APIを使う利便性7選|活用実例と活用する手順4選や注意点について紹介
APIとは
IT業界で良く使用される用語に「API」という言葉があります。
色々な場面で頻繁に登場しますが、プログラミングなどを経験している人は良く分かっていても、未経験者には分からないIT用語の筆頭でしょう。
分かりやすく整理すると、「API」とはソフトウェアやアプリケーションの一部を外へ公開することで、外部が使用しているソフトウェアとの共有が可能になる仕組みの事を指します。
APIの種類
APIはインターフェィスとして機能し、外部の様々なアプリケーションを繋ぐものとして使われていますので、ソフトウェアが互いに機能をやり取りできるようになります。
使用するアプリケーションはインターネット上で公開されているものがほとんどなので、Web上で使用するものがAPIであるとも言えるため、通常APIというとWebAPIの事を指します。
しかし、内部コードまでは公開されていないので、Web上に使い方や使用上のルールも公開されています。
インターフェイスとは
「インターフェイス」とは、コンピューター用語で「一つのものと何かを繋ぐ役割を持ったもの」という意味です。
身近な例を挙げれば、USBなどはインターフェイスと称することができます。
つまり、APIはソフトウェアやアプリケーションをプログラムと繋ぐことや、ソフトウェア同士を連携させることが可能なインターフェイスと言えます。
APIという外部アプリと自社アプリをつなぐ窓口を設定することで、機能性の拡張や利便性が増し、両方のアプリにとってのメリットを生み出せることがAPIの大きな利点です。
APIを使う利便性7選
では、実際にどのような場面や状況で使えば、APIの利便性を感じられるのでしょうか。
実際に使用している方にとっては、APIは非常に便利で簡単なインターフェイスですが、まだ導入していない方にとっては、分かりにくい面があるのも事実です。
ここからは、APIを使用することの利便性について、大きく7つに絞って紹介します。以下で、APIを使用することの大きなメリットについて見て行きましょう。
APIを使う利便性1:開発時間やコストの削減
APIを使って既存プログラムを使用する事で、最初からプログラム開発や組み上げをする必要がなくなります。
その結果、システムやプログラムの開発コストが抑えられ、さらに時間短縮されることによって、他の作業にかける時間として活用できます。
さらに既存プログラムとの互換性が高まるので、複数のプログラムを使用することも可能になります。その結果、機能拡張や多様なサービスが提供できるようになるというメリットが得られます。
APIを使う利便性2:Windows・MacOS複数の環境に対応できる
特にWebAPIの場合、OSの縛りに関連なく既存プログラムが使用できるメリットがあります。クラウド上でプログラムが公開されているケースでは、Windows・MacOS複数の環境においてもAPIが使用できます。
例えば、クライアント側とOS環境が異なる場合でも、APIによってプログラムを共有することで共通性が確保でき、データのやり取りもよりスムーズに進行させる事が可能です。
APIを使う利便性3:各分野に特化した分析ができる
APIを使うことによって、Web検索など多数のプログラムを並行して利用できます。
その結果、各分野に特化したデータ分析が可能になり、より正確に情報収集できるようになります。
特に、Web上には情報分析に関する公開プログラムが多く存在するため、市場マーケティングなどには重要なインターフェイスになります。
APIを使う利便性4:アプリケーションやサービスの利便性がある
APIを使うことで、既存プログラムを簡単に二次利用できるようになります。
新しいサービスを効率よく作成することができるため、アプリケーションやサービスの利便性が広がります。
データ管理や販売管理システムなど、今まで手入力で行っていたものに関しても、APIの利用が可能です。
APIを利用して既存アプリケーションを使用することで人為的ミスが無くなるため、確実で信頼性の高いサービスの提供が可能になります。
APIを使う利便性5:セキュリティ性も向上
システムを自社で新たに開発しようと考えた場合、コストの問題と同時にセキュリティの問題が生じます。これは、「テスト期間」などの実績が無く、セキュリティの質が低下する可能性があるためです。
このような場合、APIを利用して既存のセキュリティ品質が高いサービスを使用すれば、合理的にシステムが稼動しますので、より有効な手段と言えます。
APIを使う利便性6:他アプリケーションとの連携が可能
APIには、簡単に外部既存システムやアプリケーションの二次利用ができるという特徴があります。そのため、同じくAPIを利用してつながることができる他のアプリケーションとの連携が可能です。
複数の作業を行う場合でも、アプリケーションを使いこなして連携しながら作業を進めることができるので、作業効率の向上につながります。
APIを使う利便性7:最新情報収集が簡単
WebAPIの場合、APIをインターフェイスとして色々なアプリケーションやサービスの提供を受けられます。
現在の最新情報を簡単に収集できるため、自社で新規開発を行う手間や時間が節約でき、効率よく最新情報を入手できます。
また、APIは共有と拡張機能が高いので、様々なシーンで活用できます。そのため、既存のプログラムやソースを利用しながら最新の情報で動くことが可能です。
APIを使う注意点について
インターフェイスとして非常に利便性が高いAPIですが、ほとんどがWeb上で利用されるため、細心の注意が必要な点があります。
現在では非常に身近な存在になっているAPIですが、以下に挙げる注意点を押さえた上で有効活用していきましょう。
API提供側の依存が高い
簡単に他のプログラムとの連携が取れる便利なインターフェイスですが、あまりにもAPI連携に頼ってしまうとAPI提供側への依存度が高くなってしまいます。
その結果、提供側がAPIの仕様変更や供給停止を行った場合に不都合が生じる可能性が高くなります。
APIを上手に使いこなすためには、自社開発ツールの基本技術をしっかり持った上で、足りない部分をAPIで補うようにするのがベターです。
基本的なHTMLやCSSの知識が必要
APIは、ウェブサービスで利用登録を行い、APIアクセスキーを取得することで利用が可能になります。
APIを活用するためには、大前提として基本となるHTMLやCSSの知識が必要になり、複雑なサービスを活用する際には、コーディングの他にJavaScriptやPHPなどの知識も必要になってきます。
APIの活用実例9選
ここまで見てきたように、あらゆるWebサービスで使われているAPIですが、実際にはどのような形で活用されているのでしょうか。
続いて、代表的なAPIの活用事例を大きく9つに絞って紹介していきます。事例を参考に、APIが与える影響力の高さを見ていきましょう。
APIの活用実例1:Yahoo
日本で大きなネットワークを誇るサイトのYahooですが、APIの活用実例としても非常に有名で、様々なAPIドキュメントを提供しています。
地図やショッピングはもちろん、テキスト解析やニュース、求人など、メール、カレンダー、開発ツールに関して、YahooID連携など多岐にわたるサービスが利用可能です。
APIの活用実例2:Googleマップ
WebシェアではNO.1のサービスGoogleですが、GoogleのAPIで代表的なのがGoogleマップの存在でしょう。
世界中のマップ、目的地までのルート表示、プレイス表示も含めて世界の99%をカバーし、毎日2,500万の更新件数、1ヶ月のアクセスユーザー約10億を誇るビッグデータサービスです。
APIの活用実例3:Chatwork
クラウド型ビジネスチャットツールとして多くの方や企業が採用しているChatworkですが、このChatworkも代表的なAPIサービスとして有名なツールです。
利用者宛のメールをChatworkにメッセージとして流したり、サーバーエラーを検知して関係者へタスクを流すことや、カレンダーに予定が追加されたらChatworkでタスクを振り分けるなどの作業が可能な便利ツールになっています。
APIの活用実例4:Amazon
インターネット業界では巨大なマーケットに成長したAmazonですが、これもAPIの有効な活用例の一つと言ってよいでしょう。
Amazonには、今やインターネットの上のメインマーケットと言えるショッピングや動画視聴のPrime video、音楽配信サービスや電子書籍kindleなどのコンテンツサービスがあり、利用者数も膨大な数に上ります。
APIの活用実例5:YouTube
先述のGoogleと連携しているAPIサービスがYouTubeで、Googleアカウントを取得することでYouTubeの使用が可能になり、膨大な数の動画サービスが視聴できるようになります。
これには無料版と有料版があり、無料版では料金がかからずに動画の視聴が可能ですが、動画再生中に一定の数の広告が表示されます。
なお、有料版に加入すると月額料金がかかりますが、広告一切無しで動画の視聴が楽しめます。
APIの活用実例6:LINE
スマートフォンを利用したコミュニケーションツールとしてすっかり浸透しているLINEですが、これもAPIサービスの有効活用例で、現在急激に伸びているAPIツールです。
メッセージングAPIというツールを利用することで、1対1あるいはグループでLINE上のトークが可能になり、多数のメッセージタイプの中からLINEでやり取りしている相手に最適なメッセージタイプが選択できます。
APIの活用実例7:Facebook
利用者の数が圧倒的に多いFacebookも、APIの有効な活用実例です。世界的に普及しているFacebookの利点を活用したAPIサービスが利用できます。
例えば、FacebookのグラフAPIは、Facebookのプラットフォームにデータを取り込んだり、データを取り出したりできる機能で、これによって新しい記事の投稿や広告の管理、写真のアップロードなど、様々なタスクが利用可能になります。
APIの活用実例8:ぐるなび
レストラン、飲食店の検索や口コミなどの評価をWeb上で見ることができる、ぐるなびもAPIサービスの有効活用事例といえます。
ぐるナビに利用申請を行いアクセスキーを取得すると利用が可能になり、レストラン検索、応援口コミ、エリアマスター、大小業態マスターなど便利なサービスを使いこなすことができるようになります。
APIの活用実例9:楽天
インターネットショッピングサイトとして大規模なマーケットを持っている楽天も、APIの有効活用を行っている好事例といえます。
楽天の膨大なマーケットを効率的に検索するためのAPIサービスが特に充実しており、ラインナップも豊富で、ショッピング系、ブックス系、トラベル系、ジャンル系、音楽ソフト系、電子書籍に至るまで、多種多様なサービスが利用可能になります。
APIを活用する為の手順4選
非常に便利で手軽に利用できるAPIですが、実際に活用するためにはどのような手順を踏んで利用できるようになるのでしょうか。
ここからは、APIを実際に活用するための手順について4つに絞って紹介していきます。以下に紹介する手順を、実際の作業に役立つようにしていきましょう。
APIを活用する為の手順1:APIを使うアプリに登録
はじめに、APIを活用する為の手順としてAPIを使うアプリケーションに登録する必要があります。APIを提供している企業のサイトを訪問して、自身のアプリケーション情報を登録しましょう。
登録内容はアプリケーション名やドメイン、コールバックなどになり、情報を登録することによって始めて連携が可能になります。
APIを活用する為の手順2:APIキー・APIシークレットを取得
基本的にAPIは誰でも扱うことが可能なインターフェイスですが、各種データを扱うことができるので、セキュリティが重要な項目になり、パスワードのようなものが必要になってきます。
これは「APIキー」または「APIシークレット」と呼ばれ、APIを利用するに当たって必ず取得する必要のあるものです。
APIキーまたはAPIシークレットを取得することで、セキュリティを確保した上で安全にAPIを運用できるようになります。
APIを活用する為の手順3:アプリ側に設定
取得したAPIキー・APIシークレットをアプリ側に設定し、外部からの不正使用ができないようにします。
ここまでの手順が完了すれば、安全にAPIを使用できるようになり、APIを使用する準備が整ったことになります。
APIを活用する為の手順4:実際に操作
最後の手順は、APIのリファレンスを見ながらAPIの機能を使用する方法を学習した上で、実装を行って現場で活用することです。
実際に自分でコードを書いてみることで、APIの便利な点と使いやすさが実感できるでしょう。
API活用におすすめの学習方法
APIの活用は、全く知識が無くても利用できるというものではありません。
基礎的な知識は必須になってきますので、ある程度学習をしてAPIについての知識を身につけておくことが必要です。そこで活用したいのが手軽にAPIの使い方が学べるコンテンツです。
APIに関する書籍などは非常に役立ちますし、インターネットサイトでもAPIを学習できるコンテンツがありますので、サイトでの学習も可能です。
その他の方法としては、プログラミングスクールに通うなどの方法があります。
APIを使いこなして上手に活用しよう
APIを確実に活用するためには、ある程度の基礎知識が必要です。
しかし、手順さえしっかり学習しておけば、これほど簡単で使いやすいインターフェイスはありません。実際に使ってみることで、すぐに特徴や使い方が飲み込めるでしょう。
APIを活用すれば多種多様なサービスが作り出せますし、さらにアイディアや創意工夫を盛り込むことで、便利な新しいサービスを作り出すことも可能になります。
初めての人でも、数ヶ月あれば効果的なアプリケーションが作れるようになりますので、ぜひチャレンジしてみましょう。