めたくなる理由3:市場価値が上がらない

SESでは多重下請け構造は下流工程に関わる仕事をすることが多いので、簡単で似たような仕事しか回ってこないという場合もあります。

また、SESも利益を上げないといけないため、場合によってはテスト業務やデータ入力などのエンジニアとしてスキルアップに繋がりにくい案件を受注することもあります。

そのため、SESエンジニアとして仕事を続けても、なかなかエンジニアとしてのスキルを身につけることが難しく、市場価値が上がらないということもあります。

SESを辞めたくなる理由4:キャリアアップに繋がりづらい

キャリアアップとはスキルアップをしたり、地位を高めたりなどして、現状の市場価値よりも良い状態にすることです。SESでは市場価値が上がりにくいことがあります。そのため、市場価値が上がりにくければ、キャリアアップにも繋がりにくくなってしまいます。

SESを辞めたくなる理由5:自分で仕事内容を選べない

SESの仕事の全てがスキルアップに繋がりにくい案件というわけではありません。中にはエンジニアとしてスキルアップが期待できる案件もあります。

しかし、SESエンジニアは基本的にSESから仕事を割り振られるため、自分で仕事内容を選ぶことができません。そのため、スキルアップや収入などに繋がる仕事ができるかどうかは運となってしまう部分もあります。

SESを辞めたくなる理由6:仕事内容を評価されない

SESエンジニアはクライアント先で仕事をする客先常駐となることが多いです。そのため、SESはSESエンジニアが仕事をする様子を直接確認することができません。仕事の様子が確認できないので、仕事内容に対して正当な評価が行いにくくなっています。

仕事の正当な評価ができないことも、SESエンジニアの給料が上がらなかったり、不安定になってしまったりなどの原因にも繋がります。

SESを辞めたくなる理由7:新しい人間関係を構築しなければならない

SESエンジニアは仕事が終われば次の現場に移動します。そのため、職場が移るたびに人間関係がリセットされてしまうことになり、そのたびに新しい人間関係を築いていく必要があります。

人間関係をリセットできることは相性の悪い人が職場にいてもいつかはその職場からは離れられるというメリットでもあります。

しかし、人間関係を築くことが苦手という人によっては毎回の職場移動のたびに、その人間関係の構築をやり直さなければいけないので大きな負担と感じてしまうこともあります。

SESを辞めたい人がとるべき4つの対処法

SESを辞めたいと思ったときにいろいろな理由によって、なかなか転職に踏み切れないという人もいます。しかし、いつまでも辞めたいと思ったまま仕事を続けることはできないので、そのような場合には何らかの対処をする必要があります。

SESを辞めたい人の対処法1:理由を明確にして意志を固める

SESを辞めたいと思った場合は、まずなぜSESを辞めたいのか、その理由を明確にしておきましょう。辞めたい理由があやふやなままではSESを辞める意志を固めることができません。

もし、SESを辞める意志が固まっていなければ、会社の人に説得をされたり、同じ職場の人たちに仕事で迷惑をかけてしまうなどと思ってしまい、辞めたいと思っていても、辞められないという状況になってしまう可能性があります。

SESを辞めたい人の対処法2:他社でも通用するスキルを身につける

SESの仕事ではエンジニアとしてのスキルアップがなかなかできないということがあります。

エンジニアの転職ではスキルや実績などが重要となるので、準備なしに転職活動を始めてしまうと、転職先が思うように見つからなかったり、転職先が見つかっても思うようにスキル不足で仕事が進まないなどの状況に陥ってしまう可能性があります。

そのため、エンジニアを続けるために転職をするのであれば、まずは独学やスクールに火曜などして、他社でも通用するだけのスキルを身につけておくようにしましょう。

SESを辞めたい人の対処法3:次のステップを決める

SESは多重下請け構造の下流工程に関わる仕事をすることが多いです。そのため、SESエンジニアとして仕事をしていると、似たような仕事ばかりすることになってしまいます。

そのため、SESを辞めて転職をするのであれば、転職先には次の開発や設計などのエンジニアとして次のステップに進める企業を選ぶようにしましょう。

SESを辞めたい人の対処法4:退職代行の利用を検討する

SESを辞めたいと思っても、会社からなかなか退職を認めてもらえなかったり、退職するにあたって不利な条件を突きつけられてしまうなどのトラブルに遭ってしまうこともあります。

このような状況を避けるためには、スムーズに退職するための知識が必要になります。もし、退職に関する知識がないという場合には、退職代行サービスの利用を検討しましょう。退職のプロに任せることで、スムーズな退職を行うことができます。

SESで働くメリット3つ

SESを辞めたいと考える人はいます。しかし、SESとして働くことにはいくつかのメリットもあります。そのため、SESを辞める前に、まずはメリットを把握して、そのメリットを手放しても後悔がないか判断しましょう。

SESで働くメリット1:残業が少ない

エンジニアは激務という印象をよく持たれます。しかし、SESエンジニアの場合はSESとクライアントが結ぶ契約の中に、労働時間について内容も含まれています。

そのため、あらかじめ決められた時間を超えて労働をすることは基本的にできず、残業が発生しにくいです。また、クライアントはSESエンジニアに対しての指揮命令を行うこともできないので、無理に残業をさせられることもありません。

SESで働くメリット2:派遣先の正社員になれる可能性がある

SESエンジニアはいろいろな職場で仕事をすることになります。そのため、もしそれらのクライアントのどこかから気に入られるようなことがあれば、その企業から正社員の勧誘を受ける可能性もあります。

SESで働くメリット3:経験できる幅が広い

SESは似たような仕事を繰り返す場合もあり、なかなかスキルアップができないということがあります。しかし、SESエンジニアはいろいろな職場を移りながら仕事をします。

そのため、いろいろな環境での仕事を経験することができます。エンジニアとしてのスキルは独学やスクールなどで身につけることができますが、いろいろな企業や業界の職場を経験することはなかなかできないので、SESで働く大きなメリットの1つとなります。

SESを辞めたくなる理由を知って目指すべきか検討しよう

SESを辞めたいと思うようになるエンジニアはいます。しかし、SESで働くことにはデメリットだけでなく、メリットもあります。

そのため、SESを辞めたいのであれば、その理由とSESのメリットをよく理解して、転職に踏み切るべきかどうか、しっかりと判断をするようにしましょう。