SES企業の上場企業5選|SES企業の一般的平均年収と選ぶポイント
SES企業
SES(システムエンジニアリングサービス)企業とは、所属エンジニアを客先に常駐させ、システムの開発や運用に当たらせる会社です。
派遣や請負と似ていますが、SES事業は、SES企業がエンジニアへの指揮命令権を持ったままエンジニアを「労働力」として常駐させる「準委任契約」となるのが、両者の違いです。
SESは入社する企業によって明暗が大きく分かれるので、企業情報をしっかり集め、見極める必要があります。
大手SES企業
SES企業は、IT未経験者でも入社しやすいので、手っ取り早く「未経験」の肩書きを外すため、就職先の選択肢の一つに上げられます。
近年の大手SES業界では、自社エンジニアだけでなく、フリーランスエンジニアと契約し、クライアントに派遣する企業が増えています。優良なSES企業なら、福利厚生や人材育成も充実しています。
常駐先でスキルに合わない業務に当たる場合も多数あるので、案件の内容は確認しましょう。
中小SES企業
中小のSES企業への就職や契約を考える場合、自社開発も行っている、実際に技術面の教育に力を入れているなど、独自性のある会社なら、働き続けられる可能性はあるでしょう。
中小SES企業で請け負う業務は、三次受け以下の雑務になりやすいです。もちろん良い企業もありますが、環境の良いクライアントや、望む業務に就くのが大手より難しい面もあります。当たり外れの差が大きくなるのは否定できません。
SES企業の上場企業5選
大手SES企業で、次に紹介する5社は、主にフリーランスエンジニアを派遣している企業です。
それぞれ常駐、リモートワークなど、さまざまな働き方に合わせた案件を、プラットフォーム上でマッチングできるのが利点です。登録は簡単で、アドバイザーのサポートを受けられる企業もあります。
SES企業の上場企業1:株式会社BrandingEngineer
株式会社Branding Engineerは、Midworksという正社員並みの保障が付いているフリーランス向けのサービスを展開しています。専任のコンサルタントが、紹介時から参画後まで手厚くサポートしてくれるので安心です。
中小IT企業から有名大手企業までの豊富な案件から自分に合ったお仕事を選べて、さらにクライアントの発注単価も公開しているのでクリアな契約を実現しています。
SES企業の上場企業2:株式会社クラウドワークス
株式会社クラウドワークスは、エンジニア向けサービス「クラウドテック」を通じて、フリーランスエンジニアのSESを行っています。
クラウドワークスに掲載される主な業務はクラウドソーシングですが、クラウドテックではリモートワーク、週3~4日勤務など、希望する就業スタイルの案件を選べます。
不明点はキャリアアドバイザーに相談できるうえ、作業報告はWebで行うなど、会社とのやりとりが簡潔なのもメリットです。
SES企業の上場企業3:株式会社オルトプラス
株式会社オルトプラスは、自社クリエイター、フリーランスクリエイターの両方を紹介するSES企業です。
オルトプラスは自社でソーシャルゲームの開発・運営を行う他に、「ゲーム開発運用支援事業」として、同業会社に向けての人材マッチングサービスを行っています。国内だけでなく、ベトナムでもエンジニアや通訳者を提供しています。
SES企業の上場企業4:ランサーズ株式会社
ランサーズ株式会社は、連携サービス「Lancers Agent」を通してSES業務を行っています。
ランサーズは、クラウドワークスと並んで有名なクラウドソーシング会社です。
プラットフォームを介してマッチングするスタイルとは別に、フルタイム常駐を希望するフリーランスエンジニアやプロジェクトマネージャーを対象に、Web業務を中心とする案件を、専門エージェントが紹介しています。
SES企業の上場企業5:ギークス株式会社
ギークス株式会社は、「IT人材事業」として、フリーランスのITエンジニアを派遣するSES企業です。
SES企業の中では日本最大級をうたい、SES事業の他にも動画紹介やゲーム事業、IT人材育成など、幅広く事業を展開しています。
SES企業の一般的平均年収
SES企業に勤めるエンジニアの平均的年収は、クライアントやスキルによりますが、高くても450~500万円程度で頭打ちとなるようです。
SESエンジニアは労働時間に対して報酬が支払われるので給与が上がりにくく、自社開社の企業に勤めるエンジニアより年収が低い傾向にあります。
SES企業は下請けが大半なので、作業工程が下に行くほど中抜きされ、報酬も低くなります。
SES企業の一般的平均年収:1年目
SES企業に勤めるエンジニアの1年目の年収は、約300万円です。
常駐先や業務内容によってはさらに下がり、かなり安い給与で働かざるを得ないこともあります。下流工程の仕事ばかりをこなしていても、いずれエンジニアとして詰みます。スキルアップに励み、できる仕事を増やしていく他ありません。
SES企業の一般的平均年収:3年目
SES企業に勤めるエンジニアの3年目の年収は、約350万円です。
SESは請け負った仕事のみ携わるため、業務内容に大きな変化が無いことも多いです。労働時間に対する対価である以上、長く勤めてもエンジニア個人の評価は給与に反映されません。
常駐先は数ヶ月から数年で変わるので、さまざまな企業の仕組みを学び取り、交友関係を広げていく人もいます。見切りをつけ、別企業やフリーランスに転職する人も増えてきます。
SES企業の一般的平均年収:5年目
SES企業に勤めるエンジニアの5年目の年収は、約400万円です。
優良なSES企業なら、離職せず働く人もいるかもしれませんが、経験もスキルも乏しいエンジニアは、年齢が上がるほどリストラされる確率が高くなります。30代以降の就業はかなり厳しいのが実情です。
スキルに自信がなくとも、プロジェクトマネージャーなど管理職でマネジメント能力を発揮できる人なら、技術職より高い年収を得られる可能性が上がります。
SES企業を選ぶポイント
優良なSES企業で快適に働くためには、希望する企業の経営状況やサポート体制を把握しておくことがとても重要です。
SES事業は業務形態から派遣や請負と混同されやすく、中には準委任契約を正確に理解していないクライアントもいます。
多重下請けや偽装請負といったブラックな環境で働かなくても済むよう、契約内容を遵守し、エンジニアの労務管理も責任を持って行う、まっとうな企業を探しましょう。
SES企業を選ぶポイント1:IR情報を知っておく
入社を希望するSES企業が上場企業なら、IR(インベスター・リレーションズ)情報に目を通しておきましょう。IR情報はWeb上に公開されています。
投資家だけでなく就活でも活用されるIR情報は、企業の客観的な経営状況や企業戦略を見ることができます。決算報告で、人材事業(SES)に関する実績の利益率も見られます。
IR資料や有価証券報告書には、売上高や営業利益の経緯や理由が記入されています。
SES企業を選ぶポイント2:福利厚生が充実している
大手SES企業の中には、自社エンジニアやフリーランスエンジニアに向けた、福利厚生プログラムが用意された企業もあります。フリーランスエンジニアは社会保障が薄いため、SES企業のサポートの充実度は大切なポイントです。
業務に関するサービスの優待の他、健康診断の割引といったヘルスケア関連、各施設やサービスの優待、保険の優待など、各方面にわたるサポートがあります。
SES企業を選ぶポイント3:人材育成に力を入れている
SES企業を選ぶ時は、エンジニアのスキルアップ支援が組み込まれている会社を選びましょう。
SESのエンジニアは常駐先ごとに必要なスキルが変わるため、専門技術を持つことが難しくなります。技術を自ら習得していく姿勢が無いとスキルアップは難しく、スキルが無いといずれ仕事を失いかねません。
勉強会やセミナーがどの程度行われているか、プログラミングスクールの割引などがあるか、チェックしてみましょう。
SES企業を選ぶ上での注意点
SES企業を選ぶ際には、ネット上の情報だけでなく、より現状に近い情報も重要な判断材料です。ネットではSES企業に対しネガティブな情報が多く、特に新卒エンジニアは「行ってはいけない」という意見が大多数です。
しかし未経験者でも入社しやすいSES企業は、さまざまな企業で仕事をし、多くの案件にふれるメリットもあります。良い企業を見極めるため、リアルの情報にも目を向けましょう。
SES企業を選ぶ注意点1:OB・OG訪問
SES企業に勤めたOBやOGがいるなら、ぜひ訪ねて直接話を聞いてみましょう。SESで実際に常駐していた人の話は、SESでの働き方や企業を知る上で貴重な情報です。
SESから自社開発の企業やフリーランスに転職するエンジニアは多いですが、本当に良いSES企業で、いきいきと働くエンジニアもいます。より多くの体験談を聞いて、アドバイスを受けましょう。
SES企業を選ぶ注意点2:企業説明会やフォーラムの活用
企業説明会やフォーラムに参加し、SES企業の社員や関係者に会ってみるのも一つの方法です。Webサイトに掲載されている情報以外で気になる点を確認し、疑問や不安を解消しましょう。
社員の態度や話す内容も、会社の実態を知る目安になります。宣伝文句に惑わされないよう、一方的に話を聞くだけでなく、相手をしっかり観察しましょう。
人気のSES企業を知っておこう
優良なSES企業なら、社内だけでなく常駐先も質の良いクライアントが多く、良い環境で働けます。
SES企業にエンジニアとして長く勤めるのはおすすめしかねますが、IT未経験者にとって敷居が低い点や、多くの企業に常駐することで新しい経験を積み、交友が広がる一面もあるので、全くのマイナスではありません。
さまざまな情報を集め、自分が描くキャリアに合う企業に出会えるよう、常にアンテナを張っておきましょう。