Azureへの移行プロセス
【はじめに】
当記事はAzureへの移行を考えている方に向けたものです。
クラウドサービスの多様化における時代で、Azureに注目し大まかな流れや認識すべきことを記しています。
【Azureの概要】
AzureはMicrsoft社が提供しているクラウドサービスです。
クラウドサービスが提供するものは3種類あり、AzureはIaaSとPaaSに該当します。
IaaS | ハードディスクなどのストレージ、CPUのメモリを提供するサービス |
PaaS | IaaS+OS、データベースなどのミドルウェアを提供するサービス |
SaaS | PaaS+アプリケーション、ソフトウェアなどのインターネット経由で提供するサービス |
※SaaSはOffice365の分類になるため区分を別にしてあります。
AzureはIaaS、PaaS市場ではシェア率2位を獲得しています。
2018年のシェア率は14.2%と出ていますが、2019年には16.9%にまで増加しています。
これは、クラウドサービスの中でもトップの成長率であり、1番のトレンドとも言えるでしょう。
【移行する前の注意点】
クラウドサービスはAzureだけではありません。
競合として挙げられるのがAWS(Amazon Web service)やGCP(Google Cloud Platform)などがあります。
Azureの特長として、マイクロソフト社のアプリケーションなどの連携が容易であることや、WindowsOSを主体としている企業などへ導入がしやすい点が挙げられます。
自分が求めているニーズとクラウドサービスの特長を照らし合わせ、適切に選んでください。
【クラウド運用モデル】
クラウドサービスをデプロイ(設置)するには様々なモデルがあります。
Azureはパブリッククラウド、プライベートクラウド、ハイブリッドクラウドの3つのモデルを明示しています。
・パブリッククラウド
パブリッククラウドは、クラウドサービスにおいて最もオーソドックスなモデルです。
サービスを提供する企業のクラウドサーバーを使わせてもらう方式になります。Azureの場合だとマイクロソフト社が作り出したクラウドサーバーを借りるイメージです。パブリックとあるように、他企業も使うサーバーになりますが、企業ごとで管理されるため安全性を保てます。
サーバーを借りるので、メンテナンスが不要、低コスト化、比較的早い導入が可能になります。
・プライベートクラウド
プライベートクラウドは、自社内や団体組織の中で限定的に運用するモデルです。
プライベートクラウドは、会社のファイアウォールと内部のホスティングの両方を兼ねているため、より安全なセキュリティが可能になります。自社内で運用するということで機器などの導入が必要になってきます。
しかし自社で運用、管理することでカスタマイズで、それぞれに合わせたビジネスニーズに応えることができます。
・ハイブリッドクラウド
ハイブリッドクラウドは、パブリッククラウドとプライベートクラウドの良いとこ取りと呼ばれるモデルになります。
オンプレミスとクラウドを組み合わせることで、ハイブリッド形式になりました。データやアプリケーションをパブリッククラウドかプライベートクラウドに自由に割り振ることが可能になります。大容量なデータになり易いメール管理をする場合はパブリッククラウド、機密性の高いデータや財務などのデータはセキュリティレベルの高いプライベートクラウドに振り分けることが出来ます。
パブリッククラウドは拡張することが可能なので、最低限なコストを維持しつつカスタマイズをすることで柔軟性も兼ね備えたモデルとなっています。
【Azure移行プロセス】
クラウド移行への最適な時期は、事業拡大やアップグレードする機会が最適とされています。
実際に移行する際は入念に計画することになります。
そのためクラウドに移行するためには、移行スケジュールが必要になります。
アプリケーションなどから徐々に移行することでリスクの軽減を図れます。
具体的な流れは以下のようになります。
1:【現状の環境と作りたい環境を比較検討(移行対象の選定)】
移行させたい物、移行完了までの時間を取り決めます。
2:【データやアプリケーションの移行方法】
オンプレミス環境にあるデータをどのように移行するか、またデータの大きさの確認。
3:【実装】
システムの構築とデータの移行を行っていきます。
4:【テストと評価】
各部に異常が無いかをテストし、それを評価します。
5:【運用】
実際に運用していき、通常の業務に差支えが出ないかを確かめます。
6:【細かい部分のカスタマイズ】
後々、必要になってくるシステム等の追加をしていきます。
移行作業に関しては以上になります。
余談になりますが、移行する際にはAzure Migrateと呼ばれるツールがあり、物理サーバーや仮想マシンをAzureへスムーズに移行させることができます。一つの手段として、検討していくも良いかもしれません。