SESがなくならない8つの理由とは?SESとして働くメリットも紹介

そもそもSESとは?

SESとはシステムエンジニアリングサービスの略のことで、ITエンジニアの労働力を顧客に提供をするというサービスです。

その仕事内容は依頼されている仕事を自社内で作業をするということもあれば、顧客先に常駐して作業を行うということもあります。

また、SESでは労働力を提供することが契約内容となるので、成果物を納品するという義務がないことも特徴の1つです。

SESは派遣社員と何が違うのか?

SESではITエンジニアが顧客から依頼されて作業をしたり、顧客先に常駐して作業をしたりなどします。そのため、SESはよく派遣社員と間違われることがあります。

SESは労働力の提供なので、成果物の納品の義務は発生せず、エンジニアに対して顧客側から指揮、命令はできません。

またSES契約は準委任契約と同じ意味となります。派遣の場合もITエンジニアが労働力を提供することにはなりますが、指揮、命令を顧客側が行うことができます。

SESがなくならない8つの理由

SESの需要は伸びていて、今後もSESはなくならないと考えられています。

需要が伸びるということは、顧客側にはSESが必要となる理由があるということです。また、SES企業もその需要に応えることで得られるメリットがあるということにもなります。

また、それらの理由はSES企業と、顧客となる企業によるものだけでなく、IT業界が抱えている問題がSESの需要を伸ばす原因となっている部分もあります。

SESがなくならない理由1:人材不足の問題を解消できる

急速にITの需要が伸びたことで、IT業界は慢性的な人手不足となっています。

そのため、IT業界では仕事はあるのに、エンジニアが不足していて、仕事ができない、進まないなどの状態になっています。

しかし、SESを活用すれば、エンジニアの労働力が手に入るので、人手不足を補って仕事を進めることができます。

SESがなくならない理由2:事業縮小のリスクを対策できる

IT業界ではいろいろなサービスや製品などが開発されています。

しかし、ITに需要があるといっても、サービスや製品をリリースすれば必ずヒットするというわけではありません。また、開発したサービスや製品がヒットしなければ経営が悪化して、事業縮小が必要となるリスクもあります。

もし、事業縮小が必要となった場合に正社員を多く抱えていると、簡単に事業縮小ができないということもあります。このような場合に備えてSESを活用しておけば、事業縮小が必要となった際にはSES企業との契約を切ることで対応をすることができます。

SESがなくならない理由3:定期的な売上が見込める

もし、成果物を納品するような契約であった場合、納品した成果物に不具合があったり、納期に遅れてしまったりなどのトラブルがあると、ペナルティによって報酬が下がってしまう可能性があります。

しかし、SESではITエンジニアの労働力の提供がサービス内容となるので、成果物の納品は義務はなく、報酬はITエンジニアの労働力を使った時間で決まります。

そのため、SES企業では、ITエンジニアが働いた時間がそのまま売上になるので、契約さえ取れていれば定期的な売上を見込めることができます。

SESがなくならない理由4:作業責任がない

SESではあくまでもITエンジニアの労働力を提供することです。

そのため、顧客から頼まれた仕事をすることに責任はありますが、その仕事によって成果物を納品しなければいけないという責任はありません。ですので、SESはITエンジニアが働いた時間が報酬となります。

SESでは成果物に対する責任を負う必要がないので、それだけ仕事に対するリスクを下げることができます。リスクが少ないビジネスモデルということで、SES企業は増えやすいということがSESのなくならない理由の1つとなっています。

SESがなくならない理由5:人材の入れ替えが容易

IT業界は人手不足ではありますが、時間も費用もかかるので、簡単にエンジニアを採用したり、教育したりなどすることはできません。また、事業縮小のリスクにも備える必要があります。

そのため、人手が必要となったときにはSESを利用して、仕事が落ち着けばSESの契約を終われば良いという活用をすれば、状況に合わせてエンジニアを増やしたり、減らしたり柔軟に対応できます。

貴重なエンジニアの入れ替えが容易であることから、人手不足のIT業界ではSESが重宝されることから、SESはなくならないと言われています。

SESがなくならない理由6:契約が簡単

SESの契約は顧客からの依頼を受けたり、SES企業側から営業をしたりなどして、顧客のニーズに応えられるITエンジニアと面談をしてもらい、両者が納得すれば契約書を交わして、稼働となります。

SESの稼働までの基本的な流れは非常に簡単で、その簡単な契約をすることで顧客はそのITエンジニアを社員と同様の業務まで依頼することができます。

契約が簡単なので顧客にとっては利用しやすいこともSESがなくならない理由です。

SESがなくならない理由7:採用コストが少ない

企業が採用活動を行えば時間も費用もかかってしまいますし、採用をした人材が即戦力になるとも限りません。

また、採用活動を行って人材を確保する場合には、離職のリスクを抱えたり、短期間だけ人手が欲しいなどの場合もあります。もし、SESを活用すれば、求めている人材をSES企業から提供してもらうことができます。

また、採用活動を行う必要もないので、時間も費用も抑えられ、忙しい時期を終わるまでの契約にするなどの柔軟な対応もできるなど、多くのメリットが得られることもSESがなくならない理由です。

SESがなくならない理由8:教育コストがかからない

企業が時間や費用をかけて採用活動を行い、人材を確保しても、その人材が即戦力になるとは限りません。

また、採用をして人材を確保すれば教育コストもかかってしまいます。採用活動と教育の費用は決して安いものではなく、離職などのリスクもあります。

そのため、SESを活用して頼れる戦力となる人材を紹介してもらい、採用活動や教育の費用や時間を抑えられることの方がメリットが多いことも、SESがなくならない理由です。

SESがなくなると言われる原因5つ

SESは需要が高まっていて、SES企業にも、顧客となる企業にもいろいろなメリットがあります。そのため、SESはなくならないと言われています。

しかし、SESはなくならないと言われる一方で、SESはなくなると噂されることがあります。

そのSESがなくなると噂されている理由としては、メリット得ているSES企業と顧客となる企業ではなく、SESとして働いているITエンジニアからその理由を語られることが多いです。

SESがなくなると言われる原因1:エンジニアの市場価値が上がらない

SES企業にはいろいろな仕事が入ってきます。その仕事の中には、ITエンジニアとしての実績やスキルを身につけられるものもあります。

しかし、逆にシステムのテストばかりを行ったり、データ入力ばかりをしたりなど、ITエンジニアの実績やスキルを身につけられない仕事もあります。

ITエンジニアとして仕事をしていくためには実績やスキルは非常に重要です。そのため、もしそれらの仕事ばかりをしていると、エンジニアとしての市場価値が上がらないという状況に陥ってしまうこともあります。

SESがなくなると言われる原因2:契約が多重構造すぎる

IT業界の中でも受託開発の事業は多重構造となりやすいです。発注元企業が発注先企業にシステム開発を依頼すると、その発注先企業は開発をいくつかの下請け会社に任せて、プロジェクト管理を行います。

また、その下請け会社はさらに下請け会社に開発を回し、末端の開発会社は5次請けや6次請けなどになってしまいます。

多くの企業を間に挟むほど、下流工程を担当することになります。SES企業の中にはずっとこの下流案件を取り続けるという企業もあります。

SESがなくなると言われる原因3:エンジニアの給料が安い

SES企業の中には、多重構造の末端となる下流工程の案件を取るという企業もあります。多重構造の末端では、発注元企業までの間に多くの企業を挟むということになります。

企業を挟むごとにマージンが発生してしまうため、SESが仕事をする頃には利益があまり残らない状態となってしまいます。

そのため、SES企業で働くエンジニアの給料もなかなか上がらないということになってしまいます。

SESがなくなると言われる原因4:案件によって収入が安定しない

SES企業が安定して案件を獲得できていれば良いですが、案件がなくてITエンジニアの仕事がないという場合もあります。

仕事がないということは利益を出すことができていない状態となるので、給与に影響が出てしまうこともあります。

仕事をしたくてもSES企業から案件を回してもらえなければ、それだけ収入が安定しないことになってしまいます。

SESがなくなると言われる原因5:労働環境が安定しない

SESでは1つの仕事を終えたら、次の仕事に移動をします。

そのため、仕事を終えるたびに職場や仕事内容などが変わるので、労働環境が安定しません。

また、人間関係も仕事を移るたびにリセットされてしまうので、人間関係で悩みにくいというメリットはありますが、人と接することが苦手で人間関係をうまく築くことができないという人にとっては労働環境が変わることは大きな負担となります。

SESとして働く3つのメリット

SESとして働くといろいろなデメリットがあるので、SESはなくなると言われることもあります。

しかし、SESとして働くことにはデメリットだけでなくメリットもあります。

デメリットばかりに目を向けるのではなく、そのメリットを目的にしてSESとして働いても良いでしょう。

SESとして働くメリット1:様々な環境に触れられる

SESとして働けば、1つの仕事が終われば次の仕事へ移ることになるので、労働環境が安定しません。

しかし、職場を移っていくことで、いろいろな環境で仕事をすることができます。

また、人間関係もリセットされて新しい人たちと出会うことになるので、エンジニアとして人脈を広げることに適しています。

SESとして働くメリット2:スキルアップができる

SESでは思うような仕事ができず、スキルアップがなかなかできないという場合もあります。

しかし、SES企業の中にはエンジニアが伸ばしたいと思っているスキルがあれば、それに沿った案件を回してくれたり、ある程度は自分で案件を選ばせてくれたりなどする企業もあります。

このようなSES企業で仕事ができれば、効率よくスキルアップをしていくことができます。

SESとして働くメリット3:不要な残業が少ない

SESはITエンジニアの労働力を提供するサービスなので、基本的にITエンジニアが働いた時間だけ支払いが発生します。またSES企業と顧客の企業は契約を交わしています。

そのため、ITエンジニアの仕事は残業が多いというイメージがありますが、これらのことからSESとして働くITエンジニアは不要な残業は発生しにくいです。

SESは今後もなくならない

SESとして働くといくつかのデメリットがあります。そのため、SESはなくなると言われることがあります。しかし、SESとして働くことにはデメリットだけでなくメリットもあります。

また、IT業界は慢性的な人手不足でSESには需要があり、その需要は今後も伸びていくと考えられているので、SESはなくならないでしょう。