Azureを用いた共有ストレージについて

Microsoftが提供するクラウドサービスAzureには様々な機能がありますが、その中に共有ストレージサービスのAzure Storageがあります。このサービスを利用する事によりクラウド上に共有ストレージを作成し、簡単にファイル共有を行うことが可能です。本記事ではこのAzure Storageについて解説します。

Azure Storageとは

前述の通りAzure StorageとはAzureのサービスの一つでクラウド上に共有ストレージを作成する事ができます。クラウド上に存在するので、オンプレミスの共有ストレージとは異なり、社外からでもネットを通じてアクセスする事が可能です。Azure Storageの特徴は「拡張性」「柔軟性」「安全性」が挙げられます。多数用意されたオプションの中から利用状況に応じたサービスのカスタマイズが可能な為、他サービスと比べ拡張性が高く、柔軟な利用が可能です。また、Microsoftのデータセンターの強固なセキュリティで守られているため、安全性も高いのが特徴です。

Azure Storageのストレージタイプ

Azure Storageは「データ性質」「データサイズ」「利用方法」などに応じて、ストレージタイプを選択して利用します。

ストレージタイプは以下の5つです。

・Blob Storage
・Table Storage
・Queue Storage
・Disk Storage
・File Storage

これらの主な特徴をご紹介します。

Blob Storage

Blob Storageは非構造化データ用オブジェクトストレージです。ドキュメント、写真、ビデオ、ブログなどの他Webアプリケーションのテキスト、イメージ、バックアップデータ、ログなどが格納可能なストレージです。

Table Storage

Table StorageはNoSQLデータベースで、アプリケーションのユーザーデータやアドレス帳、デバイス情報、サービスに必要なメタデータといった構造化データを格納するためのストレージです。スキーマの設計無しで使え、データの修正を自由に行う事が可能です。

Queue Storage

Queue Storageはワークフロー処理、およびサービスのコンポーネント間通信のためのメッセージング機能を提供するストレージです。主にWebサーバーからバックエンドで動作するアプリケーションへ処理を渡す際に利用します。

Disk Storage

Disk Storageは仮想マシンに対応し、セキュリティ保護された永続ディスクです。基幹業務ワークロード向けに最高の可用性が必要な場合などに使用します。

File Storage

Windows標準のファイルサービス・プロトコルであるSMBプロトコルを使用し、クラウドでのファイル共有を行うストレージです。Windowsとのファイル共有がそのまま行える為、Azure上に共有ファイルを格納するファイルサーバーを構築するには、こちらが便利です。

冗長性

クラウドの安全性を高めるために冗長化を図り可用性を高めることが重要です。Azure Storageでは冗長性をオプションで選択する事が出来ます。Azureは世界中に多数のリージョンと可用性ゾーンを持ちます。それらのリージョンとゾーン間で冗長化を図る事が可能です。

リージョンとゾーン

「リージョン」とはクラウドサービスにおいて、データセンターを設置している独立した地域の事を指します。更に、リージョン内に設置されている独立したインフラの運用区画を「可用性ゾーン」または「ゾーン」と言います。リージョンやゾーンを分散してシステムを構築する事により、可用性を高めます。

リージョンペア

Azure Storageのリージョンは対になるもう一つのリージョンが設定されています。可用性ゾーンは物理的に独立はしていますが、比較的隣接する物理的地域に設置されている場合が多いです。一方、ペアになっているリージョンは少なくとも300マイル以上離れた場所に設置されており、災害などにより片方のリージョンに甚大な被害を受け停止したとしても、ペアのリージョンがある事により、アプリケーションを保護する事が出来ます。
メインで使用するリージョンを「プライマリリージョン」、サブで使用するペアリージョンを「セカンダリリージョン」と言います

冗長性オプションの種類

ローカル冗長:LRS
・プライマリリージョンの1つのゾーン内にデータのコピーが3つ作成される
・データセンターに障害が起きるとデータを利用出来なくなる

ゾーン冗長:ZRS
・プライマリリージョン内の3つのゾーンにぞれぞれに1つコピーが作成される
・1つのゾーンに障害が発生しても利用可能

geo冗長ストレージ :GRS
・プライマリリージョンの1つのゾーン内にローカルコピーを3つ作成後、セカンダリリージョンに3つをコピー
・離れた場所で管理される為、自然災害などの重大な障害が発生しても利用可能

geo冗長ストレージ :GZRS
・ライマリリージョン内の3つのゾーンにぞれぞれに1つコピーが作成後、全てをセカンダリリージョンにコピー
・最も安全性が高い

読み取りアクセス geo冗長ストレージ:RA-GRS
・geo冗長ストレージ(GRS)のセカンダリリージョンへの直接読み取りが可能

読み取りアクセス geoゾーン冗長ストレージ:RA-GZRS
・geo冗長ストレージ(GZRS)のセカンダリリージョンへの直接読み取りが可能

まとめ

今回はAzureの共有ストレージサービスAzure Storageのご紹介をしました。業界最大手のMicrosoftが提供するサービスですので、「拡張性」「柔軟性」「安全性」は他サービスと比較しても高い水準となっています。非常にお勧めできるサービスですので是非Azure Storageの導入をご検討下さい。内容が複雑になる為本記事では触れておりませんが、Azureは従量制の料金システムとなっております。選択したサービスやオプションにより料金が異なってきますので、Azure公式の料金試算ツール等を活用して調べてみる事をお勧めします。

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