Azure Backup(バックアップ)の特徴、仕組みについて

はじめに

クラウドを利用する上でリスク管理のためにバックアップを取る事は非常に重要です。Azureではバックアップを補助するためにAzure Backupという機能を提供しています。こちらを活用する事でより安全にAzureを活用する事が出来ます。

本記事ではAzure Backupの仕組みや特徴について紹介します。

Azure Backupとは

Azure BackupはMicrosoftが提供するAzureのサービスの一つで自動でバックアップを取ってくれるサービスです。Azureのクラウド上の仮想マシンや仮想マシン上で動作するSQL Serverデータベース、Azure Files、オンプレミスの仮想マシンのバックアップが可能です。

Azure Backupは他のクラウドバックアップサービスと比べ、データ復元を1クリックで実現できる簡素化されたシステムが特徴的です。また、Azureはデータセンターの設置地域が多く、大規模な災害などでデータセンターが稼働停止する事を想定し、多重にバックアップを取る事も可能なため、セキュリティ面でも他サービスと比べ利点があります。

Azure Backupの仕組み

一般的なバックアップの方法には以下の3つが存在します。

完全バックアップ
・バックアップ対象を完全にコピーする
・バックアップの度に全てのデータをコピーする
・データを保管するためには大量のネットワーク帯領域と記憶領域が必要
・リストアは最後のバックアップさえあれば可能

差分バックアップ
・初回は完全バックアップを使用し、2回目移行は初回のバックアップと比較し変更された箇所のみをコピーする
・初回からの変更箇所のみのコピーのため実行時間が短い
・リストアは完全バックアップデータと最後の差分バックアップデータが必要

増分バックアップ
・初回は完全バックアップを使用し、2回目移行は前回のバックアップと比較し変更された箇所のみをコピーする
・前回からの変更箇所のみのコピーのため実行時間が差分バックアップよりさらに短い
・リストアは完全バックアップデータと全ての増分バックアップデータが必要

これらの中でAzure Backupでは増分バックアップを採用しています。そのため、実行時間が短くスムーズな保存が可能です。

保持期間

Azure Backupでは保持期間を設定する必要があります。設定した保持期間を過ぎるとバックアップデータは自動的に消去されていき、それ以前の状態に戻すことは出来ません。そのため、復元できるポイントを長期間残すためには長い保持期間を設定する必要がありますが、保持期間を長くするほど、記憶領域と料金がかかります。

保持期間はBackup Policyにて以下のように設定できます。

種類指定可能な項目
日単位期間:1-9999日
週単位曜日:月曜日-日曜日
期間:1-9999週
月単位●週ベース
曜日:第1-最終
日:月曜日-日曜日
期間:1-9999月
●日ベース
曜日:1-28+前回
期間1-9999月
年単位●週ベース
月:1月-12月
曜日:第1-最終
日:月曜日-日曜日
期間:1-9999年
●日ベース
月:1月-12月
曜日:1-28+前回
期間:1-9999年

MARSエージェント

MARSエージェントとはMicrosoft Azure Recovery Servicesの略称でオンプレミス上のコンピューターやAzure VMからAzureの Backup Recovery ServicesコンテナーにデータをバックアップすることができるAzure Backupの機能の一つです。通常、Azure Backupを使用して仮想マシンをバックアップした場合、仮想マシン全体がバックアップされますが、MARS エージェントを使用すると特定のファイルやフォルダー等、条件付きのバックアップが可能です。こちらは必須ではありませんが、利用状況に応じて活用すると便利です。

利用料金

Azure Backupの利用料金は 仮想マシンのデータ量+保存するデータ量 で決まります。バックアップが完了した時点で料金が発生し、バックアップ失敗時には料金はかかりません。注意点として、バックアップを行った仮想マシンのデータがコンテナーサービスに残っている場合、バックアップを止めていても料金が発生します。その為、バックアップの必要がなくなった場合には必ず、不要なデータを削除する必要があります。

まとめ

今回はAzure Backupの仕組みについて解説しました。クラウドを使う上でリスク対策は非常に重要です。Azure Backupでは信頼性の高いMicrosoftのデータセンターで大切なデータを自動で保管でき、高い障害耐性を実現できます。保持期間やバックアップ対象、料金など利用状況に合わせて機能をカスタム出来ますので、自分に合わせた設定をする事でより便利に利用する事ができるでしょう。ぜひAzure Backupを活用してみて下さい。

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