VMをAzureへ移行する方法

はじめに

仮想マシン(VM)を使用しているうえで、今使っているホストからAzureのホストやクラスタに仮想マシンを移行したい場合があると思います。そのような際に使えるのがAzure Migrate です。前提として、Azureに移行する手段としては、Azure Migrate やSite Recovery といったものがあります。ですが今回はAzure Migrate について解説していきたいと思います。

Azure Migrate の利点

今回、Azure Migrate を利用したVMのAzureへの移行方法を選びましたが、これはAzure Migrate には様々な利点があるためです。ここではその利点について紹介していきます。

まず1つ目にAzure Migration ツールやその他のAzure サービス、サードパーティ製のツールを使用することで相互運用性と今後Azure Migrate を使用する上で拡張性が確保される点です。ほぼ永久的にAzure Migrate を使えるので損は全くないといってもいいでしょう。
2つ目にVMのレプリケーションが開始された時から180日間の移行については、ツールの使用量が発生しない点です。料金が発生するものは、レプリケーションで使用されるストレージやネットワークのリソース、テスト移行時に使用されるコンピューティング料金だけとなっています。
3つ目に最初に少しだけ触れたSite Recovery でサポートされている全ての移行シナリオについてサポートが適用されます。また、VMware VMの場合はエージェントレス移行オプションが用意されいている点も心強いです。これらの理由から、Azure Migrate はVMをAzureへ移行する際にとても使いやすいサービスとなっています。

Azureへの移行方法

Azureへ移行する前提条件としてAzureの最初のチュートリアルを行う必要があります。まず、Azure Migrate と連携します。次に、評価のためにVMware を設定します。ここでは、VMware の設定の確認や、Azure Migrate がvCenter Server にアクセスするために使用するアカウントの設定などを行います。最後にVMware 評価用のAzure Migrate アプライアンスをデプロイするために必要な設定の確認を行います。簡潔にまとめると以上のようなことを行うことで、VMをAzureに移行する事が可能となります。

ここからがAzureへの移行の本題となってきます。最初にAzure Migrate Server Migration ツールを追加します。手順は以下の通りです。

1.Azure Migrate プロジェクトページで、概要をクリックします。

2.サーバーの検出、評価、移行タブで、サーバーの評価と移行をクリックします。

3.移行ツールのページで「Click here to add a migration tool when you are ready to migrate」のClick here の部分をクリックします。

4.ツールの一覧にあるAzure Migrate : Server Migration のツールを追加をクリックします。

次にAzure Migrate アプライアンスを設定します。これは評価のチュートリアルを行っている場合は既に設定されています。アンプライアンスを設定して検出出来ていると、Azure へのVMware VM のレプリケーションを介することが出来ます。レプリケーションは、最大300件を同時に行うことが出来、ポータルでは移行の対象として一度に最大10台のVMを選択することが出来ます。より多くのマシンを移行する事も可能です。レプリケーションを有効にするためには以下の手順が必要です。

1.Azure Migrate プロジェクトページの、サーバータブからAzure Migrate: Server Migration を選びレプリケートをクリックします。

2.レプリケート→ソースの設定と選択していき、マシンは仮想化されていますか?が出てきたら「はい(VMware vSphere の場合)」を選択します。

3.オンプレミスのアプライアンスで自分が設定したAzure Migrate アプライアンスの名前、OKの順に選択します。

4.仮想マシンタブ で、レプリケートしたいマシンを選択します。その後、移行する VM を選択します

5.ターゲット設定タブで、サブスクリプションとターゲット リージョンを選択します。

6.仮想ネットワークタブで、移行後に Azure VM が参加する Azure VNet とサブネットを選択します。

7.Azure ハイブリッド特典の欄で、「はい」か「いいえ」をクリックします。

8.コンピューティングタブで、VM の名前とサイズ、OS ディスクの種類、可用性セットを確認します。

9.ディスクタブで、VM ディスクを Azure にレプリケートするかどうかの指定と、Azure でのディスクの種類を選択します。

10.レプリケーションの確認と開始タブで、設定の確認を行った後、 レプリケートをクリックして、サーバーの初期レプリケーションを開始します。

もしこれがプロジェクトでレプリケートする最初のVMの場合は、Server Migration によって、プロジェクトと同じリソースグループに自動的にサービスバスやゲートウェイ ストレージ アカウントといったリソースがプロビジョニングされます。

そしてAzureへの完全な移行を実行する前にVMのテスト移行を実行が出来るので、先にこれを実行することで本番の時に失敗する恐れを軽減してくれます。その後いよいよVMの移行となります。手順としては次の通りです。

1.Azure Migrate プロジェクトの サーバー → Azure Migrate: Server Migrationで、「サーバーをレプリケートしています」をクリックします。

2.マシンのレプリケートでVMを右クリックし、移行を選びます。

3.移行 → 「仮想マシンをシャットダウンし、データ損失のない計画された移行を実行しますか」で、「はい」→「OK]の順に選択します。

4.VMに対して移行ジョブが開始され、完了すると仮想マシンのページでVMを表示して管理することが出来ます。

移行が完了したらVMを右クリックし、レプリケーションの停止を選択することでVMのレプリケーション状態情報がクリーンアップされます。そしてAzure VMのWindows かLinux エージェントを移行されたマシンにインストールし、最終的なアプリケーションと移行の受け入れのテストを実行することで移行作業はほとんど完了となります。あとは、Azure Backupサービスを使うことで復元性を向上したり、Azure Security Center を使うことでセキュリティの強化が出来るので、それらのサービスを利用して安全にVMを利用できる環境を作っていくと良いでしょう。

まとめ

ここまでVMをAzureに移行する方法を紹介してきました。Azure Migrate を利用することでVMのAzureへの移行を楽に行うことが出来ます。移行する際はぜひ活用してみてはいかがだろうか。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です