IT技術者とは?IT技術者の主な種類8つやおすすめの資格についても紹介
IT技術者とは
IT技術者とは、情報技術の分野で快適な環境を構築する、専門知識やスキルを持つエンジニアを指します。
ただし、エンジニアに限らず、ITの業界で仕事をしている技術者の総称として使われることもあり、明確な定義が定められている訳ではありません。そして、IT技術者の職種は幅広く存在します。
ここからは、IT技術者の種類やおすすめの資格などについて紹介していきます。
IT技術者が不足している理由2つ
IT技術者は、慢性的に人材不足といわれています。
IT産業は昨今、あらゆる業界のIT化に伴い成長が著しく、人材の確保が追いついていません。さらに、新しい技術が次々と発表されることにより、IT技術者として働く人たちのスキル習得が追い付かず、企業が求める人材が不足しています。
この他の2つの理由も見ていきましょう。
仕事量などのネガティブなイメージ
1つ目に、IT技術者の仕事は忙しそうというネガティブなイメージがあることです。
残業が多い、トラブル対応で帰れなくなる、頭を使いながら長時間のパソコン使用がつらいなど、マイナスなイメージがIT業界に人が増えにくい原因でしょう。
もちろんトラブルの発生時は早急な対応が必要な場合もあります。繁忙期は残業もあるかもしれません。ですが、近年では新しい考え方や働き方を受け入れるように、業界が変わってきています。このようなイメージは一面的でしょう。
プログラミング学習の挫折
2つ目に、使用するプログラミング言語が多すぎることや、そもそも何から学べばいいのか分かりづらい苦手意識から、諦めてしまうことも多いことが挙げられます。
さらにIT技術は日々進化し、次々と新しい技術が生まれています。この場合、すでにプログラミング言語を取得しているIT技術者でも、常に学習し知識や技術をアップデートしていかなくてはなりません。
IT技術者の人材が、スキルを習得することが追い付いていないことも、人材不足の原因の一つになっています。
IT技術者の主な種類8つ
IT技術者には、様々な職種が存在します。業界に携わっていなくても、よく耳にする「プログラマー」や「SE(システムエンジニア)」や、専門的な「インフラエンジニア」など、たくさんの種類があるのです。
そこでここからは、その中の主な8種類について、詳しく紹介していきます。自身に合った職種を見つける参考にしてください。
IT技術者の主な種類1:プログラマー
IT技術者の中でも、有名なのは「プログラマー」ではないでしょうか。
プログラマーの仕事は、プログラミングでシステムやサービスの組み立てを行うことです。
設計書を見ながら、プログラムを正確に組む基礎的な技術力、プログラミングに付きもののトラブルに対応する問題解決力が重要となります。
プログラマーを経験してから、システムエンジニアへステップアップするのが主流となっていますが、企業によっては兼務することもあるでしょう。
IT技術者の主な種類2:システムエンジニア
一般的にエンジニアというと、「システムエンジニア」が想像されやすいのではないでしょうか。
基本的な仕事内容は、要件定義から設計と構築、そこから導入のサポートがあり、システムに幅広く関わる職種になります。ただし、仕事内容が幅広いため、企業によって細分化されることも多いでしょう。
クライアントと接することが多いため、エンジニアとしての知識や技術だけでなく、コミュニケーション力やシステムの提案力などが必要になります。
IT技術者の主な種類3:フロントエンドエンジニア
「フロントエンドエンジニア」とは、Web上でユーザーが目にする部分、つまりフロントエンドを担当する職種です。
Webの全体のサイトデザインや、ボタンの配置など、ユーザーから見える部分のすべてをフロントエンドエンジニアが構築していきます。
プログラミングの技術力の他に、デザインの知識やセンスなども求められる仕事です。
IT技術者の主な種類4:サーバーサイドエンジニア
「サーバーサイドエンジニア」とは、主にバックエンドのデータ処理環境を構築することや、環境の調整、構築を行います。
仕事内容がフロントエンドエンジニアとは逆の、バックエンドを担当することからバックエンドエンジニアと混同されることもあります。
あえて違いを挙げると、バックエンドエンジニアはWeb領域のバックエンドを担当することに対して、サーバーサイドエンジニアはバックエンドの全域を担当することです。
IT技術者の主な種類5:セキュリティエンジニア
「セキュリティエンジニア」とは、その名の通りセキュリティに特化したエンジニアです。
情報セキュリティに配慮したシステムの設計や構築、システム運用、サーバー攻撃を防ぐための調整などを行います。
セキュリティエンジニアも、クライアントと意見交換する機会が多いので、コミュニケーション力が重要な職種です。
IT技術者の主な種類6:インフラエンジニア
IT関連業務のインフラストラクチャーを設計・構築、運用保守を担当するのが、「インフラエンジニア」です。
ネットワークエンジニアやサーバーサイドエンジニアを合わせて、インフラエンジニアと呼ばれることもあります。
ITインフラの全般を担当するため、ネットワークやサーバーに幅広く精通したスキルが必要になります。
IT技術者の主な種類7:セールスエンジニア
「セールスエンジニア」は、IT技術者の知識やスキルを持ちながら、製品やサービスの営業を担当する職種です。
自身の知識やスキルを活かし、顧客の目線でどのように役立つのか分かりやすく伝えます。一般的な営業と違い、製品やサービスのことを技術者として深く理解し、説明できることが特徴となります。
IT技術者の主な種類8:チーフエンジニア
「チーフエンジニア」とは、開発現場でエンジニアをまとめる責任者です。
開発に携わりながら、現場のエンジニアの能力を考慮して業務の割り振りをしたり、自身で高度な技術が必要であるプログラミングを行うこともあります。日々進化していく新しい技術の情報収集も、チーフエンジニアの仕事になります。
一般的なシステムエンジニアよりも、より高いスキルが求められる職種です。
IT技術者のメリット3つ
IT技術者の人材が不足していることや、様々な職種があることを紹介してきましたが、このような状況の中でIT技術者を目指すことにメリットはあるのでしょうか。
ここからは、IT技術者を目指すことのメリットを3つ紹介していきます。
IT技術者のメリット1:平均年収が比較的高い
IT技術者の年収は、日本の他の職種に比べて高い傾向があります。これは大きなメリットです。
未経験からでもスタートしやすく、スキルや知識を習得していれば、他業種からでも年収アップ出来る可能性が上がるのではないでしょうか。
さらに、IT技術者の求人は非常に多く、企業が求めるスキルを習得していれば、需要が高いため、自身が求める働き方ができる企業を見つけることが可能になるでしょう。
IT技術者のメリット2:働き方が選べる
IT業界は新しい考え方を柔軟に取り入れる傾向があり、近年では自由な働き方を推奨する会社も多くなっています。
リモートワークやフレックスタイム、時短勤務など、上手く取り入れることで生産性も上がる効果も期待できます。
IT技術者は、パソコンやWi-Fiなどの環境さえ整えば、オフィスがなくても仕事ができます。会社に勤めながら、自由な働き方をしたいという方には大きなメリットではないでしょうか。
IT技術者のメリット3:最新技術に携わることができる
最先端の技術に携わりながら仕事ができるということも、IT技術者のメリットではないでしょうか。
また、最先端の技術を駆使し、イメージしたものを作る醍醐味があります。生み出したものが、世に出て社会へ広がり便利になると、世の中を動かしたような実感・達成感が味わえるでしょう。
IT技術者におすすめの資格4選
IT技術者は、専門的な知識やスキルを武器として仕事をしています。その技術を証明するのが、資格です。
持っていると自身の仕事への意欲をアピールすることもできますし、IT技術者の就職や転職に有利になる資格もあります。
そこで、IT技術者におすすめの資格を4つ紹介していきます。上手に活用できるように、確認していきましょう。
IT技術者におすすめの資格1:基本情報技術者試験
基本情報技術者試験とは、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が主催する国家資格の試験です。内容は、ITエンジニアとしての技術から、管理や経営まで幅広い知識の習得を目的としています。
国家資格ということもあり、企業からの信頼性も高いといえます。
試験は、春と秋の年2回実施されており、令和元年度の合格率は25.7%で難易度は高めですが、IT技術者として基本的な知識を習得したい方におすすめの資格となります。
応用情報技術者試験
基本情報技術者試験の上位資格となるのが、応用情報技術者試験です。
より高度なスキルや情報管理、さらに経営までの技術の証明になります。
基本情報技術者試験より難易度が上がり、令和元年度の合格率は22.3%となりますが、システム開発やIT基盤の構築など、IT技術者の仕事の様々な場面で役に立つ知識を得ることができます。
IT技術者におすすめの資格2:ネットワークスペシャリスト試験
ネットワークスペシャリスト試験は、基本情報技術者試験と同じく情報処理推進機構(IPA)が主催する国家資格です。
前述した試験の、さらに上位の試験となり、ネットワーク固有の技術とサービス動向まで幅広く精通し、目的に沿った大規模なネットワークシステムを構築し、運用できる知識が身につきます。
令和元年度の合格率は14.4%とかなり低くなりますが、ネットワークシステムの高度な技術を証明する信用度の高い資格となります。
IT技術者におすすめの資格3:システムアーキテクト試験
システムアーキテクト試験は、システム開発の上流工程を担当するエンジニアを対象にした国家資格です。
上流工程とは、主に業務の分析・要件定義や外部設計を指します。その部分を担当する上流エンジニアを目指している方におすすめの資格となります。
令和元年度の合格率は15.3%となっており、難易度が高い分、取得すれば高度な技術を証明することができるでしょう。
IT技術者におすすめの資格4:オラクルマスター
オラクルマスターとは、日本オラクル社の「Oracle Database」シリーズを扱う技術力を証明する資格試験です。
試験では主に、データベースの管理・運用、SQLの習熟度を問われる問題が多く出題されます。
オラクルマスターの資格にはグレードが設定されており、silver以上のグレードで世界基準として認定される資格になります。
外資系企業なら英語関係もおすすめ
企業の中には、外資系企業も多く存在します。
外資系企業では英語や外国語が必須になることも多いでしょう。求められるレベルは、企業によって異なりますが、TOEICなどの点数というよりは英語でのコミュニケーション力が必要になります。
基本のプログラミング技術の他に、英語などの外国語を習得すると、就職活動により活用できるのではないでしょうか。
未経験からIT技術者を目指す2つの方法
IT技術者は、専門的で未経験からなるのは、難しいと思われがちといえるでしょう。ですが、未経験からでも十分ステップを踏めば、目指せる職業です。
そこでここからは、未経験からIT技術者になるための2つの方法をご紹介します。
プログラミングの学習や転職活動の参考にしてください。
社内研修
まずは社内研修です。社内研修を行っている企業はたくさんあり、入社した新卒に対してマナーや常識の研修をしたり、仕事の基本を学ぶことが可能になります。
未経験の転職者に向けては、プログラムの基礎や、システム開発のプロジェクトの模擬体験を行う企業もあるので、IT技術者を目指す場合は、意欲をアピールする意味も含めて、参加すると良いでしょう。
プログラミングスクール
自身の独学だけでは、プログラミング学習は何から始めればいいのか分からないという方は多いのではないでしょうか。
プログラミングスクールは、プログラミングからポートフォリオ作成、就職活動までサポートしてくれる場所もあります。
未経験からでも転職率の高いスクールを選べば、習得したスキルを活かし、IT技術者として転職を成功させることができるでしょう。
IT技術者について理解しよう
今回は、IT技術者の様々な職種やおすすめの資格などをお伝えしてきました。
IT技術者の基礎となるのが、まずはプログラミングスキルです。そこから、目指すものによって学習していく言語や外国語、コミュニケーション力などのスキルや、プログラミングの実績を積むことが重要となります。
IT技術者の世界を細かく理解することで、自身の身につけるべきスキルも明確になり、IT技術者として長く活躍出来るでしょう。