Azureの料金と試算について
今回はクラウドサービスの一つAzureの料金について簡単に解説していきましょう。
Azureの簡単な説明
AzureはMicrosoft社がリリースする「Microsoft Azure」というクラウドサービスのことです。主にアプリケーションを実行するためのコンピューティング環境とストレージを提供します。仮想マシン、ストレージ、SQLデータベース、Appサーバー、データベース等、開発に必要な設備と環境がAzureのみで完結することができます。
インフラを管理するデータセンターも全世界的に展開されており、バックアップ等の保全が可能なよう地域で2つ以上のデータセンターが存在しています。
Azureで利用できるサービス
利用できるサービスの詳細は仮想マシン、ストレージアカウント、Azure SQL Database、App Service、Azure Cosmos DB、Azure Kubernetes Service(AKS)、Azure Functions、Azure Cognitive Services、コスト管理と請求があります。
ここではそれらの詳細について解説していきましょう。
1.仮想マシン
Linux、Windows Server、SQL Server、Oracle、IBM、SAPなどをサポートしたAzure Virtual Machinesによって、広範なコンピューティングソリューションを仮想化してくれます。また、すべてのVirtual Machinesは、負荷分散と自動スケールが無料で搭載されています。
2.ストレージアカウント
ブロックBLOB、Azure Data Lake Storage、Managed Disks、ファイルをユーザーに提供してくれます。スケール、パフォーマンス、予算に合ったストレージを提供してくれるので利用頻度に応じて構成を決めることができます。
3.Azure SQL Database
クラウド向けに構築されたインテリジェントでスケーラブルなリレーショナル データベース サービスです。パフォーマンスと耐久性を最適化するAIを使用した自動機能によって、常に最新の状態に保ってくれます。
4.App Service
WebアプリやAPIを迅速に構築、デプロイ、スケーリングすることができます。コンテナ内や、WindowsまたはLinux上で実行されている.NET、.NET Core、Node.js、Java、Python、phpを使用することができ、1日あたり400億件を超える要求を処理することのできる信頼性に優れたフルマネージドプラットフォームを使うことで、エンタープライズクラスの厳しいパフォーマンス、セキュリティ、およびコンプライアンス要件に対応可能です。
5.Azure Cosmos DB
最新のアプリ開発に対応したフル マネージドのNoSQLデータベースサービスで、1桁ミリ秒の応答時間と99.999%の可用性のSLAが適用されていることによって、自動かつ即時のスケーラビリティとMongoDB Cassandra用のオープンソースAPIが備わっています。
6.Azure Kubernetes Service(AKS)
コンテナ化されたアプリケーションをより簡単にデプロイと管理ができます。Azure Kubernetes Service(AKS)は、サーバーレスのKubernetes、統合された継続的インテグレーションと継続的デリバリー(CI/CD)エクスペリエンス、エンタープライズレベルのセキュリティとガバナンスを提供してくれます。
7.Azure Functions
Azure Functionsは、イベントドリブン型のサーバーレスコンピューティングプラットフォームです。追加のセットアップを必要としないローカルでのビルドとデバッグ、クラウドでの大規模なデプロイと運用、トリガーとバインドを使用したサービスの統合が可能です。
8.Azure Cognitive Services
開発者が直接的なAIまたはデータ サイエンスのスキルや知識がない状態でも、インテリジェントなアプリケーションを構築するために使用できるAPI、SDK、サービスで、Azure Cognitive Servicesは開発者が簡単にアプリケーションにCognitive機能を追加することができます。サービス カタログは視覚、音声、言語、Web検索、意思決定の5つに分類されます。
9.コスト管理と請求
こちらは追加料金なしでAzureのコストを管理できるように予め用意された機能です。レポート体制、データ エンリッチメント、予算、アラートを設定することでユーザーのAzureの利用をサポートしてくれます。
Azureの料金について
従量課金制で利用できます。運用すればするほど、コストが掛かるので、クラウドのサーバーを停止し忘れるとその分だけ利用料を請求されます。その点においてだけ管理が必要です。
この方式であることを考慮してか、Azureの公式サイトにはAzure利用料金を算出してくれる料金計算ツールがあります。これを用いれば、おおよそのコストを算出することができるので使ってみましょう。
今回はその計算ツールを使用して試算を以下に出してみましたので確認してみてください。
仮想マシン
月額2001.44円(オペレーティングシステムをWindows、TYPEをOSのみ、レベルをスタンダード、インスタンスをA0:1コア,0.75GB RAM,20GB 一時ストレージ,時間当たり2.688円。マネージドディスクをスタンダードSSD4GiB 月額16.8円で設定)。
ストレージアカウント
月額2356,48円(TYPEをブロック Blob Storage、パフォーマンスレベルをスタンダード、ストレージアカウントの種類を汎用 v2、冗長性をLRS、アクセス層をホットで設定)。
Azure SQL Database
44967.29円(TYPEをシングルデータベース、バックアップストレージ層をRA-GRS、購入モデルをvCore、サービスモデルを汎用、コンピューティングレベルをプロビジョニング済み、世代をGen 5、インスタンスを2仮想コアで設定)
App Service
月額7235.76円(オペレーティングシステムをWindows、レベルをベーシック、インスタンスをB1:1コア,1.75GB RAM,10GBストレージ,9.912円で設定)
Azure Cosmos DB
2616.32円
Azure Kubernetes Service
10563.84円(ノードのインスタンスをD2 v3:2vCPU,8GB RAM,50GB 一時ストレージ,時間当たり14.448円で設定)。
以上の利用料をまとめた場合、月額で69741.13円掛かる計算になります。