インフラをAWSで整えるメリット4つ|覚えておくべき用語もあわせて紹介
AWSとは
AWS(AmazonWebServices)はアマゾン社が運営しているクラウドサービスで、利用しているユーザーは、大企業から中小企業、スタートアップ企業、公共団体と様々です。
AWSにはネットワーク、サーバー、ストレージなどが提供されており、クラウド上でのインフラ構築を素早く、手軽に構築できます。
AWSのシェア率は多いのか
クラウドサービスを提供しているプロバイダはAmazon、Microsoft、Google、Alibabaなどがあります。
2019年のシェアは、Amazonが運営しているAWSの32.3%でした。その他のシェア率はMicrosoftが運営しているAzureで16.9%、次にGoogle Cloudの5.8%、Alibaba Cloudの4.9%でした。AmazonのAWSのシェア率が非常に高いことがわかります。
インフラをAWSで整えるメリット4つ
クラウドシステムを利用するときには、インフラの性能や耐障害性、セキュリティ、ユーザーが簡易に扱えるか、等からどのような機能が必要かを考えなければなりません。
AWSにはユーザーがクラウドシステムを構築、管理するための様々な機能が整備されています。AWSを利用するメリットを見ていきましょう。
インフラをAWSで整えるメリット1:運用負荷が軽減される
AWSを導入すると、システム管理者の負荷とインフラの管理コストを抑えられます。
インフラを整備するには、ハードウェア、OS、アプリケーションを調達するのに費用が掛かります。またユーザーはこれらのアップデート等の管理が要ります。
AWSを利用するとユーザーはインフラの管理が不要になります。また、インフラの準備のコストがなくなります。
インフラをAWSで整えるメリット2:性能が高い
AWSはシステムの運用開始までの時間が短く、インフラの拡張性にとどまらず縮小性にも優れています。
インフラの拡張、縮小は対象のサーバーが稼働中であっても行えます。拡張や縮小は管理画面で設定してから数分後に反映されるため、タイムロスがほとんどありません。
そのため、一時的にサーバーの性能を上げたい、夜間のみサーバーの性能を上げたい、といった運用が可能になります。
インフラをAWSで整えるメリット3:自動化できる
ユーザーがAWSで利用している機能のすべてを管理するのは困難を伴うこともあります。AWSにはユーザーがサーバーの運用を自動化する機能があります。
自動化にはサーバーの運用管理、リソースの変更管理、各種のイベントをトリガーにした処理の自動実行などがあり、これらの変更や自動実行の機能を使うことで管理者の日々の業務が軽減されます。
インフラをAWSで整えるメリット4:安全性が高い
AWSのサーバーは世界各地にデータセンターに置かれています。データセンターはリージョンと呼ばれる地域ごとのグループに、そして複数のデータセンターをアベイラビリティーゾーンと呼ばれるデータセンター群で管理しています。
リージョンとアベイラビリティーゾーンという管理方法により冗長なシステムを構築することでデータ障害や災害時のリスクを軽減しています。
インフラ構築の際にAWSを使用するデメリット3つ
AWSの多彩な機能でユーザーは多くのメリットを受けられますが、いくつかのデメリットもあります。
月々の費用が一定ではなく、提供されているサービスの種類が多いため、ユーザーにとってどのサービスを導入すればよいかを判断しなければなりません。
また、メンテナンスはAWSの管理に任されているため、ユーザーはそれに合わせなければなりません。
インフラにAWSを使うデメリット1:コストが変動する
AWSを利用するときのデメリットの1つはランニングコストの高さです。
AWSを導入するときのイニシャルコストはかからず、月ごとの利用料がかかります。月ごとの利用量はシステムのオプション、通信のデータ量、インフラの利用量などです。
データ量の増減によって費用がどれくらいになるか予測できないことがあり、大規模なシステムでオプションをつけたり、データ量が多くなると月々の費用が高額になることもあります。
インフラにAWSを使うデメリット2:サービスの種類が多い
AWSには160を超えるサービスがあり、ここから構築するシステムに合ったサービスを選び、どのように利用するかを設計しなければなりません。
AWSを利用するときは「クラウドサービスで何をするのか」、「なぜクラウドサービスを利用するのか」を明確にする必要があります。自社のメンバーだけでは判断ができないときは導入支援などを行っている業者に依頼することも必要になるかもしれません。
インフラにAWSを使うデメリット3:メンテナンスへの対応
AWSではメンテナンスのスケジュールが決められていて、メンテナンスの日はサービスが停止されます。
ユーザー自身はメンテナンスをしなくてよいというメリットがありますが、AWSのメンテナンスのスケジュールはユーザーの都合にあわせてはくれません。
メンテナンスは事前に通知されますから、ユーザーはそれに合わせた運用の計画を立てる必要があります。
インフラ構築をAWSで行う際に覚えておくべき用語5つ
AWSでインフラを構築、管理するときに覚えておく用語があります。
AWS内のクラウド環境を提供するサービスであるVPC、VPCとインターネットに接続する設定であるインターネットゲートウェイ、デフォルトゲートウェイ、NAT、そしてAWSのサーバー機を配置する単位のリージョンです。
特にインターネットゲートウェイ、デフォルトゲートウェイ、NATは、AWS内の環境とインターネットをつなぐために重要です。
インフラ構築をAWSで行う際の用語1:インターネットゲートウェイ
インターネットゲートウェイとは、AWS内の閉じたネットワーク空間であるVPC(Virtual Private Cloud)とインターネット間の通信を可能にするものです。
インターネットゲートウェイを使用するとVPC内の各システムがグローバルIPを使えるようになります。
インフラ構築をAWSで行う際の用語2:デフォルトゲートウェイ
AWSでのデフォルトゲートウェイとは、AWS上の閉じたネットワーク空間であるVPC(Virtual Private Cloud)の接続先の規定値です。
デフォルトゲートウェイを設定することでインターネット空間へ接続するか、AWS内のVPCへの接続にするかを選べます。
インターネット空間と通信できるものを「パブリックサブネット」、VPC内部としか通信しないものを「プライベートサブネット」と呼びます。
インフラ構築をAWSで行う際の用語3:VPC
VPCとは「Virtual Private Cloud」のことで、AWSのユーザー毎のクラウド環境を提供するサービスです。各ユーザーは複数のVPC環境を作成できます。
それぞれのVPC環境のアクセス先を設定できるため、「このVPCはインターネットへアクセスしないようにする」といった設定もできます。このアクセス制御を使うことで、より強いセキュリティを実現できます。
インフラ構築をAWSで行う際の用語4:NAT
NATは「Network Address Translation」の略で、プライベートネットワークとインターネットをつなぐ技術です。
AWSに構築するインフラは閉じたネットワークのため、このままではインターネットにつながりません。NATはAWS上に構築したプライベートネットワーク(VPC)とインターネットを接続するために必要です。
インフラ構築をAWSで行う際の用語5:リージョン
リージョン(region)とは「地域、範囲」という意味です。
AWSは世界各地にサーバーを配置しており、これらのサーバーをリージョンという単位(東京リージョン、ソウルリージョン、北カリフォルニアリージョンなど)でまとめて管理、運用しています。
リージョン単位で管理する利点は、サーバー機を複数のリージョンに分散して配置することで「障害が起きた時の備え」となります。
AWSでインフラ運用をしよう
AWSでは高性能なインフラ機器を利用でき、これらのインフラの物理的な管理が不要になります。また、運用を自動化する手段も用意されています。
AWSでインフラを構築して利用すると設定が必要になりますが様々なメリットがあります。
システム運用でインフラを構築するときにはAWSの利用も選択肢に入れてみましょう。